わぁお、なんかすげぇのが出てきたなおい。
首のないドラゴンっぽいのがこっちに降りてきた。見た目は爬虫類みたいなタイプのスタンダードなドラゴンっぽく見えるんだが、さっきも言った通り、首部分がない。
代わりと言っちゃなんだがかなり長い腕が6本生えててその腕の掌に目と口がついてる。それも6本全部な。
それ・・・見づらくない? というか手で攻撃する時頭くらくらしない?
どうにも構造を色々間違えたっぽいドラゴン?? だな。ただ、それぞれの口から炎吐いたり、冷気吐いたり、雷出してたり、毒っぽいの吐いてるわ。
おっちゃんが俺を担いで一瞬で駆け出していく。最近これ多いわね。おっちゃんがぼそりと「何故こんな所に六腕の邪眼が・・・!」とか言っておられる。
ほほぅ、確かに六本の腕やな、ろくわんのじゃがん・・・微妙に厨二溢れてるっていうかどちらかというとクトゥルフしてる感じだな。
【オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
右腕の口がなんかすげぇ咆哮してる。てか、お前だけなんかい。
てか大丈夫か? おっさん達、やばかったら俺が・・・と思ったらおっさんが大剣振りかざして突っ込んでいった。おおぉ。
一番上の右手だけが上がりつつ、他の手がブレスっぽいの吐きながらおっさんを攻撃しようとするが、ちょこまか動いてその攻撃を避けてるわ! 流石やなおっさん。
大剣を生身の左手だけで持ち直した後、右手になんか剣をこすりつけたぞ? ギャギャギャ~~とか気持ち悪い鉄と鉄がこすれ合った音と共に・・・すげぇ!? 大剣が蒼白い炎で包まれやがった!? なにそれ必殺技!?
燃えた大剣を一瞬で両手持ちに変えて向かってくる左手を思い切り薙ぎ払ったぞ!
おぉ・・・斬れた!! 毒吐いてた左手が手首からばっさりいったー!!
地面に落ちた手のひらの目と口が気持ち悪く動いてるけど、少し経つと死んだのか止まったわ。
とと、俺がそれを見てる間にもおっさんの攻撃が続いて・・・・・切った左手の手首がぼこぼこしておられる??
【シャアアアアアアアアアアアアアアア!!】
おぅふ、手が再生したわ。目と口もご健在だわ。
あ、でもおっさん気にしてないのか攻撃を全部捌いてくぞ。やっぱりドラゴンだからなのか攻撃自体は結構緩慢(俺がどうにかできるとは言ってない)だからおっさんが結構余裕そうに大剣で攻撃を逸らしたり弾いたりしてる。
んで、弾いたりしてる時に炎で焼かれてるのか割とひるんでるわ。
だが、ジリ貧だぞ、このままじゃ。それにおっさんはまだ義肢のせいで本調子じゃねぇし、ここはやはり俺がチートを――
と、思ったら凄い大きな声でおっさんが叫んだ。
チートを使おうとしてた俺に対して、「力は使うな、こいつは俺が何とかする」と叫んで剣を振り下ろす姿。
そう言われたら勝手にやる訳にはいかんよな。おっさんに死んで欲しくはないが、かといっておっさんの意思を無視して俺がチートで倒したら、一緒に旅をしてくれなくなる気がするしなぁ。
前なら別に気にしなかったけどよ、今はおっさんとおっちゃんが居ないのは寂しいからな。ようがしょ! 俺は見てるぞ! だがどう見てもやばくなったら何を言ってもチート使うからな。
ん? おっちゃんどうした?
一番上の右手だけが攻撃に参加してない? あー、腕ふるってたら見えないから目の代わりにしてるのかね?
それか、もしかしたらあれじゃね? あれが弱点だったりとか? 俺はいぱーあいで見てやろう! きっと弱点かどうかわかるかもしれん!
幼女・・・・あい!!!
説明しよう! 幼女あいとは! 幼女の目で、敵を見る事を言う!!
効果は特にない!!
つまりよくわからない!! たりめぇだろ、悲しい事に俺に戦闘スキルなんてはいぱーころころあたっくしかないんだぞ。弱点看破とかそう言うスキルはありません。
おっちゃんが叫びたそうにしてるけど、下手に叫んでドラゴン?のヘイトがこっちに向いたら困るからどうやら言えないみたいだ。俺がお邪魔虫ですねわかります。
へいおっちゃん、任せろ! 俺は大丈夫だからおしえてやってくれ。
みたいな感じでボディランゲージみたいにまとわりついてぼそぼそ言うと、深刻な顔をしつつも覚悟を決めたのかおっさんに向かって右手の事を叫んだ。
おっさんもそれを知ってたかは分からないが、右手を攻撃出来る様な位置取りを・・・しようとしたらやはりヘイトがこっち向いたのかドラゴンの6本の手が全部こっち向きやがった。
【俺を・・・無視してるんじゃねぇぞ! くそ窶れがああああああああ!】
おっさんがそう言いながら背を向けかけたドラゴンを全力で切り払った。