新エリー都で………振り切るぜ!   作:気まぐれな富士山

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ネタが………浮かんでくるッ!
今のうちに書き進めねば!!


Vの野望/消える予定の人々

 

朱鳶たちと事件を解決し、2週間がたった頃のルミナスクエア署。

照井の個人携帯に電話がかかる。

 

「もしもし?」

『あ、もしもし竜さん?今お話しできる?』

「リンか。あぁ、出来るぞ。電話でしづらい話か?」

『そうだね…………ウチまで来れるかな。』

「了解した。10分くらいで着く。」

 

電話を切り、身支度を整える。

 

「おっ。お堅い班長さんが外出たぁ珍しいね。」

「知人と会ってきます。何かあればまた連絡を。」

「はいよー。いってらっしゃーい。」

 

刃の気だるげな声に見送られ、照井はルミナスクエア署を後にした。

ビデオ屋《Random__Play》に着くと、プロキシ兄妹が迎え入れてくれた。

奥の部屋に入ると、兄妹以外に一人、猫のシリオンがいた。

 

「ねぇプロキシ。この人が協力者?」

「うん。治安官の照井竜さん!私たちの仲間だよ!」

「よろしく。君の名は?」

「あたしは猫宮又奈!猫又って呼んでいいぞ!プロキシが信頼してるってことは、アンタは悪徳治安官だな〜?」

「俺に質問するな。そして俺は悪徳治安官じゃない。これは恩返しのためだ。それに、コイツらが悪事を働くと言うなら俺は協力できない。それはコイツらも承知の上だろう。」

「むむ、結構厄介そうだにゃ。わかった!これ以上は詮索しないでおくぞ。」

「助かる。それで、話ってのは?」

「竜さんは、ヴィジョンコーポレーションの話題を知ってる?」

「あぁ。ホロウを抜ける新しい地下鉄を作る、とかいうのだろう?治安局でも噂になっていた。」

「それの件で、そこの猫又から依頼が入ったんだが、これはどうも僕らだけ済む話じゃないと思ってね。治安官の竜さんにも協力を頼みたいのさ。」

「そんなことか。いいぞ、なんでも言ってくれ。」

 

アキラとリンから頼まれたことは、依頼人と共にデッドエンドホロウに入り込み、邪兎屋と合流して、取り残された住人を救出して欲しいというものだった。

それにあたって、色々な情報も入手した。

ヴィジョンコーポレーションは、爆破予定地域の避難は完了した、と報じていたがあれは間違いで、実際は避難は完了しておらず、このままでは大量虐殺が起こってしまうとのこと。

 

「成程…………爆破予定地に邪兎屋が取り残された。それてで、本来なら治安局に通報するのが一番適切だから、俺を呼んだか。正しい選択だ。邪兎屋には借りを返すとしよう。」

「そうこなくっちゃ。それじゃあ、早めに向かおう。」

「事態は一刻を争うのだろう?走るよりバイクの方が速い。俺のバイクに乗れ、猫又。」

「安全運転で頼むぞ!」

「誰に物を言ってる。俺は治安官だ。交通ルールは守る。」

 

早急に事態を理解し、デッドエンドホロウへ向かう一行であった。

 

 

 

「こちら照井。アキラ、聞こえるか?」

『あぁ。バッチリ聞こえてるよ。イアスの方は大丈夫かい?』

「ンナンナ!(大丈夫だよー!)」

「だとさ。」

『よし。それじゃあ、同機するよ。』

 

イアスが一時的に動かなくなると、目の色が変わり、イアスからリンの声が聞こえてくる。

 

『オッケー!それじゃ、急いで向かおう!』

 

アキラのナビゲートでホロウの中に入って行く。

 

「その剣、本当に持って行くのか?めっちゃ重そうだぞ?」

「2度目だ、俺に質問するな。」

《ACCEL!》

「変…………身!!」

 

アクセルに変身し、エンジンブレードを担ぐ。

 

「前よりも随分早いな。機材を変えたのか?」

『あー…………H.D.Dに人工知能を入れてね。それがサポートしてくれてるの。』

「ほう。H.D.Dほどのシステムをサポートできる人工知能か。中々興味深い。」

(竜さん…………大方予想はついてるんだろうな。)

 

言及しないあたり、空気を読んでいるようだ。

しばらく走っていると、指定された方向が電車で塞がってしまっていた。

 

「ん?この電車は………プロキシ。あたしたち道を間違えてないか?」

『猫又。進路は間違ってないよ。見た所、この列車は外的な力で破壊されている。大方あのエーテリアスが投げたんだろう。』

「デッドエンドブッチャーか……………2度と会いたくないものだな。」

「あたし一人なら下から入れなくもないけど、ボンプを連れて行くのは無理。そこの治安官さんだって置いてくことになるぞ。」

「下がっていろ。俺が道を…………」

 

そこまで言うと、電車の奥から人の声が聞こえてくる。

 

「あ、あの……………」

「んにゃっ!?い、今誰か喋った!?まさか、電車が!?しかも、可愛い女の子の声だったぞ!」

「う、うえぇ!?」

「そこに誰かいるのか?いるなら返事をしてくれ。」

 

すると再び、可愛らしい声が返ってくる。

 

「あ、あの…………皆様は、ホロウ調査協会の調査員様ですか?」

「俺に質問するな。」

「ふぇぇ!?すすす、すみません………?」

『ちょっと竜さん!怖がらせないでよまったく…………相手の名前を聞く前に、まず自分から名乗るのが業界のルールだよ?』

「え?そ、そうなのですか?ごめんなさい、そのようなルールを………存じ上げてはおりませんでした。えっと………私はカリン。家事代行会社の従業員です。星座は双子座、血液型はRH-、好きなことはお掃除です。市民ナンバーは……………」

「そ、そんなに細かく紹介してくれなくても…………それで?カリンちゃんはどうしてこんなとこに?」

「つ、ついさっき、危険なエーテリアスを避けて通ろうとしましたら、同行していた皆さんとはぐれてしまったんです!私はキャロットのデータを所持していなくて………調査員様方なら、きっとホロウから脱出するルートをご存知ですよね?ど、どうか、私も連れて行っていただけませんか?」

 

どうやら、ホロウ内で道に迷った一般人のようだ。

 

「どうする?あのコを助けてあげる?」

「俺が道を切り開く。下がっていろ。」

「で、でしたら、カリンもお手伝いします!」

「そっちから道を開けるのか?」

「はい。少々お待ちください!すぐに済みますので!」

 

少女の声が少し離れると、猫又が様子を探る。

 

「下から来るのか………?」

「猫又、落ち着いて待ってろ。」

 

そんなことを言っていると、電車の向こう側からギャリギャリと嫌な音が聞こえてくる。

 

「うげぇっ!嫌な音!」

「下がれ!」

 

猫又とイアスを庇うように照井が前に出る。

けたたましい音は徐々に近づき、ついに電車のドアを切り裂く。

巨大な丸鋸が五角形にドアを切り裂き、倒れたドアの向こうから緑髪の可憐な少女が丸鋸を携え現れる。

 

「んしょ……!うん、破れてない………!うあぁ!?お、お待たせいたしました!は、初めまして!」

 

120°ほどまで頭を下げて挨拶をする少女。

 

「君が、カリンちゃん?」

「は、はい!初めまして、調査員様!」

「俺は調査員じゃない。治安官だ。調査員はこっちの二人。お目付け役として一緒にホロウに潜っていたところだ。」

「そ、そうだったのですね。では、先程お話しさせていただいたのはこちらのボンプ様だったのですか………?あ、あわわすみません!ボンプ様のご身分を疑っていたわけではなく………!」

『今は、ただのボンプってことでいいよ!気にしないで!』

「君、本当にただの家事代行会社か?あんな大物を振り回す家事代行なんて、聞いたこともないが。」

「すみません………へ、弊社は、幅広い分野でビジネスを展開しておりまして…………中には、ホロウ関連の業務もあるんです…………」

「まぁ、一先ずは着いてきてくれ。どうせ道中の手が必要だった。それだけの大物を使いこなせるなら、お荷物にはならないだろう。どうだ?プロ…………調査員。」

『うん、まぁ無理なお願いでもないしね。』

『僕もリンの意見に賛成だ。でも、一応見ず知らずの人だからね。お互い詮索は無しにしよう。』

「よし!カリンちゃん。あたしたちについてきてもいいぞ。そのかわり、余計なお喋りはナシ。それでいい?」

「は、はい!よろしくお願いします!

 

ホロウレイダーでは無いかと心配もしたが、今はそうも言っていられない。

一先ず、カリンを連れて先に進むことにした。

 

 

 

しばらく、エーテリアスの群れや障害物に悩まされながらも先に進むと、リンからカリンの目的地についたことを知らされる。

 

「カリン。君のゴールについたようだ。」

『そこから出れば大丈夫だよ。』

「ほ、本当ですか!?出口が見つかったんですね!よかった…………!あの、本当にありがとうございました!調査員様と治安官様のお力が無ければ、カリンはきっとこのホロウを永遠に彷徨っていました!」

「それはお互い様だ。君がいなければ、突破に時間もかかった。予想より早く移動できたのは、君のおかげだよ。」

「あの、よろしければ、皆様のお名前を教えていただけませんか?今度、従業員一同でお礼に伺いたいんです!」

「俺は照井。照井竜だ。」

「あたしは猫宮又奈!猫又ってよんでいいぞ!」

「こっちのボンプは気にするな。あまり知られたくないこともある。」

「わ、わかりました。では、ボンプ様のお名前はお聞きしませんね。で、では、私はこれで失礼いたしますね!」

 

深々とお辞儀をし、カリンは去って行った。

 

「凄まじい少女だったな。身長以上のチェーンソーを振り回して……………」

「あんたの剣も軽々使えたりしてねー?」

「…………彼女の働く家事代行会社、少し気になるな。」

 

謎の少女、カリンのことを考えながらも、時間のことを思い先に進む。

 

 

 

「なんとか間に合ったか!」

「プロキシ!今だ!」

 

猫又がイアスを投げ、電車の上にイアスが乗る。

 

「掴まれ猫又!」

 

猫又の手を掴み、逆の手で電車の突起物を掴む。

 

「何かあれば突入…………このまま何も無ければいいが。」

 

すると、通信からリンの驚いた声が聞こえてくる。

 

『竜さん聞いて!この列車に積まれているのは爆薬だけじゃない!ニュースではこんなこと言ってなかったのに!』

「っ、突入するぞ!」

「わ、わかった!」

 

猫又と共に窓を破り、中に侵入する。

するとそこには、治安局の武装部隊の制服を着用した者たちがずらりと並んでいた。

 

「なッ……!治安局だと!?」

「プロキシ、こっちだ!」

 

猫又が機転を効かせ、イアスを抱えて窓に投げ出す。

 

「あたしたちは大丈夫!後で追いつくから、先にお店で待ってて!」

 

イアスは線路外に投げ出され、照井は治安官たちと向き合う。

 

「貴様ら、所属と階級を名乗れ!名乗らなければ、偽物と判断し攻撃する!」

「隊長!侵入者です!迎撃します!」

「ハァッ!!」

 

エンジンブレードの斬撃で敵を蹴散らす。

 

「どういうことだ猫又!こんな連中がいるなんて聞いてないぞ!」

「私だって知らない!兎も角、早く脱出するぞ!」

 

キャロットを持っていない照井は、敵を蹴散らしつつ即座にその場から脱出した。

 

 

 

Rondom__Playに戻ると、猫又を問い詰め始める照井。

 

「キチンと話してもらうぞ。でなければ、俺がお前をしょっぴく。」

「猫又。これは大事な話だ。茶化さないで全部話してくれ。君と邪兎屋は一体、どんな面倒事に巻き込まれているんだ?」

「何か事情があるならちゃんと説明して。私たちだって、別に融通が効かないってわけじゃないんだよ。」

 

すると猫又は、恐る恐るこちらに問いかける。

 

「あ、あたしが話したところで…………本当に、信じてくれる?」

「今のままでは信用ならん。だから、信用にたる情報を話せ。」

「それが、『パエトーン』の力を欲する対価だ。隠していることを、全部教えてくれ。」

「か、隠すつもりなんてない!列車の中に人がいるなんて知らなかった!あたしはただ、他の場所で同じ格好のやつらを見たことがあるだけ!あたしと邪兎屋はとんでもないことに巻き込まれた………でもそれは、人助けのためなんだ!」

 

人助け、という今まで出てこなかったワードが飛び出す。

 

「人助け、だと?」

「そうだ、ニコのボンプ!あれが全部記録してる!あの一部始終を見れば、あんたたちもきっと分かってくれる!それなら、あたしの言葉より信頼に足るはずだろ!?」

「……わかった。Fairy。ニコのボンプから記録を抽出、再生してくれ。」

 

そうして、ボンプに記録されていた映像を見る。

するとそこには、驚愕の事実が含まれていた。

 

「爆破予定地にまとめられた民間人に、治安局の偽物か…………ヴィジョンめ、なんてことを!」

「あたしの任務は、『パエトーン』に助けを求めること。あたしはデッドエンドホロウを抜けて、あんたたちの店に来たんだ。嘘はついてない!ニコも、爆破エリアの住人たちも、絶体絶命の状況に置かれてるんだ!お願い『パエトーン』!あたしと一緒に、みんなを助けに行って!」

 

さっきまでの怪しむ空気はなく、今の猫又からは確かな信頼を感じ取れる。

 

「あんたの言うこと、信じるよ。ただ、私たちはプロキシのエキスパートとして、その件に首を突っ込むリスクを警告する必要があるの。」

「ああ。住民全員を救い出すとなれば、ヴィジョンとの正面衝突は避けられない。」

「今更あたしを試さなくていい。あの時から、覚悟は決めてきたんだ………!」

「…………どうやら、道は決まったようだな。」

「あぁ。竜さんには申し訳ないが、また面倒事に巻き込まれたようだ。」

「かまわん。治安官としても、この事態は見過ごせない。ヴィジョンの連中は、全員逮捕だ…………!」

「よし。それじゃあ、早速作戦を考えよう。」

 

照井たちが作戦を立て始めた、ちょうどその頃。

ホロウに取り残された邪兎屋の面々は、危機に直面していた。

 

「これは………一体…………!?」

「大変だぜニコの親分!あっちで年寄りどもが一斉に熱を出してやがる!」

「ニコ。こっちでも、子供が数人血を吐き出した。大人の中にも、咳が止まらない人が増えてる。」

「な、なによこれ!なんでいきなり症状の違う感染症が流行るワケ!?」

 

咳が止まらない大人、熱に項垂れる老人、血を吐き出す子供。

三者三様、全く異なる症状の感染症が流行する異様な事態が発生していた。

 

「っ、医薬品を回して!老人より、子供優先よ!それとありったけのタオルと水!早くしなさい!」

「わ、わかったぜ親分!」

「お願い…………!早く助けて!パエトーン!!」

 

ニコの悲痛な叫びが、建物に吸収されていった。

住民全滅のリミットは、近い。

 

 

 




いかがだったでしょうか?原作よりもハードモードですが、なんとか解決させたいと思います。
誤字報告、感想お待ちしております。

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