新エリー都で………振り切るぜ!   作:気まぐれな富士山

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ちなみに、今は原作のプロローグ前です。ですので、fairyはいません。猫又も邪兎屋にいませんし、朱鳶たちもルミナスクエア支署には配属されてません。


Dを恐れよ/死んでいた男

 

とある日。仕事について二人から指示を受ける。

 

『今度の依頼は、とある人物を捜索して欲しいらしい。案内はするから、デッドエンドホロウに向かって欲しい。』

「了解した。ターゲットの画像を送っておいてくれ。」

 

アクセルのフォームの一つ、バイクフォームに変形し、イアスをホロウの近くまで運ぶ。

 

『ここからは私が案内するよ!着いてきて!』

「あぁ、頼んだ。」

 

イアスからリンの声がする。

テチテチと歩くイアスでは歩幅が違いすぎるので、イアスを抱き抱えてホロウの中へ入る。

しばらくリンの案内の元、ホロウを探索する。

 

「そういえば、なんでここはデッドエンドホロウというんだ?共生ホロウにしては物騒な名前だが……………」

『ここには、デッドエンドブッチャーっていうとんでもなく強いボスエーテリアスがいるの。そいつからとって、デッドエンドホロウって呼ばれてるんだって。』

「とんでもなく強いエーテリアス…………か。見つかりたくはないな。」

『発信源が近づいてきた!もうすぐ見えてくる筈だよ!』

「…………っ!あれか!」

 

リンに言われて周囲を見渡すと、複数の小型エーテリアスに囲まれた人を確認する。

 

「救助する!」

『頼んだよ!竜さん!』

 

エンジンブレードを取り出し、エーテリアスたちに斬りかかる。

 

「下がれ!俺はお前を助けにきた!」

「た、助かった……………」

『こっちに来て!ここの方が安全だよ!』

 

リンが遭難者を逃してくれたので、これで安心して戦える。

 

「お前らに構っている暇はない!」

『ENGINE!エレクトリック!』

「ハァーーッ!!」

 

電撃を纏った斬撃を放ち、一撃でエーテリアスたちを破壊する。

 

「無事か、パエトーン。」

『うん!こちらこそありがとう。竜さん!』

「た、助かったよ……………あんたら、命の恩人だ!」

「気にするな。あんたの救出を依頼されただけだ。ジョシュ・ホークスさんだな?」

「あぁ。私がホークスだ。それにしても君のあの剣捌き!素晴らしいものが見れたよ!ありがとう!」

 

ホークス氏がギュッと俺の手を握る。

その時、俺は強烈な違和感を感じた。

 

「あんた…………冷え性か何かか?」

「ん?いや、そんなことはないが……………」

「そうか………やけに手が冷たかったんでな。俺の熱で温めてやろう。」

 

内燃エンジンを蒸すと、手の温度が上がる。

温度調節は可能なので、簡単に手も温まる。

 

「あぁ……………温かい。身に染みるようだ……………しかしなぜだろう、私は寒さなど微塵も感じてはいないのに……………」

『ね、ねぇ竜さん?その人、そんなに冷たいの?』

「あぁ……………まるで、死体のようだ。」

 

救出された時。シュラウの冷え切った体を思い出す。

死んで数時間すると身体が死後硬直を起こし、体温がどんどんと下がる。

死体からしか感じられないその温度を、片時も忘れたことはない。

 

『低体温症かもしれない。ひとまず脱出しよう。着いてきて。』

「あ、あぁ……………何から何まで、すまないな。」

 

変身を解くことはなく、警戒を怠らずに進む。

ホークス氏の手を引き、ホロウと外界との境目を抜ける。

 

「よし、ホロウを抜けたな。」

『これで一安心………え?』

 

変身を解除して一息吐くと背後から、ドサッ、と、何かが倒れる音がする。

強烈に嫌な予感と共に振り返ると、先程救出したホークス氏が倒れていた。

 

「ホークスさん?ホークスさん!?」

『そんな…………さっきまであんなに元気だったのに!』

 

胸に手を当てると、そこからは鼓動がしない。

おまけに関節は伸びて硬くなり、瞳孔反射も見られない。

 

「死んでいる…………それも、死後数時間は経過している!」

『そんな!さっきまで生きていたんだよ!?』

「しかし、目の前で起こっていることは現実だ!こんな馬鹿なことが………………」

 

死者の蘇生ならまだしも、死者が死を理解していないような。

そんなオカルトは存在しない。

 

「存在……………するのか?」

 

頭の中で、ある仮説が浮かぶ。

俺がここに来た意味、そして力を託された意味が、わかるかもしれない。

 

「もう一度ホロウに入るぞ!」

『えっ!?ちょ、ちょっと竜さん!?』

 

ホークス氏を抱えて、ホロウの中に戻る。

 

「俺の予想が当たっていれば………………」

 

身体を地面に寝かせ、胸に手を置き続けていると、小さく鼓動が再開した。

 

「ん…………んんぅ………………」

「ホークスさん、わかりますか?」

「あ、あれ……………アクセルくん?それに、プロキシさんのボンプまで……………私は、なぜ眠って……………」

 

どうやら意識ははっきりとしているようだ。

記憶がリセットされたような様子もない。

 

『一体どうなってるんだ…………』

「…………パエトーン。耳を貸せ。」

 

まだ頭が曇るホークス氏を少し寝かせ、話をする。

 

「これは、完全に俺の憶測だが…………」

『聞かせて!こんなこと初めてだし、私たちじゃ全然わからないから。』

「………………これは恐らく、ドーパントの仕業だ。」

 

何の突拍子もない仮説。

しかし、俺にはこれしか考えられなかった。

 

『その、ドーパントというのは…………………』

「俺のもつそのメモリ、ガイアメモリは、地球の記憶を内包していることは言ったな?」

『うん。そこから凄いエネルギーを得てるんだっけ?』

「ガイアメモリにも種類がある。俺が使っているガイアメモリとはまた別の、怪人に変化してしまうガイアメモリもある。俺の予想が正しければ………………奴はここに姿を現す筈だ。」

 

そう話した次の瞬間、ホークス氏の叫び声が聞こえる。

 

「っ!ホークスさん!」

「な、なんだこの化け物は!!」

 

そこには、汚れた白いローブに頭の骨が縦に四つ並んだ化け物が、ホークス氏の襟首を掴んで浮いていた。

右手にホークス氏を、左手に大鎌を持って浮かぶその姿は、正しく死神のようだった。

 

「アハぁっ、キミがボクの兵隊を奪った大バカだね?」

「俺に質問するな!貴様……………何者だ!」

「ボクはこのホロウのエーテリアスの主人にして…………君たちの死神さ!」

 

死神、という名を聞き、頭の中で合点がいく。

まだ疑問は湧く。だが、奴の正体は突き止めた。

 

「死神だと………?俺は不死身だ。殺せはしない!」

《ACCEL!》

「変…………身!!」

 

再びアクセルの通常フォームに変身する。

 

「さあ…………振り切るぜ!」

「へぇ…………君が組織が言ってた《仮面ライダー》か。」

「組織………だと?貴様、何を知っている!」

「教えるわけないだろう?行け!ボクの兵隊達!」

 

骸骨が鎌を俺の方に向けると、わらわらと小型エーテリアスが襲いかかってくる。

 

「邪魔だ!ハァッ!!」

 

一匹一匹のエーテリアスは相手にならないが、数が多いとかなり厄介だ。

 

「精々頑張りなよ!仮面ライダー!あはははは!!」

「くそッ!待て!!」

『竜さん!一度退却しよう!流石に数が多すぎるよ!』

「ぐっ…………!!あぁ、わかった!イアスを連れて拠点に戻る。ハッ!」

 

バイクモードに変形し、ホロウを脱出したのだった。

 

 

 

「あの死神のような怪物、そして、奴が言っていた組織…………どうやら、かなり厄介なことに足を突っ込んだかもね。」

「…………アキラ。リン。一つ相談がある。」

「あぁ。僕からも竜さんに聞きたいことが山ほどある。でも、まずはそちらがどうぞ。」

「この件、解決させてはくれないか。依頼主は確か、ホークス氏の奥さんだった。彼がエーテリアス化する前に、死体だけでも奥さんの元に届けたい。」

「気持ちはわかるよ。でも、流石に相手が不明すぎるよ……………エーテリアスを操って、死体だったホークスさんを自分のものだって主張してた…………これ、本当に死神なんじゃないかって思ったよ。」

「でも竜さんは、何か心当たりがあるんだろう?それを教えてくれ。」

 

協力を得るためには、伝える以外無いようだ。

彼ら兄妹を事件に巻き込むわけにはいかなかったが、こうなればやむを得ない。

 

「……………あぁ。俺の知っていることを話そう。だがそのためには、俺が今に至る理由を話さなければならない。信じられないかもしれないが……………」

「信じるよ!絶対!」

「この数週間で、あなたが軽々と嘘をつくような人間ではないことはわかっているつもりさ。話してくれ。」

「………わかった。」

 

俺は話した。ここに来た経緯、託された力、そして、奴の正体まで。

 

 

 




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