ポケモンアーカイブ   作:BREAKERZ

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さぁ、夜の繁華街に出かけた先生達を待ち受けるのは!?


真夜中の課外授業・ハスミのダイエット騒動

ー先生sideー

 

「うふふ・・・・♡」

 

『ジュペペペ♪』

 

「あはは・・・・き、来ちゃいましたね」

 

『ガルガルラ』

 

『カルゥ〜♪』

 

ハナコの提案で『合宿所』を抜け出した『補習授業部』の面々と先生達は、夜中の〈トリニティ〉の繫華街へと繰り出していた。

元々『ゴーストタイプ』のジュペッタは気分良く宙を泳ぎ、子ガルーラは初めての夜のお散歩にテンション高くなっていた。

 

「どうですか? もう既に楽しくないですか? 禁じられた行為をしているというこの背徳感、そして同時に皆で一緒にしているからこその安心感、この二つが合わさって・・・・!」

 

『ジュペ』

 

皆と深夜の繁華街へのお散歩という『イケない行為』に興奮しているのか、暴走しそうになるハナコの口をジュペッタが袖で閉ざした。

 

「成る程、深夜の街はこんな感じなのか・・・・思ったより活気がある。な、ミニリュウ」

 

『リュー♪』

 

「ーーーーそうなんですよ、24時間営業のお店も多いですし」

 

アズサは初めて見る〈トリニティ〉の繁華街を感慨深く見つめ、ミニリュウも楽しそうに同意し、ジュペッタの袖から脱出したハナコが説明していた。

 

「あれはスイーツショップ? 24時間開いてる所があるのか・・・・あ、喫茶店も開いてる」

 

「ここからはもう少し行くと、『モモフレンズ』のグッズショップもあるんですよ。その向かいには限定グッズだけを取り扱う隠れたお店もありまして・・・・」

 

「ふふっ、流石はヒフミちゃん、詳しいですね」

 

「あ、あははは・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

“・・・・・・・・”

 

『・・・・・・・・』

 

アズサもハナコ程ではないが、繫華街に来て楽しくて興奮しているのか、ミニリュウと共に辺りを忙しなくキョロキョロと見渡している。

ソレに気づいたヒフミが、アズサが好きになった『モモフレンズ』のグッズショップの話をする。ハナコは彼女の『モモフレンズ』に対する情熱に感心しているが、ヒフミは気まずそうに苦笑し、ガルーラはいつかバレるのではないかと半眼でヒフミを見下ろし、子ガルーラも楽しそうに周りの店をキョロキョロと見渡している。

ヒフミの様子を見ていた先生とピカチュウ、ルカリオとイーブイは内心ヒヤヒヤである。 はしゃいだミズゴロウとアチャモが勝手に何処かに行きそうになるが、キモリが尻尾を掴んで止めていた。

『補習授業部』はこの深夜のお散歩をとても楽しんでいるようであった。

 

「うぅ・・・・結局乗っちゃったけど、こんな所万が一ハスミ先輩に見られたりしたら、スッゴい怒られそう・・・・」

 

『ヘラクロ・・・・』

 

「あら、そうなのですか? ハスミさんは後輩達に優しい方だと聞いていましたが・・・・?」

 

ただ2人、コハルとヘラクロスと言う〈トリニティ総合学園〉の治安維持組織である『正義実現委員会』所属の2人のテンションは少しドンヨリしていた。

 

「も、勿論優しいわよ! それに文武両道、さいしょくけんび・・・・? で、品もあってスッゴい先輩なんだから! で、でも怒る時はホントに怖くて・・・・」

 

“そう言えば、前にハスミが本気で怒ると凄かったって・・・・”

 

ハナコはハスミは後輩に優しいという噂を聞いていたのか、コハルの話を聞いて意外そうな顔をするが、ハスミを尊敬しているコハルは、いつもは優しいと言うが、キレると本当に怖いと言い、先生は前にミカから聞いた、ハスミが〈ゲヘナ〉を蛇蝎の如く憎むようになった事を聞いてみる事にした。

 

「う、うん・・・・前に一回あって、私もその場にいたんだけど・・・・・」

 

コハルは、以前先生がミカから聞いた事を皆に話した。

 

「あら・・・・ソレは激しいですね。一体何が・・・・?」

 

「何でも、『エデン条約』の件で、〈ゲヘナ〉の首脳陣と会議をした時で・・・・」

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

ソレは、〈ゲヘナ〉との会議を終えて、荒ぶる『ドラゴンタイプ』の如く『正義実現委員会』の教室で大暴れした時の事。

その暴れぶりはあのツルギとコノヨザルやチャーレムすらもドン引きする程に。

 

【はぁ・・・・はぁ・・・・】

 

【クワァ・・・・】

 

【『イトイト・・・・』】

 

ネギガナイトとタイレーツに宥められ、抑えられながらも、一頻りに大暴れしてある程度怒りが下火になったハスミは息も絶え絶えになり肩で息をし、その身体の揺さぶりで暴力的なバストを少し揺らしながら、ドン引きしていたツルギ達や、当時のコハルに向けて声を発する。

 

【よく、よく聞いておいてください。私は今ここに、宣言します】

 

【【【・・・・??】】】

 

【これから私は・・・・私は・・・・っ!】

 

ーーーーゴクリっ・・・・。

 

固唾を呑むツルギ達に向けて、ハスミは声を上げる。

 

 

 

 

【ーーーー今度こそ『ダイエット』をします!】

 

 

 

【・・・・!?】

 

【・・・・っ!?】

 

【だ、『ダイエット』・・・・ですか?】

 

【はい、『ダイエット』です!】

 

唐突にダイエットをすると言い出したハスミを見て、『正義実現委員会』のメンバーほぼ全員は、「何言ってるんだこの人は?」と言わんばかりに呆気に取られる。

 

【これから私が1日に2回以上食事をしたり、オヤツを口にする処を発見したらその場で指摘したらどうぞ叱って下さい! こう言った事は自分だけの力では難しいので、宣言しておく方が良いと聞きました! 皆さんの助けが必要なんです!】

 

【『(そんな無茶なっ!?)』】

 

ハスミは他のメンバーに、間食やオヤツを食べようとしているのを見たら叱るよう頼む。

だが、相手は『正義実現委員会』の副委員長。委員長であるツルギならば叱る処か、問答無用で暴力を行使して止められるだろうが、他のメンバーは畏れ多いと言わんばかりの顔であった。

 

【ネギガナイト! タイレーツ! アナタ達もですよ! 私が食べ物の誘惑に負けそうになったら、容赦なく【みねうち】なり【かわらわり】なりで止めて下さい!】

 

【【クワクワァ!?/イトイトォ!?】】

 

トレーナーであるハスミの命令に2匹(?)揃って「そんな無茶なっ!?」と言わんばかりに声を上げた。

そして、恐る恐ると部員A(パートナーは『けんかポケモン・バルキー』)がハスミに問いかける。

 

【は、ハスミ先輩・・・・〈ゲヘナ〉との会議で一体何が・・・・?】

 

【・・・・許せません・・・・! 何て、何て事を・・・・!】

 

【クワクワ・・・・】

 

【イトイト・・・・】

 

ハスミは〈ゲヘナ〉での会議で何があったかと聞かれると、下火になっていた怒りの炎がまた燃え上がり、ネギガナイトとタイレーツに宥められながら歯を食いしばって、その時の事を話し始めた。

 

話は数時間前と〈ゲヘナ学園〉の生徒会【万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›】の居城。

会議の為にやって来たハスミ(両隣にネギガナイトとタイレーツが控えている)の目の前に座るのは、制帽を被り、立派な軍服のような制服を着た、スラリとした体形とモデルのような長身に長い脚をし、〈ゲヘナ〉の生徒らしい黒い角を生やした長い銀髪を前にも垂らした片目は鋭く、容姿だけなら男装の麗人を思わせる美形の女子、〈【万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›】の議長『羽沼マコト』である。

その後ろには恐らくマコトのパートナーであるポケモン、紫色の体色に腹に顔のような模様を付けた巨大なコブラ『コブラポケモン・アーボック』と二体の『どくガスポケモン・ドガース』が連結した、ややゴツく厳めしい人相になっている『どくガスポケモン・マタドガス』がハスミの首から下をジッと見て目を見開いていた。

 

【・・・・成る程、お前が『トリニティの戦略兵器』と呼ばれる『剣先ツルギ』か】

 

【・・・・え? あ、いえ、私は・・・・】

 

【そうか、想像以上に規格外だな。不愉快になるくらいに】

 

どうやらマコトは、ハスミの事をツルギだと思っているようであり、その視線は何故かハスミの顔より下の方に向いており、更に自分の身体を見下すと、不快そうに貌を歪めて、チッ、盛大に舌打ちをした。

 

【キキッ! だがそんな戦略、このマコト様には通用しない! 出会い頭のインパクトで我々に勝とうなど甘いわ!】

 

【・・・・はい?】

 

【『イロハ』、『サツキ』を連れてこい! 〈トリニティ〉の奴等に負けて等いない事を示してやるぞ!!」

 

【マコト先輩、この方は委員長のツルギさんではなく副委員長のハスミさんです。予め書類にもあったと思いますが】

 

どうやらマコトはハスミのその、大人顔負けな色々と大きいプロポーションに張り合おうと、別のメンバーの名を出して来ていた。

そんな彼女の姿を見て、自分のポケモンの背中に乗って溜め息を吐いているのは、小柄な体型と非常にボリューミーな臙脂色の髪がチャームポイントで、非常に丈が長く袖の余ったコートと『万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›』の所属を示す制帽などフォーマルな要素に反して、キチンと締められていないネクタイや飛び出したシャツの裾といっただらしない部分が目立つ。とても気だるげな雰囲気をした2年生の『棗イロハ』であった。

そして彼女が椅子のように座っているのは顔立ちは可愛らしく、フォルムは短い手足で横ばいとなりより、オオサンショウウオのような姿をした『とげうおポケモン・ドオー』。

そしてドオーの頭に乗って丸くなっているのは、オデコに小判を付けた猫のようなポケモン『ばけねこポケモン・ニャース』であった。

勘違いしているマコトに、目の前にいるのがツルギではなくハスミであると伝える。

 

【それと、今もし胸の大きさの話をされているのであれば、多分『サツキ先輩』が来ても勝てないと思いますが】

 

【・・・・・・・・】

 

【何ぃっ!? ツルギじゃないだと!? 成る程、『代役』か・・・・舐められた物だ、この期に及んで小細工とは・・・・!】

 

イロハはマコトの視線がハスミの暴力的なサイズの胸部に向かっているのを見抜き、恐らく胸の大きい生徒であろう『サツキ』と言う生徒を呼んでいると理解したが、無理だと呆れた声を出す。ハスミは自分のプロポーションの凄まじさに自覚が無いのか、良く分かっていない感じで若干戸惑っている。

そしてイロハの指摘で漸く目の前にいるのがハスミだと気付いたマコトはいきなりキレ始めた。

 

【はっ! つまりそもそも、この会議はフェイクという事か!? 我々を呼び出しておいて、身長と胸の迫力でこちらの出鼻をくじいておこうだなんて・・・・!】

 

【いえ、ですから元々ハスミさんです。私の話聞いてますか? 聞いてませんね?】

 

【くっ、不愉快なぐらい大きな胸を見せつけおって・・・・! 喧嘩を売ってるのか、この『万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›』のマコト様に対して・・・・!】

 

【・・・・・・・・】

 

【ドォオ〜・・・・】

 

【ニャ〜ス・・・・】

 

マコトはハスミの、女性にしては高身長の179cmの体躯と、圧倒的なサイズの爆乳の事を指摘して喚き出した。ソレを横で見ているイロハはマコトの行動を目を細めて呆れ返っており、ドオーとニャースに至っては大きく欠伸をしていた。

ハスミがツルギの『代役』として会議に出席したのは、コミュニケーション能力に不安があるツルギでは拗れると思っての事なのだが、そんな事関係なしにマコトが騒ぎ喚く。

 

【落ち着いて下さい、後もう胸の話はやめてください。そろそろ万魔殿として恥ずかしいです】

 

【イロハ、こうなったら『アレ』を用意しろ! このままこの『デカ女』に負けてたまるか!】

 

【『デカ女』・・・・・・・・?】

 

【【クワ・・・・/イト・・・・】】

 

ハスミの胸の大きさをしつこく指摘するマコトに、このままではマズイと思ったイロハは、彼女に早く止めるよう注意するが、マコトが言った『デカ女』という言葉が、コレまで首を傾げていたハスミがピクリと反応を示し、ネギガナイトとタイレーツの顔が青くなる。

 

【『アレ』と言われてもなんの事かさっぱりですが、取り敢えずこの会議がオジャンなのはよく分かりました。もう逃げましょう。ドオー、ニャース、行くよ】

 

【ドオー】

 

【ニャース】

 

【・・・・ん?】

 

ーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・!!

 

ドオーに乗ったイロハがそそくさと逃げたその時・・・・。

 

【ああ・・・・あああぁぁぁぁぁぁぁっ!!】

 

ーーーードガバキベキバカァァァァンン!!

 

どうやらハスミにとって、体格の事は『地雷』だったようだ。マコトが無意識にソレを踏んだせいで、ネギガナイトとタイレーツが押さえるが止まらず、リザードンやキュウコンのように烈火の如く暴れ出してしまった。

コレによって『万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›』と『正義実現委員会』の会談はおシャカになってしまった。

 

余談だがハスミにぶっ飛ばされたマコトとアーボックとマタドガスは、後にこの顛末をイロハから聞かされた『丹花イブキのグレッグル』により、アーボックとマタドガスは【踵落とし】を受けて気絶し、マコトはグレッグルに『8時間耐久逆エビ固め(ボストンクラブ)の刑』にされ、3日程腰痛で動けなくなったとか。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

“・・・・・・・・・・・・”

 

『・・・・・・・・・・・』

 

「それで、その会議自体ダメになって・・・・ソレ以来ハスミ先輩、あんまりご飯も食べてないから心配で・・・・」

 

ハスミのキレた理由が、あまりにもしょうもない理由だったので、話を聞いていた一同は反応に困ってしまう。コハルはダイエットの為に食事制限をしているハスミの事を心配していた。

因みにこの話をハスミから聞いたツルギ達も同じ反応を示し、9割のメンバーはハスミのグラマラス過ぎる体型と自分達の体型を比べて敗北感に打ちのめされたのは割愛する。

 

「そんな事があったのですね・・・・〈ゲヘナ〉の方々に怒るのも分かります、無理もありません・・・・」

 

“ハスミ、大丈夫かな・・・・”

 

「でも、ハスミ先輩は色んな意味で強いから大丈夫! あれからずっと、自分との約束を守って頑張ってるし・・・・!」

 

コハルの話を聞いて、同じく胸が大きいせいで体重に悩みがあるのかハナコはハスミの気持ちに理解を示し、先生はハスミの事を心配するが、コハルは尊敬するハスミなら大丈夫だと言う。

 

「あ、ここにもスイーツ屋が」

 

『リュー♪』

 

『チャモ♪』

 

『ミジュ♪』

 

『キゥ』

 

そして、ハスミの話を全く聞いていなかったアズサとミニリュウと御三家達は、繁華街を見渡していると、1軒のスイーツ屋を見つけた。

 

「ーーーー何だか食べ物の話をしていたらお腹が減ってきましたし、ここで何か食べましょうか?」

 

『ジュペ』

 

「あ、ここの限定パフェすっごい美味しいんですよ! 24時間やってるとは知りませんでした。ガルーラ達も入れますよ♪」

 

『ガルラ♪』

 

『カルラ♪』

 

「パフェか・・・・うん、悪くない。行こう」

 

そして食べ物の話をしていたせいか、ハナコとヒフミもお腹が空き始めたのか、アズサが見つけたスイーツ屋に興味を持ち、アズサも目をキランッとさせて、コハルとヘラクロス意外は店の中に入って行った。

 

「え、えっ・・・・? うぅっ・・・・だ、誰も見てないよね・・・・?」

 

『ーーーーヘラクロ』

 

最後にコハルが辺りを見渡すと、ヘラクロスが少し空を飛んでから「知り合いは誰もいない」とコハルに伝えると、コハルとヘラクロスも、そそくさとスイーツ屋へと入った。

店内は中々に小洒落た雰囲気であり、ヒフミ達以外にも〈トリニティ〉の生徒や『シスターフッド』らしい生徒の姿もチラホラと見受けられた。

 

「ーーーーいらっしゃいませ」

 

「あはは、真夜中にスイーツ屋さんだなんて・・・・緊張もありますが、何だかすごくワクワクしますね」

 

「確かに」

 

スイーツ屋に入ってみると、店員(ロボット系)が歓待し、深夜のちょっとした冒険にヒフミとアズサは少し心を弾ませていた。

 

「5名様でしょうか? ご注文をどうぞ」

 

「えっと・・・・あ、限定パフェってまだありますか?」

 

「ああ、申し訳ございません・・・・限定パフェはちょうど先ほど、別のお客様が3つ購入されたのが最後でして・・・・」

 

「あ、そうでしたか・・・・」

 

「1歩遅かったか・・・・こんな時間まで狙われているなんて、侮れないな」

 

席につくと、限定パフェを頼もうと注文する。しかし、店員は限定パフェは売り切れたと申し訳無さそうにヒフミ達に伝えると、ソレを聞いたヒフミとアズサは少し落胆し、別の注文をしようとメニューに手を伸ばそうとした。

と、その時ーーーー。

 

「・・・・あら? せ、先生・・・・?」

 

“ハスミ・・・・!?”

 

「は、ハスミ先輩!?」

 

「あら、それが限定パフェですか? 何やらたくさん・・・・」

 

聞き覚えのある声に振り向くと、黒く大きな翼とハナコをも上回る大きな胸元をしたその人物は何とーーーーハスミであった。

先生とコハルは、真夜中のスイーツ屋にハスミがいるのに驚き、そしてハスミはハナコが指摘した通り、限定パフェを3つも頼んで美味しそうに食べていたのである。

 

「先生、それに『補習授業部』の皆さん・・・・」

 

「あ、あぁあぁぁぁ・・・・!」

 

ハスミはこんな真夜中に先生と『補習授業部』の面々と出会った事に驚いている。そして『正義実現委員会』のメンバーであるコハルは、副委員長で、尊敬するハスミに出会ってしまった事に狼狽え出す。

 

「ハスミさん、奇遇ですね♡ あら、真夜中にパフェを3個も・・・・確か、ダイエット中だと伺いましたが?」

 

「こ、これはですね、その・・・・」

 

「はい、心中お察しします。真夜中に襲ってきた悪しき欲望に導かれて、ここまで来てしまったのですよね?」

 

「え・・・・!? い、いえその・・・・」

 

「しかも、ネギガナイトさんにタイレーツさんまで縛り上げて来たようですね♪」

 

ハナコの視線を追うと、ハスミが座っていたのであろう席のテーブルの下に、猿ぐつわされて簀巻きにされたネギガナイト、ボンレスハムのように縛り上げられたタイレーツが悶えていた。

 

「あ・・・・!? その、コレは・・・・」

 

「そうして欲望のまま滅茶苦茶にしてしまった後、理性を取り戻した頃にはもう取り返しのつかない程に乱れて・・・・」

 

しかしハナコは笑みを浮かべ、つい先程コハルからダイエット中だと聞いていたのにパフェを3個も頼んでいる事をハスミに指摘した。そして指摘されたハスミは、ハナコの聞く人によっては盛大に誤解される言葉にタジタジである。

 

“ーーーー夜中ってお腹が空くよね”

 

「せ、先生・・・・コホン。その、自分の事を棚上げするようですが、『補習授業部』の皆さんはそもそも、合宿中の外出が禁じられていたはずでは・・・・?」

 

「!?」

 

“・・・・あぁうん。今朝の雨で夕べ干した洗濯物が全滅するし、停電が起こったりでマトモに勉強できず踏んだり蹴ったりでね。気分転換の息抜きも兼ねて繁華街に来たんだけど・・・・”

 

「成る程・・・・では、ここはお互いに、見なかった事にするとしましょうか」

 

「は、ハスミ先輩・・・・」

 

ハスミは先生に『補習授業部』を引き連れて外出しているのを指摘するが、先生の説明を聞き、ある程度の納得を示し、お互いに見なかった事にする。その言葉を聞いて、コハルは心底安心したようである。

 

「コハル。お勉強頑張っていますか?」

 

「あ、えっと、それは、その・・・・」

 

“コハルは最近、成績がすごく上がってるよね”

 

「は、はい、そうです・・・・! コハルちゃんはこのままいけば全然合格できるくらい、頑張っていて・・・・!」

 

落ち着いたハスミはコハルを勉強の調子を聞くが、コハルは先輩を相手に口ごもってしまう。そんな様子を見た先生とヒフミは勉強を頑張ってると、コハルをフォローした。

 

「成る程、そうでしたか」

 

「うぅ・・・・その、えっと・・・・」

 

「それは何よりです。言ったではありませんか、コハルはやればできると。あの時、以前先生と共に『正義実現委員会』の教室で言った通り」

 

先生とヒフミの言葉を聞いて、ハスミは笑みを浮かべ、コハルに言った事を告げた。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

ソレは以前先生に席を外してもらってからした会話である。

 

【応援してますよ、コハル。お勉強、頑張って下さい。本来の目標を忘れないで下さい。ただ目の前の勉強の話だけをしている訳ではないのです】

 

【でも、そんな・・・、私には、到底、無理です・・・・。そんなすぐ成績を上げるなんて・・・・先輩と一緒にいたい気持ちは本当ですが、私にはあまりにも難しい事で・・・・】

 

【ーーーーソレではダメなんです!】

 

【!?】

 

ハスミは勉強を頑張れとコハルを激励するが、コハルはハスミの前なので、無理だと弱音を吐いてしまう。

しかしハスミは大声を出して一喝する。

 

【ごめんなさい、急に大声を出してしまって・・・・ですがコハル、私たちがこれからもずっと一緒にいる為には、今頑張って貰わないととダメなのです。それに先生も、必ず手助けしてくれます。そんな先生の為にも、勉強を頑張るのが今コハルがやるべき事です】

 

【・・・・はい。私、精一杯頑張ります】

 

突然大声を出してしまった事をハスミが謝ると、今度は優しくコハルに言い聞かせた(先生の事を話す際に薄っすらと頬を染めたが)。

そして、尊敬する先生の優しい応援を受けて、コハルはやる気になったようであった。

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

「・・・・えへへっ。は、ハスミ先輩の期待を裏切りたくないですから」

 

「はい、引き続き応援していますよ、コハル。早く『正義実現委員会』に戻ってきて、一緒に任務が遂行できる時を心待ちにしていますから」

 

「はい、頑張ります・・・・!」

 

“良い話だね・・・・(ハスミはコハルに目をかけているようだ。コレならナギサにとって、『人質』としての価値はあるだろうな。ハスミの反応からして、『退学』の事も知らないようだし)”

 

コハルは嬉しそうにその事を話し、そしてハスミはコハルに早く『正義実現委員会』に戻る為に、勉強を頑張るよう励ました。

それを見ていた先生は2人の素敵な関係に感動するのであったが、ハスミがソコまで期待を寄せるコハルが少し意外にも思え、だからこそナギサが『人質』として選んだのでは無いかと思えた。

 

ーーーーロトロトロトロト・・・・。

 

「・・・・? こんな時間に、連絡・・・・?」

 

ーーーーピッ。

 

「はい・・・・『イチカ』? どうかしましたか?」

 

《ハスミ先輩、ちょっと『問題』が発生しちゃいまして。今どちらに?》

 

楽しく会話に花を咲かせていたのだが、唐突にハスミのスマホロトム(黒いカバー付に)が鳴る。

 

“『イチカ』?”

 

「『正義実現委員会』の2年生の『仲正イチカ先輩』。実力も高くてコミュニケーション能力も高い人。手持ちポケモンは『ハリテヤマ』」

 

コハルからハスミに連絡をした相手は同じ『正義実現委員会』の『仲正イチカ』と言う生徒で、何か問題が発生したようである。

 

「『問題』・・・・? 詳しく聞かせていただけますか?」

 

《どうやら学園の近郊に〈ゲヘナ〉と推測される生徒達と、巨大な鳥型ポケモンが空から無断で侵入、更に無差別に銃撃を行いつつトリニティの施設を襲撃している、との情報が》

 

「襲撃・・・・〈ゲヘナ〉の『風紀委員会』です!? それとも『万魔殿‹パンデモニウム・ソサエティー›』がついに本性を・・・・!?」

 

ハスミはハンズフリー状態にしたスマホロトムから、イチカが状況を説明する。

どうやらゲヘナの生徒達が巨大な鳥ポケモンに乗って〈トリニティ〉に無断で侵入してきたようで、ハスミも警戒感を露わにする。

若干、私情と私怨が交じっているようにも、先生達(御三家除く)やヒフミ達(アズサとミニリュウ除く)は思えた。

 

《あ、いえ、それが・・・・》

 

「誰であれ、きっと『エデン条約』を邪魔しようとする意図に違いありません・・・・! 規模は何個中隊ですか? 場所は、その施設はどこですか!?」

 

《落ち着いて欲しいっす先輩。とりあえず〈ゲヘナ〉の『風紀委員会』ではなく、兵力も全然少なくて、確認されてるのは4名と巨大鳥ポケモンも入れて5匹だけっすね》

 

「『風紀委員会』ではなく・・・・4名と5匹・・・・?」

 

〈ゲヘナ〉の襲撃を警戒しているハスミに対し、『イチカ』は落ち着くような宥め、今〈トリニティ〉内部で暴れている〈ゲヘナ〉の生徒は4名、ポケモンは5匹だとハスミに伝えた。

 

《はい。それで襲撃されたのは・・・・『アクアリウム』みたいっすね》

 

「あ、『アクアリウム』・・・・?どうして、そんな所を・・・・?」

 

《さあ。アタシにもよく分からないっすけど、何だか展示中だった色違いの『金色のイダイトウ』を強奪して逃げてるとかで》

 

更に、襲撃された場所は〈トリニティ〉の重要な施設ではなく、昼間にハナコが言っていた『アクアリウム』の『金色のイダイトウ』のようである。

ソレを聞いてハスミは意味が分からずイチカに聞き返すが、彼女もよく分かっていないようである。

 

「『金色のイダイトウ』・・・・?」

 

《すげー珍しいらしくって、多分どこかに売り飛ばそうと・・・・あ、追加で幾つか情報が送られてきたっすね。えーっと・・・・どうやら正体は〈ゲヘナの〉テロリスト集団、『美食研究会』らしいっす》

 

そして、送られてきた情報から、襲撃犯は〈ゲヘナ〉の『美食研究会』だという情報をハスミに伝えた。

 

「・・・・先生、知っていますか?」

 

“・・・・前に〈ゲヘナ〉の『風紀委員会』のチナツから聞いた事がある。〈ゲヘナ〉で2大問題児集団の1つとされている子達だね”

 

話を聞いていたヒフミが先生に尋ねると、先生はそう返した。

 

《主謀者は会長の『黒舘ハルナ』、ゲヘナの中でも要注意人物とされている例のやつっすね。使用するポケモンもかなり手強く、『ゲヘナ風紀委員会』でも手こずっている程みたいっすよ。で、どうしますハスミ先輩?》

 

イチカは入手した情報をハスミに送り指示を仰ぐのであった。

 

 

 

 

ー『美食研究会』sideー

 

そしてここはトリニティの中央。

 

「ねぇぇぇぇ!! 何でこんなとこまで来ちゃったの!? 〈トリニティ〉のド真ん中じゃん!?」

 

『ゴンゴン!!』

 

「仕方ありません、『金色のイダイトウ』を黙って見ているわけにはいきませんし☆」

 

『ベトベト』

 

ソコに件の『美食研究会』が、“空からやって来たのである”。

〈トリニティ〉の中央に迷い込んでしまい、『美食研究会』の一員である、赤い長髪を後ろで二房にして垂らし、頭には〈ゲヘナ〉生徒らしい角を生やし、小柄で細身な体型をした比較的常識人ポジションの『赤司ジュンコ』。

そのパートナーである小さなぬいぐるみのような体躯をし、ボーッとした顔をした『おおぐいポケモン・ゴンベ』。

が、他のメンバーである長い金髪の前髪の左側を小さくおさげにし後ろにし、頭には小さな角が生え、童顔だが1番背が高く、豊満な胸とプロポーションをした『鰐渕アカリ』。

その足元には、ヘドロのような姿で紫色の体色から油膜めいたカラフルな身体をし、黒い隈取りに鋭い目つき、体中に付いている白い結晶体が特徴的な『ヘドロポケモン・ベトベトン(アローラのすがた)』がいた。

 

「ふふっ。あんな美味しそうなお魚ポケモンを、ただ『観賞用』として扱うだなんて・・・・そんな事、『美食』に対する礼儀がなっていないというものですわ。そう思いません? 『ラッタ』?」

 

『ラッタ!』

 

そして、均整の取れた整ったプロポーションをし、白い肌に長い銀髪、赤い瞳とアルビノを思わせる美しい容貌と、蜥蜴のような尻尾と、左側だけの片翼が特徴で、翼にピアスを下げており、言葉遣いや振舞いから、そこはかとなく漂う気品とで〈トリニティ〉の『お嬢様』と思われても違和感がない楚々とした佇まいをしたリーダーの『黒舘ハルナ』はどこ吹く風であった。

自分のパートナーである黒い体色に、腹の毛も茶色に変化。頬が常に膨れ身体も大きく、目が赤い、ヒゲが2本となりアゴヒゲがある、耳が少し大きい、鼻の毛、尻尾がやや太いな肥満体系のねずみのようなポケモン、『ねずみポケモン・ラッタ(アローラのすがた)』が同意するように頷いた。

 

「『美食』というのは孤高でありながら、普遍的でなくてはなりません・・・・。ただ見世物としてお金稼ぎの手段に終わるなど、この『金色のイダイトウ』さんも望んでいないはず」

 

「んんー!! んぅんー!!」

 

「私たちはただ、その声に共鳴しただけ! そうですよね、『フウカさん』?」

 

「んんっ!? んーーーーっ! んんんんんっ!?」

 

そして、ハルナは自分達の良く分からないポリシー的な事を語りながら、『金色のイダイトウ』の事を情熱的な目で見ていた。

そして何故かその傍らには、簀巻きにされて口を猿ぐつわにされて塞がれた状態の生徒、赤い瞳に黒髪ツインテールで、額から生えた2本の角に髪の毛を掛けており、細身の体型にエプロンと三角巾を着用した『ゲヘナ給食部』である『愛清フウカ』が藻掻きながら文句を言っているようであった。

 

「御覧なさい。この〈ゲヘナ〉の給食部部長の、感涙にむせび泣くほどの同意を!」

 

「猿ぐつわのせいで、何を言ってるのかさっぱりですけどね☆」

 

「うわっ、イダイトウがまだビチビチ跳ねてる! ヒレでビンタされてるっ!?」

 

「んぐぅ!! んんーっ!!」

 

フウカはどう見ても苦しがっているようにも見えるが、ハルナの目には感動で咽び泣いているように見えているようである。

そしてフウカの隣で跳ねだして尻尾で彼女をビンタする『金色のイダイトウ』に驚くのは、薄灰色の長髪をジュンコと同じく後ろに二房にし、頭には丸く湾曲した角が生え、コロコロ丸っこい顔に、1番肉付きの良いムチムチとした体型した女子『獅子堂イズミ』。

そしてパートナーは、肥え太った肥満型に尻尾の癖毛の数も凄いリスのようなポケモン『ほしがりポケモン・ヨクバリス』であった。

 

「イズミ、ちゃんと捕まえてて! ソレすっごく高いんだから!」

 

「所でコレいつ食べられるの? イダイトウにはビンタされるし、黒いセーラー服の子達に追いかけられるし、そろそろお腹空いたんだけど!」

 

『バリス!』

 

「黒いセーラー服って、それ『正義実現委員会』じゃん!? こっちの『風紀委員会』と同じくらいヤバいよ! どうするのハルナ、逃げ切れるの!?」

 

ここまで散々逃げて来たせいかイズミとヨクバリスはどうやらお腹が空いたようである。しかし、ジュンコは『正義実現委員会』が追撃してきている事を知り、どうするのかとハルナに問うた。

 

「ふふっ・・・・逃げ切れるのかどうかなんて、大した問題ではありませんわ。大事なのは食べられるか、否か!ーーーーつまりは『食べるか、死ぬか‹eat or die›』! ただその2択のみ! ソレこそが、私達美食家が歩むべき孤高な道なのです!」

 

しかし、ハルナは妙に自信満々に訳の分からない理屈で答える。

 

「結局、こう言う事ですね☆」

 

ーーーーダダダダダダダダダダダダ!!!

 

ーーーードドドドドドドドドドドド!!!

 

アカリがハルナの答えにそう応じるが、『正義実現委員会』の弾丸と、かくとうタイプのポケモン達が土煙を上げながら迫ってきていた。

 

「そんな高らかに喋ってないで、適度に戦って早く逃げないと!!」

 

「さあ、包囲網を破って退却です! 一刻も早くフウカさんに、この間見つけた『スパイス』を使って『イダイトウのお造り』を作っていただかねば!」

 

『ラッタ!』

 

「んんんんーーーーっ!???」

 

ハルナの言葉に、フウカは「私を巻き込まないで!!」と言わんばかりの声を上げた。




ハスミの体重は、あの腰の翼とブルアカ最胸の爆乳が原因だと思います(笑)。
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