疲れたよ、隠居するね皆   作:回忌

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腹黒お嬢様学校

「……さて、君達が尽くテストがオワコンだったおかげで今から別のところで勉強することになる」

「ぇぇぇえええ……」

「あ、アレは少しミスをしただけよッ!?」

「うむ、紙一重だった」

「あらあらー、残念ですね〜」

「6点の奴は喋るな馬鹿」

 

さてさて、あれから二三日経ったある日である

あまりにもこいつらのテストがオワコンすぎて別の……まぁ、泊まりでの補講になったのである

場所は少し離れた寮のような所、整備はされていないらしい

 

テストの補講ついでに掃除か?あの紅茶依存症がよ

 

会談中に永遠と紅茶をすすっていた彼女を思い出しながら心の中で毒を吐く

ああいう役人タイプが私にとって1番嫌いなタイプである

何度も言うが上から目線の上に自分が圧倒的有利だと勘違いしている馬鹿だからだ

 

ナギサは疑心暗鬼の塊、あれは……ちょっと救いようが無い

だと言うのに親友のように好いているヒフミを補習部にぶち込んだり……もうわからん

 

「先生、持っていくものは教科書等ですか?」

「そうだろうな、ヒフミ。あとは3日程そこで宿泊するから着替えを用意するように」

「私は先生のワイシャツがあるので大丈夫ですねー」

「浦和、俺は自分のものしか持ってこないから自分の衣服をもってこい

ㅤまさかスク水ハイレグドギツイ水着チーパン以外持ってないとか言わないよな?」

「……まっさかぁ!」

「良しテメーはこの後〇Uで服買ってこい」

 

…この変態が……

目の前で変態の"フリ"をしている浦和を睨みながら私は書類を見る

洗濯機等は稼働しているという記述を見る限り恐らく電気は通っているだろう

食糧系統は私が買ってくるので問題無い、うむ

 

 

 

 

……あ、そうだ

 

 

 

 

「……でだ、途中大雨が───────」

 

私が注意事項を言おうとした時、携帯が鳴った

失礼と彼女達に一言言って私は電話に出る

 

 

「もしもし、俺だ」

『先生?今どこにいらっしゃいますか?』

「リン?一体急にどうしたんだ?」

 

電話の主は七神リン、連邦生徒会長代行である

明らか疲弊した声に面倒事だなと察しながら私は要件を尋ねる

 

『いえ、貴方でないとダメな書類が溜まっておりまして……

ㅤ今からシャーレに戻ることは出来るでしょうか?』

 

どうやらシャーレに来た書類の話のようであった

ケツピンやオタク野郎などの面倒事の話じゃなくて良かった…

 

それはそれとして

 

「……ちょっと無理だ、トリニティからの依頼で数日間そっちに戻れない

ㅤそれは紙じゃないとダメな奴か?」

『えぇ…数個はデータでもいいと思いますが……如何せん量がですね』

 

……成程、分かったよリン

 

「そうか、じゃあそっちにスグ戻るから書類の用意をしていてくれ」

『えっ、いいんですか?トリニティからの依頼は……』

「明日から泊まり込みだ、事前に片付けておいて損は無い」

 

そう言って電話を切ろうとして私は思いとどまる

あることを聞きたかったからである

 

「そういえば、ゲヘナとトリニティの条約は知っているか?」

『エデン条約ですか?勿論知っていますとも、逆になぜ先生が……』

「依頼内容は"補習授業部"の顧問」

『補習……あぁなるほど、そういう事ですか』

「君が聡明で助かる」

 

ゲヘナとトリニティの条約について聞きたかった

シャーレ主導の下開催、というか条約を結ぶ訳ではない為聞きたかったのだ

回答から察するに恐らくそういった断りは入っているのだろう

 

『だとしたら助かりますね、シャーレを目付役として配置したかったので』

「君ぐう畜とか言われないか?」

『?どういう意味でしょうか……』

「……なんでもない、それはそれとしてケツピンはどうだ?問題ないか?」

 

いかん話の内容が噛み合わないところだった

年齢の差を感じながら私は話を変える

ケツピン副担任についてのことだ

 

アイツが普通に仕事を出来るのか聞きたかったところだ

 

『名前を書くだけなら問題ありません、判子もまた同じです

ㅤ…しかし追記、やら詳細を書くとなると珍妙な文章が……』

「……働くだけオタク野郎よりマシと思わんか」

『そうですね……あ、私は急用が入りましたので切りますよ、先生』

「分かった、書類の用意を頼む」

 

私はそう言って電話を切った

視線を彼女達に戻すとぽかんとした顔で皆が私を見ていた

…地味に扉からも視線を感じる気がする

 

私はため息をつきながら頭をかいた

その間にも放心した心は彼女達に戻っていき──────

 

 

「せせせせ、先生ってちゃんと働いてたの!?」

「ケツピンさんがちゃんと働いてるってほんとですか!?」

「あの変態語録さんがちゃんと働けるなんて……世の中も凄いですねぇー」

「情報通りに真面目な人だな……」

 

 

「……なぁ、私が仕事出来ないように見えたのか?」

 

 

なんで俺こんなこと言われなきゃいけないの???

 

私は風評被害に心の中で泣きながら彼女達に言った

 

「兎も角、私は仕事を潰しに行くから先に宿泊先に行くように

ㅤ明日の昼頃に戻ってくるから、遊ばずに勉強しろよ」

「はい!ちゃんと勉強します!」

「ざ、雑誌を漁る最後のチャンスかしら……」

「敵が来ないように罠の設置は任せろ」

「みんなと仲良くできるいい機会ですね〜」

 

 

 

 

…遊ばずに勉強するのが一名しかいない気がするのは、気の所為だろうか……

 

子供は子供だな、と思いながら彼はシャーレに交通機関で戻るのだった

 

 

 

「……」

 

交通機関を通過してシャーレに行き仕事を終わらせた

簡単な書類達だったよ、名前を書くかそれとも追記等の細かなところを修正すれば良い話だったからだ

ケツピンも判子を押したり名前を書くだけの仕事が多かったからか、かなりスムーズに別の仕事を終わらせてくれていた

 

語録が無けりゃ完璧だというのになぁ……

もしそうであれば俺は先生ではなく、"副担任"としてこのキヴォトスを生きていたろうに

人に教鞭を取るというのは俺にとっては苦手教科を押し付けられるようなものだ

 

 

 

 

……して

 

 

「誰だ、先程からつけている奴は」

 

 

FALを召喚、構える

現在地は人通りの薄い一本道

後ろから追跡されている事を念頭に歩いていたらいつの間にか墓穴に嵌った

 

 

影から少人数の影が現れる

 

「お前がシャーレの先生か?」

「そう呼ばれてる」

 

口元をマスクで隠した女だ

何故か腹筋を強調するかのように腹部には衣類が無かった

キヴォトス人の神秘があってこその服装してるなぁ…

 

「マダムからお前を連れてくるように言われている、無駄な抵抗はしないでくれ」

「……悪いが行きたくない、少なくともアズサの本拠地だと思えるようなところにはな」

 

俺の言葉に彼女は目を細めた

それを見て半ば確信しながら言葉を続ける

 

「アイツの付けているドクロマーク、お前らの背中の奴と同じだな

ㅤア リ ウ ス…か?知らないところだ…どうせロクなところじゃない」

「…アズサ……まぁいい、知ったところでだ」

 

カチリと銃口が向けられる

俺はそれを気にしない、何せ"電源を付けっぱ"だからだ

切るのを忘れていた、畜生め

 

俺はそれを見てため息をつく

 

「お前らの目、見知った目だ」

「だろうな、お前の過去はマダムから聞いている」

「……成程、そういう事か…」

 

 

俺はお前らの目をよく知っているよ

 

 

なぜって?死ぬほど見ているからさ

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁそうだよ朝起きた時鏡によく写ってる、その地獄にでも生まれたような瞳を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ワカモ、止めておけ。ここで面倒を起こしたくない」

「……ッ!?」

 

俺がそう言うと、カチャリとわざとらしさすら感じる金属音が響く

サオリがそちらの方を見てみれば顔面をマスクで隠している少女に対してワカモが銃口を向けていた

 

「しかし、貴方様」

「ワカモ、止めておくんだ」

「……わかりました」

 

懇願するような彼女を制し、銃口を向けることを止めさせる

不満気ではあるが彼女は銃口を下ろしこちらに歩いていてきた

 

畜生忠誠心は良いのだが少し行きすぎている気がする

助かる時には助かるが、ちょっと……なぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

……でだ

 

 

「……マダムから伝言を受け取っているな?

ㅤ俺が先に断りを入れることを見越して、そうだろ?」

「……聡明な男だ、聞いていた通り…お前は先生に向いていない」

 

 

俺はFALの銃口を下げ、言った

彼女は連行が無理そうだと察したのか銃口を下げた

……いや連行しろよ、なんで銃口下げてんだお前

 

あと納得したような声でいいやがる、そうだよ俺は向いていねぇよ

 

ため息をつきながら伝言を聞いた

 

 

 

 

「……"ゲマトリアに入らないか"、ということらしい」

「…んだそれ、概要も知らん組織に入りたくは無いね」

 

 

 

 

 

 

もちろん、真っ向から断ったけどな

なんだよゲマトリア。ヘヴライ語だったか?……厨二病に罹患した大人の集まりじゃなかろうて

 

 

あとマダムとかいう奴、テメーには言うことがある

 

 

 

 

 

「マダムに伝えろ、わざとらしい宣伝文句でも付けてから出直せとな」




サオリ「マダムがゲマトリア入ってって」
ランボー「なんやねんゲマトリア、なんで組織の概要がねぇんだ?概要はどうなってんだ概要は!?」
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