ポケモンアーカイブ   作:BREAKERZ

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今回、ある生徒と『幻のポケモン』が登場します。


『シスターフッド』の未来のリーダー?

ー先生sideー

 

ミカがヒフミが疑われる理由を聞かされ、強烈に心当たりがありまくっている先生達は閉口してしまった。

 

“・・・・・・・・・・・・・・・・”

 

『『・・・・・・・・・・・・・・・・』』

 

「ソレに、何処かの『犯罪集団』と関わりがあるって情報も流れて来た。あんな善良そうで、純粋な子に見えるのに・・・・」

 

“き、きっと誤解だよ・・・・!”

 

『ピカピカピカピカ!』

 

『ブイブイブイブイ!』

 

しかし、ミカがブラックマーケットという言葉を口にした瞬間、先生とピカチュウとイーブイは表情を強張らせた。何を隠そうヒフミと出会ったのはそのブラックマーケットであり、更に言えば『犯罪組織』と繋がりがあるという噂に心当たりが滅茶苦茶ありまくってる先生は必死に誤魔化し、ピカチュウとイーブイも必死に首を縦に振るのであった。

 

「それで結局、ナギちゃんの中にあった『トリニティの中に裏切り者がいるかも知れない』という疑いは、色々と情報が集められて進められていく中で、『あの中の誰がトリニティの裏切り者なのか?』って言う疑念に変わったんじゃないかな。もういるのかどうかなんて話してない。『裏切り者』は既にナギちゃんにとっては『確定路線の現実問題』になってる」

 

“・・・・・・・・”

 

『『・・・・・・・・』』

 

「・・・・ソレが、今の状況。ちょっと長かったけど、これで今私が知っていることは全部話せたかな?」

 

ナギサは情報を集めていく中で『〈トリニティ〉の裏切り者』が、あの4人の中にいると絞り、成績やら色々な理由を使って、『補習授業部』に入れたと言うのである。

そしてミカは自分の知っている事は全て話し終えたと言った。

 

“『裏切り者』・・・・”

 

「・・・・『裏切り者』っていう言葉が何を指すのか。ソレを多少ハッキリさせた上でなら、ちゃんと解答は出せるの。先ずナギちゃんは今きっと、『自分達を、〈トリニティ〉を騙そうとしている者がいる』って思ってる。誰かが『スパイ』なんじゃないかって。そういう意味で、今ナギちゃんが言っている『裏切り者』は、経歴を偽って入り込んいでる『白洲アズサ』。あの子はさっき話した通り、本当は〈トリニティ〉が敵対している〈アリウス〉出身の子だから」

 

自分の知っている情報を出し尽くした上で、ミカはナギサの言う裏切り者がアズサであると、根拠を持って断定する。

 

「あの子は私のせいで何も知らないまま、こんな複雑で政治的な争いのど真ん中に立つ事になっちゃって・・・・。でも、こんな形であの子を退学なんてことにさせちゃいけない。だから、守ってほしいの。ソレは今、先生にしかできないことだから」

 

“ミカ・・・・”

 

「ソレから、ある意味では・・・・ナギちゃんにとっての『裏切り者』は、私でもある。私は、ナギちゃんが進めてる『エデン条約』に賛成の立場じゃないから。『ホスト』じゃない私には何の力も無い以上、邪魔も何もできないんだけど」

 

そしてミカは、自分のせいでアズサが退学してしまいそうなので、先生に守って欲しいと頼んだ。

 

「ソレと。『別の観点』からは同時に、こう言う事も言えるよね? 『〈トリニティ〉の裏切り者』・・・・ソレは、“ナギちゃんだって言う事もできる”。そう思わない?」

 

『ピカァ?』

 

『ブイィ?』

 

“どういう意味?”

 

そしてミカは、ナギサも『裏切り者』である可能性も示唆した。

 

「これまで調和を保っていた〈トリニティ〉を、巨大な怪物‹リヴァイアサン›に変えようとしている存在・・・・そう言う見方があっても、そんなにおかしくはない・・・・って事」

 

つまり、見方を変えればナギサも、と言い出だした。

『エデン条約を』結んで大きな組織を作ろうとするナギサこそ、『〈トリニティ〉の裏切り者』であると考えたようである。

 

「・・・・まあ、でもこれも含めて全部全部、私からの一方的なお話でしかないよ。だから、勿論最終的には先生が決めて。白洲アズサを守るのか、『裏切り者』を見つけるのか・・・・ナギちゃんを信じるのか。それとも、私を信じるのか」

 

“ミカは、ソレだけで大丈夫?”

 

最後にミカは先生に決断を委ねて、この話を終わりにしようとすると、先生が声をかける。

 

「あの子のことについては私に責任があって・・・・でも、私にはただお願いする事しかできないから」

 

“いや・・・・ミカ自身は、それで大丈夫?”

 

「・・・・あはっ。本当に優しいね、先生は。うーん、何だかつい勘違いしちゃいそう。私の心配は大丈夫。こう見えても私、結構強いんだから♪」

 

『(イラッ)』

 

ミカはアズサの事についてだと思って返答したが、ミカ自身の事が心配だと言われて、先生の優しさに触れて、少し照れるのであった。

その態度に、再びイーブイかイラッとした。

 

「じゃあ、今日はこんな所かな。先生とまたこうしてお話しできて、楽しかったよ。それにあんまり先生とずっといると、変な噂が立っちゃいそうだもんね。ふふっ・・・・まあ私はそれでも全然構わないんだけど」

 

『ブイィィィィ〜!!』

 

「じゃ、またね。先生。次はソコのヤキモチ妬きの毛玉ちゃん抜きで、楽しいお話ができるといいな☆」

 

『ブイブイブイっ!!』

 

「べぇ〜だ☆」

 

ミカはこれ以上先生と一緒にいると変な噂を立つと言って、その場を去ろうとする。ミカのことが気に食わないイーブイが威嚇し、すかさずミカが応酬する。最終的にイーブイは「2度と来るな!!」と言わんばかりに声を張り上げ、ミカは舌を出す。

 

「じゃ、またね。先生」

 

ガラルギャロップの背に座り、イエッサン(♀)がその後ろに座り、【サイコキネシス】でデカヌチャンを持ち上げると、そのままミカ達はその場を去っていった。

 

“・・・・・・・・”

 

その背中を見送り、先生はピカチュウとイーブイを連れて、皆の元に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

ーミカsideー

 

「・・・・さて、と。先生はどう動くかなぁ〜」

 

『合宿所』から離れた所で、ミカは先程までの天真爛漫な雰囲気に影を落としながら小さく笑みを浮かべてそう呟いた。

 

『『『・・・・・・・・』』』

 

そんなパートナーの様子を、イエッサン(♀)達は何処か悲痛そうな顔で見ていたのであった。

 

 

 

 

 

 

ー先生sideー

 

「あ、先生!」

 

教室に戻った先生に、ヒフミは笑顔で出迎える。

 

“ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった”

 

「いえいえ・・・・! あ、所で見て下さい! 此方、丁度先程受けた模試の結果です!」

 

ヒフミが、模試を先生に手渡すと、先生はすぐに採点して結果を伝えた。

 

第2次特別学力試験の結果

浦和ハナコーーーー8点(不合格)

白洲アズサーーーー58点(不合格)

下江コハルーーーー49点(不合格)

阿慈谷ヒフミーーーー64点(合格)

 

「・・・・紙一重の差だった」

 

『リュー♪』

 

「はい! 今回は本当に紙一重でした! アズサちゃん、スッゴく惜しかったです!」

 

『ガルラ♪』

 

前回と比べ、後1問で不合格になったが、ソレでも飛躍的に進歩し、ドヤ顔になるアズサに、パートナーのミニリュウは笑みを浮かべ、ヒフミも褒めまくり、ガルーラも優しくアズサの頭を撫でた。

 

「み、見た!? ヒフミ、私も結構上がったよ!?」

 

『ヘラクロス〜!』

 

「はい、しかと見ました! コハルちゃん、前回は15点だったのに急に49点まで・・・・伸びしろでは1番です、凄いです!」

 

「ふっ、ふふーん! 言ったじゃない、本当の実力は隠してたんだって」

 

「素晴らしいです・・・・!」

 

『カルカル〜!』

 

『ブイ・・・・』

 

『チャモ・・・・』

 

『ミジュ・・・・』

 

『キゥ・・・・』

 

更にコハルも、飛躍的に点数が上がり、ヘラクロスは感動で泣き出し、ヒフミはコハルを褒め、コハルはドヤ顔を浮かべて平坦な胸を反らし、子ガルーラもコハルにパチパチと拍手し、意外に伸びた点数に、イーブイと御三家も目をパチクリとさせながらも拍手した。

 

「そして、えっと・・・・は、ハナコちゃんは・・・・」

 

『カルゥ・・・・』

 

ヒフミとルカリオはハナコの点数を見て、どうコメントすべきかかなり迷っていた。何しろ2点から8点と、焼け石に水、五十歩百歩な点数なのだから仕方ない。

 

「あら? ヒフミちゃん、どうしてそんなに声量が下がってしまうのですか? どうしてそんなに呆れた目をしているのですかルカリオさん?」

 

が、ハナコはまるで悪びれない態度で話す。

 

「最初の試験が2点、次の模試が4点、今回は8点ですよ。コレは数列として考えたら、後3回受ければ合格圏内に届く筈です♪」

 

「そ、そうかも知れませんが・・・・?」

 

『・・・・・・・・』

 

“ルカリオ・・・・”

 

『?・・・・カルゥ』

 

悪びれないハナコにヒフミは苦笑し、ルカリオがハリセンをかまそうとするが、先生が肩に手を置いて制すると、何かを察したのかルカリオはハリセンを下ろす。

 

“うん、皆頑張ったね”

 

「はい! この様子でしたら、思ったよりも早く『目標』に届くかも知れません・・・・!」

 

「必ずや『任務』を成功させて、あの可愛いヤツを受け取って見せる。ソレが、私がここにいる『理由』であり『戦う目的』だ」

 

「あ、アズサちゃん!? 私達がここにいる『理由』は『試験と勉強』であって、『目的』は『落第を免除』される事ですよ!? いつの間に変わって・・・・!?」

 

「“そんな事もあったな”。ついでにソレもやっておこう」

 

『リュー♪』

 

先生が皆の成長(1人は手抜き)を褒め、ヒフミも『希望』が見えてきたように声を弾ませるが、『ペロロ様』をゲットする事に完全に『理由』と『目的』が変わってしまったアズサに、ヒフミが最近キレが増してきているツッコミを炸裂させる。

 

「『ついで』!? ついでなんですか!? あうぅ・・・・も、『モモフレンズ』としては嬉しくもあるのですが・・・・」

 

自分がせんの・・・・否、勧めた推しなので、ソコまで強く出られなくなってしまうヒフミ。

 

『!』

 

すると、ルカリオが扉の外に目を向けた瞬間、教室の外から足音が響いてくる。

 

「・・・・?」

 

「あら、何方かいらっしゃったみたいですね?」

 

「そうですね・・・・この『合宿所』に、どんな用事でーーーー」

 

その場にいる全員が、ソレに気づいたのか目を向けると、『合宿所』の入口から、女の子の声が響いてきた。

 

「ーーーーし、失礼致します・・・・!」

 

「あら、この声は・・・・」

 

先生の聞き覚えのないが、どうやらハナコは知っている子のようだ。

 

「『侵入者』か。大丈夫、『準備』はできてる」

 

「アズサちゃん、『準備』って・・・・?」

 

アズサの言葉に一瞬嫌な予感がしたその時・・・・。

 

ーーーードカァアアアアンンッ!!

 

「ーーーーきゃぁっ!?」

 

『ーーーー!?』

 

『合宿所』の入口で、爆発音と共に、女の子の悲鳴とポケモンの悲鳴が上がった。

 

「『ブービートラップ』。誰かの侵入を感知したら起動するようにしてある」

 

『リュリュー♪』

 

「アズサちゃん!?」

 

フンスとドヤ顔で言うアズサに、ミニリュウは「アズサスゴイ♪」と笑みを浮かべるが、ヒフミは驚愕の顔を浮かべる。

が、そんな事をしている内にも教室の外では。

 

「ーーーーこ、コレは一体・・・・? え、あ、コッチにも・・・・?」

 

ーーーードカドカドカドカァアアアアアアアアンン!!

 

「ーーーーきゃぁぁぁぁっっ!?」

 

『『ーーーー!!!』』

 

更なる爆発音と共に、女の子とポケモンの、今ので恐らく2匹の悲鳴が聞こえてくる。

 

「逃げても無駄だ。逃げる方向を予測して、その先にもちゃんと仕掛けてある」

 

『リューリュー♪』

 

「アズサちゃんっっ!!?!?」

 

更にトラップを仕掛けていると言うアズサに、ミニリュウは「スゴーイ」と言うが、ヒフミは喉が潰れんばかりに大声を張り上げた。

早く助けに行こうとした皆が動こうとしたその瞬間、不思議な事が、教室の中に起こった。

何と、突如として教室の真ん中にーーーー『小さな黄金のリング』が浮遊していたのだ。

 

“何だろうコレ?”

 

「あらコレは・・・・。先生、皆さん。そのリングから離れて下さい」

 

ハナコが珍しく真面目な顔でそう言うと、先生達は取り敢えず離れた。するとその、『小さな黄金のリング』が突然、まるでフラフープのように大きくなり、その中心は漆黒の闇となっていた。

 

「!」

 

「大丈夫ですよアズサちゃん」

 

『・・・・・・・・』

 

思わず銃を構えようとするアズサをハナコが制し、ジュペッタ以外のポケモン達が身構えたその瞬間、『リング』中心の闇からーーーー『宝箱』を抱えた小柄なシスターが転がってきて、更に『リング』から小さなポケモンらしき生き物が出てきたのであった。

ファンタジー漫画に出てくる小さな精霊のような姿をし、腕は肩関節の根本から肉体と離れており、『黄金のリング』を再び指輪サイズにして身に付けているソレは、ポケモンであった。そのポケモンはシスターの元に浮遊して、その肩に乗った。

 

「やっぱり。ヒフミちゃん、その子は先程アズサちゃんのトラップに引っ掛かっていた女の子ですよ」

 

「えぇっ!? そ、そうなんですか!? だ、大丈夫ですか!?」

 

ハナコが説明すると、ヒフミが慌ててシスターに駆け寄る。

 

「けほっ・・・・けほっけほっ・・・・」

 

「だ、大丈夫ですか・・・・!? け、怪我とかは・・・・?」

 

「きょ、今日も平和と、安寧が・・・・けほっ、けほっ・・・・アナタと共に、けほっ、ありますように・・・・」

 

「先ずご自分の安寧を心配して下さい!? あれ、良く見たらその服装、『シスターフッド』の・・・・?」

 

爆発で咳き込んだシスターは自分の身を顧みず敬虔な言葉を言うが、ヒフミが盛大にツッコミを入れたが、その格好が、〈トリニティ〉で『ティーパーティー』や『正義実現委員会』と並ぶ発言力と影響力を持つ『第3の組織』と言われる修道会『シスターフッド』のメンバーのようだ。

 

「あら、やっぱり『マリーちゃん』でしたか」

 

「あ、は、ハナコさん・・・・」

 

やはりハナコの顔見知りであったようだ。『マリー』と呼ばれたシスターは、ハナコを見て名を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、お水」

 

「あ、ありがとうございます」

 

『コレクレ』

 

『フパ』

 

そして、ソレから10分程が経過し、『マリー』と呼ばれたシスターや彼女の手持ちポケモン達の顔や修道服とかの汚れを払い、コハルの持ってきたコップの水をコクコクと飲んで、漸く人心地がついたようだ。

そして先生は、改めて彼女を見据える。明るい茶髪を後ろの先で二房に結わえ、片方を前に出しており、頭巾‹ウィンプル›から動物の耳のような物が伸ばされており、柔和な優しさと清楚な雰囲気に溢れ、修道服もあって慈愛に満ちたシスターを思わせる小柄な少女であった。

 

「・・・・ふぅ。ビックリしました。入った途端に、何かが起動して・・・・」

 

「アズサちゃん・・・・」

 

『ガルラ』

 

ヒフミが、ガルーラに摘み上げられているアズサに目を向けると、アズサを連れて『マリー』の前に連れ出す。

 

「?」

 

「・・・・ごめん。てっきり敵襲かと」

 

「え、えぇっと・・・・?」

 

『コレクレー!』

 

『フパフパ!』

 

「あ、『コレクレー』、『フーパ』、いけませんよ。良く分かりませんが、反省している方を強く責めては」

 

手持ちらしいポケモン達はアズサに詰め寄ろうとするが、『マリー』が抑える。1番被害に遭ったにも関わらず、アズサを責めないでいるなんて、中々、嫌、かなりの人格者のように思える。

ポケモン達が大人しくなるのを確認してから、『マリー』は自己紹介する。

 

「はじめましての方に自己紹介をします。『トリニティ総合学園』の『1年生』、『シスターフッド』所属の『伊落マリー』です。皆様に平和と安寧がありますように」

 

にこやかな笑みを浮かべるマリーのその姿は、正に清楚なシスターを思わせてしまうものであった。

 

「あの、マリー、さんですかね? その子達はアナタのポケモンですか?」

 

「あ、はい。『フーパ』は正確には違いますが、『コレクレー』は私のポケモンですよ」

 

ヒフミの質問に、マリーはポケモン達を紹介する。

ダウジングの様な触覚を備える灰色の虫人のような見た目をしているポケモンが、丁度マリーが両手で持ち運べるような大きさの宝箱に、ギュウギュウに詰め込んだ『金のコイン』の中に埋もれ入ったポケモン、『たからばこポケモン・コレクレー(はこフォルム)』であった。

そしてそしてもう1匹は、『リング』を使って色々な物を取り寄せる事ができる『幻のポケモン』、『いたずらポケモン・フーパ』であった。

 

「ふ、『フーパ』って、『シスターフッド』が管理している『幻級のポケモン』じゃないですか!? ど、どうしてそんな凄いポケモンが・・・・!?」

 

「落ち着いて下さいヒフミちゃん。掻い摘んで説明しますね」

 

驚くヒフミに、ハナコがまぁまぁと手で制してから説明する。

 

「確かに現在、フーパは『シスターフッド』の代表である3年生の『歌住サクラコ様』が管理する事になっています」

 

『フパッ!』

 

『サクラコ』と言う名が出た瞬間、フーパは不機嫌そうにソッポを向いた。

 

“『管理』? 『手持ち』じゃなくて?”

 

「はい先生。実はかつて、〈トリニティ〉は『内輪揉め』があって、その時にフーパの能力を乱用してしまっていたのです」

 

『内輪揉め』ーーーー恐らく先程ミカから聞いた派閥争いによる内乱だろうと、先生とピカチュウは考えた。

 

「フーパの『能力』って?」

 

「あ、ソレはですね・・・・フーパ。あのぬいぐるみさんを“取り寄せて下さい”」

 

『フパ』

 

マリーがコハルの質問に対して、少し離れた位置においてあった『モモフレンズ』のぬいぐるみを指差してフーパに言うと、フーパは『黄金のリング』を取り出し、ソレが2回り大きくなり、フーパの手がソコに突っ込むと、ぬいぐるみのあった地点にも『リング』が現れ、出てきた手がぬいぐるみを引き込むと、フーパの手にぬいぐるみが掴まれていた。

 

「ーーーーこのように、フーパはリングから遠くにある物や人間は勿論、ポケモンも取り寄せる事ができるんです。昔はソレで、過去の〈トリニティ〉の人達が乱用してしまい、フーパの力を危険視し、『力』を封印されて『今の姿』になったんです。何とも身勝手な話ですよね?」

 

と、勝手に捕まえて『力』を乱用した癖に、『危険』と思えば『力』を封じられてしまったフーパの事をハナコが憐れんだように説明した。

 

“? 今のフーパは、本来の姿じゃないって事?”

 

「あ、はい。フーパは本来は大型のポケモンなんですが、今は『封印』をされてこの姿になったんです。今の姿は『いましめられしフォルム』と言うんです」

 

「そしてそのフーパの管理は、歴代『シスターフッド』の『代表』がする事になり、今は『サクラコ様』が『代表』として管理していたのですが、去年まで頻繁にフーパが他の生徒の下着を盗んだり、オヤツを盗んだり、アクセサリーや銃を盗んだりして、大変でしたよ。でも、今年の初め、マリーちゃんが入学した時でしたね。偶々フーパと出会ったマリーちゃんが、オヤツとして買っていたドーナッツを渡して、仲良くなったんですよね?」

 

「は、はい。その時から懐かれまして、今は『サクラコ様』から、フーパの『教育係』を任じられまして一緒にいるんです」

 

『フパフパッ♪』

 

マリーの説明にハナコが補足し、フーパは「シシシっ」と笑みを浮かべて、マリーの肩に乗った。

余談だが、マリー本人は知らないが、本来ならば『シスターフッド代表』にしか許されないフーパを手なづけている事から、マリーは本人の預かり知らぬ所で『次代のシスターフッド代表』と囁かれているとか。

 

「と、所でどうして、『シスターフッド』の方がこんな所に・・・・?」

 

「あ、ソレはその・・・・?」

 

ヒフミの質問に、マリーが言いにくそうに口ごもったが、すぐに声を発した。

 

「此方に『補習授業部』の方々がいらっしゃると聞きまして・・・・ただ、ハナコさんがここにいらっしゃるとは存じませんでしたが・・・・」

 

「・・・・私も、成績が良くないので」

 

チラッと視線を送るマリーに、ハナコは笑みを浮かべてそう答えた。

 

「そう・・・・でしたか。はい・・・・」

 

どうやらマリーは、ハナコの『事情』を知っているようで、ハナコの態度からそれ以上何も言わないでいた。

 

「ハナコ、色々と『シスターフッド』の事も知っている様だけど、知り合いなの?」

 

「あはは・・・・少しだけご縁があって、と言いますか。マリーちゃんは私を訪ねて・・・・と言う訳でも無さそうですね。『補習授業部』に、どういった用事で?」

 

コハルの質問に、珍しくハナコは苦笑しながらはぐらかし、話を変えるようにマリーに訪問理由を聞いてきた。

 

「あ、はい。本日は『補習授業部』の白州アズサを訪ねてコチラに参りました。伺った所、ここにいらっしゃると聞きまして」

 

「私?」

 

先程トラップに嵌められて、酷い目に合わされた相手に用事があったようだ。

 

「はい。実は、先日アズサさんが助けて下さった生徒の方から、感謝を伝えたいとの事でして。諸事情がありまして、こうして代わりに」

 

「・・・・?」

 

「感謝・・・・?」

 

「クラスメイトの方々から、イジメを受けてしまっていた方がいらっしゃいまして・・・・その日もどうやら突然、建物の裏手に呼び出されてしまったのだと聞きました」

 

「そ、そんな事が・・・・!?」

 

『ガルゥ・・・・』

 

「イジメ・・・・っ!?」

 

『ヘラクロス!』

 

「・・・・まあ、聞かない話ではありませんね。皆さん狡猾に、ソレに陰湿なやり方で行うせいで、あまり表には出て来にくいですが」

 

『ジュペッ』

 

マリーの話を聞いて、ヒフミは驚き、ガルーラは視線を鋭くし、コハルは声に怒気が交ざり、ヘラクロスも怒りを顕にする。『正義実現委員会』のメンバーとして、イジメ行為に嫌悪感を抱くとは、コハルは正義感のある人間のようである。そしてハナコも、お上品なお嬢様校である〈トリニティ総合学園〉の『闇』の部分を話し、ジュペッタが吐き捨てるように声を上げる。

周りの反応を聞いて、マリーも心苦しそうに話を続ける。

 

「私達も、その方から相談を受けて漸く知ったのですが・・・・そうして呼び出されてしまった日・・・・ソコを偶然アズサさんが、彼女を助けて下さったとの事で」

 

「そ、そうなんだ?」

 

『リュー?』

 

「・・・・そう言えば、そんな事もあったな。ただ、数に物を言わせて弱い対象を虐げる行為が目障りだっただけだ」

 

コハルとミニリュウが聞くと、アズサは思い出したように話した。

 

「その方達がポケモンまで出してアズサさんに襲い掛かったそうですが、アズサさんがレンタルポケモンを使ってその方達のポケモンを撃退して追い返したそうなんです。そしてその後アズサさんに怒られた方が、『正義実現委員会』と連絡を取られて・・・・何処で情報が湾曲されたのか分かりませんが、何やら『正義実現委員会』とアズサさんの間でソレなりの規模の戦闘に発達してしまったとか・・・・」

 

「!?」

 

『正義実現委員会』のコハルが、ギクッと身体を震わせて猫目になる。

 

「そうしてアズサさんが催涙弾の倉庫を占領し、『正義実現委員会』達を相手にトラップを駆使して、3時間以上の戦い続けたと・・・・」

 

「ソレってあの時の!?」

 

どうやら先生とヒフミが初めてアズサに会って、アズサが『正義実現委員会』に連行されていたあの事件の裏に、そんな事情があったようだ。

 

「何がどうあれ、売られた喧嘩は買う。あの時もレンタルポケモン達が羽川ハスミのネギガナイトとタイレーツに簡単に制圧され、弾薬も切れさえしなければもっと長く戦えたし、あれ以上に道連れも増やせたのに」

 

『・・・・・・・・リュー』

 

「ん? どうしたミニリュウ?」

 

不満気なアズサの顔を見て、アズサの首に巻きついたミニリュウが声を上げた。

 

『リュー、リューリューリリュー!』

 

何となくだが、「僕も強くなる、アズサと一緒に戦えるようになる!」、と言っているように聞こえた。

 

「うむ。ならば強くなるぞミニリュウ。今のままでは戦力にはなれない。私も勉強を頑張るぞ」

 

『リュー!』

 

アズサの言葉を聞いて、ミニリュウは嬉しそうに声を上げた。

 

「あ、あうぅ・・・・」

 

『ガルー・・・・』

 

とても素晴らしい光景なのだが、その理由が理由なのでどうツッコんだら良いのか分からず困ってしまうヒフミとガルーラ。

 

「ソレで、その方が報告も兼ねて私達の元へ訪ねて下さり、アズサさんに感謝したいと・・・・ただ学園では見つけられずに、此処に辿り着いたと言う次第です」

 

「・・・・そうか。別に感謝されるような事じゃない。結局私も最終的に捕まった訳だし」

 

「後半は特に関係無いと思いますが・・・・」

 

やんわりとツッコミを入れるヒフミ。

 

「ソレにあの時は気の毒だけど、いつまでも虐げられているだけじゃダメ。ソレが例え『虚しい事』であっても、抵抗し続ける事を止めるべきじゃない」

 

「・・・・そうかも知れませんね。はい、『あの方』にもそう伝えておきます」

 

アズサの言葉にマリーは笑みを浮かべて頷いた。すると、アズサの顔をジッと見てから、とても可愛らしい笑みを浮かべる。

 

「・・・・アズサさんは、『暴力を信奉する氷の魔女』・・・・だなんて噂がありましたが、やはり噂は噂ですね」

 

「?」

 

『?』

 

「ふふっ、ソレはそうですが、アズサちゃんには意外と『氷の魔女』らしい処もありますよ? ほら、他の人からするとちょっとだけ表情も読みにくいですし」

 

「!」

 

マリーの言った噂に、アズサとミニリュウは首を傾げ、ハナコが茶々を入れて、不満げにムッとした顔となった。

 

「ハナコさん・・・・」

 

「・・・・マリーちゃんが元気そうで良かったです」

 

「はい、私は・・・・ですが・・・・」

 

「玄関まで送りますね。さあ、一緒に行きましょう」

 

「あ、はい・・・・」

 

ミカからハナコは『ティーパーティー』だけでなく、『シスターフッド』からも勧誘を受けていたと聞いたから、マリーとは顔見知りのようだ。

 

「で、では皆さん、お邪魔致しました。先生も、急に訪ねて来てしまってごめんなさい」

 

“良いよ。コッチも危ない目に合わせてゴメンね。・・・・あ、そうだ。お詫びとして、と言ってはなんだけど”

 

先生が『落とし物箱』を持ってくると、その中に大量にあった『コイン』を見せた。

 

「まぁ、コレは『コレクレーのコイン』ですね!?」

 

“うん。この『合宿所』を掃除してたら、色々な所から出てきたんだ。トラップで酷い目に合わせちゃったからお詫びとして全部あげるけど、どうかな皆?”

 

「はい。どうぞ」

 

「正直私達が持っていても仕方ない」

 

「良いんじゃないの」

 

「マリーちゃん、遠慮なくどうぞ」

 

「は、はい! よくコレクレーが『シスターフッド』の皆さんを操ってコインを探してもらっていたましたから助かります!」

 

『フーパッパ♪』

 

『コレクレー♪』

 

笑みを浮かべるマリーとフーパが、『落とし物箱』の中にあった『コレクレーのコイン』を全部コレクレーに手渡した。

 

「どうですかコレクレー? これで何枚になりました?」

 

『コレクレー・・・・コレクレ!』

 

コレクレーが黒板に近づき、チョークを持って「918」と書いた。

 

「918枚ですか」

 

「後82枚ですね」

 

「はい! でもコレクレー、皆さんを操るのはダメですよ。私とフーパで少しずつ探しますから」

 

『コレクレ』

 

ハナコの言葉に頷いたマリーはコレクレーに注意すると、コレクレーは素直に頷いた。

 

「ソレでは、また」

 

“うん。気を付けてね”

 

そして、ハナコとジュペッタに送られ、マリーとフーパとコレクレーは『合宿所』から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーマリー達が去り、1日が終わろうとしていた。

 

「さあ、では洗濯を始めましょうか。皆さん制服や下着や靴下等、洗う物は全部この籠に入れてくださいね」

 

夜となり、『補習授業部』の面々は体操着に着替え、ベッドルームに集まるとハナコが籠を持ってそう言ってきた。

 

「ありがとう、よろしく」

 

「はい・・・・はいっ!? し、下着もですか!?」

 

「何で!? 下着は各自で良いでしょ!?」

 

あまりにも自然に洗濯物を回収しようとするハナコと、問題無さげに洗濯物を渡したアズサに流され、洗濯物を出そうとしたヒフミとコハルは下着の部分でツッコミを入れた。

 

「洗濯は纏めて一気にした方が洗剤の節約になる。水は先生のシャワーズとミズゴロウが出してくれるが、節約するべき所はするべきだ。ハナコの言っている事は間違っていない」

 

「あ、あうぅ・・・・で、ではお願いします・・・・」

 

「えぇ・・・・わ、私がおかしいの・・・・?」

 

いくら同性とはいえ、下着を洗われるのには抵抗があるのは年頃の女の子らしい態度であるが、アズサの合理的かつ効率的な説明を聞かされ、ヒフミとコハルも渋々だが下着を出して籠に入れた。

 

「はい、ありがとうございます♡ あ、先生は・・・・?」

 

“遠慮しておくね”

 

「あら、そうですか? では、洗濯機を回してきますね。何も問題が無ければ、きっと明日の朝までには乾かす所まで終わる筈です。行きますよジュペッタ♪」

 

『ジュペ』

 

“ーーーーシャワーズ、ミズゴロウ。お願いね”

 

『シャゥ』

 

『ミジュ』

 

先生の下着とかも洗おうか聞くハナコだが、流石に異性の服と一緒はマズイと思ったのか、先生はやんわりと断り、ハナコも先生の意図を汲んでくれたのか、アッサリと引き下がり、ジュペッタと先生が進化させたシャワーズとミズゴロウを連れて洗濯場へと向かった。

 

「じゃあ、そろそろ寝る準備をしよう。今日もお疲れ様」

 

『リュー・・・・』

 

「うん・・・・」

 

『ヘラクロ』

 

「・・・・・・・・」

 

アズサと眠そうにしているミニリュウ、同じく眠そうにしているコハルとそのコハルを支えるヘラクロスは歯を磨きに行く中、ヒフミはコッソリと先生に話しかける。

 

「あの・・・・先生ちょっとお話が・・・・後でお部屋に行って良いですか? その、ハナコちゃんの事で・・・・」

 

“(コクリ)”

 

ヒフミの言葉に先生が静かに頷くと、ヒフミはガルーラを連れてアズサ達の後を追った。

 

 

 

 

 

 

それから数十分後。

 

「・・・・失礼します」

 

先生が今日ミカとの話し合いをルカリオ達に伝え終わると、部屋のドアがノックされ、ヒフミかと思ってルカリオが出ると。

 

『カルォッ!?』

 

“ん? どうしたのルカリオ??”

 

ルカリオが驚いた声を上げ、先生がドアを見るとソコにはーーー。

 

「こんばんわ、先生」

 

“・・・・!?”

 

『!!?』

 

その水着姿のハナコであった。

思わずズッコける先生とピカチュウ達、ルカリオはジュペッタに羽交い締めされ動けずにおり、その隙にハナコがドアを閉めた。

 

「ふふっ、こんなに簡単に開けちゃうなんて♡ 不用心ですねぇ♡」

 

目を細め、蠱惑的な笑みを浮かべるハナコ。

 

“ど、どうしてハナコがここに・・・・!? それに、何で水着で・・・・!?”

 

「ああ、コレについてはお気になさらず、『パジャマ』なので」

 

“パジャマが水着って言われて気にしない訳には・・・・”

 

こんな姿をコハルが見たらまた猫目&赤面になって大騒ぎするだろうが、恐らく勉強で疲れたコハルがすぐに寝た隙に着替えたのだろう。

唯でさえハナコは見た目は清楚な美少女、綺麗な白肌に豊麗なプロポーションを水着で包み込んでいるのだ。コレで妙な気分にならない男がいるならば、その場で男を廃業しろと言いたくなるが、ハナコのコレまでの奇行の数々と、先生の『大人としての責任感』で自制する。

余談だか、コレが〈ゲヘナ〉のイオリか、〈ミレニアム〉のカリンだったら、先生は暴走していたかも知れないが。

 

「うふふっ、ソレより先生、ちょっと相談したい事がありまして・・・・実は・・・・」

 

そう言いながらハナコはゆっくりと先生に、そのカリンか、〈ゲヘナ〉のチナツか、〈アビドス〉のノノミくらいの豊かな胸が先生の胸板に触れそうなギリギリまで近づいて呟く。

 

「・・・・アズサちゃんの事なのですが」

 

“アズサ・・・・?”

 

『!?』

 

アズサの名前が出され、先程ミカからの情報を聞いていた先生とピカチュウ達が反応した。

と、その時・・・・。

 

ーーーーコンコン・・・・。

 

「し、失礼します・・・・先生、いらっしゃいますか・・・・?」

 

“!?”

 

『!?』

 

ドアがノックされ、ヒフミの声が聞こえてきて、先生とピカチュウ達は身体をビクッと強張らせる。

 

「昨日より遅い時間になってしまってごめんなさい、実は・・・・・・・・え?」

 

「・・・・あら?」

 

“・・・・・・・・”

 

『・・・・・・・・』

 

『ガル・・・・』

 

『カル?』

 

そしてドアが開いて入ってきたヒフミは、水着姿のハナコを見て『こおり』状態になったように硬直し、ハナコも固まり、先生とピカチュウ達は「おぉ、神よ・・・・!」と言いたげに天井を見上げ、ジュペッタはコッソリとルカリオから離れ、ガルーラは「またハナコが奇行に走ったか・・・・」と言わんげに半眼となり、うたた寝している子ガルーラの目を塞いだ。

そして・・・・。

 

「本当に失礼しましたぁ!? ご、ごめんなさい! 私、『そんな事』とは知らずに・・・・! ぜ、全然知らなかったです!? え、一体いつから!?」

 

「・・・・ヒフミちゃん、今『昨日より遅い時間』って言いましたね!? つまり昨晩も来たと言う事ですよね!? そうなんですよね!?」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!? また後で、はダメですよね!? どうすれば良いですか、今晩は止めた方が良いですか!? 知らなくてごめんなさい間に入ってごめんなさい空気壊してごめんなさいっ・・・・!?」

 

「待って下さいヒフミちゃん、詳しく教えて下さい! 昨晩はピカチュウさん達やガルーラさん親子がいる中で何をしていたんですか、今晩は何をする予定だったのですか!? 是非説明を、いえ、いっそ今から私の前で実際に再現を・・・・!!」

 

ヒフミが何を勘違いしたのか凄い勢いで平謝りをし、母ガルーラは先生に「苦労してるね先生・・・・」と言わんげな同情的な視線を送っていた。

ハナコもハナコでヒフミの言葉に過敏に反応してヒフミに詰め寄ろうとするが、ジュペッタが羽交い締めする。

場は完全に『こんらん』状態である。

 

“ーーーー2人共お願いだから、一旦落ち着いて・・・・”

 

そして、その後何とか落ち着いて話をして、お互いの誤解を解き、ハナコはヒフミに怒られてちゃんと着替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーヒナsideー

 

そしてここは〈ゲヘナ〉の『風紀委員会』の部屋。

今日も風紀委員長の空崎ヒナは、『万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›』からの嫌がらせで来る書類に忙殺されていた。

アブソルはヒナの癒しとして側に侍り、元々夜行性のドンガラスは配下のヤミカラス達を使って〈ゲヘナ〉自治区の監視を行い、ゴロンダは夜食を作ってきた。

 

「・・・・・・・・・・・・最近、『ーーーーー』が何も問題を起こしていないわね?」

 

そんな中、ヒナには気がかりな事があった。〈ゲヘナ〉でもトップレベルに入る『問題児集団』の1つが、ここ最近大人しくしているのだ。

しかし、ドンガラスのネットワークに、最近その『問題児集団』が、〈ゲヘナ〉の自治区にある『ヒノム火山』とはまた別にある、以前は『風紀委員会』の訓練場として使われていたが、『落石』が立て続けに起こり立ち入り禁止とされている岩山に何度か訪れていると言う情報が入って来ている。

 

「このまま、『エデン条約』まで何も起こらないと良いけど・・・・」

 

と、そんな淡い期待と願いをしながら、ヒナは書類仕事を一時中断して、ゴロンダの夜食を食べようと、執務机から応接用のテーブルに向かった。




伊落マリー&コレクレーとフーパ
コレクレーとは、中学の頃に『とほフォルム』の頃に出会い、周りを操ってコインを集めている最中にマリーと出会い、マリーが「これからは私が探しますから、もう皆さんを操ってはいけませんよ」と諭され、手持ちとなってコインを探している。
フーパは悪戯をしまくりサクラコ達も手を焼いていると、『シスターフッド』の先輩達への贈り物としてドーナッツを買ってきたマリーとコレクレーにフーパが興味を示してドーナッツを奪おうとしてが、コレクレーに邪魔されてしまい出会った。そしてマリーからドーナッツを貰いながら楽しく過ごしているとフーパはマリーに懐いた。
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