超常社会。
中国の軽慶市での「発光する赤児」の報道以来、世界各地で超常現象が報告され、世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至った超人社会。そんな個性がほぼ当たり前の社会で、無個性で生まれた少年が己の体ひとつでヒーローになるお話。
「姉ちゃん、おはよう」
朝のリビングに美味しそうなご飯の匂いが漂っている中、1人の少年
「あら、七花。おはよう、顔は洗ったのかしら?歯は磨いた?」
「そう心配しなくともちゃんと磨いたってもうガキじゃないんだぜ俺は」
2人の朝の会話はいつも通り、やはり姉の心配から始まった。
そんな姉の心配を跳ね除け、朝ごはんを食べるべく席に着くと姉からひとつ、苦言を呈された。
「そういえば、あなた進路はどうするの?先生が心配して昨日家に電話がかかっていたわよ」
「お生憎、俺はヒーローなんざ目指さないよ。知っての通り無個性だからな」
「けどあなたには代々受け継いできた虚刀流があるじゃない、新しい必殺技っていうのも気になるわ。雄英を受けて見るのも手じゃないかしら?それとも、姉である私の言うことが聞けないほどの理由があるのかしら?」
少年が無個性であるというのはどうあっても覆しようのない事実で、しかしどうしても七実は雄英に行かせたいようだった。
「特に理由らしい理由は無いけど、無個性がヒーローなんてへんだろ?何より「面倒だなんて言ったら承知しないから気をつけなさい?」…」
何より七花は生来面倒くさがりであった。雄英なんて面倒極まれりと言いたげな顔だけを残し、盛られた白米をがっついた。
「私は心配して言ってるのよ?将来ちゃんとした企業に就けるようにって」
「心配してくれるのはありがたいけどさ、どうしても俺には無理だと思うぜ。周りを見りゃ色んな個性があるんだ。昔からある虚刀流で戦えるかどうかの話になってくる」
「それでも、あなたは雄英に行きなさい。私が病弱なせいであなたが中学生ながらにバイトをしていることを悪いと思いながらも黙認しているのだから」
余計なお世話だと言うのに、と七実は味噌汁をすすりながら言う。
七花はバレてたのか、と顔を顰めながら僅かに残った反論を口にしようとした。
「でも、」
「でももヘチマもありません。雄英に行って綺麗なお金で私の病弱体質を直してちょうだい。それに雄英には私の同級生である人も先生をしているのだから」
言おうとしたことが先に言われ口を噤んだ七花はようやく
「分かったよ、そこまで言うなら雄英で誰よりもすごい優等生になってやる」
そう言った七花に七実はようやく笑顔を見せたのであった。
そんな笑顔を見て七花は溜息をつきながら
「面倒だ」
と小声で漏らしたのであった。
どうだったでしょうか!
思いのほか短めだったと思いますが、初投稿なので悪しからず…。
是非感想等、お待ちしております!