疲れたよ、隠居するね皆   作:回忌

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4話

連邦生徒会、医療室

キヴォトスでも最高クラスの治療が受けられる場所だが、一般人に対しては使用されない

この病室にて二人の人物が言い合い……いや、片方が一方的な尋問をしていた

 

「アビドスで何があったのか吐いてください、先生」

「ただお話に言っただけだ、詫びなきゃ失礼だろ?」

 

メガネを光らせながら的確に質問していく行政官

それに対して鼻で笑いながら受け流していく包帯だらけの先生

ベッドに横たわる彼をじっと見て圧を加える生徒達

 

……うーん、どうしてこったんだか

 

「それだけじゃ無いでしょう、でなければそんな重症になるはずはありません」

「ガキにヤンチャされたってのはどうだ?お前らなんかとは耐久力が段違いだからな」

 

特に弱い方に

言ってて悲しくなる、この世界では男尊女卑では無く女尊男卑なのである

んまぁ、ヘイローが無い大人だし仕方ないっちゃ仕方ないのだが

 

「……まぁ、それは良いでしょう」

「そりゃ良かre」

「ですがね、出かける前に一言かけてくれると助かりますよ先生?

ㅤ唯一まともな人が居なくなった時は少し生徒会はパニックになったんですからね?」

 

お^っ、なんか心配されてる^〜

まわりの奴のせいで相対的に評価が上がったということだろうか?

どちみちにしろ周りの奴らがゴミで一緒に落とされるんですけどォ…

 

…あれ?ケツピン副担任どうしたっけ……

 

「待ってくれ仕事を思い……イテテテ!」

「動いちゃダメですよ先生!28箇所の打撲があるんですからね!確実に襲撃を受けたんでしょう!?」

「さっきヤンチャされたつったろうが!!!(全ギレ)」

 

何を当たり前の事実を言いよる!

ただのヤンチャ(借り物のVTOLに乗ってたら撃ち落とされた)や!死ぬ程や無い!

 

……ん?借り物?

 

「…………はぁ」

 

面倒事が増えた、最悪だ

さっさとミレニアムに行かなくてはならない

 

「仕事が」

「……やはり、貴方は止まりませんか…」

「そらそう……うっ!?」

 

ブスリ♂と首元に注射を打たれた

キヴォトス人のスピードについていけず私はそれを眺めることしか出来なかった

抵抗する暇もなく、私は夢の中に堕ちていった

 

 

 

 

 

最悪な過去だ

 

どうしてお前は俺にこんなものを押し付ける?

 

全部上げます、じゃないんだよ

 

 

 

自分の言葉を聞いて、目が覚める

俺はジャングルで……いや、大量の木の中で?

一体何があった?何が起こったというのか?

 

辺りを見渡してみれば、そこにあるのはガタンゴトンと揺れる電車の車内

俺の目の前に背筋を伸ばし、きっちりと指先まで合わせた女性が座っていた

 

 

「……私のミスでした、先生」

 

 

彼女は、独白した

自身のミスで、自身のエゴで全てが終わってしまったことを

選択を間違い、魔女を生み出し、世界を色彩に染めて滅ぼしたことを

 

なんの事だ、知ったことでは無い

 

俺になんの関係がある?黙れよ、黙れ女

 

頭の中で自身の声の罵倒が飛び交う

自分は彼女の事が嫌いなのだろうか、否定している

しかしこう彼女と対面して感じるのは、圧倒的な虚無である

お前は誰なのか?どうして電車の中なのか……

 

 

彼女は儚げに笑う

 

地面に血溜まりが溜まっていく

ぼんやりと見ていたから分からなかったが、彼女は血濡れだった

左肩付近を銃弾で撃たれ、流血していた

 

それが服をつたい、足をつたい……車内の床に流れていく

電車の行先と反対方向にその血は流れていく

 

 

 

「だからこそ…──────さん」

 

 

彼女は、俺の名前を言った

初めて俺は、"俺"という自己を確認した

 

 

やめろ、名前を呼ぶな

 

俺は疲れたんだ、これ以上動かすなよ

 

どうして、どうして……

 

 

 

「……自身の選択を、見誤らないで下さい

ㅤ例え自身が先生として思えなくても……彼女達にとっては…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は立ち上がり、太もものホルスターに差さったハンドガンを引き抜き引き金を引いた

 

 

 

 

 

 

 

俺はもう、お前を見たくない

 

 

 

 

じっと、じっとさせてくれ

 

 

 

 

「先生は安静ですか?」

「えぇ、まあ安静よ」

 

包帯だらけの人物がベッドの上で横たわっている

他の誰でもない、先生その人である

じっとりとした汗を流しており苦しそうな顔をしている

声を上げていないが夢に苛まれているのは一目瞭然である

 

「…ぅ……ヴぅ……」

「……良くない夢を見ているのかしら」

 

彼を悲しそうな瞳で見ながらアオイは言った

経歴の分からない彼であるが、今日までの仕事量を見ると少し同情してしまう

その上でアシスタントである筈の2人がアレなのだから、彼の心労はもう本当にお労しいだろう

 

 

無能な仲間程の敵は居ない

如何なる時であれ足を引っ張る仲間が最大の敵なのだから

 

 

 

「話は変わるのですが」

 

 

それはそれとして、リンは1つの書類を取り出しアオイに渡した

受け取ったアオイは中身を確認する、その中身を見てアオイは目を細めた

 

「本当に話が変わるのね」

「これは知っていた方が良いと思った事だからです」

 

淡々とした口調で言っているが、先生に対して情を寄せている彼女の心が隠せていない

苦労仲間として見ている部分がある、かなり

 

いやまぁリンの周りが無能かと言われればそうでは無い

流石に副担任達以上に学はあるし、それに見合うマナーもある

アレとは違うのである、アレとは

 

 

「…にしても、先生の診断書?何故?」

「先程の重症を治すついでに検査しました、言うと本人は拒否しそうなので」

「後で怒られても知らないわよ?」

「そんなことはどうでもいいんです、その備考を見てください」

 

リンからすれば殴られる訳でも撃たれる訳でもないので気にする必要も無い

言葉での攻撃なんて彼女はもう慣れた、慣れきった

 

彼女に言われる通り、アオイは備考欄を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

備考

彼にはPTSDの疑いアリ、無意識下において「敵」「銃」等のワードに過敏な反応

身体中に鉄の破片、もしくは弾頭がある為前職は恐らく兵士

また、かなり肺が黒い為重度のヘビースモーカーである可能性アリ

 

医師からの一言

PTSD、前職に関しては何も言えませんが

恐らく煙草はキヴォトスに来てからも吸っている可能性があります

これ以上吸うと肺癌の可能性がある為否が応でも引き止めて下さい

 

 

 

 

「……っ」

 

それを見て思わずアオイは書類を見ることを止めた

子供が見るにはあまりにショッキングなものであり、見ているだけで気分が悪くなる

 

肺癌

 

あの人が

 

「これが、知ってもらいたいことかしら?」

 

アオイは恨むような声でリンに言った

こんな事をお前は私に知ってもらいたかったのかと

 

知りたくない、こんな事実なんて

 

「そうです…彼が恐らく従軍、もしくはゲリラをしていた可能性

ㅤそれよりも彼が喫煙をしているという点です」

「…確かに、そう、ね……」

 

従軍、ゲリラ

その2つがアオイにとって……否、彼女達にとっては経験のないことである

SRTとて、あれは特殊部隊ごっこのようなものに過ぎない

多分彼が見たら鼻で笑う、もしくは嫌いな子供の部類かもしれない

 

何より、それが"外の世界"である事

 

外には彼女達のようにヘイローを持った人物は少ない、何万に一人くらいしか居ない

そんなもんでも戦わなきゃいけないし、人は争うことをやめない

 

ヘイローの加護が無い戦場……

 

それを想像するだけで、アオイは吐き気がした

 

「彼に一切の喫煙を禁じるのはかなり難しい事かと思います

ㅤ何せ肺が真っ黒になるほどのヘビースモーカーですから」

「かといって無理に止めさせると、日々のストレスは増していくばかりよ」

「…彼に喫煙以外の紛らわしを知ってもらわなければなりませんね……」

 

今までに無い事例

いや当たり前だが、起こった方が問題である

 

 

そんな問題にぶち当たり、リンとアオイは同じタイミングでため息をついた

 

 

 

「おちん○んしゃぶりたい…(錯乱)」

「なんでこんな奴と一緒に懲罰房にぶち込まれてるんですかァー!?」

「諦めてくださいコユキさん、またやらかした貴方の自業自得です」

 

一方その頃ミレニアム、懲罰房

ここに生徒達に心無い(性的)言葉を投げかけた副担任がぶち込まれている

性的な手で触った訳では無いのだが、まぁ投げた言葉……その

 

 

 

 

『あ!あの人就任した副担任じゃない!?』

『ホントだ!挨拶しておこうよお姉ちゃん!』

『そうだね!……こんにちは!最近就任してきた副担任さんだよね?』

 

『お○んこぉ^〜(挨拶は基本)』

『なんだこの変態!?』

 

 

そこから「ドウスッペ…(危機)」とか色々言っている内に彼は運ばれて行った

彼が悪いと言ったら悪いのだが、…いや弁明なく悪い、可哀想

 

「お慈悲^〜、お慈悲^〜」

「無いですそんなもん、担任の方が来るまで待機しといてください

ㅤあの人も大変そうですねぇ、もう1人も問題を起こしているようですし」

「おっp…おっぱげた…(驚愕)」

 

ノアは副担任の言うことを適当に受け流してタブレットを弄った

その間にコイツらを率いて…いや、こいつらに足を掴まれている先生の事を哀れに思った

ユウカから聞くに変人とかそういう類のものでは無く正常な人らしい

初日というか、その次の日から問題続出で今頃ベッドで寝込んでたりするんじゃないだろうか

 

今度会いに行ってみようか?人は見かけによらず。

少なくともコイツらよりマシは確定しているのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行く!パパも!(おまじない)池ー?(自問)池ー!(自答)行くー!(決意)」

「ハッキングゥ!!!」

「何してんですかバカ」

 

 

 




先生(お労しや)

連邦生徒会のコートに白いベレー帽(軍)を被っている男性の大人
目はかなりやさぐれており、喫煙をする姿がよく見られる
最近は「廃墟」で見つけた少女を可愛がるのが趣味だとか
ちょっと休め


戦闘時は生徒たちに的確な指示を出して敵をメタメタにする
『戦場に慈悲無し』と彼が言うのを体現したかのような攻め方である

尚彼自身に対して攻撃するとアロナバリアで防がれる上に
You!-hit!-me!?(撃ちやがったな!?)!?」とブチ切れカードを使用して再起不能所か心をぶち折る
哀れであるが先生より可哀想な人は居ないのでオーケーです
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