見知らぬ息子?別世界線からの贈られもの!   作:鯱の助

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おくられもの 12

 

 

皆が各々の帰る場所に帰り静まり返ったあと、ベージは比較的立ち振る舞いだけは通常のようにこなせるように何とか押し殺してブルマに声を掛けた。

だがブルマはその時何を言うでもなくベージをひっぱり、ベージの乗せられていたタイムマシンの元に連れていった。

見ろと言われ、ブルマがその後ひとつのボタンを押した。

それに映ったのはベージの正真正銘の母ブルマであり、にこやかに隣にいるブルマへのメッセージを告げていた。映像の中の母を見つめていると、耳にしっかりと言葉が入ってくる。

『ベジータそっくりで生意気ざかりよ〜

……きっとこの先大きくなるのはもう見られないんだろーなー!あーあ!

いーい?よく聞いて。多分この子はあたし達の希望。

そっちでベージが上手いこと孫くんに薬を渡したあとやばい奴らを倒してくれるのを待ってる。

多分もうこっちに戻るのは無理ね。ベジータたちがやられちゃうなんて信じたくないけど…ずっと勝てるって信じてるけど、でも無理な時は無理。それは分かってるつもり。

だから言うわ。このタイムマシンには最初から帰って来れるようなプログラムは組んでない。

帰ってきたって…、…地球の跡地か宇宙のど真ん中に戻ってくることになる

 

いいわね?

薬を絶対に孫くんに飲ませて、バリバリ鍛えて事態をみぜんにふせいで。地球を…皆を、守って。

そして、そこに寝てるベージもあたしの代わりに立派に育てて、寿命で死ぬまで幸せに居られるように…してあげて。

私が出来るのは…、』

そこで映像の奥で凄まじい緑色の光線と破壊音。映像がガタガタと揺れ、ブレてブルマが映像から外れる寸前の一瞬だけ映った顔が苦しそうな…怖がるようなものに歪んだ。

『…………。…私が出来るのは…

親らしく最後まで一緒にいてあげる事じゃなくて…こうして過去にこの子を逃がしてあげる事だけ。

 

___そういう訳だから、ベージを頼むわよ。

これを見てるあんたが頼りよ。ブルマ

………さいごに言うけど、この録画はあの子に見せないで。

見せるなら、マシンの中に付いてる赤いボタンの方の映像にして。 んじゃあヨロシクね!大事な大事なウチの子よ!!』

プツンと切れた映像。

最後の最期、母は弾けるような笑顔だった。

…その後、ブルマに抱き竦められて意識を手放した。

 

 

翌日、話を聞いていた全員がベージを見送る為にカプセルコーポレーションに集まった。

ブルマに渡されたタイムマシンの入ったホイポイカプセルを懐に入れ全員に挨拶をした。

孫悟空にさらばと言うと、「また会える気がする。何となくだけどな。 でも、今はバイバイだ。次会うときは絶対に手合わせしようぜ」と柔らかく笑ってクシャクシャに頭を撫でられた。

トランクスと悟天にはやはり行くなと言われたが2人の親の鉄拳により渋々と手を離された。

…ベジータは、軽く片手のみではあるがベージの肩を抱いた。

 

 

それらを受け入れ、遠くへ遠くへと離れていく。

丁度いいかと言うところで時の界王神が耳につけた飾りへ話しかけると、言っていた通りに本人が迎えに来て、ベージはその世界からこつ然と姿を消した。

 

 

 

 

 

10年後。

 

 

 

トキトキ都という名の都市は、二年前にその面影も見当たらないほどの大改造を経てコントン都という大きな都市へと変化した。

トキトキ都の頃とは比べ物にならないほどの騒々しさを誇るコントン都の中心部には、英雄となったパトローラーの巨大なデジタル像が鎮座し騒がしい連中全員の憧れの的として飽きられること無く語られている。

 

それと同じくらいの認知度と隠れた人気がある人物がいた。

トランクス?…それもあるが其方ではなく、トキトキ都の頃から住んでいるサイヤ人だ。

ベジータの第一子、ベージの事だ。

 本人は知らない事だが彼は正真正銘ベジータの第一子だ。別の歴史で生まれ、そして正史では流産で生まれられなかった…とはいえそのどちらともトランクスより先にブルマの腹に宿っていたのだ。

ベジータとそっくりなサイヤ人らしさの強く残る容姿にブルマの面影のある瞳、なによりその性質。ベジータ王子_年齢としては王と名乗りたいところではあるが、王位を継承していないため仕方ない_にそっくりな子供と言うだけでもサイヤ人のタイムパトローラー達からすると見た事も無い故郷の星を思い出すようで感慨深い。

その上で性質や生い立ちを歴史を見て知っているが為に、矢面に立ち護らんとする振る舞いやひととなりにひかれるものがある。

十年間、彼の成長を見守り続けたタイムパトローラー達とすれば悲しみと絶望を抱え糧として進む姿は非常に感慨深く涙を禁じ得ないものであった。

そうではないタイムパトローラー達も似た様な感情を持って彼と接していた。

 

コントン都のトランクスとベージだが、彼らはそれなりに仲良くやっている。

最近はトランクスが超重要任務に当たる事になり接触はぱったりと止んでいるが、それとは関係なしに仲はいい。

年齢の差が逆転どころか両手の指の数ほど離れている為にトランクスは自分を兄といい、ベージを弟として扱っている。

トキトキ都の頃は、傷心して乗り越えられていない時からずっと傍で慣れないながらも寄り添い励まし支えていたのを当時のタイムパトローラー達が知っている。

現在は手合わせをしたりショップエリアで歩いていたり、トランクスが少しうっかりをしたらしい時は「兄貴だというのならそんなくだらない事を忘れる様なヘマをするな!英雄サマの相棒が呆れたものだ」とベジータを彷彿とさせる注意をしていた。 ベージの方も兄としてトランクスを見ているのかも、とタイムパトローラー達はトランクスの一方的な発言でない事を確認していた。

 

そして何より、おそらくベージの本来のものであろう『本人らしさ』をこの十年で出せるようになっている事を確認し、トランクスは内心で嬉しくも思っていた。

 

 

 

 少年体であった為…そして時の界王神や老界王神、トランクス達の心配とベージ本人の自身への厳しさで正式なタイムパトローラーにはなっていなかったが、サイヤ人にとって人生の八割を通してその姿のままであるという青年体に成長し、ベージはコントン都にてタイムパトローラーとして日々ストイックに任務をこなしていた。

昔から着ている道着とは違う服装で、容姿を把握されないようフードのあるものを着ていた。

時のミニチュアという物の中にあるカプセルコーポレーションの死角に気を完全に消して監視する…というシンプルなものではあるがこれも必要なものとして任務に入っている。

異常もなく可もなく不可もなく。つまり平常かつ正常な事を、耳についているポタラの形の通信機の向こうへ報告。

ロボ越しに伝えられた調査続行に了解を伝えようとしたベージの鼓膜に衝撃が走った。

 

『ちょっと待て!!』

「!………アンタか、騒がしいぞ」

『アンタとはなんじゃアンタとは。失礼なヤツじゃ全く…あの歴史ではあんなにいい子ちゃんだったっちゅうのに

…………そんなことはええわい!よく聞け、例の超重要任務がお前に決まったぞ!』

「…何?」

 

ぴくりと反応したベージの垂らされた一束の前髪が微かに揺れる。

 

『はよ帰って来い!待っとるぞ!』

「おいまて!貴様どうい……… …クソッタレ、切りやがった。老いぼれが興奮しやがって、下品な奴」

 

ベージはそう悪態を着いた後、時のミニチュアから出て転送屋店員にショップエリアへ飛ばしてもらい至極冷静に歩いた。

周りのタイムパトローラー達は既に知っているのか「ベージ、選ばれたんだって!?羨ましいな畜生、頑張れよ!」「ベージ、ガッツリ関わってるけど大丈夫なのか?気になるから後で教えてくれよ」等と言った声が掛けられた。全てに反応せず、真っ直ぐに時の界王神が立っている場所に行き下にある顔に目をやった。

 

「どうなってやがる。」

「開口一番にそれか〜

まー君らしいけどね 気持ちはわかるけど、結構単純な理由よ。さ!ついてらっしゃい!

君が選ばれたって言ったらめちゃくちゃ慌てふためいたおじいちゃんは一通りその辺走った後に時の巣の入口に戻ってるから

張り切って行くわよ!」

時の界王神の後ろを歩き、階段を上る。

「君を選んだ理由は至極シンプル!

任務を任せてもいい強さ! それに尽きるわ!

そして何より、今はもう誰かが守って君の正体を隠してるフードが取れちゃうような事がないようにする必要も無いでしょ? これから君はどんどん伸びていく。

今よりももっと強くなれる。

期待してるわよ、新人パトローラーくん!」

歩きながらそう言った時の界王神に何も言わずして返す。言われるまでもない。

 

 

やっと。やっとベージは自分の力で周りを守れるだけの強さになれた。

だからこれからは、皆の背を見なくても済むのだ。

 

 

 

 





ゼノバース2にぬるっとはいります
戦闘描写自信無ニキゆえどうしてやろうかという具合…



ベージ 10→20歳

成長してベジータと同じ程の背丈に伸びた。
耳には通信機の役割をするレプリカのポタラがついていて、任務の際はフードを被って取り掛かる。
ナチュラルにベジータらしさがある。あくまでらしさ。
『誰かの背中を見る』というシチュエーションやベージ自身がそう捉える事柄にトラウマがあり、その全てで悪い出来事があったり孤独に苛まれたりとろくな思い出がない為常に自身が矢面に立つようにしている。
自身が乗っていたタイムマシンは、与えられたベージ専用の部屋に大切に保管している。
トキトキ都及びコントン都が第二の故郷で、この地を守る為にどれほど小さな任務でもきっちりこなしている。

時の界王神の料理はどんなに米を炊飯器五個分食べたいほどひもじくても絶対に口に入れないし料理を振る舞われる場面になるまえに姿を消す。
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