疲れたよ、隠居するね皆   作:回忌

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実を言うとフレッドが居ないことによって連邦生徒会が機能不全に陥っている
暴徒の鎮圧とかを楽々こなしてたり書類をすっげぇ勢いで消し飛ばす奴が居なくなる

まぁ不良が暴れない理由がねぇしそれを鎮圧するにも指揮系統が死んでるので連携がボドボドダー!!!

リンの急いで何とかしないといけないという気持ちとその場のヤツらの意見しか聞いてないせいで=キヴォトスの総意になってる


無論一部の者たちは「これアカンのやない?」と思ってる
が、連れ戻す派がヤバいやつしか居ない為何も言えない





────ていうか原作もそうだが先生に頼りすぎだろ


鳥のように

「攻撃だ!」「待ち伏せ…!」

 

ライトの大半が消し飛んだことにより夜の森に闇が戻る

また、視認出来ない箇所からの銃撃によりキヴォトスのメンバーがどんどん倒れていく

状況の把握出来ないただの戦闘員達はもうドミノのようにバタバタと倒れていく

 

「アハハハっ!」

「うぐッ!?」

 

そして最前線、長すぎる袖を振り回しながら正確に照準しスラグ弾を叩き込む少女が1人

ゲヘナの問題児の1人であるbeta3が名だたるキヴォトスの強者を相手にして遊ぶように動き回っているのである

ゆらりゆらりと蝶のように舞ったかと思えば蜂のように鋭くスラグ弾が叩き込まれる

 

スコープを付けているためか更に精度は恐ろしいものである

 

「キヒャッ───」

「アハッ!遅い!遅いよ!」

 

くるりと空中に飛び出し一回転

追撃してきたツルギの頭に対してセミオートのスパス12を二丁とも叩き込む

いくら再生能力があると言えども、この距離でスラグ弾を喰らえば怯みくらいする

 

「こんなの屁でもな───」

「そうかな?」

 

怯みから立ち直ろうとするツルギだが、背中から無数の弾丸を受ける

多数の集中砲火を受けるものの本人はさして問題でも無い様子である

beta1は昔と全く変わらず生物兵器だなと呟いた

あの再生力が私にも欲しいものである、ホントに

 

「オラオラオラァ!!」

「実力行使と行く」

 

叩きつけるような連撃

降り注ぐ弾丸の雨あられ

そのような地獄の中をbeta3はするりするりと抜けていく

 

「なんだコイツ…!さっきからまるで遊ぶように…!」

『リーダー!カリンが敵スナイパーにやられた!』

「嘘だろ?畜生なんて奴らをスカウトしやがる…!」

 

『ヒナ委員長、風紀委員会の半数ほどがやられています…』

「いい、まだ想定内。指揮のない私達と本来指示していた人が相手ならば…まだマシな方だわ」

『…っ、そうですね』

 

目立っているのはbeta3だが、そのほかの隊員もちゃんと活躍している

無限かと思える程現れる正義実現委員会や風紀委員会の処理、または強者と戦っているbeta3の援護…

彼女程頭お花畑では無いので前には出ないものだが…

 

「スナイパー」

「RABBIT小隊の者か」

 

着々とヘイトが向いて来ている

気を抜けばいつ間にかやられてしまいそうな空気である

 

『beta1.2.4はbeta3の援護、及び雑魚どもの処理

ㅤ後方支援隊員はそれぞれ自分のやることをやれ』

『りょーかーい、スモークで射線を切るよ』

『皆、お腹減ってきたよね?アイツら倒したら焼肉だよー!』

 

フレッドは指示を出すと少し位置を変えた

フレッドはカードの力が無ければ貧弱な人間だ

ヒマリにすら腕相撲で負けるくらいなので、そこらの一般キヴォトス人に組み伏せられれば為す術は無い

故に逃げる必要性がある訳で、それを敵も分かっている筈で……

 

『…フォレスト、敵が散開している

ㅤ多分回り込んで囲い込むつもりだろうな』

「了解、フォレスト各位後退しながら攻撃をせよ

ㅤ決して囲まれないように動いてくれ、アウト…行くぞ」

「コピー」「ラジャー」

 

"俺"は無線で指示を送りながら後ろに下がる

敵の攻撃は熾烈だ、やりすぎと言っていいほどに

それに数も多すぎる、恐らく1時間もしないうちにフォレストスクワッドは壊滅に追い込まれるだろう

 

6人でやれることなんてたかが知れてる

まず最初に逃げ切ることを考えるべきだ

 

「……敵が早い、アイツらを無視してこちら側に来てる

ㅤ…あのままだと前衛は全員囲まれてしまうよ」

「いざとなったら"アレ"を使え、言った通りにな」

「分かってる…アイツらも納得してたしな」

 

前線からの銃声がずっと聞こえる

スクワッドはサプレッサーを装備している為、基本的に敵側の銃声だろう

もしくはbeta3のショットガンの音だろうか?まぁどちらでも良いが

 

「フォレスト、この先に川があるようだ」

「深さは?」

「…そこまで、膝下くらいまでだと思う」

「防衛にはあまり使えん…」

 

 

そもそもキヴォトスの奴らは素の身体能力が阿呆だ

深さがあろうとも幅が無ければ簡単に飛び越えてくるだろう

人間対人間の戦争に"慣れているからか"、対化け物戦闘というのはどうも身につかない

 

あちらはこちらの当たり前を簡単に破壊してくる、無理ゲー共だ

 

 

 

 

そうして後退しているひとつの無線が入ってきたのである

 

 

 

「こちらbeta1!敵に囲まれた…!クロスファイアを受けている!オーバー!」

「beta2!ちょーっと不味い感じがするよ、…ミネが突っ込んできた!避けろ!」

「カオスだよ?カオスだねぇ!」

 

様々な報告と熾烈な破壊音が耳に響く

beta1は耳鳴りのやまない鼓膜を気合いで黙らせて体制を立て直す

あれから30分程経過したようなのだが、敵の攻撃が更に苛烈になっている

 

 

その上で囲まれた、背中が痛い

 

「…!貴方は…!」

「見たくない顔を見た」

 

盾を空から叩きつけるようにして現れたミネ団長

その姿を見たbeta1は少し顔を顰めてしまった

あまり好きな顔では無い…というか、正確では無いのだ、ミネ団長の性格は

 

「突然退学したので心配していたのですよ!?貴方をイジメていた者たちはキチンと救護しております!

ㅤ今からでも遅くはありません!戻ってきては………」

「私の居場所はそこじゃない、少なくともトリニティじゃない」

 

あそこはbeta1の居場所では無かった

少々堅物なところがある彼女は、その無知さによってイジメの対象にされていたのだ

何時でも反撃できた、いつだってやられたことを更に数千倍にしてやり返すことも出来た

 

しかし、それでは何も意味が無い

反撃されたら更に倍の攻撃で黙らせる、黙らせさせられる

 

 

 

────全くもって意味が無い

 

 

「ッ…それなら無理やりにでも」

「君に出来るのならね、私がどういう神秘を持っているか忘れた訳ではあるまい

ㅤ…フォレスト、自由交戦の許可を願う」

「beta1…いいアイデアだな」

 

 

自由交戦

 

本来の意味と彼女が言ったことは意味が違う

フレッドによって別の意味に変えられているからである

彼も本来使わないであろうこれを"もし"使う時に意味を変えたのでいる

 

 

 

 

 

 

 

───つまるところ、各個人の持つ神秘を全て使い自由に戦闘すること

 

 

 

 

フォレストスクワッドの隊員たちは基本的にアホみたいな神秘を持っている

戦闘時ソレが邪魔になるというフレッドの判断により基本的に彼女達は神秘の力を使用しない

 

 

それを使用する…しかも個人の判断に任せてである

 

 

 

 

 

しかしフォレストはそれとは違う司令を下す

 

 

 

 

『こちらフォレスト。"総力戦"だ、やれ…アウト』

「…ッ!こちらbeta1!了解!アウト!」

「beta2、コピー、アウト」「…beta4、了解、アウト」

 

彼の下した司令は総力戦、つまり全力による戦闘

これ以上通常通りに戦闘しては何も意味が無いと判断したのだろう

逃げる為の時間稼ぎの為に、ここで抑えていて欲しいというわけだ

 

 

 

「…さて」

 

 

 

最初から貴方を逃がすためにここにいる、本気を出さずしてあなたに顔向けは出来ない

beta各位はそう判断し、ゆらりと立ち上がる

まるで幽鬼のような動きをした彼女達に対して一瞬怯みが生じた

 

 

 

 

スタリ、とbeta3が着地する

 

 

彼女は口端が裂けそうなくらい笑いながら言う

 

 

「アハハッ!本気で!全力で楽しんでいいんだね!フレッドさぁーんっ!」

 

「ッ!なんだあの神秘ッ…!」

「凄まじい圧力…いや、ほかの隊員も!?」

 

beta3が笑いながら神秘を解放する

それと同時にスクワッド各位から神秘の圧力がぶわりと溢れ始めた

圧力を感じた瞬間、彼女達は今まで神秘を使わずに戦っていたことを悟る

 

 

 

これは、死にかけた狐による反撃だ

 

 

 

追い詰められた狐は、ジャッカルよりも凶暴だと誰かが言っていた

正しくその状態だと、狐では無いものの似た者だと理解する

 

 

「さぁさぁ、久しく力比べといこうじゃない?ミネ」

「そうですね、貴方と拳を交わすのはいつぶりか…」

 

beta1はそうミネに対して声をかけた

小さい頃から腕相撲だとか、手押し相撲を何回もしていた

その度に勝っていたのはbeta1だ、最後の時もそうである

 

今回もまた、結果は変わらないのだろうか?

 

 

「ふむ、懐かしい装備類…昔を思い出します」

「懐かしい…?どういうことでしょうか?」

「バカッ!あの人は"EAGLE"小隊の1人だぞ!敬語を使え敬語を!」

『マジ〜?ちょっと勝てるのソレ〜?』

「あうぅ…あの先輩相手は、少し…キツイと……」

 

先輩と、後輩

この構図は少し前に見たことが、感じたことがあると思うだろう

何しろ以前戦闘したFOX小隊と似た構図だからである

 

以前と違うことは、相手がSRT最強の小隊、その隊員の1人であることだろうか

 

 

 

「アハハッ!何でも出来る!アハハッ!」

「キヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!!!」

 

奇声と狂声が静かな森に響き渡る

片方はゲヘナの問題児、片方はトリニティの生物兵器

神秘を解放したbeta3は姿が消えたかと思えば意識外による奇襲で確実にダメージを与えている

しかしこれに耐えられるのが生物兵器、ツルギなのである

 

 

 

 

 

キヴォトスの外で、キヴォトスのための戦闘が起こっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、それと同時に終わりも迫っていた

 

 

「グアッ!」

「フレッド!?…ッ!狙撃…!」

 

肩に被弾、久しぶりに感じた痛みが這いずり回る

この感じスナイパー弾だ、死ぬほど痛い

しかしこの感じは当たったと言うよりかすったというのが正解か…

 

 

───ヒヨリの対物ライフルか

 

 

本体に当たらないように上手く調整した上で発砲したのだろう

ミユ程では無いが素晴らしい狙撃能力だ…!

丁度人が川を渡る時に、鈍い時に狙撃してきやがった…!

 

「そこまでよ、フレッド先生」

「追い詰めたぜ!フレッド・リー!」

 

肩を抑えてえずいていると聞き覚えのある声が響いていくる

まず最初に聞こえたのはヒナとネルの声だ

 

「畜生ッ!これでも───くっ!?」

「させない」

 

beta5が苦し紛れにフレアを放とうとする

しかしそれは引き金が引かれる前にヒナの攻撃によって弾かれ…遠くに落ちてしまった

弾頭を"アレ"に変えていたのに…!

 

にしても……ここまで追ってきたのかよ、前衛のヤツらをフル無視して!こっちにきやがった…!

畜生、たかが俺一人の為に…代わりのいるやつの為にここまでするかよ…!連邦生徒会…!

 

「もう逃げ場は無い、あなたの後ろ側は滝で…辺りは囲まれてる」

『ここまでです、先生』

「…そうか」

 

リン"ちゃん"、俺はお前のことを良き理解者だと思っていた

いつも同じように仕事をして、書類を片付けて、ケツピン共の愚痴を言い合ってた

年齢差があるけれど、分かり合えるやつだと俺は思っていた

 

違った、俺がそう思っているだけだった…相手からすれば俺はただ有用なだけの駒だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…諦めよう、リン」

『そうですか…ごめんなさい、今まで荷を背負わせすぎ───』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体重を、後ろに────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあな」

 

 

どんどんと、早くなる

俺が傾くスピードがどんどんと早くなっていく

近くにいたbeta5は反応するフリをして、近くに来たネルをM500で撃った

 

 

ヒナが手を伸ばす

 

 

 

しかし、それも狙撃によって弾かれる

あの音はbeta4の使っているボルトアクションライフルだ

いつも聞いているから、護衛みたいな彼女が持っているから直ぐに分かる

 

 

 

 

 

───そして、浮遊感

 

 

 

 

何もかもから、開放されたかのように俺は浮遊感に包まれる

 

 

 

 

 

 

 

俺は全てから解放された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フレッド先生────!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───鳥のように

 

 

 

 

 

 




「あーッ畜生…!コノヤロウ良くも撃ちやがって!」
「悪いがこれが私の役目だ!恨むなよ美甘ネル!」
「ボコボコにしてやらァ!!!」

落ちていく先生
直ぐに行動しようとするものの邪魔される者たち

「先生が落ちた!?」
「早く助けな───ギャッ」

迸る閃光、光線が辺りを薙ぎ払う
それは先程合流したゲーム開発部のメンバーであるアリスのもの

殴り合いをしていたネルとbeta5を吹き飛ばしながら光線は彼方に消える

「アリス!?何してるの!?」
「──導きの師からの最後の依頼です
ㅤ…自分がアンドロイドであることをアリスは酷く憎みます」

彼女はスーパーノヴァの砲口をかつての味方に向けた

「自分の師のバイタルが、体調や精神が鮮明に分かる私を…AL-1Sをッ!!!」







『早く!救助隊を───』



ポンッ!ピシュルルルルルッ!!!


リンが場の収束をしている時、ひとつの赤い閃光が空へと飛び上がる
一定の高さまで飛び上がったそれは落下傘を広げ緩やかに降下していく

彼女が発射地点を見てみれば…今まさに取り押さえられている1人の人物

『副担任!?いつの間に…!』
「不味い…あれはトリニティのフレアだ!」
「ダニィ!?じゃ、じゃあ……」

誰かが言った通り、あの赤いフレアはトリニティのものである
実を言えばフレッドがブラックマーケットからひとつ仕入れたものであるのだ
旧式のものである為使えるかどうか不安であったのだが幸運にも信号が偶々現在使用しているものと一致したようである


それを裏付けるように…遠くから迫撃砲の鈍い発射音が聞こえてきた





副担任は笑う






「逝く!パパも!(おまじない)池ー?(自問)池ー!(自答)逝くー!(決意)」
「伏せろぉおおおおお!!!」


直後、爆風と爆音が辺りに襲いかかった
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