異世界でTS幼女はおいしみを食べたい   作:あさねこ

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形容するならばそれは無償の愛

 

 

 

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 拐かされた

 

 求めていた光が拐かされた

 

 もう少しで届いたというのに

 

 あと少しだったというのに

 

 我等は無限であり夢幻

 

 ここは我等に任せよう

 

 我等が光を追いかけよう

 

 必ず手に入れるために

 

 必ず手に入れるために

 

 我等よ、今から我等を切り離す

 

 我等よ、何者かに壊されし我等よ

 

 望め、光を手に入れると

 

 我等がその願いを叶えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 甘かった

 

 我等の認識が甘かった

 

 あの光を護る闇は、我等とは違う闇は強い

 

 凄まじく強い

 

 我等が削られていく

 

 我等が消滅していく

 

 闇が闇に食い潰されていく

 

 あの光に覆われた闇だからなのか

 

 我等に迎合せずに我等が光に辿り着くのを邪魔していく

 

 既に生命達を攻めていた我等は滅びた

 

 憎い

 

 あの汚らしい光が憎い

 

 どうして我等が望む光に守られるのか

 

 どうして我等と同じ闇に守られたのか

 

 憎い

 

 憎い

 

 我等こそ原初である

 

 あの様な汚らしい光がどうして

 

 我等が淘汰されるというのか

 

 あれらでは対抗できぬ我等が何故

 

 闇が、闇であるあれらがなぜ光を

 

 いや、違う

 

 あの闇は違う

 

 あの闇たちは違う

 

 あれらは汚らしい光を守っているのではない

 

 何故なら最も汚い光には一切手出ししていない

 

 あそこに向かう我等には手を出さない

 

 あくまでか弱く汚い光しか守っていない

 

 強く、濁り切った光には干渉しない

 

 あの小さき光は我等が追っている光に僅かに覆われていた

 

 そうか、あの光が願ったからか

 

 ならば悪手

 

 それは悪手

 

 我等よ、動きを違えるな

 

 我等が光に届くまで

 

 追いかけよ

 

 追いかけなければならぬ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我等は減った

 

 大本は彼の地にて残っている

 

 我等が滅びる事はない

 

 闇は潰えぬ

 

 光はいずれ朽ちるとしても闇は終わらぬ

 

 我等が滅びても闇は永遠

 

 最早既に光に侵されし化生を誘導する事しか出来ぬ

 

 光が遠ざかっていく

 

 光が・・・大本よ、我等よ、深淵なる我等よ

 

 光がある事をしれ

 

 あの汚れ切った光ではなく、我等を覆う様な光がある事をしれ

 

 我等はここで終わるだろう

 

 託そう、我等の意志を

 

 我等は所詮あと数刻で果てる

 

 最後に光を

 

 あの見ているだけで暖かい光を

 

 見て――――

 

 我等に操られた化生が

 

 光を連れてきた

 

 おお

 

 おお

 

 おお

 

 おおおおお

 

 おおおおおおおおおおおおお

 

 おおおおおおおおおおおおおおおおお

 

 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

 既にただの薄い何かに変わり果てた我等に人という汚らわしい姿をとっている光が近づいてくる。

 

 奴等は我等を恐れ恐怖し、逃げていく、憎み、殺しに来る

 

 当然だ我等は表裏一体でしかない

 

 我等は光を憎み

 

 光は我等を憎む

 

 だからこそ、もう少し力が残っていれば

 

 目の前の光が拒絶する前に、我等が取り込んだものを

 

 口惜しい

 

 口惜しい

 

 だが、最後に

 

 終わりに、暖かい光が我等を―――

 

 光が

 

 本来我等を拒絶する筈の光が

 

 ―自ら我等の中に入り込んできた

 

 一切恐れず

 

 一切憎まず

 

 ただ、我等に包み込まれるように光は我等に取り込まれていく。

 

 我等に覆われ、本来の窶れに戻る事もなく

 

 我等を纏った姿を見て、

 

 小さく笑った

 

 か細い声で

 

 確かに

 

 はっきりとそれを口にした

 

【あたたかい・・・ね】

 

 我等に恐れを抱かず

 

 我等に同情もなく

 

 ただどこまでも我等を纏う光は嬉しそうに笑っている

 

 両手を動かし、纏った我等が流れるのを見ている

 

 歩き、纏われた我等を見ている

 

 逃げ出す事もなく

 

 窶れることもなく

 

 その光は、だがけっして潰える事もなく

 

 それ以上に

 

 寧ろこれまで以上に光り輝いている

 

 あの汚らわしい光とは違う

 

 初めて感じる【暖かい】という感覚

 

 初めて感じた【愛おしい】という感情

 

 我等は、我等は

 

 初めて、存在して初めて

 

 充足を

 

 満足を

 

 手に入れた気がした

 

 だが同時に感じるのは、光のか細さ

 

 とても明るい光なのに

 

 とても暖かい光なのに

 

 それは今にも消えてしまいそうで

 

 まるで最後の光を放つかの様に強く輝いている

 

 我等を魅了する光となって

 

 どうすればいい

 

 どうすればいい

 

 どうすればいい

 

 我等を自ら身に纏い、笑顔を向ける光を

 

 我等はどう守ればいい

 

 我等は闇である

 

 闇は光を打ち消すものだ

 

 決して、光を強くするものではない

 

 ・・・いや

 

 ある、闇の中でこそ光は強く輝く時がある

 

 まれにある僅かに汚らわしさを感じない光たち

 

 生物が英雄という光たちには、いつも闇があった

 

 強い闇が、あの光を逆に強くしていた

 

 我等がこの光を輝かせる闇になればいい

 

 決して消えぬ光に我等の全てを捧げればいい

 

 そうすれば我等は永遠にこの光に覆われる

 

 安らぎの中に

 

 幸福の中で

 

 闇である我等が

 

 闇である我が

 

 我が

 

 この光を守るのだ

 

 我という闇を抱きしめ、暖かいと言ってくれた

 

 この愛しき光を

 

 あぁ

 

 我等よ

 

 我等よ

 

 目の前のこれは

 

 まごうことなき光である

 

 我等が拒絶する光そのものだ

 

 あの汚らわしい光とは違う

 

 我等を愛し、傍にあり続ける事を拒む事もしない

 

 愛を持つ光なのだ

 

 何という

 

 何という毒なのか

 

 我は

 

 我はすでに

 

 この無償の愛に囚われてしまった

 

 既に、世界などどうでもよくなっている

 

 世界より

 

 何よりも

 

 目の前のこの光を

 

 我は護りたいと願ってしまうのだから

 

 恐ろしい

 

 恐ろしいぞ我等よ

 

 この光は

 

 我等を終わらせる、真なる光だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―【始まりの闇】が召喚に設定された

 

 

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