程よくキリが良さそうだと感じたらそこで書くのを止めて程々に確認してすぐ投稿する感じでやっております
脳直はいいぞ
今回も暇つぶしにどうぞ
映像を見られなかったのはそれはそれと横に置いて子供の元へ向かう。
映像記録は既に撮られてそこに物として必ずあるのだし、見ようと思えばいつでも見られる。それよりも子供の方が大事だ。
運び込んだ一室の扉をス、とボタンひとつで開ける。
室内を見ると、手当が施され横たわっていた子供がなんとベッドの上で立ち上がって辺りを見回していた。
あーやだそんな事して!なんて行儀が悪いのかしら! …と脳内と口で同時に発言。
そういった気遣いは備えていないブルマは無敵だった。
なんの配慮もなく言及するそれを聞いてバッと子供が此方を見た。
…瞳はどうやらブルマと同じ色をしているらしい。
前髪が一束垂らされている事と瞳の色以外はそのままベジータを小さくしたと言える_この子の方が目がくりくりで愛嬌はあるカンジね_少年がその口を動かして最初に言ったのは、「お袋」…というまあまあ粗めの母親の呼び名であった。
「こんな時にめかしこんで何してんだ!
その場にいたってのになんで俺は家に…クソッタレ!!まさか気絶したってのか?!この俺ともあろうものが…アイツらはどうなった?人造人間共はどうした!あのバカでかい気をもっていやがるサイヤ人は!オヤジは!!」
鬼気迫る様子でベッドから降りてズンズンとその小さな体でこちらに向かって歩きながら声をあげる少年。
なるほどたしかにこれはベジータの子だ。
と本人の必死な様子があまりにも今の平和な現実から離れていて思考が他所に飛ぶ。
しかもベジータを親父呼び。 未来のトランクスは父さんと言うし、ウチのやんちゃ盛りのトランクスはパパだし…親の呼称がいずれマスターできるのではと言わんばかりに全員違う。
「おい!!!きいてるのかよ!!」
「シー!!!大声出さないの!!」
大声にそれ以上の大声で注意する。説得力は全く無いが、さらに上の勢いで物を言えば…大抵は目の前の子供のようにピタリと止まるものだ。
「とにかく落ち着いてよ!
矢継ぎ早に言われたって対応し切れないわよこの天才ブルマでも!」
「………」
「いい?よーく聞きなさい!私は確かにあんたのお母さんだけどあんたを産んだお母さんじゃないの!だからあんたの知りたい事には応えらんないの!お分かり?!」
そしてツーアウトスリーアウトと順調にブルマは大声をあげて説明する。矢継ぎ早に。
そして説明が一二とされていくとどんどん子供の顔に沢山出ていたごちゃ混ぜの感情が、困惑一色に変わっていく。
「…お袋だがお袋じゃない?………何を言ってやがる」
「うーーーーん、あんた覚えてる事ないの?
ウチに落っこちてきたマシンに傷まみれのあんたが乗ってたのよ。なんかに乗り込んだ記憶とかは?」
「そんなものは無い。
俺は親父達と一緒に、見たことの無い型の戦闘服を着たサイヤ人…それと上裸のサイヤ人と戦おうとしてた。
…だがそこまでしか記憶はない。俺自身がそのマシンに乗ったどころか、マシンをどうこうするなんてしないような戦いの寸前だけだ。」
達観しているというわけではないが、大人ぶった言葉遣いで喋る子供をみやる。
表情は険しい。聞く限り全然いいタイミングではない。
「…そう…
ねえ、そのマシンに映像記録があったけど…あんたの名前、ベージで合ってる?」
「…そうだ。 ……俺の名はベージ。
………親父から直々に付けられた名だ。…………。
…お袋に改めて名乗るなんて変な気分だぜ…」
自己紹介を口から滑り悪く行って複雑そうに腕を組んだ少年、ベージ。居心地が非常に悪そうだ。
そういう表情は子供っぽくてかわいいような気がする。
態度がベジータに激似で、あらあらって感じだけど。
「ともかく、俺を早くそのマシンの所へ連れていけ!
映像があるんだろう、俺が何でこうなってるかもそれさえ見れば分かるはずだ」
「まーそうね。大変そうだしそうした方がいいかも
こっちよ!着いてきてね」
ベジータには起きたら呼べと言われていたが、まあいいだろうそんなのは後でも。
ベージの世界が大変な時にあのトレーニングバカを呼んでもどうなると言うのか。
(…大変なんだーとは思うけど、イマイチ掴めないのよね〜…
ええと、まず孫くんは心臓病で死んじゃってて…人造人間がいて…
……サイヤ人と戦おうとしてたとかこの子言ってなかった?え?なによもしかして人造人間とサイヤ人同時に襲ってきてんの?この子の世界)
おや、おや、おやと歩きながら考えて口が引つる。
まずサイヤ人は2人で、人造人間…17号と18号で合ってるのならそっちも2人でしょ。
少なくともあたし達みんなが知らないっぽいサイヤ人…
ヤバさも見た目もわからないけど、孫くんもいなくて人造人間がバリバリ襲ってきてて… 未来のトランクスと同じって考えたら随分とヤバいわよね。
…ん?でもエイジ774であたしと同じ年におきてるのよね?………ん〜……………こりゃさっきちゃんと聞いとけばよかったかしらね。
(…そういえば…あの映像の私は、この映像は見せるなとか言ってたっけ。すごい真剣だった。
…たしかマシンの中のボタンの方を見せろとか…)
考えながらマシンが置いてある部屋に入って「これよ」とベージに声をかけて、向こうの私の言っていたボタンを探し、これみよがしなボタンをカチリと押した。
するとジジ…という音とともにさっき私が見たのとは別の映像が出た。
『やっほー!ベージ元気〜?』
「!…」
ベージにとって見覚えがあるのであろう私の姿を映像にみとめて、少し反応をするのを横目に見る。
『これを見てるってことは、私の完璧な座標指定によってそこにいる私にしっかりマシンごと保護されたって事よね!見てないけど狂いは無いわ!』
高笑いをする向こうの私。
なるほどね、玄関前にマシンが来るようにしてたって訳ね。しかも保護するのも想定済み。
地面の修繕費用請求してやろうかしら。
『あんたがどうしてそこに居るのか説明するわね。
ズバリ、過去に飛んであたし達のいる今をどうにかする為!
なーんにもいわないでそこに飛ばしちゃったのは謝るわ…ごめんね。でも、それくらい重要なことなの。
どうにかこうにか、過去にアタックをしかけてこうならないように…手を打って欲しいのよ。』
「…俺が?ふざけている…訳では無いだろうが」
訝しげな表情で映像をみるベージ。
それもそうだ。自分が行くよりもっと色々…大人が手を打った方がいいに決まっている。私だってそう思う。
ウチの子に危険なことなんかさせたくない。
向こうの私はそうじゃないのかしら。
『このマシンの中に、薬を入れたの。
心臓病に効く薬よ。ベージは見たことないからわかんないだろうけど…ええと、こういう感じの癖のある髪型をした、大人の男がいるの。そいつ、孫悟空っていう…悟飯君のお父さんなの。
その人に渡して欲しいのよ
あ、そこに私いる?聞いた?孫くん心臓病なの。信じらんないだろうけどホントに病気にかかってるの。
だからね、それを心臓が痛くなった時に飲ませてほしいの!それだけで、今の私達もだいぶ変わると思うのよ…』
「…」
ベージに分かりやすいように向こうの私が映像越しにゆっくり説明しているのを見守る。
………この映像を見ている私としては…なんというか、この後になんと言えばいいのかがわからない。
だって、心臓病はとっくに治っているし。
なんなら彼はそれと関係なく死んであの世にいる。
だから…向こうの私のSOSが、…意味が無い。
孫悟空がいれば、絶対に変わるんだ。そう語りかける向こうの私から目をそらす。
『___いい?その薬とあなたに全部預けるわよ。
ベジータの息子のあなたを信じてるわ。
こっちの事は任せなさい!なんせベジータがいるし、他の皆も居るから!
そっちで上手くやってね!頼んだわよ、ベージ!
そっちの私! その子をよろしくね』
(……?)
なんだかおかしな言い回しだとふと映像をみる。
だが先程の発言で最後だったらしく、映像は消えてしまっていた。
「……………お袋。そんごくうは何処にいる。」
「…あ。…………………えーとね。」
「おいブルマ。俺は目が覚めたら呼べと言ったはずだが。」