表情筋を鍛えましょう、と言われても。 作:コードネーム:Candle
無表情だからってクールな訳じゃない。
朝の気温は8℃。その寒さが前方から押し寄せ、鼻や耳を冷やしていく。
息を吸うと鼻の奥がツンとして冷やされる。彼は今、日課の早朝ランニング中だ。
内容はこうだ。
近所の土手を4km走り、河川敷グラウンドに直行し、一周(4km)する。
そして一番広いグラウンドでラジオ体操*1*2をしてから30分トレーニングをするのだ。
そして今、帰りの4kmを走っている所だった。
「ワン!!」
「!あ、くろまめ!」
大きなセントバーナードが吠え、小柄な女子が飼い犬を呼ぶ。
「あ、おはよ!楓!」
そして、彼…いや、俺を見つけて、挨拶をした。
「おはよ。」
彼女は
そして身寄りのなくなった俺を約10年間育ててくれた芽守さんの娘で、姉弟のように過ごしている。
「今日、雄英入試でしょ?さては筆記ヨユーだな?」
「まあね。てか、栞もでしょ、余裕なのは。明後日の士傑の推薦入試。」
栞は士傑高校ヒーロー科の推薦入試を受けるのだ。
「えへへー!バレてたかぁ~!さっすが楓!」
「いや、わかるだろ。」
栞は俺たちの通ってる夜桜中学の一番の才女だ。そして、努力家だ。
「…頑張ってね、楓。」
…!
「約束したでしょ?楓達みたいに個性で悩んでる人達を助けるって。その為にヒーローになるって。」
「…ああ。」
まだ、俺はスタートラインに立ててない。
「アタシも楓も筋肉はつかなかったけど…、筋力はついた!頑張ってる!だから…気持ちで負けんなよ!!」
栞…。
「ああ…!」
「遅れるぞ!はよ行け!」
「ワン!!!」
フフッ、くろまめまで…
「(!1mm楓の口角上がった…!気がする!)」
「じゃあな…!」
…因みに、家を出るときにまた会ってちょっと気まずくなるのはあと1時間後のことだ。
『今日は俺のライヴへようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!』
…説明はプレゼントマイクか…。この雰囲気で大声はれる奴いたらもう尊敬するよ?長くなりそーだな…。
覚悟しとこ。
『入試要項通り!リスナーには10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!!持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!!O.K.!?』
ふーん。俺の会場はAか…。
『演習場には仮想敵を三種多数配置してあり、それぞれポイントを設けてある!!』
…数と配置は不明のまま。よりリアルに近い演習ってことか…。
色々と考えて、話を半分聞き流して*3いると、後方から、威勢の良いイケボが聞こえた。
「プリントには4種の敵が記載されてあります!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」
…話、長ぇ…!
要約すると、「四種の敵ってかいてあるけど違うんですかー?」ってことでしょ?
しかも質問のついでーみたいな感じであの男子を公開処刑するのは違くね?
『オーケーオーケー受験番号7111くんナイスなお便りサンキューな!四種目の敵は0P!そいつは言わばお邪魔虫!スーパーマリオブラザーズのドッスンみたいなもんさ!各会場に一体!大暴れしているギミックよ!』
…前、ドッスンを死ぬ気で倒そうとしてたな…俺ら。栞に大爆笑されたわ。
「有り難う御座いました失礼致しました!」
そういって、イケボ眼鏡は90度に頭を下げた。
…あ、こいつ真面目だわ。多分真面目馬鹿だわ。なんかそんな気がする。
『俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう。かの英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!更に向こうへ、"Plus Ultra"!!それでは皆、良い受難を!!』
―――――ふう。んじゃ、まあ、ウルトりますか…!
いや、にしても広いな?
なんだ?三大都市圏に雄英加わったたのか?
「ヒョロいしチビだし、あいつ受からなそ~ラッキーww」
「顔は可愛いんだけどなーwだからってあの服装はないわーw」
そう、俺の方をチラチラ見て言う。
…は?天下のウニクロ様だぞ?*4
「出会い目的なのバレバレだっつのw」
…はあ??俺のどこをどうみてそうなるんだ??面倒くせ。
「他人を嘲笑うことしか能が無いなんて…可哀想だねぇ?」
金髪イケメンがそう言った。
良い奴かよ…。でももうすぐで始まるぞ?
「は、はあ?!!俺はただ『ハイスタートー!』…は?」
ぬるっと合図が出され、俺は走り出す。
あれ…合図あるのか…。てっきり敵が急に襲ってくるタイプのを想像してたんだが…。
他の奴はカウントダウンを想像していたのか、急なスタートに動き出せない。
『どうしたあ!?実践じゃカウントダウンなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』
「「えええ!!?」」
他の奴がそんなことをしてる間に俺は敵を見つけていた。
『標的捕捉!!ブッ殺ス!!』
…口悪。そんなとこまでヴィランにしなくても良いのに…。
首の根元にある隙間を狙ってジャンプ&踵落としで一撃。
中が見える所、つまり、分かりやすい弱点を狙って攻撃していく。そして仕留めたら即座に高くジャンプして対空時間内に状況を把握。
ピンチの奴をサポートしつつ、ポイントを稼いだ。
しばらくすると。
ドォォォーン!!!
ん…!0P敵…!!
空中で0P敵を発見した。
想像よりも遙かにデカい…!
「ワァァ!!」
「逃げろー!!」
逃げちゃだめだろ…!ヒーローなら…!
「うぅ…いったぁ」
「!!」
俺は瓦礫に挟まれた透明な女子を見つけた。
近くでは0P敵が暴れているし、恐らく衣服を着ていないし、とても危険だ。
そう判断し、空気を蹴って急降下する。
そして―――――。
「邪魔だよ…!」
恐らくこの敵には弱点はなく、ゴリ押しでしか勝てない。そう判断し、正面から回し蹴りをお見舞いした。
そして瓦礫を退かして、女子を助け出し、俺の着ていたウニクロの動きやすいパーカーを上に羽織らせる。そこで丁度終了の合図が出された。
「大丈夫…?」
「あ、うん!大丈夫!身動きとれなくて焦ってたから、ありがとう!上着も!」
ニコッ!!っと効果音が付きそうなくらい眩しい笑顔が見えた。
因みに、見えるのだ。彼には。説明は後々するとしよう。
「どういたしまして。ポイントも、大丈夫?」
「うん!それなりに稼いでたから!」
「なら、よかった。」
俺が遅れたせいで落ちたとかになったらどうしようかと思った。
「じゃあ、合格出来てたら会おうね!!」
「うん。じゃあね。」
俺は思った。
見えてしまったことは言った方が良かったのか?と。
一週間後
朝、いつもの早朝ランニングの後、ポストを覗くと―――
「ん。なんか入ってる。」
雄英高校から封筒が届いていた。
「え、小さくね?」
不合格だとしても小さすぎる封筒に首をかしげる。
リビングで丁寧に開けると、手のひらサイズの小さな機械が出てくる。
この機械で合否を発表するのか。と一人で納得し、スイッチであろう出っ張りを押してみる。
ブン――
『ネズミなのか犬なのか熊なのか、かくしてその正体は…校長さ!君の結果を発表するよ!敵ポイント80P、これだけでも首席合格なのさ!でも、僕たちが見ていたのはそれだけじゃないのさ!それは審査制の救助活動Pなのさ!救助活動P70P、合計150Pでぶっちぎりの首席合格さ!おめでとう!此処が君のヒーローアカデミアなのさ!』
ブン――
…はあ。色々な情報が流し込まれた気がするが、ぶっちぎりの首席合格…。なんか、大変な事になりそうだ…。
《ピンポーン!》
お。
《ガチャ》
ん?
「おーい!楓!入試の結果どうだったー?!」
ああ。栞か。
「おはよう、栞。合格だってさ、首席合格。」
「わお!奇遇アタシも!推薦入試首席合格!」
推薦入試で、首席…。
「おめでと。」
「ありがと!そっちもね!」
あ、そうだ。
「ねえ、栞。ヒーローコスチュームの要望って士傑届いた?」
「もちろん!」
やっぱり…
「もう考えた?」
「いやー、こういうのは二人で考えた方が捗るっしょ?まだやってないよ!」
!!
「一緒に考えよー!」
「了解。」
大変でも、なんとかやって行けそうだな…!
後書きはできるだけNGシーンや小話にします。
TAKE1
犬「ワン!!」
栞「!あ、くろまめ!」
栞「あ、おは『ワン!!』かえ『ワン!!!!』でwww」
楓「(プルプル)←笑いを堪えている」
監「ハーイ、カットーw!」
栞「すみませーん!!」
TAKE2
犬「ワン!!」
栞「!あ、くろまめ!」
犬「ワン!!(猛ダッシュ)」
栞「あ、ちょ、くろまめェ?!(引っ張られる)」
楓「(プルプル)」
監「ハーイ、カットーww!大丈夫ですかー?」
栞「大丈夫でーす!すみませーん!」
TAKE3
犬「ワン!!」
栞「!あ、くろまめ!」
栞「あ、おはよ!楓!(並走)(犬にまたがるアーニャスタイル)」
楓「おは、よぉ?!」
栞「良い天気だね!(アドリブ)」
楓「あーもう!無理ぃ!www!」
監「ハーイ、カットーww!楓さん笑わないで下さーいw!」
楓「ムリwwツボったwww」