ポケモンアーカイブ   作:BREAKERZ

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巨大ミミズズと戦いが始まります。そして、『ヴェリタス』の手持ちポケモンも明らかに。あと、ヒマリのメタグロスめ少し変えます。そして、アカネの手持ちも。


巨大ミミズズとの遭遇。『G.Bible』の謎

ー???sideー

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ゲーム開発部と『シャーレ』の先生が、外で巨大なミミズズと戦闘を開始するのと同時に、『ディビジョンシステム』があったPCに近づく『二つの人影』があった。

 

ーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・。

 

すると、PCの側に置かれていた二つのコンテナが音を立てながら開かれていき、その中からーーーー2体のポケモンが姿を露わにした。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・(スッ)」

 

「(コクン)」

 

『人影』の一人が、そのポケモン達を指差すと、もう一人の『人影』が頷き、モンスターボールを投げたーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

ー先生sideー

 

『ズズズゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!』

 

『どわっはぁあああああああああああああ!!!』

 

巨大ミミズズはアスファルトを砕いて地面に潜ると、すぐに顔を出して大口を開けて襲い掛かり、また地面に潜っては顔を出して襲い掛かるを繰り返してくる。

ミライドンに乗ったゲーム開発部と先生が悲鳴を上げながら逃げていた。

 

「ちょっと! なんかミライドンのスピード遅くない!?」

 

“う~ん、単純に重いからかな?”

 

「重いって!? 先生! 正直に言いますけど、私もお姉ちゃんもユズちゃんもアリスちゃんも、四人揃って大人二人分の体重ですよ!? 服やアイテムや武器の重量を入れても・・・・武器の重量・・・・あっ!」

 

モモイが以前乗った時より遅いミライドンに文句を言い、先生が体重の事を言うと、ミドリが反論したがすぐに察した。

武器の重量、華奢なアリスが軽々と持ち上げていたからつい忘れてしまっていたが、アリスの『スーパーノヴァ』の重量は140kgーーーー成人男性2人分の重量だ。

つまり今ミライドンは、先生とポケモン達や他の武器の重量を入れてーーーー“大人6人分の重量を乗せて走っているのだ”。

如何にミライドンでも、ソコまでの重量を背負ってしまえば、いつものスピードが出せないのは当然とも言える。

 

「どどど、どうしよう!?」

 

“・・・・仕方ない。アリス”

 

「はい先生!」

 

“アリスはこのままミライドンに乗って走り回って。ミミズズの目的がアリスなら、私達よりアリスを狙ってくる筈だから”

 

「つまり、アリスはミライドンに乗ってこの『廃墟』を駆け巡るのですね!?」

 

“うんそう。その間に、私達はーーーー”

 

先生が全員のスマホロトムに作戦の詳細を伝えると、ほぼ全員がコクリと頷いた。すると、ミミズズが真上から【ずつき】で迫ってきた。

 

“ーーーールカリオ【はどうだん】!”

 

『(ポンッ)カルゥーーーーオォ!!』

 

ーーーードシュゥッ!!

 

『はがねタイプ』の弱点である『かくとうタイプ』の技を受けて、巨大ミミズズが頭を仰け反らせる。

 

“ーーーー今だ!”

 

先生の号令と共に、アリスとデデンネとルカリオ以外がミライドンから飛び降り、ミライドンはそのまま突き進むと、巨大ミミズズは頭を振って正気にかえると、一目散にミライドン、否、アリスを追いかけた。先生達には見向きもせずに。

 

「・・・・本当にアリスちゃんだけが目的なんだ」

 

「早くしないと、アリスが美味しくいただかれちゃう!」

 

“皆、配置について”

 

「「「了解!」」」

 

先生の言葉に頷くと、デンチュラが糸を吐き出し、先程巨大ミミズズが頭を出した穴の周囲に、大きな網を作り出していく。

そして、スナイパーであるミドリはマイナンと、つるのムチで移動する事もできるチコリータを連れて狙撃ポイントに向かい、デンチュラが網を作っている間に、ユズはワニノコを連れて隠れ、モモイもプラスルとイーブイを連れて隠れ、先生とピカチュウ、そして『はがねタイプ』のもう一つの弱点である『ほのおタイプ』のヒノアラシが、正面で待ち構えていた。

すると、向こうの角からアリスとデデンネとルカリオを乗せたミライドンがドリフトを決めて曲がってくるとーーーー。

 

ーーーーズシャァァァァァァァァンンッ!!

 

建物を壊しながら、巨大ミミズズも現れた。

 

「迎撃です!」

 

『カルッ!』

 

アリスがスーパーノヴァを小出しで連射し、ルカリオも【はどうだん】を散弾銃のような発射し、巨大ミミズズを牽制する。

 

『ズズミミィィィィ!!』

 

巨大ミミズズが頭をアスファルトに突っ込み、地面を盛り上げながら突き進み、ミライドンを追い掛ける。

 

“ーーーーミライドン! 飛んで!”

 

『アギャァス!!』

 

ミライドンはピョンっと跳び上がると、『グライドモード』になって跳び越えようとするが、若干ジャンプが足りなく、ゆっくりと網の上に落ちてしまいそうになる、が。

 

『・・・・カ、ルゥォ!!』

 

ルカリオが地面に向けて【はどうだん】を放つと、僅かに宙を浮いて、網を飛び越えた。

と、その瞬間ーーーー。

 

『ーーーーミミズズゥゥウウウウウウウウっっ!!??』

 

巨大ミミズズが身体をアスファルトから出すと、デンチュラが仕込んでいた電流入りの網、【エレキネット】が顔に張り付いて、電気が流れると身悶えて身体を揺らすと、周りの廃墟となったビルにぶつかり、建物を崩す。

 

“皆! 今だよ!”

 

「オッケー! ワニノコ! 【みずでっぽう】! プラスルーーーー」

 

「マイナンーーーー」

 

「「【かみなり】!!」」

 

『ワニワニワー!!』

 

ワニノコが放水し、暴れる巨大ミミズズに浴びせてから、プラスルとマイナンが強烈に放電し、天高く昇った電撃が落雷のように水に濡れた巨大ミミズズに浴びせて、更にダメージを与える。

 

『ミミズズズズ!!??』

 

“今だ! 皆、一斉に攻撃!!”

 

先生の号令の下、ゲーム開発部は銃弾を浴びせていく。勿論、ポケモン達も攻撃の手を緩めなかった。

するとーーーー。

 

『ミミズズゥゥゥゥ!!』

 

巨大ミミズズは、グルリと踵を返すと、またアスファルトに突っ込んで地面に潜ると、何処かに逃げようとしていた。

 

「あっ逃げた! どうするの先生!?」

 

“追ってみよう。ミライドン、また重くなるけど大丈夫?”

 

『アギャァ・・・・』

 

「ミライドン、HPが足りないかもです・・・・」

 

『デデン』

 

ミライドンは先生の言葉に、「ちょっとキツイかも・・・・」と言いたげな顔になり、アリスも解説するように呟き、頭の上のデデンネも頷く。

 

「それならさ! 後でユズを好きなだけペロペロして良いよ、って条件なら、ミライドンもやる気になるんじゃない?」

 

「え"っ・・・・!?」

 

『アギャァ!(キランっ)』

 

モモイがあっけらかんと言うと、ユズは顔を青ざめ、ミライドンはやる気が出たのか、力強く立ち上がった。

 

「よぅしっ! ミライドンも元気になったし、巨大ミミズズを追おう!」

 

『プラァ!』

 

「追跡クエストです!」

 

『デデン♪』

 

「あの・・・・私に拒否権は・・・・?」

 

ユズの問い掛けに誰も答えてくれず、ただデンチュラとミドリとマイナンだけが、肩にポンッと手を置いて憐憫の眼差しを向けるだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

ユズ以外は意気揚々とミライドンに乗って、巨大ミミズズを追いながら、先生は『秘伝スパイス』の事を説明し、モモイが前に見た『岸壁エリア』の動く岩の正体を聞いて驚かれたりすると、地面から出た巨大ミミズズが、『廃墟』にある『植物園』に辿り着き、その中に入っていった。

悟られないようにコッソリと向かう先生とゲーム開発部。

そして視線の先には、真っ白に光り輝く『秘伝スパイス』の群生があり、巨大ミミズズがその一部を貪り食っていた。

 

「先生! アレが秘密のアイテムなんだね!」

 

“ーーーーうん。『秘伝スパイス』、『ひでん:しおスパイス』。手足の痛みと痺れのような身体鎮痛の効能を持つらしいね”

 

「パンパカパーン! アリス達は『お宝』を見つけました!」

 

「皆静かに! ミミズズに気づかれーーーー」

 

「もう、気づかれたみたい・・・・」

 

『ーーーーミミズズゥゥゥゥ!!』

 

巨大ミミズズが雄たけびを上げてコチラに迫ってきたのを見て、ミライドンが『植物園』から飛び出ると、巨大ミミズズも飛び出し、胴部分からは6本の腕のような体毛を伸ばし、拳のように使って『廃墟』の建物を破壊する。

 

「うわわっ! また暴れ出した〜!」

 

「み、皆逃げて〜!」

 

モモイが慌て、ユズが逃げるように言うが、巨大ミミズズはその巨大をくねらせて先回りにし、逃げ道の先に回り込んで塞いだ。

 

『ズズミミィィィィ!!』

 

そしてその視線の先は、アリスに向けられていた。どうやらまだアリスを食べようと狙っているようだ。

 

「あのミミズズ! まだアリスちゃんを食べようとしてるよ!」

 

「勇者アリスを食べて、その力を我が物としようとしているのですね!」

 

「いやそんな事言ってる場合じゃないって!!」

 

『ミミズズゥゥゥゥ!!』

 

とか言ってる内に、巨大ミミズズは尻尾を振り回し、【アイアンテール】を繰り出す。

 

“ミライドン反転! 避けるんだぁ!!”

 

『アギャァス!!』

 

ミライドンが避けようと反転するが、やはり重量のせいか一拍子遅れ、【アイアンテール】がアスファルトを砕いた衝撃波で横転してしまった。

 

“『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??』”

 

『(ポンッ)チュラッ!!』

 

吹き飛ばされたゲーム開発部だが、デンチュラが飛び出して瞬時に糸を飛ばして網を作り、全員をキャッチした。ミライドンは先生の懐から【ねんりき】が放たれ、ゆっくりと地面におろされた。

 

「ふぅ助かったぁ! 流石ユズのデンチュラ!」

 

「でもないよ! ミミズズが迫ってるっ!!」

 

ミドリが指差すと、巨大ミミズズが地面を這いながら向かってきていた。

 

“っ! ヒノアラシ! ルカリオ!”

 

『(ポンッ!)ヒノ!』

 

『(ポンッ!)カルゥ!』

 

“ヒノアラシ! 【かえんほうしゃ】でミミズズを牽制するんだ!”

 

『ヒィノォォォォ!!』

 

『ズズズ!?』

 

苦手なほのおタイプの技で巨大ミミズズが動きが僅かに低速する。その隙に先生が、袖を下げて『キーストーン』に触れる。

 

“ルカリオ! 絆の力でさらなる高みへ! メガシンカ!!”

 

『カルゥォォッ!!』

 

ルカリオの『メガストーン』が反応し、ルカリオはメガルカリオへとメガ進化した。

 

“ルカリオ! 【はっけい】!!”

 

『カァルォォォォ!!』

 

【かえんほうしゃ】を突き抜けて、突っ込んできた巨大ミミズズの顔面に、メガルカリオはアスファルトを踏み締めて、掌底打ちを叩き込んだ。

 

ーーーードゴォォォォォォォォォォォ!!

 

『ミミズズゥゥゥゥゥゥゥゥ!?』

 

【はっけい】を叩き込まれ、メガルカリオの足元のアスファルトが砕け、巨大ミミズズは縦列に潰れたかのように急停止した。

と、その瞬間ーーーー。

 

“ルカリオ! 離れて! アリス! 今だよ!!”

 

「はい!ーーーー光よ!!」

 

ーーーードシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

先生の指示で即座に離れたメガルカリオ。

そして、プラスルとマイナンとデデンネに充電されてフルチャージされたスーパーノヴァを最大出力で発射するアリス。

 

『ズズズズウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!??』

 

巨大ミミズズは大きく吹き飛び、そのまま何処かに吹き飛んでしまった。

 

“ーーーーさて皆。長いは無用だよ。『秘伝スパイス』を持って脱出だ!”

 

『は~い!』

 

巨大ミミズズが消えたのを確認し、先生とゲーム開発部は『ひでん:しおスパイス』をあるだけ回収して、『廃墟』から立ち去った。

後で『エンジニア部』が『ひでん:しおスパイス』を回収しようとやって来ると、巨大ミミズズの影も形も無くなっていたと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

『廃墟』を脱出した一同は、手に入れた『G.Bible』に強力なセキュリティーが施されていたので、どうしたものかと思ったが、モモイのスマホロトムに、『ヴェリタス』から『G.Bible』について詳しく調べてあげると言われて、ホワイトハッカーの巣窟、〈ミレニアムサイエンススクール〉の非公認部活である『ヴェリタス』の部室へと赴いた。

ちなみにユズは部室に戻った後、ミライドンに散々ペロペロされて、ロッカーに引きこもり、デンチュラが慰めている。

 

「依頼された“データ”について、結果が出たよ」

 

ゲーム開発部にそう言ったのは、〈ミレニアム〉の2年生である『小鈎ハレ』。灰色の長髪をポニーテールに結わえ、十字架の形のヘアピンを付け、手にはタブレットモードのスマホロトムを持ち、周りに野球ボール大のドローンを数機浮かせ、素足で靴を履いていた。

そしてその肩には白地に水色の模様が入ったリスのような姿で、大きな尻尾と黄色いほっぺが特徴的な『でんきリスポケモン・パチリス』を乗せ、足元には角ばった多面体パーツで構築された全身をした『バーチャルポケモン・ポリゴン』がいる。『エンジニア部』がロトムを所持するのが、暗黙の決まりであるように、『ヴェリタス』では電子世界に移動する事ができるポリゴンを所有するのが暗黙のルールとなっているのだ。

 

「い、いよいよ・・・・!」

 

『プラ・・・・!』

 

『マァイ・・・・!』

 

「ドキドキ」

 

『デネデネ』

 

ゲーム開発部はいよいよ伝説の宝である『G.Bible』の正体が分かりそうで、興奮が収まらない様子であった。

 

「知っての通り私達『ヴェリタス』は、〈キヴォトス〉最高のハッカー集団だと自負してる。ポリゴン達の協力もあり、システムやデータの復旧については、それこそ数えきれない程に解決し、我々の能力も飛躍的に進歩した」

 

解析から戻ったハレのその表情は何故か曇っている。どうやら何かしら問題があったようである。

 

「その上で、単刀直入に言うね」

 

「(ゴクリ・・・・)」

 

『チュラ・・・・』

 

「ーーーーモモイ、あなたのゲームのセーブデータを復活させるのは無理」

 

『パチリス』

 

『ポリゴン』

 

ハレとパチリス両手を合わせて謝罪とも南無三とも言えるポーズを取り、ポリゴンも冥福を祈るように瞑目した。

 

「うわぁぁぁぁん! もうダメだーーーー!!」

 

ーーーードゴッ!×2

 

「ハブンッ!」

 

『プラァ!!』

 

『マイィ!!』

 

「そうじゃないでしょ!? 『G.Bible』のパスワード解除はどうしたのさ!?」

 

頭を抱えて絶叫するモモイの背中に、プラスルとマイナンが【ずつき】をしてからミドリが声を上げる。

 

「それなら『マキ』が作業中ですよ」

 

『リンダ・・・・』

 

『ポリゴン』

 

ミドリに声をかけたのは、亜麻色の長髪を無造作に伸ばし、紫色の瞳に大きな眼鏡を掛け、首元にヘッドホンを掛け、Yシャツにネクタイをし、ジャケットを着た無表情で抑揚のないしゃべり方をする『ヴェリタス』に所属の〈ミレニアム〉の3年生『音瀬コタマ』。その隣に爬虫類か両生類の亜人のような姿で、体色は水色と紫で、背中に青い電撃が2列で背びれのように発せられている。ナメきった態度をとっている『パンクポケモン・ストリンダー(ローのすがた)』と、『ヴェリタス』所属を意味するポリゴンがいた。

 

「マキちゃんが?」

 

ミドリが『G.Bible』のことについて問いただすと、後ろからコタマがやって来て、マキが作業をしていると答えた。

と、その時ーーーー。

 

「あ、おはようミド! 来てくれたんだね、ありがと」

 

『ポリゴン』

 

『ドーブル』

 

ミドリの名前を短縮し、気安く話しかけたのは、真っ赤な髪をダブルお団子にし、頭にチョコンとアホ毛が伸び、黒いジャケットを着た小柄な女の子〈ミレニアム〉の1年生『小塗マキ』。

足元にはやはり『ヴェリタス』の所属を意味するポリゴンの他にもう一匹、舌を垂らしベレー帽を被った二足歩行の犬の様な姿で長い尻尾の先は筆の様になっている『えかきポケモン・ドーブル』がいた。

 

「うぅ、私のセーブデータが、涙と汗の結晶が・・・・!」

 

モモイは自分のゲームのセーブデータが消滅した事に深く落ち込んで泣いていた。

 

「モモはどうしてこんなに泣いているの?」

 

「気にしないで大丈夫・・・・それより、『G.Bible』はどうだった?」

 

お互い同じ1年生だからか、気安い態度で話すミドリとマキ。

 

「うん、ちゃんと分析できたよ。あれはかの伝説のゲーム開発者が作った神ゲーマニュアル・・・・『G.Bible』で間違いないね」

 

「や、やっぱりそうなんだ!」

 

笑みを浮かべたマキはゲーム開発部が持ち帰ったデータが『G.bible』であると断定する。それを聞いてミドリは笑顔を浮かべる。

 

「ファイルの作成日や最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実。作業者についても、噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致してた。それと、“あのデータはこれまでに一回しか転送された形跡がない”」

 

「っていう事は・・・・」

 

「うん、『オリジナルのG.Bible』だろうね」

 

「す、すごい!!」

 

『プラプラ♪』

 

『マァイ♪』

 

マキはこのデータは間違いなく『G.Bible』だという事をミドリに説明すると、ミドリはそれを聞いて、プラスルとマイナンと手を取り合ってピョンピョンと跳ねて大いにはしゃいでいた。

が、マキは眉根を寄せながら声を上げる。

 

「でも問題があって・・・・ファイルの『パスワード』についてはまだ解析できてないの」

 

「えぇっ、じゃあ結局見られないってことじゃん!? ガッカリだよ!」

 

「うっ! だってあたしはあくまでクラッカーであって、ホワイトハッカーじゃないし・・・・兎に角! そうは言っても、方法が無いわけじゃない」

 

『G.Bible』の特定はできても、データを開くことはできないらしく、ソレを聞いて漸く復活したモモイはマキに文句を言うが、マキは方法があると言った。

 

「そうなの?」

 

「あのファイルのパスワードを直接解析するのは、多分ほぼ不可能。でも、セキュリティファイルを取り除いて丸ごとコピーする手段なら、きっと出来るんじゃないかな・・・・。で、そのためには『Optimus Mirror System』・・・・通称『鏡』って呼ばれるツールが必要なの」

 

“オプティマス・ミラー・システム・・・・?”

 

「ぜ、全然話についていけない・・・・」

 

「つまり・・・・『G.Bible』を見る為には、その『鏡』っていうプログラムが必要だってことだよね? それはどこにあるの?」

 

「あたし達、ヴェリタスが持って・・・・た」

 

「何だ、それなら今すぐ・・・・ん、待って? 過去形!?」

 

モモイが話についていけず頭を抱えるが、ミドリが掻い摘んで聞くと、マキが歯切れ悪く応え、漸く理解したモモイが目を点にして訝しげに聞いた。

 

「・・・・そう、今は持ってない。生徒会に押収されちゃったの、もうっ! この間ユウカが急に押し入ってきて、『不法な用途の機器の所持は禁止』って」

 

『ポリポリ』

 

『ーーーードーブル』

 

ポリゴンがスケッチブックを持ってきて、ドーブルがその紙に『荷物を持っていく鬼の角を生やしたユウカ』が描かれた。

 

「『鏡』もそうですし、色々と持っていかれてしまいましたね・・・・私の『盗聴器』とかも」

 

“コタマ・・・・?”

 

『鏡』は不要な用途での使用を想定した機器である為、ユウカに没収されたようだ。コタマの『盗聴器』の方は聞かなかった事にした。

 

「その『鏡』って・・・・そんなに危険な物なの?」

 

ミドリの質問に、ハレが少し顔を苦々しく歪めつつも話す。

 

「そんなことは無いよ。ただ暗号化されたシステムを開くのに最適化されたツールってだけ。ただ・・・・世界に一つしかない、私達の部長が直々に製作したハッキングツールで」

 

「部長っていうと・・・・『ヒマリ先輩』?」

 

ミドリは生徒会に没収されたと聞いて、“鏡”が危険なものなのかと推測する。だが、ハレさそう言うのではないと答える。

『G.Bible』の情報やアリスの『学生証』の偽造やらをした『ヒマリ』の名が出て、先生はピクンっと眉を動かした。

 

「『ヒマリ』・・・・?」

 

先生に代わり、アリスが『ヒマリ』の事を尋ねると、ミドリが応えた。

 

「アリスちゃんはまだ会った事ないよね、『ヴェリタス』の部長さんなの。ちょっと身体が不自由で車椅子とに乗って、『色違いのメタグロス』とブースターを連れてるから、見かけたらすぐ分かると思う」

 

そう言って、ミドリは『ヒマリ』の事を話し出す。

 

「スゴい人でね。身体の事はあるけど、ソレであの人に同情したり軽視したりするような人は、少なくともこの〈ミレニアム〉にはいない。『天才』・・・・って言うのかな。〈ミレニアム〉史上、まだたった3人しか貰えていない学位、『全知』を持ってる人なの」

 

「うん、本当にスゴい・・・・けど、それはそうとして。その『ヒマリ』先輩が作った装備を、どうして取られちゃったのさ」

 

『プラプラ?』

 

「・・・・私はただ、“先生のスマホロトムのメッセージを確認したかっただけです”。その為に『鏡』が必要で・・・・。『不純な意図』は、全く無かったのですが」

 

『ポリゴン・・・・』

 

『リンダー・・・・』

 

「私には、『不純な意図』しか感じられないけど・・・・」

 

『マイマイ・・・・』

 

『鏡』没収された理由が、コタマは先生のスマホロトムを確認する為だと答え、ポリゴンとストリンダー(ロー)が申し訳ないと頭を下げ、ソレを聞いた一同はコタマに半眼を、先生には同情の視線を寄越した。

 

「うわあぁん! 早く『鏡』を探さないと、部長に怒られちゃう!!」

 

マキが頭を抱えると、ドーブルが再びスケッチブックを手に鬼のような角を生やした黒い影、恐らく『ヒマリ』を描いた。

 

「兎に角・・・・整理すると、私たちも『鏡』を取り戻したい。それに、『G.Bible』のパスワードを解く為には、あな達にとっても『鏡』は必要・・・・そうでしょ?」

 

「なるほどね・・・・呼び出された時点で、何かあるのかなとは思ってたけど。だいたい分かったよ」

 

「え、も、もしかして・・・・?」

 

ソコまで話を進めていくと、モモイはこれから何をすべきかを察して笑みを浮かべ、そしてミドリも気付いたようである。

 

「ふふ、流石モモ、話が早いね」

 

「目的地が一緒なんだし、旅は道連れってね」

 

「共にレイドバトルを始めるのであれば、私たちはパーティーメンバーです」

 

『デデン!』

 

「あの、お姉ちゃん、もしかしてだけど・・・・」

 

そう言って、マキとモモイは共に肩を組み、アリスとデデンネも理解したのかやる気を見せる。

そんな中、ミドリは嫌な予感をしたのか声を上げる。

 

「まさか『ヴェリタス』と組んで、生徒会を襲撃するつもりじゃ・・・・!?」

 

「その通り!!」

 

「嘘でしょぉぉぉぉ!?」

 

『鏡』を奪取する為に、生徒会『セミナー』を襲撃すると教えられ、ミドリは頭を抱えて絶叫した。

 

 

 

 

 

 

ーユウカsideー

 

「・・・・そのまさかよ」

 

そしてここは〈ミレニアム〉の校舎の屋上。

ソコに、サーナイトとゼブライカに見張りを任せたユウカが、とある生徒と話し合っていた。

 

「成る程、俄には信じがたいお話ですね。『ゲーム開発部』については、私も知らない訳ではありません」

 

ウェーブの入った灰色の長い髪、端麗な顔には知的な眼鏡をかけ、その手には『ウェルロッドMk.1・サイレントソリューション』を握られ、『アビドス』のノノミをも上回る豊満な胸元を押し上げて、その豊麗なプロポーションを包んでいるその服装はーーーーメイド服。

〈ミレニアム〉所属の2年生『室笠アカネ』である。

傍らには大きなケースを抱えているポケモンがニ匹。まるで大きなモンスターボールが逆さまになり不敵な笑みを浮かべている『ボールポケモン・マルマイン』と、丸い形をした岩に幾つもの亀裂が走り、ソコから顔と手足が飛び出て、磁力によって集まった砂鉄がまるでヒゲや胸毛のように見え、更に胴体から突き出した2本の大きな黒い岩の柱がある『メガトンポケモン・ゴローニャ(アローラのすがた)』が蝶ネクタイを首に着け、頑固親父のような姿も相まり、厳格な執事長を思わせる姿であった。

 

「あんなに可愛らしいのに・・・・〈ミレニアム〉の生徒会を襲撃しようだなんて、人は見かけによりませんね?」

 

「純粋な子達よ。でもだからこそ、時にはとんでもない悪戯をしたりもする」

 

なんやかんや言っても、ユウカは『ゲーム開発部』の娘達は良い子であると思っているようだ。

しかし、今回は流石に放っておけない。

 

「それに、今回は『ヴェリタス』も絡んでいるの」

 

「『ヴェリタス』・・・・あのハッキングに特化した、クラッカー集団ですよね?」

 

「ええ、そうよ。共通点は無さそうに見えるけど、『大事な物の為には手段を選ばない』・・・・という点で、ゲーム開発部とよく似ているわ」

 

ユウカには、『ゲーム開発部』の行動が筒抜けのようであり、今回彼女は『セミナー』と不仲な『ヴェリタス』と協力している事まで把握していたようだ。

 

「そうでしたか。まあ何であれ依頼である以上、私たちは受けるつもりでいますが・・・・一つだけ、ちょっとした『問題』があります」

 

 

 

 

 

 

 

ーモモイsideー

屋上でそんな会話が繰り広げられている事を知らず、『ヴェリタス』の部室で話を続けていた。奇しくも、ユウカとアカネと同じ内容であった。

 

「『問題』?」

 

「『鏡』は生徒会の『差押品保管所』に保管されているんだけど。ソコを守っているのが実は・・・・『メイド部』、なんだよね」

 

モモイの問いにマキは、爽やかな笑みを浮かべてあっけらかんと応えた。

が、ミドリの顔は対照的に青ざめる。

 

「・・・・え? 『メイド部』って、もしかして・・・・」

 

「ああ、『C&C』の事だよね? 〈ミレニアム〉の武力集団、メイド服で優雅に相手を『清掃』しちゃうことで有名なあの・・・・」

 

「そうそう! ほんの四人しかいないのに、その戦闘力は〈ゲヘナ〉の『風紀委員会』や、〈トリニティ〉の『正義実現委員会』にも匹敵する、あの『C&C』! まあ些細な問題なんだけどさ~」

 

「そっか~! そうだねー、うーんなるほど~・・・・」

 

にこやかに応じるモモイとマキ。そしてモモイはその言葉の意味をよ~く考えるように黙っているとーーーー。

 

 

 

「諦めよう!!! ゲーム開発部、回れ右! 前進っ!!」

 

 

 

プラスルを頭に乗せて颯爽と帰ろうとした。




秘伝スパイスの実食は、このミッションの終わりです。

『ヴェリタス』はハッキング集団なのでポリゴンを。アカネは爆弾魔なので、でんきタイプの爆発代表のマルマインと、でんきの大敵『いわタイプ』のアローニャゴローニャにしました。
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