ポケモンアーカイブ   作:BREAKERZ

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さぁ、遂にアビドスがやらかします(笑)。
そして、ヒフミの伝説(笑)が作られます(大笑)。


銀河を駆ける、覆面水着団!

ーアルsideー

 

そしてアル達〈便利屋68〉は、融資を得ようとブラックマーケットの銀行へと赴いた。

 

「ーーーーで、本当にここで融資を受けるの? ブラックマーケットの『闇銀行』だよ?」

 

「・・・・き、きっと『利息』が凄いんでしょうね?」

 

「まぁ、その前にアルちゃんが審査通るかどうかだけどね♪」

 

「うっ!」

 

カヨコとハルカが不安そうな声を発すると、ムツキがニヤニヤと笑いながらアルを見て言うと、アルは息を詰まらせながら、肩をビクッと震わせる。

 

「ーーーーうるさいわね! 通るに決まってるでしょ! 行くわよ!!」

 

そう言って、アルが『闇銀行』に赴き、ムツキはニヤニヤと笑い、カヨコがやれやれと溜め息を突き、ハルカは黙って歩き、マフィティフ達もアルについて行った。

 

 

 

 

 

 

 

ー先生sideー

 

先生と対策委員会はヒフミの案内の元、ブラックマーケットの中心街にまで来ていた。

 

「はあ・・・・しんど」

 

「もう数時間は歩きましたよね・・・・」

 

「これは流石に、おじさんも参ったなー。腰も膝も悲鳴を上げてるよー」

 

数時間も歩き通しで、疲労の色が出ていた。

 

「えっ・・・・ホシノさんはおいくつなのですか・・・・?」

 

「ほぼ同年代っ!」

 

ホシノのお決まりのネタにヒフミが真面目に応じようとしていると、セリカが割って入った。

 

“あっ、焼き鳥屋とか食べ物を売っているね”

 

ふと、先生がそう言うと、確かに周りには焼き鳥やコイキング焼きやオクタン焼きの屋台が立ち並んでいた。

 

「あれ、ホントだー。こんな所に屋台があるなんてね」

 

「あそこでちょっと一休みしましょうか? コイキング焼き、私がご馳走します!」

 

「えっ!? ノノミ先輩、またカードを使うの!?」

 

「先生の『大人カード』もあるよ〜」

 

ホシノが先生の服の裾を引っ張ってそう言えが、ノノミが首を横に振る。

 

「ううん、私が食べたいから良いですよ☆ 皆で食べましょう、ねっ?」

 

そう言って、ノノミはサイドンを出し、シロコ達もルガルガンを出して、皆で一緒に、『さかなポケモン・コイキング』の形をしたコイキング焼きを食べた。

 

「(もぐもぐ)美味しい!」

 

『ウォー!』

 

「いやぁー、丁度甘い物が欲しかった所だったんだー」

 

『ヤドー』

 

セリカとウォーグル、ホシノとヤドキングが美味しそうに食べていると、ヒフミも紙袋に入ったコイキング焼きを取ろうとした。

 

「あはは・・・・いただきます」

 

「(パクっ) ほら・・・・先生達も」

 

『ルガル』

 

“うん。いただきます”

 

『ピカピカ♪』

 

『カルゥ』

 

『リザァ』

 

『カメカメ』

 

『ソウソウ』

 

『アギャァ』

 

先生達も、コイキング焼きを美味しく頬張った(一瞬、ミライドンがセリカをジ〜っと見据えており、セリカはシロコの後ろに隠れた)。すると、ノノミはアヤネに連絡を入れる。

 

「アヤネちゃん達には、戻ったらちゃんとご馳走しますね。私達だけでごめんなさい・・・・」

 

《あはは。大丈夫ですよ、ノノミ先輩。私とビブラーバはここでお菓子とかつまんでいますし・・・・》

 

「しばしブレイクタイムだねー」

 

ホシノの言う通り、ほんの少しの休憩を楽しんだ。

と、ソコで、先生は露店であるものを見つけた。

 

“あっ、あれって・・・・”

 

『それ』を少し見て、『シッテムの箱』でアロナに確認を取ると購入し、『それ』をノノミに渡した。

 

“ノノミ、これ”

 

「あっ、先生これ・・・・?」

 

“そこの露店に売ってたんだ。コイキング焼きのお礼だよ”

 

「ありがとうございますー☆ これほうぼうを探したんですけど、中々見つけられなかったんですよ♪」

 

ノノミは『それ』を持って、サイドンの方へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

そして休憩を終えると、ヒフミが口を開く。

 

「ここまで情報が無いなんてありえません・・・・妙ですね」

 

ブラックマーケットで生産中止の戦車の情報が得られない事に、『違和感』を感じていたのだ。

 

「お探しの戦車の情報・・・・絶対何処かにある筈なのに、探しても探しても出てきませんね・・・・販売ルート、保管記録・・・・全て『何者』かが意図的に隠しているような、そんな気がします」

 

“そんな事ができるのって、ブラックマーケットを裏で仕切っている『企業』とか?”

 

「いえ、いくらここを牛耳っている『企業』でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制する事は不可能な筈・・・・」

 

「・・・・そんなに異常な事なの?」

 

シロコが聞くと、ヒフミはコクリと頷いた。

 

「異常と言うよりかは・・・・普通ここまでやりますか? と言う感じですね・・・・ここに集まっている『企業』は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんです」

 

そう言って、ヒフミはあるビルを指差した。

 

「例えば、あそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる『闇銀行』です」

 

「『闇銀行』?」

 

『ウォー?』

 

セリカとウォーグルが首を傾げると、ヒフミが更に説明する。

 

「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。聞いた話だと、〈キヴォトス〉で行われる犯罪の15%の盗品があそこに流されているそうです・・・・。『横領』、『強盗』、『誘拐』等々、様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に装置に変えられてまた他の犯罪に使われる・・・・そんな『悪循環』が続いているのです」

 

「・・・・そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか」

 

ノノミが怒りを堪えるように言った。

 

「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「酷い! 〈連邦生徒会〉は一体何やってんの?」

 

「理由は色々あるんだろうけどねー、どこもそれなりの事情があるだろうからさ」

 

シロコは黙り、セリカは怒りを吐き出し、ホシノは達観とした事を言った。

 

「現実は、思った以上に汚れているんだね。私達は〈アビドス〉ばかりに気を取られ過ぎて、外の事をあまりにも知らなさ過ぎたかも・・・・」

 

《お取り込み中失礼します! そちらに武装した集団が接近中!》

 

シロコがそう言うと、アヤネが通信をよこし、武装したロボット系のキヴォトス人が乗るバイクが周りを囲んだ輸送車がやって来た。

 

「!!」

 

《気付かれた様子はありませんが・・・・。先ずは身を潜めた方が良いと思います・・・・》

 

そして身を隠した先生と対策委員会とヒフミ。ヒフミが物陰からその一団を見ると、驚いたような声を発した。

 

「う、うわあっ! あれは、『マーケットガード』です!」

 

「『マーケットガード』?」

 

「先程お話した、ここの治安機関でも最上位の組織です! 急ぎましょう!」

 

ノノミが問うと、ヒフミが説明し、急いで『マーケットガード』の後を追った。

 

「・・・・パトロール? 護衛中のようですが・・・・」

 

「トラックを護送している・・・・現金輸送車のようだね」

 

「あれ・・・・あっちは・・・・」

 

ヒフミとシロコが輸送車を見ていると、ノノミは輸送車が建物に入るのを見て、その建物を見て目を見張る。

 

「『闇銀行』に入りましたね?」

 

すると輸送車が『闇銀行』の前に停車すると、車の中から〈カイザーローン〉の銀行員が出てきて、闇銀行の行員にアタッシュケースを手渡した。

 

 

 

 

 

ー銀行員sideー

 

「今月の集金です」

 

「ご苦労様、早かったな。では、こちらの集金確認書類にサインを」

 

「はい」

 

銀行員がにこやかに書類にサインをサラサラと書き、それを確認する行員。

 

「良いでしょう」

 

「では、失礼します」

 

そう言って、銀行員は輸送車に乗ってそのまま去って行った。すると、行員が闇銀行へと入っていった。

 

「さあ、開けてくれ。今月分の現金だ」

 

 

 

 

 

ー先生sideー

 

輸送車を見送ると、見た事がある銀行員が乗っていた。

 

「見て下さい・・・・あの人・・・・」

 

「あれ・・・・? な、何で!? あいつは毎月うちに来て利息を受け取っているあの銀行員・・・・?」

 

「あれ、ホントだ」

 

「えっ!? ええっ・・・・?」

 

ノノミとセリカがその銀行員を見て驚き、ホシノもそれを見て驚いたように声を発すると、ヒフミも驚いた。

 

「・・・・どういう事?」

 

《ほ、本当ですね! 車も〈カイザーローン〉のものです! 今日の午前中に、利息を支払った時のあの車と同じようですが・・・・何故それがブラックマーケットに・・・・!?》

 

シロコが目を鋭くし、アヤネも驚いていた。

 

「か、〈カイザーローン〉ですか!?」

 

それ以上に驚いていたのはヒフミであった。

 

「ヒフミちゃん、知ってるの?」

 

「〈カイザーローン〉と言えば・・・・かの有名な〈カイザーコーポレーション〉が運営する高利金融業者です・・・・」

 

「有名な・・・・? マズイ所なの?」

 

「あ、いえ、〈カイザーグループ〉自体は犯罪を起こしてはいません・・・・。しかし合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振る舞っている多角化企業で・・・・カイザーは私達〈トリニティ〉の区域にもかなり進出しているのですが、生徒達への悪影響を考慮し、『ティーパーティー』でも目を光らせています」

 

「『ティーパーティー』・・・・あの〈トリニティ〉の生徒会が、ね」

 

ホシノが目を細める。

 

「所で皆さんの借金とはもしかして・・・・アビドスはカイザーローンから融資を・・・・?」

 

「借りたのは私達じゃないんですけどね・・・・」

 

「話すと長くなるんだけどねー。アヤネちゃん、さっき入ってった現金輸送車の走行ルート、調べられる?」

 

《少々お待ち下さい》

 

ホシノが聞くと、アヤネはすぐに調べた。

 

《・・・・・・・・ダメですね。全てのデータをオフラインにしているようです。全然ヒットしません》

 

「だろうねー」

 

「そう言えば、いつも返済は現金だけでしたよね。それはつまり・・・・」

 

「私達が支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた・・・・?」

 

「じゃあ何? 私達はブラックマーケットに、犯罪資金を提供してたって事!?」

 

対策委員会が自分達の返済していた利息が、犯罪に使われていた事に驚く。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

対策委員会が黙ると、先生が静かに呟く。

 

“皆が頑張って働いたお金が、犯罪組織に使われていた、って事だね。へぇ・・・・そうだったんだ”

 

「・・・・先生?」

 

“皆・・・・”

 

『ピィカ』

 

『カルゥ』

 

『リザァ』

 

『カメェ』

 

『ソウゥ』

 

『アギャ』

 

先生が静かにそう言うと、ゆっくり立ち上がり、ピカチュウ達も静かに闇銀行を見据える。先生やピカチュウ達から発せられるオーラに、対策委員会もヒフミも、ルカリオのような波動を感知する能力は無いが、息を呑んだ。

ピカチュウは頬にバチバチと電気を迸らせ、ルカリオはゴキゴキと拳の関節を鳴らしながら右腕に『石の付いたバングル』を付け、リザードは口からボゥボゥと炎を吐き、カメールは尻尾で地面をバシバシと叩き、フシギソウは背中の蕾からサラサラとどく系の粉が少し舞い、ミライドンも尻尾で地面を叩いた。

全員が察した。先生も、手持ちポケモン達も今ーーーー全力で怒っていると。

 

“・・・・対策委員会の皆が、必死に自分の時間を、青春の時間を費やしたお金が、薄汚い大人の手で、犯罪資金として扱って利用されているって事なんだね? そうなんだね? それじゃちょっとばかりーーーー暴れてみる? 皆?”

 

『(コクン)』

 

先生は左手首の裾を捲るとその手首には『石が付いたリング』が、右手には『黒いモンスターボールのようなオーブ』を持って、闇銀行に向かおうとしたが、それを止められた。ホシノの手が、先生の手を掴み、ヤドキングが『ねんりき』でピカチュウ達を止めたのだ。

 

「先生」

 

“ホシノ?”

 

「本気で怒ってくれて嬉しいよ。でもさ。任せてほしいなー、うちの子たちにさ」

 

一番苦しめられてきた筈のホシノの笑顔を見て、先生はその手を下ろし、ピカチュウ達も大人しくした。

 

“・・・・分かった。先生が責任を取るよ”

 

「ありがとね、先生。・・・・よーし。ねぇ、ヒフミちゃん」

 

「は、はい!? なんでしょうか!?」

 

「どう証拠を掴めば良いかな?」

 

「えっと・・・・あ! さっきサインしてた集金確認の書類・・・・。それを見れば証拠になりませんか?」

 

「流石」

 

「おお、そりゃナイスアイデアだねー、ヒフミちゃん」

 

ヒフミのアイデアに、シロコとホシノが賛成する。

 

「あはは・・・・でも、書類はもう銀行の中ですし・・・・無理ですね。ブラックマーケットでも最も強固なセキュリティを誇る銀行の中となると・・・・。それにあれだけのマーケットガードが目を光らせてますし・・・・」

 

が、ヒフミは悲嘆的な意見が出た。

 

「それ以外に輸送車の集金ルートを確認する方法は・・・・。ええっと・・・・うーん・・・・」

 

ヒフミが頭を悩ませていると、シロコとルガルガンが目をキランとさせた。

 

「うん、他に方法はないよ」

 

『ガル』

 

「えっ?」

 

「ホシノ先輩、ここは『例の方法』しか」

 

『ルガル』

 

「成る程、あれかー。あれなのかあー。先生どう?」

 

“・・・・責任は取るって言ったからね。あれで行ってみよ”

 

「・・・・えぇっ!?」

 

話が見えないヒフミはこんらんする。

 

「あ・・・・!! そうですね、『あの方法』なら!」

 

「何? どういう事?・・・・まさか、『あれ』? まさか、私が思ってる『あの方法』じゃないよね?」

 

『「(キラン)」』

 

シロコとルガルガンが、それはもう目を爛々と輝かせる。

 

「う、嘘っ!? 本気で!」

 

「・・・・あ、あのう。全然話が見えないんですけど・・・・『あの方法』って何ですか?」

 

「残された方法はたった一つ」

 

ヒフミは訳が分からず問うと、シロコは鞄から二つの覆面を取り出すと、すっかり成長し進化したルガルガンの為に新調した覆面を、嫌がるルガルガンを説得して被らせ、さらに自分も覆面を被った。

 

 

 

「銀行を襲う」

 

『ルガル♪』

 

 

 

「はいっ!?」

 

シロコの台詞にルガルガンが同意し、ヒフミが目をひん剥いた。

 

「だよねー、そう言う展開になるよねー」

 

『ヤドー』

 

「はいいいっ!!??」

 

ホシノとヤドキングも覆面とアイマスクを被っており、ヒフミはまた目をひん剥いた。

 

「わあ☆ そしたら悪い銀行をやっつけるとしましょう!」

 

『ドンドーン☆』

 

「えええっ!!?? ちょ、ちょっと待って下さい!」

 

ノノミとサイドンも覆面とアイマスクを被り、またまた目をひん剥いて驚く。

 

「はあ・・・・マジで? マジなんだよね・・・・?」

 

『ウォー・・・・』

 

セリカは肩を落とし、ウォーグルも苦笑する。

 

「ふぅ、それなら・・・・とことんまでやるしかないか!!」

 

『ウォー!!』

 

「あ、うあ・・・・? あわわ・・・・?」

 

セリカとウォーグルも額に『4』と記された赤い覆面(ウォーグルのは新調)を被り、ヒフミが完全に置いてけぼりになってしまっている。

 

《・・・・・・・・はぁ、了解です。こうなったら止めても聞く耳持たないでしょうし・・・・どうにかなる、筈・・・・》

 

《ビブラー・・・・》

 

「・・・・・・・・」

 

アヤネとビブラーバまで了解し、もはやヒフミは先生に止めてもらおうと目を向けるが。

 

“シロコ。ルガルガンは少しヘアカラーで体毛を通常の『たそがれのすがた』に変えるから、少し待ってて”

 

「ん。先生お願い。それと、ピカチュウ達の覆面もある」

 

“皆だけだと危ないし、ピカチュウ、皆。対策委員会の皆を守ってあげてね”

 

先生の言葉に、ピカチュウ達は了承を示した。

 

「・・・・・・・・」

 

そして、先生とピカチュウ達がルガルガンの体毛をヘアカラーで通常の『たそがれのすがた』に変えていく。どうやら止める気はなさそうだ。

するとシロコが、ヒフミに対して少し頭を下げる。

 

「ごめん、ヒフミ。私の想定が甘かったせいで、あなたの分の覆面の準備が無い」

 

「うへー、って事は、バレたら全部〈トリニティ〉のせいだって言うしかないねー」

 

「ええっ!? そ、そんな・・・・覆面・・・・何で・・・・えっと、だから・・・・あ、あう・・・・」

 

急展開の連続に、ヒフミはどう受け答えしたら良いか混乱していた。すると、ノノミがニュッと会話に入ってくる。

 

「それは可哀想過ぎます」

 

そしてノノミは、先程買ったコイキング焼きが入った紙袋を取り出して、二つの穴を開けた。

 

「ヒフミちゃん、取り敢えずこれでもどうぞ☆」

 

「コイキング焼きの紙袋? おお! それなら大丈夫そうー!」

 

「え? ちょ、ちょっと待って下さい、皆さん・・・・あ、あうう・・・・」

 

そうして流されるまま、紙袋を被った。

 

「あううっ・・・・」

 

「ノノミ。それだけだと足りない」

 

そしてシロコが紙袋の額に『5』と記した。

 

「ん、完璧」

 

「はい。これで仲間です☆」

 

「見た目はラスボス級じゃない? 悪の根源だねー。親分だねー」

 

「わ、私もご一緒するんですか? 闇銀行の襲撃に・・・・?」

 

「さっき約束したじゃーん? ヒフミちゃん、“今日は私達と一緒に行動するって”」

 

「う、うああ・・・・わ、私、もう生徒会の人達に合わせる顔がありません・・・・」

 

「問題ないよ! 私らは悪くないし! 悪いのはあっち! だから襲うの!」

 

完全に逃げ道を塞がれ、盛大に肩を落とすヒフミに、セリカが正義は自分達にあると断言する。

 

「それじゃあ先生。例の台詞を」

 

シロコがそう言うと、先生は告げた。

 

“銀行を襲うよ!”

 

「はいっ! 出発です☆」

 

「あ、あうう・・・・」

 

《ふう・・・・では、『覆面水着団』ーーーー出撃しましょうか》

 

《ビブラーバ!》

 

最後にアヤネとビブラーバも、額に『0』と記された黄色の覆面をした。

 

 

 

 

ーアルsideー

 

「・・・・・・・・」

 

そしてその頃、闇銀行へと訪れていたアルは、すっかり待ちぼうけを食らわされており、全身から不機嫌オーラを放っていた。

 

「お待たせ致しました、お客様」

 

「何が『お待たせしました』よ! 本当に待ったわよ! 六時間も! ここで!」

 

アルは六時間も待たされて不機嫌がマックスになっており、銀行審査官に声を荒げた。

 

「融資の審査に、何で半日もかかるの!? 別にうちより先に人もいなさそうだったのに! 私の連れは待ちくたびれて、そこのソファーで寝ちゃってるし!」

 

「私どもの内々の事情がありまして、ご了承下さい」

 

完全に悪びれる様子もなく言うと、審査官は目を鋭くして言う。

 

「・・・・所で、アル様。あなたはそういう態度を取れる状況ではないと思うのですが?」

 

「あ、うう・・・・」

 

そう返され言い淀むアルに、審査官は更に言葉を続けた。

 

「当行の助けが必要なら、辛抱強く待っていただくのも大事かと。・・・・あ、それとお連れの方ですが、そちらでお休みになられては困ります」

 

そう言って、審査官が指をパチンっと鳴らすと、セキュリティを呼び寄せた。

 

「セキュリティ。あの浮浪者・・・・いえ、お客様を起こして差し上げなさい」

 

そう指示を受け、銀行の警備員が寝ているカヨコ達を叩き起こす。

 

「ほら、起きた起きた!」

 

「むにゃ・・・・うはっ! 何々!?」

 

『ウホっ!?』

 

「・・・・!!」

 

『フーッ!!』

 

「ああっ・・・・す、すみませんっ、居眠りしてすみません!」

 

『ZZZ・・・・』

 

『グルルル・・・・』

 

ムツキとエテボースが飛び起き、カヨコとレパルダスが警戒し、ハルカが起きるなり頭を下げ、ガラルマタドガスは浮遊しながら寝ていた。そんな中、マフィティフが起き上がり、仲間を守るように前に立った。

 

「・・・・・・・・」

 

「さて、では一緒にご確認を。お名前は・・・・陸八魔アル様。〈ゲヘナ学園〉の二年生ですね。現在、〈便利屋68〉の社長、ですか・・・・。この便利屋は、ペーパーカンパニーではありませんか? 書類上では、財政が破綻していますが?」

 

顔を青くするアルに、審査官が淡々と言葉を発する。

 

「ちゃ、ちゃんと稼いでいるわよ! ただ依頼料を回収できてないだけで・・・・」

 

「それと社員数は四名との事ですが、室長に課長に、平社員・・・・肩書きの無駄遣いでは? 会社ごっこでもしているのですか?」

 

「そ、それは・・・・か、肩書きがあった方が仕事の依頼を・・・・」

 

「後ですね、必要以上に事務所の賃貸料が高いです。財政状況に合った物件を見つけていただかないと」

 

「ちゃ、ちゃんとしたオフィスの方が・・・・仕事の依頼を・・・・」

 

「・・・・アル様。これでは、融資は難しいですね」

 

「えっ、えーっ!?」

 

アルの弁解に一瞬呆気に取られたが、審査官はバッサリと言って、その言葉に、アルは白目を剥いた。

絶句するアルに、審査官は表面上はにこやかに話をした。

 

「先ずは、より堅実な職に就いてみてはどうでしょうか。日雇いや期間工等、手っ取り早く始められるものもありますが」

 

「は? はああ!?」

 

完全に舐められている事が分かり、アルの肩がプルプルと震え、目が据わっていく。

 

「(ムカつく・・・・もう大暴れして、銀行のお金を持ち出しちゃおうかしら?)」

 

が、そこでアルの理性が、物騒な思考をストップさせる。

 

「(・・・・いや、それは駄目ね、ここからお金を持ち出せたとしても、ブラックマーケットから抜け出すのは至難の業。あちこちにマーケットガードがいるし・・・・)」

 

しかし、このまま舐められて終わるのもイヤだと思う。後ろを見ると、社員皆が、『社長の指示に従うよ』と言いたげな視線を向けてくる。

 

「(・・・・でも、もしかすると、実は大した事ない連中かも知れない。私達やマフィティフ達、それに『この子達』も使えば、全部叩きのめして逃げ切れそうな気も・・・・)」

 

懐のスーパーボールに手を伸ばしそうになる。がしかし、リスクの方が高いと理性が働き、その手を引っ込めた。

 

「(・・・・はぁ、やっぱ無理。ブラックマーケットを敵に回すなんて、そんな勇気ないわ・・・・)」

 

そんな勇気があれば、今から『ゲヘナの風紀委員長』に喧嘩売れるだろう。

 

「(くそっ、何よこれ、情けない・・・・〈キヴォトス〉1のアウトローになるって心に決めたのに、私は・・・・融資だのなんだの・・・・こんなつまらない事ばかりに悩まされて・・・・)」

 

挫けそうになっていくアル。

 

「(でもどうにもならない可能性を否定できない。ブラックマーケットの影響がどこまで広いか分からないけど、闇銀行で事件を起こしたと知られたら、二度と依頼が来なくなるかもしれない。・・・・情けないわね・・・・陸八魔アル。何も自由に動けていない・・・・私が望んでいるのはこれじゃない・・・・何事にも恐れ知らず、何にも縛られない、ハードボイルドなアウトロー・・・・そう、なりたかったのに・・・・)

 

理想と現実に押し潰されそうになり、沈んでいくアル。

 

「・・・・様、アル様!」

 

「わっ、わわっ!? は、はい!?・・・・えっと、何か言った?」

 

が、審査官の言葉に正気に返るアル。そんなアルに、審査官は言葉を紡ぐ。

 

「融資の承認は下りませんでした。お力になれず申し訳ありません」

 

「え、ええっ!? ちょ、ちょっと待ってよ!!」

 

融資の話が終わりそうになったその時ーーーー。

 

ーーーーパッ!

 

と、建物内の明かりが消える。この銀行に窓は無く。照明以外の明かりの無い部屋で停電が起きてしまき、建物内は完全な真っ暗闇となった。

 

「な、何事ですか? 停電!?」

 

「い、一体誰が!? パソコンの電源も落ちてるじゃないか!」

 

審査官達が右往左往と慌てふためき、アルも椅子から立ち上がる。

 

「・・・・レパルダス」

 

『ニャァ』

 

カヨコがこの中で唯一夜目が効くレパルダスに指示をすると、レパルダスが周囲を見回した。

するとーーーー。

 

『っ! ニャァッ!!』

 

「っ! 皆伏せて!」

 

「ほえ? わっ!」

 

『ウホホ!』

 

「???(ガンッ)あひゅ!?」

 

『バフッ!』

 

「えっ? わぁぁぁぁっ!!?」

 

レパルダスが一声鳴くと、カヨコはすぐにレパルダスと共に身を屈め、エテボースがムツキを押し倒し、ガラルマタドガスがハルカの上にのしかかり、マフィティフがすぐにアルの元に駆け寄って、後ろから押し倒したーーーーその瞬間。

 

ーーーーダダダダダダダダッ! ダダダダダダダダッ!!

 

突然の銃声が、銀行内に轟いた。

 

「銃声っ!? あふんっ」

 

顔を上げそうになるアルの頭に、マフィティフが前足を置いて下げさせる。

 

「うわっ! ああああっ!」

 

「うわああっ!」

 

「なっ、何が起きて・・・・うああっ!」

 

すると暗闇の中から、ロボットのような義体をしたマーケットガードが悲鳴を上げているのが聞こえた。

そして、再び銀行の明かりがつくと、そこにはーーーー。

 

 

 

ーーーー覆面を被った謎の五人と九匹のポケモン達がドドンっ、と立っていた。

 

 

 

足元にはマーケットガードと、ポケモン達が死屍累々と倒れていた。

 

「全員その場に伏せなさい! 持っている武器は捨てて、ポケモン達は大人しくさせるかボールに収めなさい!」

 

『ガルゥゥッ!!』

 

犬のような耳をし、額に『2』と記された青い覆面が、クールな雰囲気で鋭い視線でアサルトライフルを構えて言うと、覆面を被ったルガルガン(たそがれのすがた)らしきポケモンが、倒れているポケモンを踏みつけながら威嚇する。

 

「言う事聞かないと、痛い目に合いますよ☆」

 

『ドンドーン!(ゴキッゴキッ、ギュィィィィン!)』

 

額に『3』と記さた胸の大きな緑の覆面が、にこやかにやんわりと脅すと、目元にマスクを付けたサイドンらしきポケモンが、気絶したマーケットガードの山を作り、拳を鳴らしながら鼻先のドリルを回転させた。

 

「あ、あはは・・・・皆さん、怪我しちゃいけないので・・・・伏せて下さいね・・・・」

 

『リザ・・・・!』

 

『カメ・・・・!』

 

額に『5』と記された紙袋を被った白い制服の強盗が、SA80をモデルとした、光学照準器はSUSAT、『マイ・ネセシティ』を構えておずおずと言うと、その強盗を守るように覆面を被ったリザードとカメールらしきポケモンが睨んでいた。

 

「ぎ、銀行強盗!?」

 

「非常事態発生! 非常事態発生!」

 

アルが目を見開き、近くにいた別の銀行員が騒ぎ上げるが。

 

『・・・・カルゥ』

 

ーーーーシュバ。

 

「うっ!?」

 

「がっ!?」

 

一瞬で背後に回り、マスクを付けたルカリオらしきポケモンが当て身をして、気絶させた。

すると、額に『1』と記された覆面を被った小柄な強盗が周りに言う。

 

「うへ〜無駄無駄ー。外部に通報される警備システムの電源は、あの子がショートさせちゃったからねー」

 

『ピカチュウ!』

 

『ヤドキン〜』

 

近くにいたマスクをつけたヤドキングの頭の上に乗った、覆面を被ったピカチュウらしきポケモンが、頬に電流を流しながらドヤ顔を浮かべて応えた。

 

「ひ、ひいっ! (ピシャンッ!) わひゃぁっ!!」

 

先程まで慇懃無礼な態度でアルを見下していた審査官が、無様に尻餅をついて悲鳴を上げると、足元に鞭が叩かれ、酷く怯えていた。

アルが鞭の先を見ると。

 

「ほら、そこ! 伏せてってば! 下手に動くとあの世行きだよ!?」

 

『ソウフシェ!』

 

額に『4』と記された猫耳が付いた赤い覆面を被った強盗と、その足元にいる覆面を被ったフシギソウのようなポケモンが、【つるのムチ】で威嚇していた。

 

「皆さん、お願いだからジッとしてて下さい・・・・あうう・・・・」

 

「うへ〜ここまでは計画通り! 次のステップに進もうー! “リーダーの『ファウストさん』! 指示を請う!”」

 

気弱そうな紙袋に向けて、小柄な覆面がそう言った。

紙袋は、一瞬言葉の意味が分からず、ボカンとなるが、周囲を見回して自分だけだど理解すると。

 

「ーーーーえっ!? えっ!? 『ファウスト』って、わ、私ですか!? リーダーですか? 私が!?」

 

「リーダーです! ボスです! 因みに私は・・・・」

 

リーダーの『ファウスト』と呼ばれて酷く狼狽する紙袋に、胸の大きい覆面がクルンとその場で回ると、

 

「『覆面水着団』の『クリスティーナ』だお♧」

 

『ドンド〜ン!』

 

ポーズを決め、その後ろでサイドンらしきポケモンが、キラキラな紙吹雪を振りまいていた。

 

「うわ、何それ! いつから『覆面水着団』なんて名前になった!? それにダサ過ぎだし!」

 

「・・・・・・・・」

 

すかさず猫耳の覆面が酷評し、『クリスティーナ』とサイドンらしきポケモンは苦笑して固まってしまう。それに構わず、小柄な覆面はその場にいる全員に言った。

 

「うへ、ファウストさんは怒ると怖いんだよー? 言う事聞かないと怒られるぞー?」

 

しかし、ファウストと呼ばれる紙袋は、頭を抱えてボソボソ呟いていた。

 

「あう・・・・リーダーになっちゃいました・・・・これじゃあ、『ティーパーティー』の名に泥を塗る羽目に・・・・」

 

 

 

 

 

 

ームツキsideー

 

「あれ・・・・あいつら・・・・」

 

「あ・・・・アビドス・・・・?」

 

「だよね、アビドスの娘達じゃん。知らない顔もいるけど。・・・・ここで何やってんだろ? それも覆面なんかしちゃって」

 

隠れて様子を伺っていたムツキとカヨコが、強盗をアビドス対策委員会であると見抜いた。

 

「ねっ、狙いは私達なんでしょうかっ!? それなら返り討ちにしちゃいましょうか!?」

 

ハルカも気づいて武器を構えようとするが、カヨコが抑えた。

 

「いや、ターゲットは私達じゃないみたい・・・・あの子達、どういうつもり? まさか、ここを・・・・?」

 

「もー、アルちゃんは何してるのさ」

 

先程まで、舐め腐った態度で自分達を追い出そうとしていた闇銀行を助ける義理も理由もないので静観しようとするが、ムツキはリーダーのアルを見る。

 

 

 

 

ーアルsideー

 

「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造、全て頭に入っている。無駄な抵抗はしない事」

 

『ガルルルル・・・・!』

 

犬耳の覆面が、すっかり怯えきった審査官に向けて、カバンを叩き落とし、ルガルガンらしきポケモンが歯を剥き出しにして威嚇する。

 

「さあ、そこのあなた、このカバンに入れて。少し前に到着した現金輸送車の・・・・」

 

「わっ、分かりました! 何でも差し上げます! 現金でも、債券でも、金塊でも、幾らでも持っててくださいっ!!」

 

「そ、そうじゃなくて・・・・集金記録を・・・・」

 

必死に命乞いする審査官に、犬耳の覆面は欲しいものを要求するが、審査官は全く聞かずカバンに色々と詰め込んで差し出した。

 

「どっ、どうぞ! これでもかと詰めました! どうか命だけは!」

 

『ルガル?』

 

「あ・・・・う、うーん・・・・」

 

泣いているような顔でカバンを差し出す審査官に、ルガルガンらしきポケモンを「どうする?」と言わんばかりにトレーナーらしき犬耳の覆面を見上げ、犬耳の覆面は困ったような顔になる。

 

「・・・・・・・・」

 

それを間近で見ていたアルは、

 

「(や、ヤバーイ! この人達何なの!? ブラックマーケットの銀行を襲うなんて!)」

 

滅茶苦茶はしゃいでいた。まるでヒーローショーで活躍するヒーローに憧れた視線を向ける少年のようであった。

 

「(どう逃げるつもりなのかしら!? いや、それ以前に、こんな大胆な計画を立てちゃうアウトローが、未だに存在するなんて!!)」

 

『・・・・バフゥ・・・・』

 

内心はしゃぎまくっているアル。マフィティフはまるで覆面の正体に気づいていないパートナーに半眼で呆れていた。

 

「(滅茶苦茶手際良いし、超プロフェッショナル。まるでこの為だけに生まれてきたみたい。ものの五分でやってのけたわ!)」

 

覆面水着団の姿が、アルの目にはキラキラと輝いているように見えていた。

 

「(かっ、カッコイイ・・・・! シビれるっ! これぞ正に真のアウトロー! うわあ・・・・涙出そう!)」

 

アルの理想とするアウトローの姿が、そこにあったのだ。

 

 

 

 

 

ーカヨコsideー

 

「全然気づいて無いみたいだけど・・・・」

 

「寧ろ目なんか輝かせちゃって」

 

「はあ・・・・」

 

カヨコとムツキが、夢見る少年のように目を輝かせているアルに呆れていた。

 

「わ、私達はここで待機でしょうか?」

 

「・・・・あの子達を手助けする理由も、銀行に助太刀する理由もない。それに社長が今あんな状態だから・・・・取り敢えず隠れていよう」

 

「は、はい・・・・」

 

アル以外の便利屋は、このまま大人しく待機していた。

 

 

 

 

 

 

ーアルsideー

 

「あの、シロ・・・・い、いや、ブルー先輩! 『ブツ』は手に入った?」

 

「あ、う、うん。確保した」

 

「それじゃ逃げるよー! 全員撤収!」

 

「アディオ〜ス☆」

 

「け、ケガ人はいないようですし・・・・すみませんでした、さよならっ!!」

 

そして、覆面水着団は銀行からヒューンと、立ち去った。

すると、さっきまで怯えきっていた審査官が、ガバっと立ち上がり、周りの行員に喚き散らす。

 

「や、奴らを捕らえろ!! 道路を封鎖! マーケットガードに通報だ! 一人も逃すな!!」

 

「あぁ〜、ナイスアウトロー・・・・!」

 

アルは立ち去っていく覆面水着団に、熱っぽい視線を向け、マフィティフは盛大な溜め息を吐いて呆れていた。

 

 

 

 

 

 

ー覆面水着団sideー

 

そして銀行を出た覆面水着団こと、アビドス対策委員会とヒフミがそのまま進むと、マーケットガードの部隊が立ち塞がる。

 

「そこの強盗団! 手を上げて降伏しろ!」

 

「あわわ、マーケットガードですっ!!」

 

「ん、想定済み」

 

「うへー、だから先生は戦力として、ピカチュウ達を貸してくれたんだよー」

 

《うん。ピカチュウ、ルカリオ、リザード、カメール、フシギソウ。皆の力になってね》

 

『ーーーー!!』

 

建物の物影に隠れながら指示をする先生に、ピカチュウ達は元気に応えた。

 

「カバンも銀行を出て、すぐに外で待機していたウォーグルに持たせて、合流ポイントに向かわせたわ」

 

「後は私達がカバン持っていると思わせて、ここを切り抜ければ良いんですよね☆」

 

覆面水着団はマーケットガードを見ても恐れる事無く、武器を構え、ポケモン達も身構える。

 

「おのれ! 全員、ポケモンを出せ! 応戦するぞ!!」

 

『はっ!』

 

マーケットガードがモンスターボールを投げると、ワルビルと黒と灰色の体毛をした『かみつきポケモン・グラエナ』が出てきた。

するとーーーー。

 

ーーーーポンッ!

 

「ふぇ・・・・?」

 

ファウストのバックの中から、光が飛び出すと、そこから大きなポケモンが現れた。

 

「ーーーーが、『ガルーラ』!?」

 

『ガァラーッ!!』

 

大きく逞しく、頭部が強固な外殻で覆われた怪獣のような外見をして、腹に子供を入れて育てる袋のようなものがあり、そこから小さな子供が顔を出している有袋類カンガルーのようなポケモン『おやこポケモン・ガルーラ』であった。

 

「ガルーラ!? ど、どうしたの!? まだお昼寝の時間じゃ・・・・」

 

『・・・・・・・・ガァラ〜・・・・』

 

ファウストが驚くと、ガルーラは無言で周囲を見てから、状況をある程度察してくれたのか小さく溜め息を吐き、ファウストをつまみ上げると、自分のお腹の袋に入れた。

 

『ガルガルガルーラ?』

 

ガルーラは、「何してんだいあんたは?」と言いたげに、袋に入れたファウストを叱る。

 

「あうう〜・・・・やむにやまれずと言うか、流されてこうなっちゃったんですよ〜・・・・」

 

『ーーーーカル』

 

涙目になってそう言うファウストだが、同じくガルーラのお腹の袋にいた子ガルーラが出てくると、ファウストの頭をポコポコと叩いた。

 

「あうう〜! ごめんなさい〜!」

 

『グラゥッ!!』

 

と、ソコで、先走ったグラエナの一匹が飛びかかってきた。

がーーーー。

 

『ガルッ!』

 

ーーーーバキッ!

 

『グラァァァァァァァ!?』

 

ーーーードゴォォォォォォォン!!

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

「た、隊長!?」

 

ガルーラは「うるさいよ」と言わんばかりに【はたく】でグラエナを殴り飛ばすと、その先にいたマーケットガードの隊長を含んだ何人かを巻き込んで吹き飛び、包囲を崩した。

 

「あやや〜。うちのファウストさんのパートナー達は頼りになるねー。いきなりマーケットガードの隊長を潰して指揮を乱したよ」

 

「そ、そんなつもりはなかったんですけど!?」

 

「ん。取り敢えず、封鎖地点を突破する。先生、指示をお願い」

 

《了解。行くよ皆!》

 

そして、覆面水着団は、相対するマーケットガードへと果敢に挑んだ。

 

 

 

 

 

 

そして、マーケットガードを蹴散らし振り切った一同は、既に来ていたウォーグルと合流する。

 

「うへ〜、ファウストちゃんのガルーラって結構強いんだねー。パンチ一発でマーケットガードのポケモン十匹を殴り飛ばすなんてさー」

 

「あうう・・・・」

 

“よし皆。周りに人やポケモンの目もないから、ここからは覆面を外して、何食わぬ顔で歩いて行こう”

 

『ピカピカ!』

 

先生がそう言って、覆面やマスクを脱いだルカリオと御三家をボールに戻し、同じく覆面を脱いだピカチュウが先生の肩に乗る。

 

『ウォー!!』

 

ウォーグルはセリカに近づくと、セリカは笑みを浮かべてウォーグルの頭を撫でてから覆面を脱いだ。先生がウォーグルの覆面を取ってあげ、シロコがカバンを受け取る。

 

「はひー、息苦しい」

 

すると、同じく覆面とマスクを脱いだホシノとヤドキング。

 

「あうう〜、私、これからの人生、コイキング焼きを食べる度に今日の事を思い出しちゃうかも知れません・・・・」

 

ガルーラのお腹の袋から出してもらい、また涙目になって言うファウスト、否、ヒフミが紙袋を脱いで、ガルーラをボールに戻してから言う。コイキング焼きの匂いに包まれて銀行強盗なんて展開、一生忘れられない珍事であろう。

 

「のんびりしてられないよー。急げ急げ。追っ手がすぐくるだろうからー」

 

「できるだけ早く離れないと・・・・間もなく道路も封鎖される筈です・・・・」

 

「ご心配なく。万全の準備を整えて置きましたから☆」

 

クリスティーナ、否、ノノミとサイドンも、覆面とマスクを脱いだ。

 

「こっち、急いで」

 

しかし、シロコとルガルガンは、覆面を脱いでいなかった。

 

“・・・・シロコ。ルガルガン。覆面を脱がないと、追っ手を振り切れないよ”

 

『ピカ・・・・』

 

先生とピカチュウが言うが、シロコとルガルガンは中々脱ごうとしなかった。

 

「天職感じちゃってって言うか、もう魂の一部みたいなものになっちゃって、脱ぎたくないんじゃなーい?」

 

「シロコ先輩はアビドスに来て正解だわ・・・・。他の学校だったら、物凄い事をやらかしていたかも・・・・」

 

セリカの言葉に、ルガルガンとウォーグル、そしてアヤネと共にオペレーターをしているビブラーバが苦笑する。シロコがいなければ、ルガルガン達はこうして共に過ごせていなかったのだから。

 

「そ、そうかな・・・・」

 

若干頭に大きな汗を垂らしたシロコは覆面を脱ぎ、先生がルガルガンの覆面を取ってあげた。

余談だが、思わず覆面を被っていたアヤネも気恥ずかしくなったのか慌てて覆面を外し、ビブラーバの覆面も外してあげた。

 

 

 

 

 

 

そして無関係な一般生徒を装いながら、封鎖地点を突破した。

 

《封鎖地点を突破。この先は安全です》

 

「やった! 大成功!」

 

『ウォー!』

 

アヤネの言葉に、セリカとウォーグルが喜ぶが、アヤネは少し頭を抱える。

 

《本当にブラックマーケットを襲っちゃうなんて・・・・ふう・・・・》

 

「シロコちゃん。集金記録の書類はちゃんとあるよね?」

 

「う、うん・・・・バックの中に」

 

シロコはバックの中を確認すると、書類の束を出すが、カバンの中には更にーーーー。

 

「・・・・へ? なんじゃこりゃ!? カバンの中に・・・・札束が・・・・!?」

 

「うええええええええ!? シロコ先輩、現金盗んじゃったの!?」

 

「ち、違う・・・・目当ての書類はちゃんとある。このお金は、銀行の人が勝手に勘違いして入れただけで・・・・」

 

仰天する皆に、シロコは弁解すると、ホシノがカバンの中の札束を見る。

 

「どれどれ・・・・うへ、軽く一億はあるね。本当に五分で一億稼いじゃったよー」

 

「やったあ! 何ボーッとしてるの! 運ぶわよ!」

 

『ウォッ!?』

 

『「・・・・・・・・」』

 

金額を聞くと、セリカが意気揚々と言い、ウォーグルが目をパチクリさせた。シロコとルガルガンは何やら難しい顔をし、アヤネが声を発する。

 

《ちょ、ちょっと待って下さい! そのお金、使うつもりですか!?》

 

「アヤネちゃん、何で? 借金を返さなきゃ!」

 

《そんな事したら・・・・本当に犯罪だよ、セリカちゃん!!》

 

「は、犯罪だから何!? このお金はそもそも、私達が汗水流して稼いだお金なんだよ! それがあの闇銀行に流れてったんだよ!」

 

アヤネは止めるが、セリカは声を荒げる。

 

「それに、そのままにしておいたら、犯罪者の武器や兵器に変えられていたかも知れない! 悪人のお金を盗んで、何が悪いの!」

 

「・・・・・・・・」

 

「私はセリカちゃんよ意見に賛成です。犯罪者の資金ですし、私達が正しい使い方をした方が良いと思います」

 

一理ある言葉に、無関係なヒフミは黙るが、ノノミは賛成した。

 

「ほらね! これさえあれば、学校の借金をかなり減らせるんだよ!」

 

「んむ・・・・それはそうなんだけど・・・・シロコちゃんはどう思う?」

 

ホシノが聞くと、一番銀行強盗にノリノリだったシロコが断言するように言う。

 

「・・・・自分の意見を述べるまでもない。ホシノ先輩が反対するだろうから」

 

「へ!?」

 

「流石はシロコちゃん。私の事、分かってるねー」

 

すると、ホシノが顔を真面目にして口を開き、ヤドキングまでも真面目な顔で皆を見回していた。

 

「私達に必要なのは『書類』だけ、『お金』じゃない。今回は悪人の犯罪資金だから良いとして、次はどうする? その次は?」

 

真面目なホシノの言葉に、セリカは黙ってしまう。

 

「こんな方法に慣れちゃうと・・・・ゆくゆくは、きっと平気で同じ事をするようになるよ」

 

シロコも黙って聞く。

 

「そしたら、この先またまたピンチになった時・・・・『仕方ないよね』とか言いながら、やっちゃいけない事に手を出すと思う。うへ〜、このおじさんとしては、可愛い後輩がそうなっちゃうのはイヤだなー」

 

すると、いつもの明るいホシノに戻る。

 

「そうやって学校を守ったって、何の意味があるのさ」

 

《・・・・・・・・》

 

アヤネもホシノの様子に唖然としながら聞いた。

 

“先生として、私も犯罪者の資金とは言え、皆がその犯罪者達と同じようになるのは、嫌だな”

 

『ピカチュウ・・・・』

 

「そうそう。こんな方法を使うくらいなら、最初からのノノミちゃんが持ってる燦然と輝くゴールドカードに頼ってた筈ー」

 

「・・・・私もそう提案しましたが、ホシノ先輩が反対されて・・・・」

 

そう言って、ノノミも反省したように口を開く。

 

「先輩の気持ち、分かります。いくら頑張ったって、キチンとした方法で返済をしない限り、アビドスはアビドスじゃなくなってしまう・・・・」

 

「うへ、そう言う事。だからこのバックは置いてくよ。頂くのは最初の書類だけね。これは委員長としての命令だよー」

 

すると、セリカが叫ぶ。

 

「うわああっ!! もどかしい! こんな大金捨ててく!? 変な所で真面目なんだから!!」

 

「うん。委員長としての命令なら」

 

「私はアビドスさんの事情は良く知りませんが・・・・このお金を持っていると、何か他のトラブル巻き込まれるかも知れません。災いの種、みたいなものでしょうから・・・・」

 

シロコとヒフミがそう言うと、ノノミが口を開く。

 

「あは・・・・仕方ないですよね。このバッグは、私が適当に処分します」

 

「ほい、頼んだよー」

 

が、アヤネが慌てたように声を発する。

 

《・・・・!! 待って下さい! 何者かがそちらに接近しています!》

 

「・・・・!! 追っ手のマーケットガード!?」

 

《い、いえ。敵意はない様子です。調べますね・・・・あれは・・・・べ、便利屋のアルさんとマフィティフ!?》

 

『っっ!!??』

 

全員が目を向けると、確かに遠くだが、アルとマフィティフがこちらに向かって走ってきた。

 

 

 

「はあ、ふう・・・・ま、待って!!」

 

 

 

先生は即座に隠れ、シロコ達も覆面水着団に変わって、武器を構える。

 

「お、落ち着いて。私は敵じゃないから!」

 

「(何であいつが・・・・?)」

 

「(撃退する?)」

 

「(どうかな。戦う気がないって相手を叩くのもねえ)」

 

「(お知り合いですか・・・・?)」

 

「(まあねー、そこそこのー)」

 

アルに聞かれないようにこっそりと会話する。アルは聞こえていないので、話を続けた。

 

「あ、あの・・・・た、大した事じゃないんだけど・・・・。銀行の襲撃、見せてもらったわ・・・・ブラックマーケットの銀行をものの五分で攻略して見事に撤収・・・・あなた達、稀に見るアウトローっぷりだったわ」

 

『バフゥ・・・・』

 

「・・・・!?」

 

気づいていない様子のアルに、マフィティフは呆れ、シロコ達も少し驚いた。それに構わず、アルは話を続ける。

 

「正直、凄く衝撃的だったと言うか、このご時世にあんな大胆な事ができるなんて・・・・感動的と言うか。わ、私も頑張るわ! 法律や規律に縛られない。本当の意味での自由な魂! そんなアウトローになりたいから!」

 

「(一体・・・・何の話?)」

 

セリカが酷く冷め切った目になる。

 

「そ、そう言う事だから・・・・な、名前を教えて!!」

 

「名前・・・・!?」

 

「その・・・・組織って言うか、チーム名とかあるでしょ? 正式な名前じゃなくて良いから・・・・私が今日の雄姿を心に深く刻んでおけるように!!」

 

「(うへ・・・・何か盛大に勘違いしてるみたいだねー・・・・)」

 

しかし、ノノミが勢い良く前に出る。

 

「・・・・はいっ! おっしゃる事は、よーく分かりましたっ!」

 

「(のっ、ノノミ先輩!?)」

 

「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情けです☆」

 

そう言って、ノノミはキリッとチームの名前を宣言した。

 

「私達は、人呼んで・・・・『覆面水着団』!」

 

「・・・・『覆面水着団』!?」

 

あまりにダサい名前に、アルもドン引きすると、ノノミ以外は思ったが・・・・。

 

「や、ヤバい・・・・!! 超クール!! カッコ良すぎるわ!!」

 

「(・・・・・・・・)」

 

受けたようである。セリカが信じられないものを見る目でアルを見据える。

すると、ホシノも便乗した。

 

「うへ〜本来スクール水着に覆面が正装なんだけどね、ちょっと緊急だったもんで、今日は覆面だけなんだー」

 

「(何か妙な設定を付け足してる!?)」

 

「そうなんです! 普段はアイドルとして活動してて、夜になると悪人を倒す正義の回答に変身するんです!」

 

さらに調子に乗ったノノミが設定を付け足すと、ポーズを取った。

 

「そして私はクリスティーナだお♧」

 

『ドンド〜ン!』

 

またもやサイドンがキラキラの紙吹雪を撒き散らす。

 

「『だ、だお♧』・・・・!? きゃ、キャラも立ってる・・・・!?」

 

「うへ、目には目を、歯には歯を。無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く。これが私らのモットー!!」

 

さらにホシノがキャッチフレーズを付け足す。

 

「な、なんですってー!!」

 

アルが白目を剥いて驚愕する。

 

 

 

 

 

ー便利屋sideー

 

「・・・・何してるの、あの子達・・・・」

 

『ニャァ・・・・』

 

「わー、アルちゃんドハマりしちゃってるじゃん。夢見る少年みたいな顔してる!」

 

『ウホホ〜!』

 

少し離れた位置で聞いていたカヨコとレパルダスが呆れ、ムツキとエテボースは笑っており、ハルカとガラルマタドガスはボーッと見ていた。

 

 

 

 

ーアルsideー

 

いい加減トンズラしようと、セリカがノノミにこっそりと話しかける。

 

「(もういいでしょ? 適当に逃げようよ!)」

 

「それじゃあこの辺で、アディオス〜☆」

 

「行こう! 夕日に向かって!」

 

「夕日、まだですけど・・・・」

 

そう言って、覆面水着団はササーッとその場を華麗に去った。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

『バフンっ?』

 

その後ろ姿をアルは呆然と見送ると、気合を込めて言う。

 

「よし! 我が道が如く魔境を・・・・その言葉、魂に刻むわ! 私も頑張る!」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

そんな社長の様子を、便利屋68は半眼で見据えると、カヨコとムツキがこっそりと会話する。

 

「(事実を伝えるべきなんだろうけど・・・・いつ言おうか?)」

 

「(面白いから暫く放置で)」

 

すると、ハルカが覆面水着団のバッグを持って口を開く。

 

「あ、あの・・・・このバッグ、どうしましょう? あの人達が置いて行ったみたいなんですけど・・・・」

 

「ん? これはまさか・・・・覆面水着団が私の為に・・・・?」

 

「いや、それはないわ・・・・ただの忘れ物じゃない?」

 

「結構重いよ? 何が入ってるんだろ」

 

そしてムツキがバッグを開けると中身はーーーー大量の札束であった。

 

『・・・・!!』

 

便利屋68一同が驚愕に目を見開く。

 

「ひょええ!?」

 

「!! こ、これは・・・・!!」

 

流石のムツキとカヨコも驚いていた。

 

 

 

 

 

 

ーアビドスsideー

 

そして、漸く学校に戻った対策委員会と先生とヒフミ。

だが、ノノミはバッグがない事を気づいた。

 

「・・・・あれ? 現金のバッグ・・・・置いて来ちゃいました」

 

「えーっ!?」

 

「うへ〜良いんじゃない? どうせ捨てるつもりだったんだし。気にしない、気にしない」

 

「うん。誰かに拾われるでしょ、きっと」

 

「ですよね☆ お金に困っている人が拾ってくれると良いですね」

 

「あはは・・・・良い事をしたって思いましょう。お腹を空かせた人があのお金でお腹いっぱいになれると思えば・・・・」

 

セリカ以外は別段気にしていないようであった。

 

「うう・・・・勿体無い・・・・どう考えても勿体無さすぎる!! 全くもう、皆お人好しなんだから!!」

 

セリカがプリプリ怒っていた。

 

“・・・・・・・・”

 

『ピカピピ?』

 

何故だろうか、先生は、『お金に困っている人』、『お腹を空かせた人』と言う単語から、便利屋68の事が脳裏に過った。

 

 

 

 

ー便利屋sideー

 

「ええええーっ!?」

 

『バフォォーっ!?』

 

「うわわわわーっ!?」

 

『ウホッ!? ウホッ!?』

 

「これって・・・・!?」

 

『ニャァ・・・・!?』

 

「・・・・?」

 

『マタドガ〜ス』

 

バッグに入った大量の札束、およそ一億近くの札束に、ハルカとガラルマタドガス以外は、未だにこんらん状態であった。

 

「・・・・もしかしてこれで、もう食事抜かなくてもいいんですか?」

 

すると、ハルカかにこやかに的外れな台詞を言った。

 

 

 

 

 

 

そして、取り敢えずバッグを持って便利屋オフィスに戻ったアルは、覆面水着団の正体を教えられてーーーー。

 

「なああああああああにいいいいいいいいーーーーっ!!?? 覆面水着団がアビドスだったですってええ!!??」

 

『バフゥゥゥゥ・・・・』

 

またもや白目を剥いて、顎が外れんばかりに開いて絶叫し、マフィティフが器用に耳を塞いで、盛大な溜め息を吐いた。

 

「あ、アル様・・・・」

 

『マタドガ〜ス』

 

ハルカが心配するように声をかけ、ガラルマタドガスがフヨフヨと呑気な顔で浮いていた。

 

「あははははー、アルちゃんショック受けてるー! 超ウケる!」

 

『ウホホホホ〜!!』

 

ムツキとエテボースがお腹を抱えて爆笑する。

 

「はあ・・・・」

 

『ニャァ』

 

カヨコが頭痛を堪えるような溜め息を吐き、レパルダスが「くだらないわね」と言わんばかりに寝るのであった。




ヒフミのパートナーはガルーラにしました! 何故ガルーラにしたのかはいずれ分かると良いなぁ。


ヒフミ&ガルーラ
子ガルーラがブラックマーケットて密輸され、そこから逃げ出して、ブラックマーケットでのモモフレンズのイベントにやって来ていたヒフミと出会い、共に過ごす。母ガルーラが子ガルーラを探して〈トリニティ〉で暴れていた所をヒフミが子ガルーラを連れて母ガルーラを止めにやって来て大人しくさせ、そのまま手持ちとなる。
母ガルーラはヒフミを我が子のように扱い、子ガルーラは兄か弟のような態度でヒフミと接している。
因みに母ガルーラは、ハスミのネギガナイトと互角に渡り合える実力である。ヒフミのモモフレンズの趣味に関しては、母ガルーラ「なんだいこりゃ?」と微妙な感想。子ガルーラは「可愛い」と思っている。
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