表情筋を鍛えましょう、と言われても。   作:コードネーム:Candle

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地獄の音楽って言ったら大体通じるよね。

――――――春

入学当日。

流石に今日は朝早いので、軽めの早朝ランニングにした。*1

家の仏壇に手を合わせる。

「行ってきます。」

そして玄関に向かう、すると。

「挨拶は済んだ?」

栞がいた。

「え。なんで栞が…」

「アタシは遠いけど、新幹線だからね!」

「そっか。駅まで、一緒に行く?」

「もちろん!」

俺たちは雑談をしながら、駅へ向かった。


 

雄英高校ヒーロー科。

そこは毎年倍率300を超える。

一般入試定員36名。18人ずつで2クラスのみ。

「1-A…ここか。」

スッ。

音を立てずにドアを開ける。

「!おはよう!」

教室に何人かいる。それは、あの入試で質問した真面目な眼鏡だった。

「…おはよう。」

「ぼ…俺は飯田天哉だ。よろしく。」

飯田天哉…。ふーん。

「…俺は雫月楓(しづきかえで)。よろしく。」

「雫月くんか!」

「私は蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。」

…。雄英って距離近いな。

「善処する。」

俺の席は…。うわ、二の川までしかない…。左から二列目の一番前か…。

 

ガラッ!

…う~わ。いかにも不良って感じの人だ~。

不良くんは自分の席に座った。机に足をかけて。

飯田は雷に打たれたかのように驚いたかと思うと、ロボットのように不良くんの近くへと寄った。

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の制作者方に申し訳ないと思わないか!?」

…その考え方は特殊じゃないの?

「思わねーよ!てめーどこ中だよ端役が!」

そこで緑のもさもさ頭の男子が扉を開けた。

彼は絶望した表情を浮かべた。

俺は真面目と不良は相性が悪いことを改めて実感した。

「ぼ…俺は私立聡明中学出身飯田天哉だ。」

「聡明~~~!?クソエリートじゃねえか。ブッ殺し甲斐がありそうだな!」

…どこじゃそれ。まあ話の流れ的にめちゃ良いとこだってのは分かった。

「君ひどいな!本当にヒーロー志望か!?」

そして飯田は緑髪に気付き、スス…と寄って出身中学と名前を言おうとする。

が、緑髪は当然聴いていたようで飯田の自己紹介を遮って自己紹介をした。

緑谷っていうのか。髪も緑で覚えやすいな。

「緑谷くん…君はあの実技試験の構造に気付いていたのだな。」

…構造?

「俺は気付けなかった…!!君を見誤っていたよ!!悔しいが君の方が上手だったようだ!」

「(気付いてなかったよ!?)」

「デク……」

教室がシーンとして緑谷を見る。だが俺は気になったことがある。

「救助活動Pは気付いてたら、唯のいい人アピール。気付いてない方が良い。」

俺はそう思った。構造に気付いて、「ここで人助けしたらPもらえるだろうな」って救助したら腹黒くて安心できない。

そもそも雄英が最終目標じゃなくてヒーローになって人を安心させることが最終目標なんだから。

「…!!確かにそうだな!すまない!緑谷くん!」

「いや、いいよ。僕は元々気付いてなかったし…。」

するとほんわか系女子が顔を出す。

「あ!そのモサモサ頭は!!」

すると緑谷が面白いほどビクってした。

「地味めの!!」

いや、ズバッと言うな、意外と。

「プレゼント・マイクの言ってた通り受かったんだね!!そりゃそうだ!!パンチ凄かったもん!!」

「いや!あのっ…!本っ当あなたの直談判のおかげで…ぼくは…その……

「へ?なんで知ってんの?」

パンチだとか直談判だとか入試でなにをやったんだろうかあの人達は…。

「今日って式とかガイダンスだけかな?先生ってどんな人だろうね、緊張するよね。」

…!芋虫…っぽい人!?

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」

そう言って芋虫さんはonゼリーを一気飲みした。

 

(((なんか!!!いるぅぅ!!!)))

 

「ハイ。静かになるまで8秒かかりました。君たちは合理性に欠くね。担任の相澤消太だ。よろしくね。」

(((担任!!?)))

「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ。」

机の横にあるコレか…。

「分かりました。」

皆が混乱している間に俺は一番で教室を出た。

…因みに無表情で、且つクールな振る舞いのため、勘違いされやすいが、雫月の心情は

 

(入学式の長い話無くなってラッキー)

 

……だった。


 

 

「「「個性把握…テストォ!?」」」

「入学式は!?ガイダンスは!?」

当然の疑問を麗日は投げる。

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は“自由”な校風が売り文句。そしてそれは“先生側”もまた然り。」

ああ。そういうことね。なんとなく察した。

「中学の頃からやってるだろ?“個性”禁止の体力テスト。爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった。」

「67m」

いや凄。平均余裕で超えてるじゃん。さては体力優良児として表彰状貰ってるタイプだな?まあ俺もだけど。

「じゃあ、個性を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっきりな。」

「んじゃまぁ…」

 

「死ねえ!!!」

 

(((………………死ね?)))

わぁお。口悪ー。入試のロボかよ。

「まず自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

相澤先生の手にある機械に705.2mと映されていた。

「なんだこれ!!すげー面白そう!」

「705mってマジかよ!」

「個性思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」

…面白そう、ね。

「………面白そう…か」

あ、地雷踏んだ。

「ヒーローになる為の三年間そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

「!?」

「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう。」

「「「はあああ!?」」」

「生徒の如何は先生の“自由”。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

「最下位除籍って…!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」

理不尽…?

「当たり前でしょ。ヒーローになるんだから。」

「雫月くん…?」

「そうだ。自然災害、大事故、身勝手な敵たち…いつどこから来るか分からない厄災。日本は理不尽にまみれてる。そういう理不尽(ピンチ)を覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったらお生憎。これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。PLUS ULTRA。全力で乗り越えてこい。さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ。」

相澤の言葉に全員が気合いを入れ、個性把握テストが始まった。

 

▷第1種目:50m走

 

『START!!』

俺は、普通にクラウチングスタートをして走る。

『2秒00!!』

2秒きれなかったか。

 

▷第2種目:握力

 

ミシ…

え?

壊れないように加減していたにも関わらず嫌な音を立てた測定器に驚いた俺は力加減を誤ってしまった。

 

ミシミシ…ベキィ…

 

「えっと…?」

不安になり先生を見たら、先生はハァ、とため息をついて言った。

「測定不能で良い。右手も測らなくて良い。何度も機械を壊されるのは合理的じゃない。」

…何故また壊す前提?

 

▷第3種目:立ち幅跳び

 

よっと…。

空気を蹴って宙に浮く。

「「「飛んだァ!!?」」」

「オイ雫月、これはいつまで続けられる?」

「足を小さく動かして、空気を蹴っているので、実質体力が尽きるまでです。」

「…そうか。」

 

測定不能。

 

▷第4種目:反復横跳び

 

これはただただ素早く動いた。

『120回。』

「「「!!?」」」

 

▷第5種目:ソフトボール投げ

 

「セイ!!」

麗日が麗か~に投げる。

ふわ~っと空に飛んでいくあたり、浮かせる系の個性なんだろう。

『∞』

「∞!!?すげえ!!∞が出たぞーーー!!!」

∞か…。まあこの種目は麗日の独壇場だろう。

でもこれは俺も一番得意…。

『1546m』

(((…もう驚かん)))

小学生の頃、野球チームに入ってたから、ソフトボール投げは得意だし好きだ。

そしてしばらく後のモサモサ頭改め、緑谷の番。

いきなり皆がざわざわし出した。

「緑谷くんはこのままだとまずいぞ…?」

「ったりめーだ!無個性の雑魚だぞ!」

「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」

「は?」

…無個性は雑魚って決めつけないで欲しいな…。

でも、無個性なら何故入試で落とされなかった?

周りのサポートか、武器の扱いが上手いか、…いや違うな。

一番可能性が高いのは…救助活動P。

そして緑谷は投げた。

「!?」

そして俺は見た。見えた。

彼の、緑谷の右手が一瞬緑色に発光した所を。

「46m」

…へえ。これが…相澤先生の、いや、イレイザーヘッドの個性【抹消】か…。

抹消を使うということは、毬栗頭の爆発君、たしか爆豪ってやつの言っていた【無個性】っていうのは間違いだってことか。

そして緑谷が相澤の捕縛布で縛り上げられる。

なんか話してる。

聞こうと思えば聞けるけど、それは盗聴以外のなにものでもないので止めておく。

そして緑谷の2回目のチャレンジ。

「SMASH!!!」

…わお。力を指先の一点に集中させたのか…。

自滅覚悟の大技ってことか。それにしてもSMASHって…。オールマイトリスペクトかな?

でもなんで、個性の扱いがあんな下手なんだ?個性は身体機能の一部なのに。

疑問を残しつつも大混戦のソフトボール投げは終わった。

 

▷第6種目:長座体前屈

 

『90cm』

…これは身長のせいだし、しかたない。

(((ちょっと普通…?)))

 

▷第7種目:上体起こし

 

『103回』

よし!100超えた!

(((あ、異常に戻った。)))

 

▷第8種目:持久走

 

『1分2秒』

もうちょいで1分きれるのに…。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

全種目が終了した。

全員目を丸くしているのが分かる。

無理もない。だって傍から見たら個性無しの生身で走って、大記録たたき出し続けるヤベー奴だから。

俺だってその状況なら驚く。表情にはでないけど。

俊足ポジションの座を引きずり下ろされた、否、たたき落とされた飯田はポカン…とはしてなかったけど、とても驚いている。

緑谷はブツブツしだし、爆豪はにやりと…いや怖っ!

また、大記録を出し、無表情を崩さないイケメンである雫月をみて、物凄い怨念の籠もった瞳で睨む小さな葡萄もいた。誰とは言わないが。

「んじゃ、パパッと結果発表。ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

そう言って相澤はハッと不気味に笑う。

 

「「「はーーーーーーー!!!!??」」」

 

飯田、麗日、緑谷を筆頭にクラスのほとんど人がそう叫ぶ。

まあ、合理的っていうのは認めるけど、俺は察した。

(ウソじゃなかった。)

因みに勿論一位は俺だった。

そんなこんなで入学初日の個性把握テストは終了した。

マジで初日からこんなフルスロットルで大丈夫か?友達できるかな???

そんな杞憂を残して。

*1
雄英は静岡。俺が住んでいるのが群馬。




すみません!早々に小話系ぶった切って質問します!
他の登場人物の心の声には()をつけているのですが、楓も必要でしょうか?
閲覧数少ないのもまだ見てくれている人も少ないというのは百も承知なのですが、
よければ教えて下さい!できれば感想もください!
最初なので原作ととても似ているのですが頑張っていきます!
学生で投稿頻度もめちゃ低ですが、ちょいちょい投稿していくので、
これから応援宜しくお願いします!
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