ポケモンアーカイブ   作:BREAKERZ

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ハナコが、その隠された頭脳の冴えが明らかに。


深夜の密会と水着パーティー!?

ー先生sideー

 

「・・・・成る程。先生と一緒に、コレからについてのご相談を・・・・」

 

ヒフミに怒られ、水着から体操着に着替えたハナコは納得したように頷いた。

 

「ハナコちゃんも先生に相談したい事があって・・・・で、ですがどうして水着で来るんですか!? パジャマが水着ってどう言う事ですか・・・・!?」

 

ヒフミもハナコが来た理由に納得したが、水着についてはツッコまずにはいられないようである。

 

「心が落ち着くんですよね。ですので私は、礼拝堂での授業にも水着で参加してましたよ? 1度もっと、色々と柔らかく考えてみましょう♪」

 

「あうぅ・・・・」

 

ーーーースパァンッ!!

 

ーーーーゴンッ!!

 

ハナコの頭に、ルカリオのハリセンとガルーラの拳骨を振り下ろした。

 

“ハナコ、さっきの話の続きは今じゃない方が良い?”

 

「・・・・アズサちゃんの件、ですよね」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・いえ、大丈夫です。ヒフミちゃん達も一緒に聞いていただければかと思います」

 

最早呆れ切った先生が話を終えようと提案したが、漸くハナコも『本題』の事を切り出した。

ヒフミは自分は外した方が良いかと、ガルーラ達に目配せするが、真面目な貌となったハナコは一緒に聞いて欲しいと言った。

 

「実はアズサちゃん・・・・毎晩のように、ミニリュウちゃんを置いて何処かへ出掛けては夜明けまで戻って来ない事が続いていて」

 

「そう、だったんですか・・・・」

 

「最初は慣れない場所と、慣れないポケモン育成で眠れないのかと思ったのですが、そうではないようです。・・・・私はアズサちゃんが夜ちゃんと眠っている所を、殆ど見た事がありません」

 

「確かに私も・・・・アズサちゃんはいつも起きてますし、私より早く寝てる事も無かったような・・・・」

 

ヒフミも思い当たる所があったようだ。

 

“・・・・ルカリオ”

 

『カル』

 

先生が目配せすると、ルカリオがベッドルームに向けて『波動』を放って数秒後。

 

『っ、カルカルォ』

 

“そうか。探してきて。何かトラブっていたら助けてあげて。キモリもルカリオのサポートを”

 

『カル!』

 

『キゥ!』

 

どうやらアズサがいなくなったようで、背中にキモリを張り付かせたルカリオは部屋から出て行った。

 

「アズサちゃん、いなくなってたんですか?」

 

“うん。時間帯も時間帯だし、ルカリオとキモリを捜索に向かわせたよ”

 

「・・・・アズサちゃんが何をしているのか分かりません。ですがそろそろ、多少無理矢理にでも寝かせてあげないといけないのでは、と。何だかアズサちゃん・・・・何処か、凄く不安そうで」

 

「・・・・・・・・」

 

「どんな事情なのかは分かりませんが、どうにかその不安を少しでも軽減してあげたくって・・・・このままですと、いつか倒れてしまいます」

 

“確かにね”

 

「はい」

 

「・・・・先生とヒフミちゃんも、ですよ? しっかり寝ないとダメです」

 

“「え?」”

 

つい先程に2人に強烈な疲労を与えた人間とは思えない物言いである。

 

「確かに試験も大切ですが、ただ『落第』と言うだけです。身体の健康と比べられるようなものではないと思いませんか?」

 

“それは・・・・”

 

「・・・・・・・・普通だったら、そうかも知れません。でも・・・・」

 

「ヒフミちゃん・・・・?」

 

「ただ、ただ『落第』で済む話ではないんです・・・・! 後2回、どちらの試験も不合格だったら・・・・」

 

ヒフミは1拍子置いて・・・・。

 

 

 

 

「ーーーー『退学』なんです! 私達は、〈トリニティ〉を去らないと行けないんです・・・・!!」

 

 

 

 

『ガラ、ガルガルラ』

 

ーーーーゴンッ!

 

「あいたっ!?」

 

声を張り上げたヒフミに、ガルーラが「夜遅くだよ、皆が起きるだろうが」と言わんばかりにゲンコツを振り下ろした。

が、ジュペッタとハナコは別の反応をする。

 

『ジュペ・・・・?』

 

「・・・・『退学』? ヒフミちゃん、ソレはどう言う・・・・? そ、そんな事、校則的に成り立ちません。『退学』は色々な手続きと理由が必要で、そんな簡単には・・・・」

 

ジュペッタは首を傾げ、ハナコが苦笑しながらそう言うがーーーー。

 

“・・・・・・・・・・・・”

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

「・・・・先生?」

 

『ジュペッタ・・・・?』

 

“ハナコ・・・・信じられないだろうけど、実は・・・・”

 

先生とヒフミ、そしてピカチュウ達の反応を見て、訝しげな顔をする2人に、『補習授業部』の裏の事情について、自分の知っている事をある程度説明した。

 

 

 

 

 

 

 

『「・・・・・・・・・・・・」』

 

『「・・・・・・・・・・・・」』

 

ハナコとジュペッタは深刻な顔となって、先生の話を聞き終え、ヒフミとガルーラの顔色から、嘘でも冗談でもないと言う事を察してくれたようだ。

 

「・・・・成る程、そうだったのですね。全て不合格であれば、『全員退学』・・・・その仕組み自体もそもそもおかしいですが・・・・成る程、『〈シャーレ〉の超法規的権限』が・・・・」

 

「ハナコちゃん・・・・」

 

ハナコは頷きながら説明された事から色々と分析している。やはりとても頭の良い子なのだろう。

ソレこそーーーーナギサが警戒する程に。

 

「あ、そ、そう言えばハナコちゃん、本当は成績良いんですよね? 1年生の時に3年生の難しい試験まで全部満点でしたよね・・・・!?」

 

「・・・・・・・・」

 

その事を言われ、ハナコは顔を曇らせた。あまりその事には触れて欲しく無さそうである。

 

「あの、ごめんなさい・・・・模試の為に昔のテスト用紙を探す途中に、見つけてしまって・・・・ど、どうして今は、あんな点数を・・・・? ワザと、ですよね・・・・?」

 

「・・・・ごめんなさい、知らなかったんです。失敗したら、まさか『全員が退学』だなんて・・・・」

 

ハナコはヒフミの問いにそう答えた。ソレは今までわざと酷い点を取っていた事を証明していた。

 

「・・・・いえ、『知らなかったから』と言って、許されるものではありませんね・・・・先生達にも、ヒフミちゃん達にも・・・・アズサちゃん達とコハルちゃん達にも、申し訳ない事をしました」

 

そう言いながら、ハナコは先生とヒフミに向けて頭を下げた。

 

「ごめんなさい、先生。ヒフミも、ごめんなさい」

 

『ジュペ・・・・』

 

「い、いえ、その・・・・」

 

あまりにもしおらしい態度のハナコに、ヒフミは面食らってしまった。

そして一拍子置いてから、ハナコは改めて口を開いた。

 

「・・・・ヒフミちゃんの言った通り、私のあの点数はワザとです」

 

「や、やっぱり・・・・!? ハナコちゃん、どうしてそんな事を・・・・?」

 

「・・・・ごめんなさい、言えません」

 

「・・・・!?」

 

「私の、凄く『個人的な理由』なので・・・・てすが、ソレで皆さんが被害を受けてしまうのは望む所ではありません」

 

『個人的な理由』・・・・恐らく、聡明な頭脳を持っていたが故に、〈トリニティ〉内部のドロドロとした政争に巻き込まれ、その事に心の底からウンザリしたからなのだろうと先生は思った。

 

「なので、安心して下さい。最低限皆さんが『退学』にならないよう、今後の試験は頑張りますので」

 

“・・・・ありがとう、ハナコ”

 

「い、いえ・・・・!? 先生にソコまで、感謝していただくような事では・・・・」

 

本気を出すと言ったハナコに先生が感謝すると、ハナコは慌ててそう答えた。

 

「寧ろ私が謝罪するべき事です。裸で手をつくだけで足りますでーーーー」

 

ーーーーゴツンッ!

 

ーーーースパンッ!×2

 

途端にいつものハナコになって体操着を脱ごうとするが、ガルーラがゲンコツを、ルカリオとジュペッタがハリセンで同時に叩いて阻止した。

 

「今後頑張って下さると聞けただけで、私は安心しましたから・・・・」

 

「ありがとうございます。所で・・・・この事実を知っているのは、この場にいる皆さんだけですか?」

 

「そうですね、私達以外はまだ誰も・・・・」

 

「成る程・・・・となると、アズサちゃんの不安は試験に起因するものではなさそうですね。何か私が知らない事がある、と・・・・いえ。ソレ以外に今は、“この『補習授業部』の存在そのものが気になりますね”」

 

ソレからハナコが数秒程思案するように黙り、ヒフミが何か問い掛けようとするとジュペッタが「少し静かにしてくれ」と言わんげに、袖のような腕でヒフミを制すると、ハナコがブツブツと呟き始める。

 

「ミカさん・・・・は無理でしょうし、まあこんな事を企むのはナギサさんでしさんでしょうか。ですが、どうして『エデン条約』を目の前にしてこんな・・・・いえ、寧ろ目の前だからこそ・・・・?」

 

“・・・・!”

 

『・・・・!』

 

ハナコの頭の中では、『補習授業部』の裏にある企みが、ナギサのものである事を見抜いた事に、先生とピカチュウ達は驚いた。

そしてハナコはまた黙り、思案を巡らせていると。

 

「・・・・・・・・成る程。この『補習授業部』は、『『エデン条約』を邪魔しようとしている疑惑がある容疑者達の集い』、と言う所ですか」

 

“・・・・!?”

 

『・・・・!?』

 

「え、えっ!?」

 

『ガルッ!』

 

しかも、まだ話していなかった『エデン条約を邪魔しようとする容疑者』の事まで言い当ててしまい、ジュペッタ以外の全員が驚いた。

 

「ナギサさんらしいと云いますか、相変わらず狡猾な猫ちゃんですねぇ」

 

「ね、猫・・・・?」

 

「この『補習授業部』に関しても、どうせなら纏めて処理してしまった方が効率的、というロジックでしょうか? 何だか私達、『洗濯物』みたいな扱いですね」

 

“・・・・・・・・・・・・・・・・”

 

『・・・・・・・・・・・・・・・』

 

【ーーーー先生。“ゴミを細かく選別して捨てるのが難しい時は、箱ごと捨てるというのも手段の1つ”・・・・そうは思いませんか?】

 

『洗濯物』処か、『ゴミ箱』扱いしていた事を思い出し、先生は苦笑し、その場に同席していたピカチュウとルカリオは不快そうに顔を顰めていた。

 

「・・・・先生達も、ナギサさんにしてやられた形でしょうか。『成績の振るわない生徒達を助ける』と言う名目で、善意を利用されてこの役割を担い、その実『シャーレの超法規的権限』が利用されている・・・・ですが逆に言えば、先生は純粋に私達の為に頑張って下さっていたのですね・・・・ありがとうございます、先生。先生はやはり良い人ですね、ふふっ♡」

 

『!? ブイ〜・・・・!』

 

ハナコの先生に向ける熱っぽい視線に反応して、イーブイが先生を守るように立った。

 

「ハナコちゃん、凄い・・・・探偵みたいです」

 

僅かこの短時間の話から、ここまでの状況や裏の事情まで導き出してしまったハナコの頭脳に、ヒフミとガルーラ達も面食らった。

 

「『〈トリニティ〉の裏切り者』・・・・ナギサ様は、ソレを私に探して欲しいと仰っていました」

 

「・・・・ふふっ、成る程。『〈トリニティ〉の裏切者』ですか・・・・何ともナギサさんらしい表現ですね。『ティーパーティー』のホストである彼女の計画を邪魔したら該当する、とも考えられるロジックですし。・・・・アズサちゃんは書類の時点で怪しかったので、疑われるのも無理はありませんね。 コハルちゃんは、どうして・・・・『正義実現委員会』という所属を考えると『人質』という観点なら無茶ではありつつも、納得はできますが・・・・・・・・あら、そう考えると、ヒフミちゃんはどうして『容疑者』になっているんです? ナギサさんと親しかった筈では?」

 

「えっ!? わ、私もやっぱり『容疑者』なんですか・・・・!? た、確かに親しくして頂いていたような感じですが・・・・ど、どうして私なのでしょう・・・・?」

 

“・・・・・・・・・・・・”

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

『ガラ・・・・』

 

ハナコは聡明過ぎる。アズサは怪しい。コハルは『人質』。

それぞれの理由から『容疑者』として疑われたのは納得がいくが、ナギサと親しい筈のヒフミが『容疑者』になった事にハナコは腑に落ちない顔をする。

ヒフミ自身も、自分も『容疑者』扱いされている事に気づいたのか驚き戸惑う。先生とピカチュウとイーブイ、後から聞かされたルカリオは思わず顔を背ける。ソレを見てガルーラは「まさか・・・・」と、何かを察したように半眼になり、子ガルーラはスヤスヤと寝ていた。

 

「先生、何か理由を知っていますか・・・・?」

 

“(チョイチョイチョイチョイ・・・・)”

 

ヒフミが先生に聞くと、先生は黙ったまま手招きし、ヒフミが近づくと、先生はヒフミの耳元でハナコに聞こえないように小さな声で囁く。

 

“・・・・『ブラックマーケット』、『闇銀行』・・・・”

 

「?・・・・・・・・・・・・・・・・!!?!?」

 

『ガラ・・・・!!』

 

一瞬、先生の言葉の意味が分からず首を傾げていたが、すぐに思い当ってしまい顔を青ざめ、ガルーラは「やっぱり・・・・!」と言わんばかりに、片手で顔を覆った。

 

「えっ!? ま、まさか・・・・あ、『アレ』、『アレ』ですか!? 『アレ』が原因なんですかっ!?・・・・た、確かにやってしまった自覚はありますけれどっ!?」

 

「ヒフミちゃん? 『アレ』とは・・・・?」

 

「なななな、何でもないです!! 本当に何でもないんですぅっ!!!」

 

首を傾げるハナコに、大きな汗を垂らしたヒフミは必死になって誤魔化すのであった。

 

「・・・・兎に角アズサちゃんとは、後でもう少しお話しをしてみた方が良いかも知れません。その他についても幾つか、私の方でも確認してみます」

 

「ーーーーはい。もし何か分かりましたら、教えてもらえると嬉しいです」

 

「分かりました。と言う事は私もこの、『深夜の密会』に参加させて頂けると言う事で宜しいですか? うふふ、嬉しいです♡」

 

ハナコはいつもの調子で話し出した。

 

「深夜の密室で、皆で寄り添って秘密の遊びだなんて・・・・ドキドキが止まりません♡」

 

「そ、その言い方はちょっと・・・・」

 

“じゃあ、もう遅いしそろそろ寝ようか”

 

「はい、ではまた明日と言う事で」

 

「そうですね、おやすみなさい」

 

そう言って、ヒフミとガルーラ、ハナコとジュペッタは先生の部屋から出て行こうとした。

 

 

 

 

 

ーコハルsideー

 

「んん・・・・トイレ・・・・」

 

『ヘラクロス』

 

そしてその頃、コハルは『合宿所』の廊下を寝ぼけながらトイレへと向かっており、足取りがおぼつかないトレーナーを心配し、ヘラクロスも一緒にいた。

 

「あれ・・・・先生の、部屋? こんな時間まで・・・・」

 

コハルとヘラクロスが先生の部屋に明かりが点いている事を不審に思い近づいたその時、ドアが開いて。

 

「ソレでは先生、ありがとうございま・・・・あれ?」

 

「・・・・!?」

 

ヒフミとガルーラが出てきた。

 

「ひ、ヒフミ!? せ、先生の部屋で一体何を・・・・!?////」

 

「ふふっ。では、また夜の密会。楽しみに・・・・あら?」

 

そして次に出てきたのは、18禁娘のハナコとジュペッタであった。しかも、『夜の密会』だなんて言って。

 

「・・・・っ!////」

 

その瞬間、猫目&赤面したコハルの脳に、色々な単語が浮かんだ。

ーーーー『夜遅くの合宿所』。

ーーーー『教師の部屋から出てきた2人の生徒』。

ーーーー『内1人はエロ系が好きな身体も頭の中もハレンチ娘』。

ーーーー『深夜の密会』。

そしてコレラから導かれる『答え』は。

 

 

 

「ーーーーさ、3人・・・・!? バカ、ヘンタイ! 淫乱族っ!!」

 

 

 

コハルの叫びが、夜遅くの『合宿所』に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

ー先生sideー

 

何とかコハルを宥めて誤解を解き、翌日の朝を迎えたーーーーのだが・・・・。

 

「あうぅ・・・・結構降ってますね・・・・」

 

「そうですねぇ。先生のミズゴロウさんは楽しんでおりますけど」

 

外では生憎の雨が降っており、ハナコの言葉を聞いて窓の外の下を見ると、ミズゴロウが大はしゃぎで外を駆け回り、先生のイーブイが進化したシャワーズ(色違い)が連れ戻そうと追いかけ回していた。

 

「んぅ・・・・」

 

『ヘラクロ〜・・・・!』

 

すると、コハルとヘラクロスも起き出してきた。

 

「あら、おはようございますコハルちゃん」

 

「おはようございます。アズサちゃんは・・・・まだちょっと起きられなさそうですね」

 

「んっ・・・・んん・・・・」

 

今日は珍しくアズサがミニリュウと共に寝坊していた。

 

「どうしたの、アズサ結構早起きだったのに・・・・」

 

「今までは、無理をしていたんじゃないでしょうか? 少し寝かせておいてあげたいですね・・・・」

 

「んんっ・・・・ダメ、可愛い物が・・・・フワフワで・・・・」

 

『リュウ・・・・リュウ・・・・』

 

「ううっ・・・・ミニリュウ、可愛い物に、巻き付いて・・・・ソレは、良くない・・・・」

 

「ソレに、何だか良い夢を見ているようですし♡」

 

「寝ながらミニリュウちゃんとコミュニケーションを取ってるなんて凄いですね」

 

“雨が降ってるからって事もあるのかもね”

 

ーーーーゴロロ・・・・ピシャァァァァァンン!!

 

と、言っている内に雷まで鳴った。

 

「あ、あうぅ・・・・何だか雷まで・・・・」

 

「・・・・あら」

 

「どうしたの?」

 

ハナコが何かを思い出したように声を上げた。

 

「忘れてました、洗濯物が外に・・・・!」

 

『ジュペ〜!!』

 

「「!?」」

 

そう。昨日の夜にハナコが皆の洗濯物を干していたのだ。慌ててハナコとジュペッタが飛び出していく。

 

「ま、まずいですっ・・・・!?」

 

ヒフミ達も急いで外に飛び出して行った。

 

「・・・・?」

 

『リュー・・・・?』

 

慌ただしい状況に、アズサとミニリュウも目を覚ましたが、皆がいなく、アズサはミニリュウを首に掛けて探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

ソレから、約1時間後・・・・。

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

『『『『・・・・・・・・・・・・・・・・』』』』

 

真っ暗になった『合宿所』の体育館で『補習授業部』のメンバーが全員はーーーー水着姿となっていた。

 

「さあでは記念すべき第1回、『補習授業部の水着パーティー』を始めます♡」

 

「あうぅ・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「何で、どうしてこんな事に・・・・////」

 

ハナコは楽しそうに、ヒフミは困り、アズサは瞑目し、コハルは猫目&赤面となっていた。

すると、また雷鳴が体育館に響いてくる。

 

「!?」

 

“色々と凄い状況だ・・・・”

 

コハルが雷に驚き、先生が苦笑していた。

 

「うふふっ、仕方ないじゃないですか♡ 服は全て全滅して洗い直し。体操着も雨と泥でグチャグチャ。すぐに洗濯したくても落雷で停電。洗濯機も故障して動かなくなった。今は先生のピカチュウさん達や私達のポケモン達が能力や色々な道具を使って洗濯をしています。ソレまで水着でいようと結論になりました」

 

“まあ、仕方ないような気もするけど”

 

勉強では殆ど役に立たないので、こういう時こそ役に立とうと、ピカチュウ達は「自分達に任せろ!」と言って、洗濯をしている。

 

「そうですよ。こうとなっては、『パジャマパーティー』ならぬ『水着パーティー』くらいしかする事はありません♡」

 

「あうぅ・・・・な、何か他にもありそうな気はしますが・・・・」

 

「成る程、『下着パーティー』とかもありそうですね♡ 確かによく考えると他にも幾つかあると思いますが、ソレで本当に良いんですか・・・・? ふふっ」

 

確かに、季節はそんなに寒い時期ではないが『下着姿』よりかは『水着姿』の方が少しはマシであろう。

 

「こうなると授業もやり難いし・・・・こんな落雷位で全部の建物が機能不全だなんて、酷いセキュリティだ」

 

「まあ、古い建物ですし・・・・」

 

「って言うか待って! 流されないわよ!? 『水着パーティー』って何なの! 卑猥!! 授業もできないし着る服もない所までは同意だけど、だったら大人しく部屋で休めば良いでしょ! 普通に考えて!」

 

「あら、ですがこういう時間こそ『合宿の花』だと思いませんか? 皆寄り添って、お互いの深い部分をさらけ出し合う・・・・雨も振っている上に停電で何も見えませんし、雰囲気は最高です!」

 

建物のセキュリティに文句を言うアズサをヒフミが宥めるが、コハルが尤もな事を言い出すが、ハナコがテンション高くそう返した。

 

「うふふふ・・・・♡ ジュペッタ達には悪いですが、折角の休み時間なんですし、こうやって有意義に過ごしませんか?」

 

「あはは・・・・た、確かに『合宿の定番』と言う感じはしますね」

 

「成る程、ソレがこの『水着パーティー』と」

 

「イヤイヤイヤ納得するか! 水着とかけ合わせる意味は!?」

 

全身から♡マークを出しまくるハナコに、ヒフミは苦笑しながら同意し、アズサは納得したように頷くが、コハルは猫目&赤面してツッコんだ。

 

「あうぅ、確かに・・・・」

 

「まあまあ、折角なんですし楽しむとしましょう。そうは言ってもただのお喋りですし、話題も何でもアリと言う事で♡」

 

ハナコはウキウキとしていた。

 

「ふふっ♡ 私こういう事、スッゴクしてみたかったんですよね。なので、ちょっとテンションが上がっていると言いますか・・・・」

 

“ハナコ、本当に楽しそうだね”

 

「気持ちは分かる。私も何なら、『補習授業部』に入って以来ずっとそう言う気持ちだ」

 

アズサがハナコの言葉に同意するように頷いた。

 

「あら、そうなんですか?」

 

「うん。何かを『学ぶ』と言う事も、皆でご飯を食べる事も、洗濯も掃除、手持ちポケモンと共に過ごす事も、その1つ1つが楽しい」

 

「あら・・・・♡」

 

健気なアズサの言葉に、ハナコは微笑ましそうに笑みを浮かべる。

 

「水着は泳ぐ時にだけ着るものだと思っていたのに、こんな活用方法があるなんて事も初めて知った。知らなかった事を知れるというのは、楽しい事だ」

 

「み、水着の件はちょっと違う気もしますが・・・・」

 

「でも、動きやすいし通気性も良い。ハナコがコレを着て学校を歩いていたというのも納得がいく」

 

「そうですよな、だから言ったじゃないですかコハルちゃん」

 

「いやソレで外を歩くのは犯罪だから! 納得したゃダメ! 公然猥褻罪だよ!?」

 

妙な知識まで会得しそうになっていた。

 

「コハルと一緒に勉強するのも楽しい」

 

「っ!? きゅ、急に何!? 何でそんな急に恥ずかしい事を!?////」

 

急に言われて、照れ臭さで猫目&赤面するコハル。

 

「あらあら・・・・♡」

 

「ま、まあ、私みたいなエリートと一緒に勉強して、タメになる事は多いと思うけど?」

 

「うん、本当にそうだ」

 

和気藹々の雰囲気を繰り広げていくアズサ達。

 

「アズサちゃん・・・・最初はあまり表情の変化も読み取れなくて心配でしたが・・・・良かったですっ」

 

「っーーーー勿論ヒフミもだ。本当にいつも世話になってる、ありがとう」

 

「!!!」

 

アズサがとても綺麗な笑顔を浮かべてヒフミに感謝を伝えた。

 

 

 

 

「あ、アズサちゃんっ!! うわーん!!」

 

 

 

 

感極まったヒフミが、アズサに抱き付いて号泣した。

 

「ひ、ヒフミ、少し息苦しい」

 

ソレから、『補習授業部』は話に花を咲かせていく。

〈トリニティ〉の『アクアリウム』で色違いの『金色のイダイトウ』が展示されているらしい事。

アズサが海に行った事が無いと言って、ソレが後に『正義実現委員会』のツルギとマシロを巻き込んだ騒動になる。

合宿のお約束とも言える怪談話で盛り上がったり、街や学園の中を水着で歩くのは変ではないとハナコが論ずるが、コハルが常識改変するなとツッコミ。ハナコが〈キヴォトス〉の何処かに『水着で覆面の窃盗団』がいる事を言ってコハルが騒ぎ、先生とヒフミが汗を垂らしながら視線を逸らし。

さらにハナコがアズサに、夜はキチンと眠った方が良いと言い、アズサも今朝の寝坊で迷惑をかけてしまったと反省し、実はブービートラップを仕掛けていた事を自白し、自分のせいで皆に被害を受けて欲しくないと言うアズサの頭を先生が撫でた。

するとアズサはーーーー。

 

「ーーーーだってこの世界は、全てが無意味で、虚しいものだ。だから、もしかしたら・・・・」

 

1度言い淀みながらも、アズサは言葉を紡ぐ。

 

「私はいつか裏切ってしまうかも知れない・・・・皆の事を、その信頼を、その心を」

 

「・・・・・・・・」

 

「アズサちゃん・・・・?」

 

「・・・・・・・・?」

 

と、話していると、パッと体育館の電気が点いた。

 

「あ、電気が・・・・」

 

「直ったみたいですね」

 

「あ、雨もいつの間に・・・・!」

 

そう。いつの間にか、空は青空へとなっており、時間は正午になっていた。

と、その時。

 

『ピカピピ!』

 

ピカチュウ達が洗濯籠を持ってやって来た。

 

“皆、お疲れ様”

 

「わぁ! 服が全部綺麗なってます!」

 

『リュー♪』

 

と、ソコでミニリュウが、アズサに近づき、笑みを浮かべたアズサが手を差し出すと巻き付き、いつものようにアズサの首にぶら下がり、アズサに頬ずりした。

 

「うん。じゃあ、第1回水着パーティーはここで閉幕か。2回目はミニリュウ達も入れて楽しもう」

 

「いや2回目とか無いから! こんなの最初で最後だからっ!」

 

ミニリュウに笑みを浮かべたアズサの言葉に、コハルが盛大にツッコミを炸裂させて、『水着パーティー』は閉幕となった。

着替え終え、今日は休みにして、ソレからポケモン達も交えて共に過ごし1日が過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーいいえ、まだです! このまま1日が終わりだなんて、そんな勿体無い事はさせません!」

 

「は、はい・・・・!?」

 

「?」

 

「な、何!? 急に飛び上がって、ビックリした・・・・」

 

と、夜に皆が寝ようとした瞬間、いつの間にか制服に着替えていたハナコが声を張り上げた。

体操着に着替えたヒフミ達が驚く。

 

「突然の事でしたが、折角のお休みじゃないですか。皆裸で交わったのに、このまま『はいお休みなさい』なんてーーーー」

 

「勝手に記憶を捏造しないで! 裸じゃないから!////」

 

ハナコの言葉に、最早お約束とも言えるコハル(猫目&赤面)がツッコミを入れた。

 

「ソレは兎も角、このまま寝てしまうのは勿体無いです。まだ火照っていると言いますか、物足りないと言いますか・・・・」

 

「具体的には?」

 

「うふふっ♡ 『合宿』と言えば、やはり『合宿所から抜け出す事』・・・・コレも1つの醍醐味だと思いませんか?」

 

「え・・・・?」

 

「さあ! 今から皆でコッソリ外に出て、お散歩しましょう♡ 〈トリニティ〉の商店街は夜遅くまで営業しているお店も結構ありますし、食べ歩きとかショッピングとかもできます!」

 

「そ、そんなの校則違反じゃん! ダメッ!」

 

ハナコの提案を、『正義実現委員会』として止めるコハル。

 

「細かい校則は知りませんが、結構皆さんコッソリやってると思いますよ? 意外とそう言う方周りにいませんな、ヒフミちゃん?」

 

「あ、あはは・・・・そ、そう、ですね・・・・?」

 

ハナコに話を振られて、盛大に視線を逸らす『校則違反の隠れ常習犯‹ヒフミ›』。

 

「で、ですが普段であればまだしも、今は『補習授業部』の合宿中ですし・・・・良いんでしょうか・・・・?」

 

「遠出するわけでもありませんし、すぐソコですよ。コハルちゃん、如何ですか? 楽しそうだと思いません?」

 

「え、っと・・・・きょ、興味はある、けど・・・・」

 

「はい。ちょっと行って戻ってくるだけですから大丈夫ですよ。良いですか、先生?」

 

“楽しそうだね、行こっか”

 

先生も、皆ずっと『合宿所』で籠りっぱなしだから息抜きになるだろうと思い、快く承諾した。

 

「い、良いの!?」

 

「ーーーー準備はできた。もうすぐにでも出発できる」

 

『リュー♪』

 

「アズサちゃん!? いつの間に着替えて・・・・!」

 

驚くコハルを余所に、既にアズサは制服に着替え、ミニリュウを首に掛けて行く準備を万端にしていた。

 

「では決定ですね♡ さあ早く準備して行きましょう! 楽しくなってきましたね・・・・! 深夜に裸で散歩・・・・!」

 

ーーーースパン!×2

 

ーーーーゴンッ!!

 

「さりげなくすり替えないで!! 服は着ろ!」

 

裸で行こうと考え制服を脱ごうとするハナコに、ジュペッタとルカリオのハリセン、ガルーラのゲンコツがお見舞いされ、コハルもツッコミを炸裂させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー???sideー

 

「・・・・では皆さん、参りますよ」

 

『了解』

 

ソコは、〈ゲヘナ学園〉の上空。数人の生徒達が『巨大な鳥ポケモン』の背中に乗っていた。

否、1人だけ縄で簀巻きにされ、猿ぐつわまでされた女子生徒がいた。

 

「ふがふが! ふがーふがが!!」

 

簀巻きにされた生徒が、“自分を拉致した一団”に向けてくぐもった声で文句を言うが、その『一団』のリーダーらしき女子は淑やかな笑みを浮かべる。

 

「あら、『フウカさん』。手持ちの『ラランテスさん』と『キョジオーンさん』がいなくて寂しい気持ちは分かりますが、私達の『目的の物』が手に入ればすぐに戻りますから♪」

 

そう言って、その『巨大な鳥ポケモン』は、白く大きな翼を羽ばたかせて、〈トリニティ総合学園〉へと向かって行った。




ーハナコ&ジュペッター
まだハナコが実力を出していた頃、ハナコに向けてくる周囲の『妬み』や『逆恨み』と言った〈トリニティ総合学園〉の生徒達の陰湿な感情を食べていたカゲボウズはソレをハナコに見つかり、「その身体の中にどれだけの隠された感情が秘められているのですか!?」と、しつこく迫られ、いつの間にかゲットされた。ジュペッタに進化してからも、ハナコの奇行を楽しんだり、やり過ぎな時は(物理的に)邪魔したり、(物理的に)止めたりする。実は〈トリニティ〉の政争の事はウザったく思っている節がある。
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