異世界でTS幼女はおいしみを食べたい   作:あさねこ

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それは偶然ではなく必然

 

 

 

 

 力を手に入れるために都市を撤退した私。

 

 周囲の同じ力を持つような存在や窶れ達、襲ってくる人間達を取り込んでいく。人一人、窶れ一体、モンスターを吸収したと言っても単純にそのまま強くなるという事はない。

 

 だけど取り込めば取り込むほどに私の闇は濃くなり強くなる。

 

 今なら最大で70本の闇の手を生み出せると思う。だけどその程度じゃそれ以上の数と相手をするのは難しい。有象無象みたいな騎士とは違って、モンスター狩りはかなり強くて侮れない。

 

 少し前は騎士は騎士様はとても強くて、モンスター狩り達より強くて立派だと信じていた。お兄さんみたいな優しくて強いモンスター狩りもいたけれど、騎士様はそれよりも強くて、きっと誰かの為に戦ってくれるって信じていた。

 

 だからこそ村に来た騎士様にはとても期待していたのに。

 

 蓋を開ければ、騎士と言うには烏滸がましいほどの体たらく、傲慢で、悪辣で、自分達の為に私達が動くのが当たり前と言わんばかりの態度。最後には自分達の為に私達を皆殺しにした畜生達。

 

 あの騎士達だけがと、僅かに思っていた希望もあっさり打ち砕かれて。都市についても騎士達はどうしようもなくなった時まで何もせず命を懸けて戦っていたのはモンスター狩りばかりで、騎士達は怯え彷徨い逃げまどい、誰かを護る事すらなく、命乞いをしてばかりで、私の希望は儚く散った。

 

 大体の騎士も貴族も殺せたと思うけど、まだまだ王族もそれに近しい奴らも引きこもって出てこない。それ等を倒すまでは私は死ねない。

 

 今は少しでも力を蓄える。どうせあいつらは自分のお城を捨てられないのだから。取り込んだ存在から記憶が流れてくる。権力者は自分の権力が及ばない所は恐ろしくて動けない。だからどれだけ危険でもどれだけ愚かでもそこから出てくる事はないと。

 

 だから私が強くなって戻った時には居なくなるなんて事はない。時間は私の味方だから、今はこうするのがきっと正解。

 

 問題はもうその辺のモンスターや窶れでは強くなるのに限界を感じている。

 

 確かに強くなれているが劇的な変化はない。

 

 だからもっと強い存在を取り込まなくてはいけない。そうなるとただの村娘でしかない私にはどうしていいか分からない。村の皆の記憶でも周囲のモンスターが脅威と思っているけど、それはもう強さ足りえない存在になっている。

 

 可能性としては強いモンスター狩りを取り込むのが一番だけど、復讐対象ではないモンスター狩りの人を、此方から殺しに行くのは私も村の人も望まない。あくまで敵対してきた相手、騎士と一緒にいる存在だけを狙っているから。

 

 でも、それ以外だと思いつかない。

 

 そんな時、強い記憶が流れて来た。

 

 それはとても強い恐怖と絶望、どうしようもない力、終わりへ導く存在。邪神軍と言う身近な脅威よりも恐ろしく、総てに滅びを与える存在。

 

 【災厄】

 

 モンスターの中でも脅威であり、それ1体で簡単に国すらも滅ぼしてしまう様な存在。それを倒して取り込む事が出来れば、それに近づけるか同等の力を手に入れられるかもしれない。

 

 でもそんな存在どこにいるのか・・・その辺を探してたら出会う様な存在ではないし今の私で倒せるかもわからない。するとまたモンスター狩りの記憶が流れてくる。

 

 それならばもっと効率のいい場所があると。ここからずっと果て、人間達の最前線。邪神軍と人間の勇者たちが戦っている場所になら災厄はかなりの高確率で襲ってくるし、道中には強いモンスターや邪神軍もいるかもしれないと。

 

 それは丁度いいかもしれない。

 

 特に一番良いのは、そんな場所にはまともな人間がいるとは思えない。だからこそそこに旅へ向かうようなオイシミがいるとも思えない。だから丁度いい。そこに向かい強くなって、今度こそ私はあの国を滅ぼそう。

 

 目指すは人と魔の最終極点。

 

 そこで私は更に強くなろう。 今度こそあの国を滅ぼすために。

 

 私は全速力で次なる目的地へ向かう。道中にあるすべてを壊してでも。それだけが、あの国の騎士と貴族、王族を滅ぼす事だけが私に残っている全てなのだから。

 

 みんなの声は日に日に強くなる。

 

 憎悪で

 

 恐怖で

 

 悲しみで

 

 怒りで

 

 だけどそれを受け入れたのは私。

 

 一緒に終わらせようと決めたのは私。

 

 だからどんな結末になったとしても、私は終わらせるまで止まらない。邪魔をする存在は全て滅ぼしてでも、私は絶対に止まらない。

 

 

 

 

 

 

 だけど・・・ほんのすこし

 

 だけど・・・わずかに

 

 みんなで

 

 オイシミも入れて

 

 楽しく遊んだ、あの日の事が

 

 とても悲しくて、目から涙が溢れていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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