フレッド「辞めてぇ!」
生徒達「「「駄目です」」」
フレッド「じゃあ逃げるもん!」
生徒達「「じゃあ力ずくで捕まえるわ」」
フレッド「えっ」
生徒達「「あ、銃もちゃんと使うよ」」
フレッド「アイエッ!?」
寿命10年しかない男を総出で追いかける図
捕らえても捕まえられなくても生徒たちは曇る模様
ねぇ今どんな気持ち?昔ボロカスに言ってたヤツが全てを任せるような存在になって急に辞められたのどんな気持ち?
がたんがたんと車が揺れる
少ししか舗装されていない道路のせいかところどころ歪んでいるようだ
その揺れを感じながら……フレッドはチラリと外を見た
ニッポンに行く空港に辿り着くまでの道、まともに舗装されていない道路
外の世界からキヴォトスに対しての接触が少ない証だろう
別のところから企業が来て、子供達が搾り取ろうとしている
調べたことは無いがキヴォトスの認知度はどの程度なのだろうか
それなり、なのか……いやしかし観光客を見た事もないものでありそもそもヘイローの無い人間が珍しい場所なのだ
もしかすればキヴォトスという場所ひとつで賄えている場所なのかもしれない
もしくはただ単に一般人が入るには危険すぎる為禁止されているか……
「……?」
そう思っているとキッと車が停車した
何か問題でも起きたのだろうか?横に置いておいたFALを手元に寄せる
無線をカチリと起動した
「こちらフォレスト、何があった?」
『こちらAlpha1、こんな山奥に何故か人形がある、おかしな人形だ』
「どうしてそんなもので止まる」
どうやら道に変な人形があるようだ
おかしな話だが人形程度ならばさっさと引き潰せばいい話なのに
しかしその思いは次の瞬間、たち消えてしまった
『いや……ありゃペロロ様だ、でっかいペロロ人形が鎮座してる』
「そう…………ッ!!!Alpha1今すぐ逃げろ!」
『フォレスト?一体どういう───』
思惑に気付いた頃には時すでに遅し
困惑した彼女達の無線から聞こえるのは凄まじい爆発音
車列の真ん中に居るはずだが、それでも聞こえる凄まじい音
───敵襲である
しかも、"知っている奴ら"による襲撃だ
「ッ……!全部隊に通達!敵襲だ!最前列の車を避けて突っ走れ!」
『bravoコピー』『deltaコピー』『こちらAlpha1!攻撃を受けている!』
「出せ!」「は、はい!」
運転席の者に対して怒鳴るように言う
彼女は平常を取り戻したようにアクセルを踏み込む
ギャリギャリと大きな音を立てながら車体が前進していく
真ん中に陣取ったのは悪手だったか
6台になった車列を見ながらチッと舌打ちをする
『こちらAlpha!そろそろもたない……!』
「Alpha、できる限り持ちこたえろ」
『こちらbravo、敵を確認……キヴォトスの生徒共だ!
ㅤ見た限り全部の勢力が居やがるぞ!』
「各銃座配置に付け、ウェポンフリー!自由に撃て!」
『待ってました!』
攻撃を受け続けるのは癪だ
Alphaは見捨てる他ない、最後まで抵抗していて貰おう
今動けるものたちで敵の攻撃を受け切り……戦闘禁止区域に走り込む
流石に空港まで殴り込みには来ないだろう……?
『全員ナイトビジョンをつけろよ!アイツら派手な服装しているがそれでも夜だから見えづらいからな!』
『こちらAlpha!シスターフッドと救護騎士団から総攻撃を受けている!
ㅤ他の勢力はそっちを追いかけている!オーバ───』
無線は最後まで続かない
ブツッという音ともにAlphaからの連絡は一切途絶えた
まさかここで奴らからの襲撃を受けるとは……どこからか情報が漏れたのか?
ヘルメット団員達は違う、奴らはそういう奴らで無い
少なくとも俺の認識の範囲ならばそうであるはずだ
「全員空港を目指せ!そこまでが踏ん張りどころだ……!」
『オイオイ、ボスの為にここまでやるかよ……!』
うむ、リーダー君その思いはよく分かるぞ
副担任2人もおるのになんで俺を追いかけるねんクソッタレが
〇
「何人か抜けられたぞ!」
「こっちは4人しか居ねぇのになんで野砲なんか使ってんだ!」
「来るぞー!」
爆破され横転した最前列車両
幸運にも抜けれる隙間があった為後続の邪魔にはならなかったが車列に戻ることは出来ない
この時点で見捨てられたようなものだが、文句を言うつもりは無い
……が、相手に対しては文句を言いたいものだ
「敵との距離50mも無い!」
「相手が多すぎる!風紀委員やらなんやら来すぎだ!」
「森に逸れるぞ!スモーク展開!」
立ち位置が悪すぎる
既に抜けられているものだからクロスファイアを受けてもおかしくない
それをされないのは最重要目標が"フォレスト"だからだろうか
「移動するぞ!」
「ちょっと待て、そっちは……!」
「え?…………!ブービートラッ──」
森に逃げようとするAlpha部隊
しかしその行動は読まれていたのである
木と木の間に作られたワイヤー式のブービートラップに1人が引っかかる
それに気づく頃にはもう遅く、彼女は爆発に巻き込まれた
「1人やられた!」
「一体なんなんだく───うぅ!」
悪態をついた1人が頭を撃たれて倒れる
残った2人はそれぞれの方向に対しての銃撃を加えた
しかし、たかが2人が大隊規模の戦力に対して抵抗して何になるというのだ
「ガッ」
「うぐ」
2人は殆ど同時に撃たれて倒れた
そんな2人に……いや4人全員に油断なく銃口を向けながら意識を確認する5人の人物
「こちらアリウススクワッド、4名を気絶させた」
「……それなりに手馴れてる、フレッド先生の訓練が入っているとみて間違いないと思う」
「私は彼に直接訓練させて貰えなかったのに……羨ましい」
気絶した4人を見て報告をするサオリ、またその技術を見て彼の訓練が入ってることを確信するミサキ
そして自分が願ってもさせて貰えなかった訓練を簡単に受けさせてもらったコイツらを羨ましがるアズサである
残り二人は辺りを警戒しながら3人に着いてきていた
「ウォッチャー1、最前列車両をやったが少し逸れた
ㅤ車両は現在も進行しているようだ」
『了解です』
『トリニティの榴弾砲で足止めしましょう、L118でぶっ飛ばしますよ』
『……それで死んだら洒落になりませんよ』
『流れ弾で死ぬよりはマシでしょう、行きますよ』
〇
『後方から車両が来てる!』
『前方にトリニティの戦車ァ!避けろ避けろ避けろバカァ!!!』
なんかもうなりふり構わなくなってないか?
シロコのドローンを撃ち落としながらフレッドは呟いた
先程から攻撃が苛烈になっている気がするのだ
最後尾の車両がミネ団長によってスクラップになっている
見覚えのある人形を載せた戦車が道を塞いでいたり……
途中榴弾による攻撃……確かシスターフッドの者だったか、それにより死にかけたものの私は元気です
現在の車列が
装甲車ㅤ兵員輸送車ㅤ車両(フレッド入り)ㅤ兵員輸送車ㅤ装甲車である
止まって迎撃するにしても物量でボロ負けしている為、停止する事はイコール死を意味する
そもそも今の環境でさえギリギリなのだから…………
『目標地点まで後50km!』
『遠すぎるだろ畜生メェーッ!』
無線に通達が入る
現在地点から目標地点までが遠すぎる
のんびりしていられる暇のない、護衛を雇ったのは正解であった
『各員に通達!戦車3両が横付けしてて先に進めない!』
『ハァ!?さっき通り過ぎたクルセイダーに挟み撃ちにされるじゃねぇか!』
『ティーガーだ!誰かパンツァーファウストもってこい!』
『スティンガーでいいか?』
そして戦車が道を塞いでいることも通達してくれる
先程の戦車一両は呼び水のようなものであり、本命は道を塞いだ戦車三両なのだろう
そして動けなくなったところを後ろからクルセイダーで追撃する
……ふむ、中々考えられた作戦である
しかし、ちょいと相手を見誤っている
「各員、森の中に突っ込め!」
『ウッソだろ!?こんなゲロ道を進めってか!?』
『他に道があるかよ!?命令に従って舗装路から外れる!』
『総員に通達、森の中に小さな建物群がある
ㅤ逃げる側と立て篭もる側、二手に別れることを提案する』
「delta1、いい案だ……それで行くぞ!」
そうして……俺たちは二手に別れる予定だった
しかしいつ如何なる時でもイレギュラーは発生するものであった
銃撃音が響く戦場の中……フレッドは聞き覚えのある伸びた音を聞いた
それを耳にしたのはここにいた全員であり……また味方である筈のそれから攻撃されたもの達は驚愕した
「迫撃砲……!」
『トリニティのL118だ!逃げ────』
瞬間、周りが爆ぜた
追いかけっこは次回で終了ですわよ
──
この世界でのキヴォトスの立ち位置
いわゆる平行世界のひとつであるこのキヴォトスは地球のとある場所に存在している
明確な場所は(矛盾が生じるので)言わないが、少なくとも大陸の一つである
また、平行世界らしく現実の国々は少しずつ違っており
日本→ニッポン
アメリカ合衆国→アメンカ合衆国
ロシア→ソ連
イギリス→ブリカス
韓国→小韓民国
中国→大国
……となっている
ちなみにソ連に関しては国名が変わっていないだけで殆どロシア
尚実刑判決の中にシベリア送りがある模様、現在オクラナイナと戦争中