疲れたよ、隠居するね皆   作:回忌

10 / 42
先生

 

ゆらりゆらりと、体が揺れる

まともに舗装されていない道路の上を通過しているからである

流石に風紀委員会の本部、中心部に近付けば舗装もマシになっていくだろうが…

 

にしてもこう見ると前回は派手にやったものである、特にワカモが

 

調べてみればワカモがあの時ボコボコにしていた白モップのような生徒は空崎ヒナという生徒らしい

ゲヘナの風紀委員長であり、マンモス校のゲヘナで最強の生徒なんだとか

アビドスの小鳥遊ホシノと同じくらい強いらしいとか…いや、彼女の強さは知らんが

 

 

それはそれとして……

 

 

「…なぁ、本当に良いのか?」

「むっきゅん!(快諾)」

「そうか」

 

彼がいいならそれでいいか(適当)

被害者は私では無いのだから、当たり前な話であろうて

こいつの意見次第である……さーて、どう転ぶかな?

 

「……にしても、リン代行も同行するのか」

「えぇ、問題を起こした者として左腕切断は洒落になりませんから」

 

今回、リン代行官が助手席に座っている

実質連邦生徒会のトップがほぼいる状況である

彼女が同行している理由は上記の通り左腕切断のせいである

そういった責任の確認や処理、というのがあるのだとか

 

……んまぁ、前例が無いってのがデカイのか?

キヴォトスの人々はどいつもこいつも無駄に耐久力が高い

なのでケツピンのように四肢のいずれかを切断することがないのだろう

オートマタは交換すればいい、生徒たちはそもそもちぎれない

 

異常な都市だ、本当に

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そういえば、もう1人の副担任は?」

 

今、彼はどうしているのだろうか

密室にぶち込んでドッグフードしか与えていない彼は痩せただろうか

細くなっていようがなかろうが私にはどうでも良いことなのだが

 

「あぁ、あの人は……現在ヴァルキューレです」

「なんで???」

「狂いそう……!(静かなる怒り)」

 

…なんか、仕事が増えたような……

私は痛くなる頭を抑えながら彼女に聞いた

ため息が聞こえる、分かるよその気持ち、本当に分かる

 

 

 

 

 

「ミレニアムのコンピュータ、ハブというものを無断ハッキングした罪、ヴェリタスにサイバー攻撃をした罪、です」

「……ろくでも無さそうだな……それ」

「お、おっぱげた…」

 

ミレニアム、あそこは技術の原石が集まる場所だと思っている

会っていないが全知の称号を持つ学生がいるとかなんとか

そんな奴らが集まった所で出来たもんをハッキング?うせやろ?

というか密室に入れてた筈やろどないなってんねん……

 

「副担任、お前なんか知ってるか?アイツのこと」

「はぁぁあああっ……!!(畏怖)」

「そうか(即諦)」

 

にしても、ヴェリタスとはなんなのだろうか?

聞き覚えのない部活だが……はて、なんなのだろうか

 

『ヴェリタスとはミレニアムのハッカー集団ですよ!

ㅤこの前も先生の携帯に不法侵入してました!』

 

言えや

部の紹介と共に何気なく私のデータがスられていたことをアロナは知らせてくれた

もっと早くそれを教えてくれても良かったんだぜ?

この意地悪野郎が

 

『先生が電源を切ってるからです反省して下さいッッッ!!!』

 

ごめんて、でも電源は切るね

画面をひたすら殴るアロナを和やかな目で見ながら電源を切った

彼女の悲鳴に近い叫びが聞こえたような気がした

 

 

 

 

「…ディフフ、ザルでござる、ザルでござるよォ……?」

 

ニィチャァ……という擬音が合いそうな位の笑みを披露する肥満体型の男

目線の先にはデスクトップがあった

そこには無数のコード、様々なウィンドウが展開されていた

 

「この程度"カード"を使うまでもないでござる!

ㅤ原作でホドに堕とされたのが納得のファイヤウォールでござるよ!」

 

笑いながらタァンとキーボードをクリックする彼

その瞬間画面にあったゲージが左まで到達し、DELETEの文字を浮かび上がらせる

どこかで何が止まったようである、フシギダナー

 

「……にしてもあのドブのような部屋から出るのには苦労したでござる

ㅤ毎日ドッグフードとは酷いのでござる!」

 

ブーブー文句を垂れながら自分で買ってきたポテチをかじる

久しぶりに感じる塩っぱさに彼は感動の涙を流した

 

「これでござる……この味でござる……うぅ……」

 

サイダーも飲みながら彼はカチャカチャと、PCを弄る

尚そのPCはランボー先生の為に購入された備品であり、彼のものでは無いことを書いておく

 

ちなみにここに至るまで働いているのはランボー先生だけの為備品は基本彼の為にある

一応2人分もあるが、基本的な機材はランボー先生の方が多い

 

 

「……?ヴェリタスでござるか?」

 

数分画面を眺めていると、なにかの警告が出てきた

見覚えのあるロゴを見た彼の目に炎が宿る

 

 

そこには、ある意味挑戦状にも感じられる警告があったからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────私達に、ハッキングして見せろよ

 

 

「……くく、面白い」

 

 

コキリ、と首の骨を鳴らして彼は1つのカードを取り出した

黒いカードにひたすら緑色のコードが変則的に変化している模様があるもの

僅かな緑の光を浴びながら彼はニタリと笑う

 

 

 

 

 

「全知……いざ勝負でござる!」

 

 

 

 

 

 

「わざわざ御足労ありがとう」

「大した問題じゃない」

 

風紀委員会本部、面接間

十分に人の座れる椅子と長い机で我々は見つめあっていた

白モップ……空崎ヒナのその言葉によりようやく話が始まった

 

「……今回その…貴方の副担任の左腕を切断したことなのだけれど」

 

彼女は言いにくそうに言葉を出す

俺が睨むに恐らくアコの独断だろうが…

その後の左腕切断に関してはヒナが悪いところもある、シャーレの装甲車を攻撃したし

 

「まず、貴方を捕らえようとしたのはアコの独断

ㅤ私たちゲヘナの総意では無いことを理解して欲しい」

「分かってる、俺はどうせそうだと思ってた」

「僕もすりゅ〜(同意を)」

 

副担任も理解していたようである

思いのほか頭は回るのか?「カード」があるようだしそうなのだろうか……

もしかして単純に受け答えができるけど言葉が強制的に変えられたりして……

最初の指揮はそれで上手く伝わらなかったとか……そうなのか?

 

それは、また今度にしよう

今は目の前の問題に取り組むべきだ

 

「彼女的にはこの先あるエデン条約における不安を取り除きたかったと、そう言っているわ」

「だろうな、そう言っていた」

 

それに関しては彼女が公言していた、目の前で

そういえばあのヨコチチハミデヤンは現在居ないのだがどうしているのだろうか?

 

銀髪生足と赤タイ……チナツはいるのだが

 

「アコは今謹慎中よ、……妥当でしょ?」

「ミレニアムがあってよか……いや、そもそもの技術が進んでいることに感謝しろよ

ㅤ外の世界じゃ四肢の切断なんて一生の傷なんだ、死ぬほど見てきた」

「……ごめんなさい、私のミスでこんなことをしてしまって」

 

ヒナは頭を下げた

ゲヘナのトップ、最強が目の前で謝罪している

これがどれほど異常なことか……いや、当たり前なのだがな?謝罪は

 

「頭を下げなくていい…その辺は副担任が要求してくれるさ、な?」

 

俺がニコリと笑って彼を見る

ビクリと震えた彼はぎこちない笑みをしながら言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おちんちんしゃぶらせて下さい……(混乱)」

「……今後ゲヘナに対しての協力要請に一切の拒否が出来ない、ということだ」

 

 

あっぶねえ、なんとかカバー出来たぞ

なんかもうちょい……マシなことを言うかと思っていたから気が抜けてた

こいつはそうだ、一般人の変人だった……そうだったよ……

 

 

……と、言うわけで俺が勝手に注釈を付け加えた

個人的にマンモス校の力を拒否権無しで借りれるのはデカイ

連邦生徒会の力は基本的に無しとして、カードの4人だけでは限界がある

それを無視してやれるというのはとてもデカイ話だ

 

「かんしゃあ^〜」

「……今度エンジニア部に腕を作りに行こうか」

「玉も竿もでけぇなお前(褒めて伸ばす)」

「ははは」

 

 

…このような感じで、会合は上手く纏まった(個人の感想です)

戦闘にならなくて良かった、あのあと連邦生徒会としての意見交換があったようであるが知ったことでは無い

 

 

 

どうせリンと私の仕事が増えるだけ、あはは……楽しかったですよ、休日さん

 

 

 

 

 

 

いや、休日なんてなかったか……そう思いながら一旦シャーレに帰投したのだった




「大人のカード」

黒いカードに断続的に変化する緑の光るコードが刻まれたカード
副担任と先生の2人が持つカードとは違い生徒を出す力は一切ない
その代わりにあらゆる電子的防御を突き破ることが出来、これはシッテムの箱も例外では無い

電子戦に強い彼がブースト兼切り札として使用している



恐らくこれは元のカードは2人と変わりない能力があったのだろう
そこに、異なる「色」が加わった結果があれなのだろうか
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。