異世界でTS幼女はおいしみを食べたい   作:あさねこ

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矮小なる者よ、跪け、命の為に3

 

 

 ここに来るまでに何十、何百のモンスターや敵対する人間達を取り込んで来ただろうか。最初は私の身体に触手っぽいのしかなかったのに、いまではまるでおとぎ話で聞いたような【災厄】のような姿になっている。

 

 ここまで強くなれば都市も壊滅出来るかもしれないけれど、それでも負けるかもしれない。騎士達はどうでもいいけど、敵対してくるモンスター狩りの人達はとても強いから。

 

 今は取り込んだモンスター狩りの人達にお願いして周囲を索敵してもらう。彼等から記憶を読み取れたお陰でこの先に邪神軍の本拠地があるという事を教えてもらえた。長い距離があるらしいので歩くと疲れるから、オイシミが言っていた、【誰かに運んでもらえば自分は楽ちん】を試す事にした。

 

 その結果、使い潰しても何も心がとがめない騎士達を動物代わりにして進む事に成功した。流石にスピードは出ないけど、何の消費もなく進めて、同時に嫌いな騎士達に憂さ晴らし出来るから便利だと思う。

 

 まだまだ私は弱い、都市を逃げた時よりは何倍も強くなっているかもだけど、それでも油断はしちゃいけないんだ。だってオイシミが言っていた。

 

 【わるいやつは、じゅうぶんだとおもったら、それいじょうでやってくる】

 

 【むげんれべりんぐはせいぎ】

 

 【おいしみのために、きわめつづけることがだいじ】

 

 【ところでけーきとあいすならどっちがいい??】

 

 最後の方は全く関係ないけど、むげんなんたら? はわからないけどオイシミの言う通り、自分はこれで大丈夫だと思っても、相手はそれ以上に強いかもしれない、数を揃えてくるかもしれない、ならそれを全て凌駕出来るように強くなればいい。

 

 その為にはもっと沢山のモンスターや窶れ達を取り込まないといけない。それなら一番は勇者や英雄の人達が邪神軍と戦っている、人類の壁の先に向かえばいいと教えてくれた。

 

 英雄や勇者がいい人かは分からないけど、邪魔しないのならなんでもいい。私の目的は強くなって今度こそ、あの国を滅ぼす事だから。その為なら私はなんでもしよう。既に私も人じゃなくて窶れ人なんだし、それでいいと思う。

 

 それにしても・・・

 

 遅い。

 

 とても遅い。

 

 私が歩くスピードとあまり変わらないスピードなのはどうしたらいいだろうか? 私の存在の質量が上がったから仕方ないのかもしれないけど、騎士達はもう少しちゃんと移動してほしい。肉の盾になる事と、こうして移動させる足にしかならないのだからもう少しなんとかならないだろうか?

 

 他のモンスターや索敵とか戦闘に使うし、少し可哀想だ。

 

 モンスター狩りの人達にはあまりそういう事はさせたくない。彼等は敵になったから倒しただけで、殺したい存在ではないし、記憶を読み取れば騎士みたいな奴等は少なかったし・・・寧ろあの国で世話になった人の為とか、生きるために、とかだったので、無理強いはしようと思わない。

 

 このままだと目的地に着くまでにどれだけかかるか・・・やはり直進するのが一番かもしれない。ただ、先ほどからモンスター狩りの人達がこの先に町があると言っていた。

 

 町、都市とかは関係ないし襲う理由はないけど、遠回りするとさらに時間がかかりそう。時間がない訳じゃないけれど、これ以上遅いのは正直勘弁してほしい。このまま直進するのがいいかもしれない。

 

 道中襲ってくる人が居れば対処するけど、何もしてこなければ気にしないでいこうかな。別に他の人間を殺したい訳でもないから。普通に考えれば避けていけばいいんだけど・・・

 

 ちらりと騎士達を見る。

 

 辛そうに呻いて歩いてはいるけれど、どうみても何人かは「辛い振り」をして楽をしようとしている姿があった。殺されて私に囚われても尚、ここまでふざけている存在に更にイラついてくる。

 

 それに気づいた他の騎士が怨嗟の言葉を吐いて声にならない叫びを上げているのだから始末に負えない。取り込んだ貴族の人間なんてとっくの前に廃人になって死者の様に私を運ぼうとしているのに、どこまでふざけてるんだろう。

 

 いっそ磨り潰して消してしまおうかと思ったけれど、村の皆がそれではその苦しみだけで終わりだと言うから、今まで以上に苦しめて生かし続ける事にした。

 

 最近少しずつ、皆が怖くなってきているけれど、それは騎士や貴族、王族に対してだけだからきっと大丈夫だと思う。

 

 全部終わったら、オイシミを探して・・・また一緒に遊びたいな。

 

 さてどうしよう・・・このまま進むか、避けていくか。

 

 到着までにはあと半日ほど、その間にもう少し考えておこうかな。

 

 

 

 

 

 

 

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