ポケモンアーカイブ   作:BREAKERZ

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さぁ、『C&C』と先生がぶつかる。かなり雑に作りましたが、ソレでも宜しければどうぞ。


バトル開始! 先生VS『C&C』

ー先生sideー

 

「逃さないよ先生☆」

 

『ハピ』

 

「ここで逃げられたらリーダーにどやされるから」

 

『ガゥゥゥゥ!』

 

「ソレでもと言うのなら、私達とポケモンバトルです。先生が勝てば、この場は退きますよ?」

 

『ゴロニャ!』

 

アカネ達に逃げ道を塞がれた先生と『ゲーム開発部』。

先生は仕方ないと言わんばかりに、3つのモンスターボールを投げた。

 

“・・・・ヒノアラシ! チコリータ! ワニノコ!”

 

先生は自分達を包囲している『C&C』のメンバーのポケモン達に向けて御三家を出した。

ネルのパートナーであるエレキブルは落ち着いており動いていない。つまりソレは、ネルの無事を確信しているからであると言う事の証左でもある。

そして、ここでネルが現れればエレキブルと、まだ姿を見せていないネルの手持ちを相手にする事になる可能性がある以上、先生の手持ちの二大エースであるピカチュウとルカリオには力を温存しておきたい。

エーフィ(色違い)には『ゲーム開発部』の皆を守ってもらわないといけない。『ゲーム開発部』の皆の手持ちでは、『逃げる』事に集中すれば問題無いが、正面からの『バトル』となれば『C&C』に勝てるとは思えない。

故に、アカネ達には、先生の御三家で相手にしなければならないのだ。

 

“私が相手になる。トレーナー1人とトレーナー3人による3対3の変則ポケモンバトルだ”

 

「へぇ~、先生がやるんだ? でも良いのかな? まだ進化もしていない御三家に任せちゃって?」

 

「リーダーのエレキブルや他の手持ちに比べれば、私達の手持ちポケモン達はそんなに強くないと思ったのか?」

 

「私達も『C&C』。そう簡単に倒せると思って欲しくないですね?」

 

アカネ達の目に、少々不穏な光が宿った。

 

「せ、先生! コレは逃げた方が良いんじゃ・・・・!」

 

“この状況で逃げる事はできないよ。ネルもいつ復活するか分からないし、皆はアリスをお願い”

 

先生は背負っていたアリスをモモイとミドリに託すと、御三家達と『C&C』に向き合う。

 

「ーーーーでは、始めましょう。ゴローニャ! 【ころがる】!」

 

『ゴロ! ゴロロロロ!!』

 

「楽しんじゃおう、ハピナス! 【チャームボイス】!」

 

『ハァピィィィィ〜♪』

 

「行け、レントラー! 【かみなりのキバ】!」

 

『ガァオオッ!』

 

“ワニノコ! 【みずでっぽう】! チコリータ! 【リーフストーム】! ヒノアラシ! 【ニトロチャージ】!”

 

アカネのアローラゴローニャが全身に黒い粉を纏うとボールのように転がりながら突進し、アスナのハピナスがピンク色の音波を発射し、カリンのレントラーが電流が迸る牙で迫ってので、先生はワニノコをアローラゴローニャに、チコリータをハピナスに、そしてヒノアラシをレントラーへとぶつけた。

しかし、やはり体格差や経験の違いが如実に出ており、チコリータの草の竜巻も、ヒノアラシの炎を纏った突撃も押し負けてしまう。

 

『チコォ!?』

 

『ヒノォ!?』

 

そして、唯一タイプ相性で有利な筈のワニノコですら、転がって来るアローラゴローニャの勢いを止められず、轢き飛ばされた。

 

『ワニィ!?』

 

「えぇっ!? 何で!? ワニノコってゴローニャと相性最悪の『みずタイプ』でしょう!?」

 

「みず系の技が、通じていない・・・・?」

 

「・・・・・・・・ゴローニャの身体に、強力な磁力の反応を検知しました」

 

「“強力な磁力”・・・・?」

 

“(っ! アロナ!)”

 

《本編久々の登場なアロナちゃんです! 解析完了しました! アローラゴローニャさんの身体に、“砂鉄が纏われています”! 恐らく、ソレでワニノコさんの【みずでっぽう】を防いだんだと思います!》

 

僅かに意識を取り戻したアリスの言葉を聞いて、『シッテムの箱』のアロナにすぐに解析をしてもらい、先生がアローニャゴローニャを見据えると、確かにアローニャゴローニャの身体に纏っていた黒い粉、否、『砂鉄』が濡れて、剥がれ落ちているのが見えた。

先生の視線に気づいたのか、アカネが口元に手を置いて穏やかに微笑む。

 

「うふふっ。気づかれましたか先生? 確かに普通のゴローニャは『いわタイプ』ですが、私のアローラゴローニャは『いわタイプ』と『でんきタイプ』の複合タイプなんです。ですから、電気による磁力で砂鉄を鎧のように纏う事で、水を防いだのです。そして『でんきタイプ』ですからーーーーこんな技もできます! 【でんじほう】!!」

 

『ゴローーーーニャ!!』

 

アカネが指示をすると、アローラゴローニャは突起物が放電し、アリスの『スーパーノヴァ』のようなレールガンを放ってきた。

 

“ワニノコ! 避けて!”

 

『ワニワニワニワニワー!!』

 

ワニノコは慌ててレールガンを躱す。

 

「余所見は駄目だよ先生! ハピナス、【マジカルシャイン】!」

 

『ハピィィィィ!』

 

「レントラー、【チャージビーム】!」

 

『ガォォォォ!!』

 

『チコォ!』

 

『ヒノォ!』

 

すると、ハピナスの閃光とレントラーの光線を受けて、チコリータとヒノアラシが転がってくる。

 

“(・・・・コレはマズイなぁ。ネル以外はそれ程脅威じゃないと聞いていたけど、この子達も普通にやればイオリくらいの実力者だな)”

 

勘違いされているが、〈ゲヘナ〉のイオリとヘルガーは頭に血が上り易く、更に相手の力量を見誤る悪癖があるから負けやすいが、冷静に行動すれば手練れなのだ。

アスナはまだ『遊び』レベルだろうが、アカネとカリンは結構本気で来ていた。このまま時間を掛ける訳にもいかないと思った先生はどうすれば良いかを思考すると、一匹のポケモンが目に入ったーーーーワニノコだ。

 

“(ワニノコ。それに、この空間・・・・よし。一か八か!) ワニノコ!”

 

『ワニ?』

 

“ダンスだ!”

 

『ワニ!?』

 

“いつものダンスをするんだ! ヒノアラシもチコリータも踊って! 三人でレッツ・ダンスだよ!”

 

『ヒノ!?』

 

『チコ!?』

 

「いや先生、何言ってんの!?」

 

「こんな時にダンスなんて!」

 

ワニノコは目をパチクリとさせ、ヒノアラシとチコリータも一緒に踊れと言われて少し困惑し、モモイとミドリもツッコミを入れた。ユズやポケモン達、『C&C』達も「どういう意図だ」と言わんばかりである。

しかし先生は、そんな周囲に構わずワニノコに指示する。

 

“ワニノコ! ダンスだ!”

 

『ワ・・・・? ワニワー!』

 

ワニノコは理由が分からないと言った感じだが、元々ダンスが好きだったワニノコはすぐに笑顔を浮かべると、ステップを刻み始める。

 

『ワ、ワ、ワ・・・・ワニワニワニワニワー♪ ワニワニワニワニワー♪ ワニワ♪ ワニワ♪ ワニワー♪』

 

“チコリータ! ヒノアラシ! 続くんだ!”

 

『チコォ?』

 

『ヒノォ・・・・ヒノヒノ♪ ヒノヒノ♪ ヒノヒノヒノヒノ〜♪』

 

チコリータは困惑するが、ヒノアラシは覚悟を決めたのか、ワニノコのダンスに合わせて、自分も踊り出した。

 

『チィコォ・・・・』

 

しかし、チコリータは根は真面目なのか、ワニノコとヒノアラシのダンスに参加するのを躊躇いがちであった。

 

“チコリータ!”

 

『チコ・・・・』

 

“私を信じて”

 

『・・・・チコ!』

 

先生がそう言うと、チコリータは頷き、ワニノコとヒノアラシのリズムに合わせて踊り出した。

 

『・・・・チィコチコ♪ チィコチコ♪ チコチコチコリ〜♪』

 

「本当に・・・・踊っていますね・・・・」

 

「あはははは☆ 踊りながらバトルしようって言うのかなぁ? 先生も御三家達も面白すぎ!」

 

「何を考えている・・・・?」

 

『『『???』』』

 

アカネとカリンは困惑したようになり、アスナはカラカラと笑い、アローラゴローニャとハピナスとレントラーも頭を傾げる。

 

“・・・・よし! 皆リズムに合わせて! ワニノコ【みずのちかい】! チコリータ【くさのちかい】! ヒノアラシ【ほのおのちかい】!”

 

『ワニワニワニワニワー!!』

 

『チコチコチコチコー!!』

 

『ヒーノヒノヒノヒーノー!』

 

先生の指示を受け、御三家は一斉に赤い炎を緑の草を青い水を放った。

 

『ゴローニャ!?』

 

『ハピナー!?』

 

『ガォー!?』

 

「っ! しまった!」

 

「あっ、ダンスに見惚れてた」

 

「レントラー!?」

 

【ほのおのちかい】。【くさのちかい】。【みずのちかい】。『御三家』と呼ばれる特定のほのおタイプとくさタイプとみずタイプのポケモン3体による合体技である。

コレを受けて、『C&C』の3体のポケモン達の場が『火の海』、『湿原』となり、味方の場は『虹』がかかった。

 

“皆! そのままリズムに乗って、相手の懐に行くんだ!”

 

『ワニワー♪』

 

『チコォー♪』

 

『ヒノォー♪』

 

御三家はリズミカルに踊りながら動き回り、ハピナス達を撹乱させる。

 

『ゴロ、ゴロ(ドンッ)ゴロニャ!?』

 

『ハピハピ(ガンッ)ハピィ!?』

 

『ガォガォ(ゴンッ)ガォンッ!?』

 

足元を踊り回る御三家の動きに翻弄され、一箇所に集められてしまい、唯でさえそんなに広くない旧校舎の廊下で、人間サイズだが横幅のあるアローラゴローニャとハピナス、さらにレントラーがお互いの身体がぶつかり合って謝るが、また別のポケモンにぶつかり、マトモに動けず、徐々に連携が崩れ始めた。

 

「マズイですね。狭い廊下で体の小さい御三家達に接近されてチョロチョロされては、横幅のあるゴローニャ達は身動きが取りづらいです」

 

そう。先生の御三家達は確かにまだまだ新参だし、身体も小さい。懐に入られてしまうと大型のポケモン達が不利になる。

しかし、ソコは〈ミレニアム〉の武闘派部隊である『C&C』。実戦慣れ&バトル慣れした手練れである。すぐに連携を取り直すだろうが、崩れた隙を見逃す先生ではない。

 

“ワニノコ! ゴローニャだ!”

 

『ワニィ!!』

 

崩れた一瞬の隙を突いて、ワニノコがアローラゴローニャに襲い来る。

 

「っ! 迎え撃ちなさいゴローニャ! 【かみなりパンチ】!」

 

『ゴロォ!』

 

こんなに敵味入り乱れた状況では、【でんじほう】も【だいばくはつ】も【ころがる】も使えないと判断したアカネが、接近戦用の技を出すように指示し、アローラゴローニャがその小さな腕に稲妻を纏う、ピカチュウも得意とする【かみなりパンチ】だ。

アローニャゴローニャの拳がワニノコを捕らえたその瞬間ーーーー。

 

“ワニノコーーーー【クイックターン】!”

 

『ワニ!』

 

ーーーーヒラリ・・・・。

 

「あら!?」『ゴロニャ!?』

 

走っていたワニノコが水を纏ってクイッと、身体を仰け反って後ろにジャンプし、アローラゴローニャの拳を回避すると、思わぬ行動にアカネもアローニャゴローニャも目を点にしてしまって動きが緩慢になったその時ーーーーいつの間にかワニノコの尻尾に蔓で捕まっていたチコリータが、後ろに向かってジャンプしたワニノコの尻尾が勢いを付けて振るうと、蔓を離しその勢いで、ガラ空きになったアローラゴローニャの眼前に来た。

 

「しまった! チコリータは!」

 

ソコでアカネは目を見開く、『いわタイプ』でもあるアローゴローニャのもう一つの弱点、『くさタイプ』が現れたのだ。

そして、ジャンプしたワニノコは何と、ハピナスの方に跳んでおり、

 

“ワニノコ! 思いっきり【けたぐり】! チコリータ! 最大出力で【リーフストーム】!”

 

『ワァニィッ!!』

 

『チィコォー!!』

 

『(バキッ!)ハピナァ!』

 

「ハピナス!」

 

ーーーーブゥワァァァァ!!

 

『ゴロゴローニャー!?』

 

「ゴローニャ!」

 

『ノーマルタイプ』の弱点、『かくとうタイプ』の技を受けて、ハピナスは怯み、大量の草の竜巻を受けてアローラゴローニャも大ダメージ・・・・だけでなく、大量の草がポケモン達のいる廊下を埋め尽くし、アローラゴローニャとハピナス、そしてレントラーの視界を完全に塞いでしまう。チコリータとワニノコはすぐに離れ、先生の元に下がる。

 

『ゴロ!? ゴロニャ!?』

 

『ハピハピ!?』

 

『ガゥガゥ!?』

 

突然視界が塞がれ、3匹は混乱してしまっていた。

 

「落ち着いて下さいゴローニャ!」

 

「レントラー! 落ち着け! 顔に付いた草を取るんだ!」

 

「あれ? 先生のヒノアラシは?」

 

ポケモン達に顔に引っ付いた草を取るように指示するアカネとカリンだが、アスナの言葉を聞いてヒノアラシを探すとーーーーレントラーのお腹の下にいるのを見つけた。

 

「っ! ま、まさか! レントラー逃げろ!」

 

“ヒノアラシ! 【かえんほうしゃ】!!”

 

『ヒィィノォォォォ!!』

 

ーーーーボオオオオオオオオ!!

 

『ガゥウウウウウウウウ!!??』

 

ヒノアラシが放った火炎が、レントラーのお腹に火がついて、さらに周りの草も燃え出してしまい、アローラゴローニャとハピナスも火だるまになってしまった。

 

『ゴロニャー!!??』

 

『ハピナスー!!??』

 

“ワニノコ! 火を消してあげろ! 最大出力の【みずでっぽう】!”

 

『ワァニィィィィー!!』

 

ヒノアラシが戻ると、先生はすぐにワニノコに【みずでっぽう】を発射させて、3匹の炎を消してあげた。火が消えると、真っ黒になった3匹がグッタリとしていた。

 

“やったね!”

 

『ヒノォ!』

 

『チコォ!』

 

『ワニィ!』

 

先生がそう言うと、御三家は元気良く返答し、お互いの健闘を祝してハイタッチした。

 

ーーーーパチンッ・・・・ピカァ!

 

その瞬間、御三家達の身体が光り出した。

 

「えぇっ!?」

 

『プラァ!?』

 

「これって!?」

 

「マァイ!?」

 

「も、もしかして・・・・!?」

 

『チュラ!?』

 

「進化、です?」

 

『デデン?』

 

『ゲーム開発部』がそう言うと、光り出した御三家の身体が大きくなり、メキメキと音を立てて姿を変えていき、光が収まるとソコにはーーーー。

 

『マグマー!』

 

『ベイリー!』

 

『アリゲイー!』

 

ヒノアラシは閉じられていた目がハッキリと見開き、精悍な印象を受ける顔立ちとなる。胴は長く背中の炎が後頭部と臀部に分散して噴き出した進化系『かざんポケモン・マグマラシ』。

 

チコリータは身体が大きくなり、長くなった首周りには葉っぱがドリルのように包まったように見える蕾状のパーツが複数生えている進化系『はっぱポケモン・ベイリーフ』。

 

ワニノコも身体が大きくなり、頭にチャームポイントのように赤く大きなトサカが生え、アゴが発達し48本もの牙が生え揃っている進化系『おおあごポケモン・アリゲイツ』。

 

「あちゃ~、やっぱ進化しちゃったか・・・・」

 

「迎え討て! レントラー!」

 

「待って下さいカリン! レントラーの身体を良く見て下さい!」

 

迎撃させようとするカリンが、アカネに制止されて改めてレントラー達を見ると、先程の大量の【みずでっぽう】を浴びてズブ濡れになっている。

しかも最悪な事に、アローラゴローニャもレントラーも『でんきタイプ』。ここででんき系の技を放てばハピナスだけでなく、お互いの電撃でノックアウトされる。

 

『マクマグマグマグ♪』

 

『ベイベイベイベイ♪』

 

『アリアリアリアリ♪』

 

『『『・・・・・・・・!!』』』

 

マグマラシとベイリーフとアリゲイツが、反撃できなくなったアローラゴローニャ達を見て、クックック、と笑い声をあげていると、アローラゴローニャ達は次の展開を予想して顔を青ざめた。

そして、先生が死刑宣告のように指示を出す。

 

“皆・・・・新技も試してみようか? マグマラシ! 【ころがる】! ベイリーフ! 【ギガドレイン】! アリゲイツ! 【ばかぢから】!”

 

『マグマグマグマグマグマグ!!』

 

『ベェィリィィィィィィィィ!!』

 

『アリィィィィゲィィィィィ!!』

 

マグマラシが転がり、レントラーの苦手とする『じめんタイプ』の技を、ベイリーフがハピナスの体力を吸い取ってしまい、アリゲイツがアローニャゴローニャの苦手とする『かくとうタイプ』の技を放った。

 

『『『ーーーー!!??』』』

 

「あちゃ、こりゃダメだね・・・・」

 

3匹は吹き飛び、アスナがボソッと呟いた瞬間、ダメ押しとばかりに先生が指示する。

 

“マグマラシ【かえんぐるま】! ベイリーフ【マジカルリーフ】! アリゲイツ【アクアテール】!”

 

『マァグゥゥゥゥゥ!!』

 

『ベェィリィィィィ!!』

 

『アリゲェェェェイ!!』

 

マグマラシが頭頂部と臀部から炎を噴き出して回転し、ベイリーフが輝く葉っぱを発射し、アリゲイツが水を纏った尻尾を叩き込んだ。

 

『ゴロニャー!?』

 

『ハピナーッ!?』

 

『ガゥガーッ!?』

 

アカネ達の元にまで飛ばされた3匹は、目を回して気を失ってしまっていた。

 

『アリアリアリアリゲーツ♪』

 

『ベイベイベイベイベーイ♪』

 

『マグマグマグマグラーシ♪』

 

御三家達は勝利を喜び合い、またもダンスを披露した。

 

「あぁ、まさか負けてしまうとは・・・・戻って下さい、ゴローニャ」

 

「あははっ、どんまいハピナス。お疲れ様」

 

「レントラー、ゆっくり休んでくれ」

 

労った後に3匹をボールに戻したアカネ達。

 

「やった! 先生達の勝利だ!」

 

「コレでここから脱出できるね!」

 

『プラプラァ!』

 

『マァイマイ!』

 

「よ、よかった・・・・!」

 

『デンチュ・・・・』

 

才羽姉妹は喜び、プラスルとマイナンは電気のポンポンを持ってはしゃぎ出し、ユズとデンチュラはホッとしたような声を発する。

後はこのまま『シャーレ』にまで逃げれば此方の勝ちーーーーと、『ゲーム開発部』が思ったが・・・・。

 

「・・・・・・・・後方から反応ありーーーー来ます」

 

『デデン?』

 

 

 

 

 

「ーーーーたくっ、ヘタ打ちやがって」

 

 

 

 

『っっ!!!!????』

 

アリスが呟いたその時、後ろから聞こえた声に、『ゲーム開発部』は背骨が飛び出んばかりにビクッ! と身体を震わせてから、おそる、おそると振り向くとソコには・・・・。

 

「・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

少し土煙で汚れていたが、ほぼ無傷のネルが傍らにエレキブルを引き連れて現れた。

 

「・・・・・・・・」

 

『(ガタガタガタガタガタガタ!!)』

 

ネルはエレキブルを連れて、震え上がる『ゲーム開発部』の横を通り過ぎ、御三家やピカチュウとルカリオ、そして進化が解けたイーブイが先生を守るように立つが、ソレすらも通り過ぎ、一瞬だけ先生とすれ違い際にニヤリと笑みを浮かべ、『C&C』のメンバーに近づくと、ピョンッと跳んで、3人の頭にチョップを振り下ろした。

 

「あうっ!?」

 

「あたっ!?」

 

「うぅっ!?」

 

「アカネ。カリン。相手がチッコい奴等だからって油断し過ぎなんだよ。しかもこんな狭い空間で集団戦なんかやりやがって、マトモに戦える訳ねぇだろうが」

 

「申し訳ありません・・・・」

 

「ゴメン、リーダー・・・・」

 

「あはは・・・・ウチのチッコいリーダーが言うと説得力あり過ぎ『ドカッ!』アタッ!」

 

「誰が『チッコいリーダー』だアスナ! オメェは遊びすぎなんだよ! ハナっからマジメにやってれば勝てただろうが!」

 

「アタタタッ、ゴメンゴメン!」

 

アカネとカリンはショボンっとするが、アスナはカラカラと笑いながらネルの体型の事を言って、怒ったネルに膝裏を蹴って両膝を地面に突かせて座らせると、ゲシッ、ゲシッと踏み付けるが、アスナはソレでも笑みを浮かべて謝る。

 

“・・・・・・・・皆”

 

『?・・・・・・・(コクン)』

 

先生がその隙に『ゲーム開発部』の皆に指示をすると、全員が頷くと、アスナを蹴り終えたネルが先生に向き直る。

 

「ーーーー悪ぃな先生。折角アカネ達に勝ったが、次はアタシとバトルだ。ソレに備えて、ピカチュウ達を温存していたんだろう?」

 

ネルはどうやら、先生がピカチュウとルカリオを温存していた事を見通ししていたようだ。見た目はヤンチャな女の子に見えて、中々頭の切れる性格をしている娘である。

 

“・・・・できれば、お断りしたいんだけど・・・・”

 

「まぁそう言うなよ。アタシもさっきソコのアリス‹チビ›と戦り合ったが、ウチのエレキブルがフラストレーション貯めちまったからさ・・・・エレキブル!」

 

『ブル!』

 

「【かみなりパンチ】!」

 

“ピカチュウ! 【かみなりパンチ】!”

 

『ブゥルゥーッ!!』

 

『ピィカァーッ!!』

 

ーーーーバチチィィィィィィィィィィッ!!

 

エレキブルとピカチュウが雷電を纏った拳をぶつけ合わせると、電撃が辺りに飛び散り、窓ガラスをブチ破る。

 

“今だ皆! ミライドン! グレイシア!”

 

『(ポンッ)アギャ!』

 

先生がミライドンを出すと、『ゲーム開発部』はポケモン達をボールに戻してから乗り込み、『超進化ライト』でイーブイ(色違い)をグレイシア(色違い)に進化させる。

そして『かっくう』でミライドンは『ゲーム開発部』と共に飛び出し、グレイシアが氷の道を作って、先生とピカチュウ、ルカリオと御三家が滑って脱出すると、地面に着地した。

『ゲーム開発部』は一瞬だけホッとしてポケモン達を出すが。

 

ーーーーズズンッ!!

 

肩にネルを乗せたエレキブルも、地響きを上げて下りてきた。

 

「うわっ! しつこい!」

 

「っ、あっちにも!」

 

才羽姉妹が言うと、ムクホークに乗ったカリンとアカネ、風船のように膨らんだプリンに乗ったアスナも下りてきた。

 

「ーーーー開けた場所なら逃げられると思っただろうが、そう簡単には逃げられねぇよ。いや寧ろお陰でーーーー“コイツを出す事が出来るぜ”!」

 

ネルはスーパーボールを取り出し放り投げて開けるとソコにはーーーー〈キヴォトス〉に住むポケモン達の中でも、凶暴性と獰猛性はトップ5に入り、制御が難しく、並のトレーナーでは扱えないとされるポケモン・・・・。

 

「出ろよ!ーーーー『ギャラドス』!!」

 

『ギャシャァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

龍のように長い体躯(手足と胸ビレはなし)と三叉の角、顎から延びる二本のヒゲをした、『きょうあくポケモン・ギャラドス』であった。

しかも、通常は青い体色をしている筈なのに、そのギャラドスはネルの髪の色と瞳の色と同じ、紅玉‹ルビー›を溶かしたような綺麗な赤い体色をした『色違いの赤いギャラドス』であった。

本来は水のある場所に生息するポケモンであるが、ネルのギャラドスは宙に浮いていた。

 

「ぎ、ギャラドス・・・・!?」

 

「お、おおおお落ち着いてユズ! ギャラドスって言えば、滅茶苦茶恐くて強いけど、『でんきタイプ』が弱点なんだから!」

 

「そ、そうだね! 私達でも倒せるかも!」

 

「プラスル!」

 

「マイナン!」

 

「「最大出力で、【ほうでん】!!」」

 

『プラァー!!』『マァイー!!』

 

ーーーーバリバリバリバリバリバリ!!

 

才羽姉妹が先手必勝と言わんばかりに、でんき技をネルのギャラドスに浴びせた。

そう。見た目は『ドラゴンタイプ』っぽいが、ギャラドスのタイプは『みずタイプ』と『ひこうタイプ』。『でんきタイプ』が最大の弱点であり、『でんきタイプ』と『エスパータイプ』が主流の〈ミレニアム〉の生徒達にとっては、それ程の脅威扱いされていない。

・・・・筈なのだが。

 

『・・・・シャァァァァ〜・・・・』

 

ギャラドスはプラスルとマイナンを最大出力で放たれた電撃を真正面から受けているにも関わらず、ダメージを受けている様子が欠片もなかった。いや寧ろ、欠伸をする余裕さえ見せていた。

 

“(ーーーーアロナ、解析)”

 

《了解です。・・・・・・・・先生! あのギャラドスさんの身体を包み込むように、強力な『電磁バリア』が張られています!》

 

“『電磁バリア』・・・・そうか! ギャラドスは『みずタイプ』だけど、【でんじは】と言った『でんきタイプ』の技を扱える。その【でんじは】を全身に纏う事によって、プラスルとマイナンのでんきタイプの技を、まるでレインコートの上を雨が滑り落ちるように、【でんじは】で作ったバリアで受け流しているんだ!”

 

「うそぉっ!?」

 

「そんなのアリ!?」

 

『プラァ!?』

 

『マイ!?』

 

「・・・・・・・・良く分かったな先生」

 

先生の推測に才羽姉妹とプラスルとマイナンは驚くと、ネルがニヤリと笑みを浮かべて応えた。

 

「ポケモンの中では、『最も弱い最弱のポケモン』とされているコイキングだが、〈キヴォトス〉では余程の馬鹿でない限りコイキングをチョッカイをかける奴はいない。ギャラドスに進化して報復されたら堪らねぇからな。だが、野生の世界ではそうはいかねえ。コイツは『色違いのコイキング』だった頃、〈ミレニアム〉の『岩壁エリア』の奥にある滝のある小川に住んでいたコイキングだったが、ソコにいるポケモン達にイジメを受けていてな。怒りが頂点に達してギャラドスに進化してからは、もう暴れて暴れて暴れまくって、とうとうアタシら『C&C』が出張らないとならなくなった」

 

ネルは、自分のギャラドス(色違い)の頭をポンポンと叩きながら、ギャラドスとの出会いの経緯を話しだした。

 

「そしてアタシとエレキブルと戦う事になってな。【かみなりパンチ】一発で大ダメージを受けたから楽勝だと思ったら、この戦法を瞬時に編み出してアタシとエレキブルと対等に渡り合えた。アタシはコイツを気に入ってそのままゲットして手持ちにしたってワケだ。ーーーー強いぜ、コイツはよ」

 

『『・・・・・・・・!!』』

 

ネルは不敵に笑みを浮かべると、エレキブルとギャラドスがネルの左右に並び、臨戦態勢を取った。

 

「せ、先生・・・・どうしよう?」

 

「アリスちゃんも早く治療しなくちゃだし、何とか隙を突いて逃げないと・・・・!」

 

「で、でも、どうやって・・・・??」

 

『ゲーム開発部』が震えながらそう言ってくる。確かに、アリスもソレなりに重傷だ。すぐに治療すべきなのだが、目の前のネルと手持ち二匹を相手に迂闊に背を見せればコチラがヤラれてしまうのは明白である。

何とか隙を作って、イーブイをエーフィに進化させ、アリスの『スーパーノヴァ』を【サイコキネシス】で浮かせた後、自分達はミライドンに乗って逃げられるのだが。

 

“(・・・・・・・・何とかしてみよう) ピカチュウ、ルカリオ”

 

『ピカチュウ』

 

『ルオォ』

 

ピカチュウとルカリオが頷いて前に出ると、ネルの方もエレキブルとギャラドスが前に出た。

 

“ーーーー皆、良いかい・・・・”

 

『っ!(コクン)』

 

先生が小さな声で指示を送ると、『ゲーム開発部』の面々も小さく頷いた。

ソレを見てから、先生は再びネルとエレキブルとギャラドス(色違い)に目を向けて、ピカチュウとルカリオに指示を出す。

 

“・・・・本気で行こう! ピカチュウ! 【ボルテッカー】! ルカリオ! 【りゅうのはどう】!”

 

『ピカピカピカピカピカピカピカピカァァァァ!!』

 

『カァァァァーーーールォオオオオオオオオオ!!』

 

ピカチュウが強烈な雷電を纏って突撃し、ルカリオが放った竜の形をした波動を受けると激しい雷電の龍となった。

 

“合体技! 【ライジングドラゴン】!!”

 

ーーーーキシャァァァァァァァァ!!

 

雷龍が2体のポケモン達に襲い来る。

が、ネルもエレキブルもギャラドスも、ニィッと笑みを浮かべる。

 

「へぇ〜、『合体技』か? 気が合うじゃねぇかよ先生。ーーーーエレキブル! 【サンダーダイブ】! ギャラドス! 【はかいこうせん】!」

 

『エレキーーーーブルゥゥゥゥ!!』

 

『ギャァアアアアアアアアアッ!!』

 

エレキブルはギャラドスの背に乗り、ギャラドスは一気に上空へと昇ると、雷龍はソレを追うように飛び上がった。

そして、エレキブルが全身に電流を纏って、雷龍にのしかかるように飛び降り、その背中に向けてギャラドスが【はかいこうせん】を放つと、エレキブルは背中に受けた光線を全身に纏い、落下スピードの他にその勢いも乗せて、まるで彗星のような勢いで雷龍とぶつかろうとしていた。

 

「合体技ーーーー『爆雷彗星覇』!!」

 

雷龍と雷電の彗星が、ぶつかり合ったーーーーその瞬間・・・・。

 

ーーーードガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンッッ!!!

 

凄まじい爆音と閃光が、旧校舎一帯を包みこんだ。




ネルの手持ちポケモンに、金・銀で出た『赤いギャラドス』を与えました。ネルにピッタリだと思ったので。ついでに、オリ能力をつけました。

さて、次回で『機械仕掛けのパヴァーヌ編』は一旦終了します。
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