見知らぬ息子?別世界線からの贈られもの!   作:鯱の助

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いつもの

前回までの閲覧ありがとうございます!
ほどほどの日常パート(?) トランクスとベージです

ひまつぶしにどうぞ


おくられもの 6

「えーっ!すげー!!」

 

ベージが来てからすこし。

カプセルコーポレーションの広い庭一帯に響き渡るような、少年特有の歓声が鳴る。

声の主はトランクスで、その目の前には年上の兄弟_この世界では生まれていないので実際は違うが_であるベージがいた。

 

「兄ちゃん、超サイヤ人なれるんだ!!」

 

キラキラと輝きを帯びるトランクスの目には、いつもとは大きく毛と目の色が異なるベージが立っている。

…精神統一と研摩の為一人でのトレーニングを行っていたところを見つけられてしまい、ベージはなんとも言えず口をまごつかせた。

 

ベージは困っていた。

トランクスはどうにも突然出来た兄という存在が嬉しいのか物珍しいのか、あっちこっちに引っ張っていくのだ。

自分の世界には一刻も早く帰らねばならないが、それもブルマが何とかするまでは辛抱しなくてはならない。良く言えばまたとない訓練のチャンスだ。

 

 

 

 

 鍛え、強くなり、他戦士達に加勢したい。

いつも子供で未熟だからと悟飯含め大人の戦士達に守られてばかり。戦士としても確かに数えられている。人でも足りないし、今立ち向かえるのは自分たちしかいない。

だからこそ、全員が大打撃を受け撤退したときに真っ先に残り少ない仙豆を分けられる様ではいけないのだ。

 

 

いつも殺す気で、そして殺される気で父と仕合をした。

サイヤ人は瀕死状態から回復することで大きく強くなると聞いている。だからこそストイックに高みを目指し続ける父と何度も拳をぶつけた。骨を折ることだってあった。 父は本気だった。だから父とばかり仕合をした。

 悟飯とも勿論したが…あの目はいけない。

ヒートアップしてきた時、強制的に体の自由を奪い取って「今日はこの辺にしておけ」と必ず止めた。

 

許せなかった。

それではいつ自分は大人達に手が届くのか。

いつ認められるのか。

いつそのそんごくうとやらのように…話に出ただけで安心感を与えられる様になるのか。

…名前を聞いたのはマシンの映像で初めてだ。

だけどいつも皆そうだった。 いつも、父もそう。

父は安心というより憎らしげだったが、似ていた。

 

俺もそうなりたい。

そうなれば皆俺に背中を見せない。

代わりに攻撃を受けに来たりしない。

 

気付いた時には超サイヤ人になれていた。

感情でぐちゃぐちゃだった。それだけだった。

 

 

「超サイヤ人いいなー!!いいなーっ俺もなりたい!

どうやってなったの!?」

 

軽く想起して飛んでいた意識が明るい声で戻ってくる。

普通を装って答えてやった。

 

「特訓していて、気がついた時にはもうなっていた」

「えー!!!なんだよ、じゃあわかんないじゃんか!

兄ちゃんケチなことして俺に教えない様にとかしてないよな!?」

「するか」

 

気を抑えて深呼吸を繰り返す。

妙な高揚感となんでも出来ると思ってしまう万能感を抑えこみ、普段通りを意識する。

超サイヤ人になる前はいつも見ていた。父が飛び出していく意気揚々とした姿を。通常の状態とは明らかに違う点といえばそこで、疑問に感じていた。

だから、何を心配することも無く思った事を試す事が出来るここでなら…と思ったのだが。

 

(…今叩いてしまえば簡単に潰れてしまうな。俺の邪魔は居なくなる。)

 

叩き潰せ、と本能のまま行動し………ようとしたのを自分で止める。  ああこれだ。これ。

これをなんとかしなくてはいけない。

 

「あ、いい事思いついた!」

「…?」

「兄ちゃんと戦いごっこしたこと無かったからさ、やろうよ!

超サイヤ人がどんくらい強いのか見せてよ!」

 

とんとんと後ろに飛んで距離をとってそれっぽく構えるトランクスをじっと見つめる。

…何故、もうやる事が決まっている風なんだ?

全くやるつもりも飲み込みも出来ていない。

 

……ベージは困っていた。

………天真爛漫で自分勝手で自分本位な、平和な世界の子供と言うのをこれっぽちも知らなかった。

…だから困っていた。

 

「じゃーいくよ!よーい、ドン!!!」

「おい、俺は一言も_」

 

バシ、と"ごっこ"とつく割には強めの拳が反射で前に出した手に打ち込まれた。

「えいえいえい!!」

何度も何度も打ち出される拳を最小限に避けていく。

(…普段通りに動けるようにするのはどの状況でも出来るか)

と避け続けながら自分を納得させ、ようやっとトランクスの一挙一動を鋭く見据えた。 避けられ続け、当たらないからと足技まで入ってくる。

成程とかわし続け…わざと大きな隙をつくる。

「!喰らえー!!」

気弾を作った右手が突き出される。

それを斜め上にやわく去なしダンと前に強く踏み込む。

 

「破ッ!」

「え、うわあー!?」

 

トランクスはぐわりと自身を襲う突風のようなものにぶっ飛ばされ、遠く後ろの庭木に頭から突っ込んだ。

 

気合いだけで吹っ飛ばした、というやつだ。

 

「どうやらまだまだってとこらしいな トランクス」

「ぶはぁ!

兄ちゃんのケチ!カッコイイ技とか見せてくれよー!!」

 

庭木から転げ出て葉っぱに塗れながら文句を言うのを聴きながら、扱いに困って庭から退散した。

(…技は技だ。カッコイイもなにもあるか)

平和だからわからないのか、それとも見え方が違うだけなのか。ベージにはわからなかった。

 

 

 





子供らしさ満点のトランクスにたじたじのベージ
2歳しか歳変わらないけど、世界観はお互いまるっきり違うのでしかたないね

最後までありがとうございました!
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