新エリー都で………振り切るぜ!   作:気まぐれな富士山

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Dを恐れよ/出会ったら死

 

俺は話した。

自分が異世界から転移したこと。

謎の男に命を救われ、このベルトを託されたこと。

そして、ドーパントのこと。

 

「あの姿、一度見たことがある。死神のような風貌に、Dの名を冠するドーパント。名をデス・ドーパント。」

「DEATH…………ガイアメモリが地球の記憶を内包してるということは、死の記憶を持ったメモリを使ってるということかい?」

「あぁ。その通りだ。名前だけ聞けば強力なドーパントだが、俺が見た時はそれほど強い能力ではなかった。あんな風に死体を操るなど、聞いたこともなかった。しかし、ああしてやってみせたということは、ホロウとガイアメモリには何かしらの関係性があるのかもしれん。」

「確かに、ホークスさんはホロウの外に出た瞬間死体に戻っていたよ。ということは、ホロウの中なら操れる…………ってこと?」

「そうなるな。エーテリアスを操っていたのも、恐らく死体関連だろう。死体を操るという能力なら、エーテリアスを生きていると見做さず、操ることも可能だ。恐らくはそういう…………解釈の問題だ。」

「そんな呪術みたいなものなんだ…………」

「大量のエーテリアスを操る怪物か………倒し方のビジョンが浮かばないね。」

「俺に作戦がある。時間が無いから、手短に伝えるぞ。」

 

そうして俺は、作戦の顛末を伝えた。

 

 

 

 

「で、なんで私たちが呼ばれたわけ!?しかもタダで!」

「俺に質問するな。それにタダじゃない。お前らの未払いの依頼料の一端をチャラにすると言っている。」

「ぐぬぬ…………やっぱり借金はするものじゃないわね…………」

「私たちを戦力と見做しての選択。信頼はされてる。」

「そうだぜ親分!作戦もキッチリ立ってるし、今回は恩返しと思ってやろうぜ!」

「わかってるわよ!さっさと案内しなさい!パエトーン!」

『ありがとうニコ!それにビリーとアンビーも!』

 

ホロウに入り、リンとアキラの指示の元、ホークス氏を捜索する一行。

 

『反応はこの近くなんだけど……………』

「っ!店長!親分!半分だけ侵食されてる人間がいたぞ!」

 

ビリーの言う方を見ると、そこにはエーテル結晶に半身を侵食され、何かから逃げるように足を引きずるホークス氏がいた。

 

「俺が行く!お前達は作戦通りに!」

「俺が行くって、あんたは戦えるの?」

「……………俺に質問するな。」ダッ

「あっ、ちょっと!もう!なんなのよアイツ!」

『竜さんは質問されるのが嫌いだから……………それより、早く行くよ!こっちのことは竜さんに任せよう!』

 

ホークス氏の元に駆け寄ると、その目からは精気が感じられなかった。

 

「ホークスさん!しっかりしろ!助けに来た!」

「あ…………アクセル………くん……………は、早く、逃げなければ……………死神が、追ってくる……………」

「あれ?あの時の仮面ライダーじゃん!僕がせっかくそいつをいたぶって楽しんでたのに………また邪魔しに来たの?」

「二度も言わせるな。俺に質問するんじゃない!」

「お〜怖。てかさ、まだその人を助けるとか言ってんの?無駄だよ。もうエーテリアスになっちゃうからね!ハッ!」

「あっ……………あぁぁああアアアァァああ!!」

 

途端、ホークス氏の身体を覆うエーテル結晶が全身に巡り、一匹のエーテリアスとなる。

 

「やはり…………貴様の操るエーテリアスは、全て死体か!」

「その通り!ボクの能力は死を操る!君の体も…………殺してボクのオモチャにしてやる!」

「戯言を…………貴様のような悪は、俺が倒す!」

《ACCEL!》

「変……………身!!」

 

現れたデス・ドーパントを前に、通常のアクセルフォームに変身する照井。

 

「さあ…………振り切るぜ!」

「やれるものならやってみろよ!いけ!」

 

大量に湧き出てくる小型エーテリアス。

 

「雑魚どもに構っている暇はない!」

《ENGINE!マキシマムドライブ!》

「ハァァッ!!」

 

周囲に向かって大きくAの文字を描き、爆発させるエンジンメモリのマキシマムドライブ技、ダイナミックエースだ。

 

「なっ!これだけの数を、一瞬で!?」

「次は貴様だ!ハッ!」

 

空中に浮かぶデス・ドーパントに飛びつき、地面に落とす。

 

「グッ………!調子に乗るな!」

「それは貴様の方だ!」

 

デス・ドーパントの太刀筋はあまり大したことがなく、エンジンブレードで連続で斬りつける。

 

「死者を弄び!人々の魂をこのホロウの中に閉じ込めた!そんなことは、断じて許されない!」

「なんでっグアッ!あんたがそんなアガッ!ことをっウグッ!グアッ!」

 

情けなく地面に転がるデス・ドーパントに、エンジンブレードの切先を突きつける。

 

「三度目だ。俺に質問するな!」

《ENGINE!マキシマムドライブ!》

 

エンジンブレードにメモリを差し、マキシマムドライブを放とうとする。

しかし、それは直前で阻止された。

 

「…………なーんちゃって。」

ガギンッ!「っ、なんだ!?」

 

何かの矢によってエンジンブレードの攻撃が阻まれる。

攻撃してきた方を見ると、一体の中型エーテリアスが目の前にいた。

 

「グッ!!」

「ハハハハハハハ!これで終わりだな!ボクの最強のエーテリアス、タナトスにお前は勝てない!」

「タナトス………だと!?」

「要警戒エーテリアスの一種さ!強い意志を持ったまま死んだ奴が、強力なエーテリアスに変化したんだよ!」

 

瞬間移動のような速度で間合いを詰めてくるタナトス。

 

「くっ!うっ!」

(速い…………!俺が見えてないだと!?)

「殺れ!タナトス!」

 

速度と鋭さを兼ねたタナトスの斬撃が強化皮膚越しにダメージとして伝わってくる。

 

「ハハハッ!!いいぞいいぞ!そのままそいつを殺せぇ!」

「舐めるな!」

《ENGINE!エレクトリック!》

「くらえ!!」

 

電気を纏った斬撃をくらわせると、怯む様子が見えた。

 

「まだまだァ!!」

「こっ、こいつ、エネルギーの限界とか無いのか!?」

「うおぉぉぉ!!」

 

アクセルの能力を見ていると、スピードと耐久性に目が行くが、本来の特筆すべき能力はそのエネルギー保持性である。

マキシマムドライブ状態のエネルギーを溜め込み、少しの間持続させ、連続必殺技を叩き込めることこそ、アクセルの本領なのである。

 

「ハァッ!!」

 

流石のタナトスも耐えきれずダウンしてしまう。

そして、その隙を見逃す手は無い。

 

「これで終わりだ!」

 

いつものエンジンメモリをアクセルドライバーに装填し、クラッチを押す。

 

《ENGINE!マキシマムドライブ!》

「フッ!」

 

バイクフォームに変形すると、全身に炎が纏う。

 

「ハァーーーッ!!」

 

マキシマムドライブ状態で相手に突撃する必殺技、ライダーブレイクだ。

タナトスが爆発し、エーテルに戻っていく。

 

「ハァッ、ハァッ、フゥッ………追い詰めたぞ。」

「へぇ、なかなかやるね。でもさぁ…………1体だけとは言ってないよね?」

「ッ…………!!」

 

すると、デス・ドーパントの後方から複数体の中型エーテリアスたちが現れる。

先程のタナトスだけでなく、初めて倒した騎士のようなエーテリアスまでいる。

 

「骨が折れるな…………」

「これで終わりだよ!行け!ボクの兵隊たち!」

 

危機一髪かに思えたその時。

銃弾の雨がエーテリアスたちに降り注ぐ。

 

「これは…………!」

「助けに来たぜ!リュウさん!」

「ご要望のやつも連れてきたわよ!感謝しなさい!」

「いいタイミングだ!トウッ!」

 

駆けつけた邪兎屋の元に駆け寄る。

 

「ハッ!いくら仲間が増えても無駄さ!この数のデュラハンとタナトス相手に敵うとでも!?」

「お前、何か勘違いをしてないか?」

「ひょ?」

「そこのエーテリアスたちを倒すのは、俺たちじゃない。」

 

ニコが指をパチンと鳴らすと、背後の壁を突き破って巨大なエーテリアスが現れる。

 

「GOAAAAAA!!」

「なっ…………!!こ、こいつは!デッドエンドブッチャー!!?」

「流石のお前も、厳重警戒クラスのエーテリアスは従えられないだろう!?行くぞ!」

 

デッドエンドブッチャーを尻目に、脱兎の如く駆け出す邪兎屋と照井。

作戦通り、先程の中型エーテリアスたちにデッドエンドブッチャーは気を引かれ、大暴れしていた。

 

「な、なんなんだあの化け物…………!ボクも早く逃げなければ…………」

「逃げ切れると思ってるの?この悪党!」

 

逃げようとするデス・ドーパントの前に、武器を見せつける邪兎屋。

 

「ひ、ひぃぃぃ!!ゆ、許してください!もうしませんから!」

「貴様の蛮行は、もうしないという言葉の次元を超えている。裁きを………受けてもらうぞ!」

《ENGINE!マキシマムドライブ!》

「ハァッ!!」

「ぎゃあぁーーー!!」

 

エンジンブレードにエネルギーを溜め、思い切りデス・ドーパントを斬り裂く。

爆発の後、デス・ドーパントの体は普通の人間となり、体からメモリが飛び出て壊れる。

 

「あ…………あぁっ、あぁっ!ボクの、ボクのメモリ!」

「逃げるぞ!アイツはやばい!」

「離せぇ!ボクの!ボクのメモリィィ!!」

「そいつうるさい!アンビー!黙らせて!」

「わかった。」ドスッ

「うっ……………」ガクッ

 

メモリを中毒者のように求める男を眠らせて担ぎ上げ、一行はその場から立ち去った。

 

 





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