伝説級スライムのぶらり旅    作:抹っ茶

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森のスラミィ編、完結です。


➖エピローグ➖

ドワーフ襲撃事件から一週間後……

集落の復興も進み、普段の生活に戻り始めたエルフの里に、ある知らせが届いた。

 

『ノアの森』から、女王陛下がやってくるとゆうのだ。

 

ノアの森は、人を一切寄り付かせない深く広い森である。

森の中枢には世界樹がそびえ立ち、その(ふもと)にエルフ達の国があるとされている。

今回、ドワーフ襲撃の一件で女王が直々に訪問し、事件の詳細を聞きにくるそうだ。

 

・ ・ ・

 

フローラ「…お久しぶりです、御母様」

 

女王「フローラ……アナタも無事でなによりです」

 

フローラに母と呼ばれた女性は、フローラと殆ど歳の差を感じさせない、美しい、ロングヘアの女性だ。

 

彼女の名は『アメリア・エメラルド』。

 

幾つも点在するエルフの集落では、神のように崇められている女王様だ。

 

フローラは彼女の実の娘なのだ。

 

 

▽ ▽ ▽

 

 

アメリア「……では、ドワーフ達と和解したのですね?」

 

フローラ「はい……彼らも納得してくれました」

 

アメリアはフローラから事件の詳細を聞いた。

ドワーフ達の襲撃とその理由……そして自分達に協力してくれた人間達の事を。

 

アメリア「そうですか。()き人達に会えましたね」

 

フローラ「はい。御母様の教え通り、他の種族と分かり合えるのは素晴らしいものですね」

 

アメリア「それにしても、〈大地の戦斧〉ですか……すでに失われた宝を利用するなんて……」

 

フローラ「その事なのですが、大地の戦斧は彼らのもとに無事戻りました」

 

アメリア「……え?」

 

フローラは、冒険者達が連れていたスライムから大地の戦斧が出てきた事と、スライムの特徴を話した。

そして、スライムがアメリアの名を知っていた事も……。

 

アメリア「……そう……ですか……」

 

それを聞いたアメリアは、遠くの……青く澄み渡る大空に目を向けた。

 

アメリア(…アクアマリン……)

 

アメリアは嘗ての友人……種族の隔たりを越えて分かり合える事を教えてくれた友人の、懐かしい記憶を思い出した。

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽

 

一方、ドワーフの里にて……

 

 

「ぶぁっかもーーーんっ!!」

 

帰還したガレインとドワーフ達を怒鳴りつける長老の声が里に響き渡る。

 

長老「だぁぁからあれほど一時の感情で動くなと言ったではないかぁぁぁっ!!挙句の果てに悪魔どもに利用されおって、一族の名に泥を塗るとわっ‼︎」

 

ガレイン「…も、申し訳ない……長老様…」

 

普段気の強いガレインも、今回ばかりは長老の前では頭が上がらなかった。

悪魔に加担し、友好を保ってきたエルフ達を攻撃してしまった責任がある。

そして何より……“彼女”の前である。

 

少女?「爺や、もうそのへんでよい」

 

長老「で、ですが陛下……」

 

少女?「妾はよいと言ったのじゃ。年のせいで耳が遠くなったのかえ?」

 

長老「…わ、わかりました」

 

 

褐色の肌に黒いショートヘア、布面積の少なめな服を纏ったスマートな少女。

 

 

名は『シャルル・ルビー』、ドワーフの女王である。

 

ドワーフの中で唯一、数百年の時を変わらぬ姿で生きてきた女王だ。

 

シャルル「……で?大地の戦斧が見つかったのは本当に本当かの?」

 

ガレイン「は、はい!こちらに」

 

ガレインの後ろには、二人のドワーフに担がれた大地の戦斧があった。

 

シャルル「…ふむふむ、確かに本物じゃな。それで、どこにあった?」

 

ガレイン「はい……じつは旅人が連れていた珍しいスライムから出てきました」

 

シャルル「……スライム?もしかしてもしかしたら…そのスライムは、水色で言葉を喋っておらんかったか?」

 

ガレイン「はい……え?」

 

シャルルはガレインの反応を見て確信をもった。

 

シャルル「……アッハハハハ!そうかそうか、あの時か!大方、寝とる間に間違って取り込んだとゆうところかのぅ……ハハハハ…」

 

長老「? 陛下?」

 

「「⁇⁇」」

 

突然笑い出したシャルルに、一同はただ困惑するのみだった……。

 

 

 

 

 

 

シャルル(アクアマリン……元気でやっておるようじゃな……久しぶりに、アメリアと昔の話をしに行こうかの?)

 

☆ ☆ ☆

 

スラミィは夢を見る……

 

かつての仲間達との、懐かしい日々の夢を……

 

『はぁ⁈大地の戦斧が消えたぁ⁉︎』

 

怒ると少し口うるさい……けれど母のように皆を気遣ってくれるドラゴニュートの女性。

 

『ア、アハハハ……チョイと出掛けておったら無くなっておったわ……』

少し雑な所のある、困った性格のドワーフの少女。

 

『ルビー……わるい子……?』

 

『そ、そんな事よりも早く探さなきゃ……ひゃん⁈』どんっガラガラガラ……

 

いつもマイペースで口数が少ないラミアと、

 

動くたびにトラブルを起こす近眼のサキュバス。

 

『うわっ!何やってんだトパーズ⁉︎』

 

『何も無い所でつまづくとは、最早才能じゃのう』

 

『メ、メガネが〜……』

 

 

『おはようございます…あらあら、何の騒ぎですの?』

 

そして、優しい笑顔を絶やさないエルフの女性。

 

『……ふぁ〜……みんなおはよぉー……』

 

そんな彼女達と自分が過ごした日々が、今も色褪せず夢に見る……。

 

『おはようって……もうすでに昼過ぎだぞ?お前ら』

 

『アクアマリン……エメラルド……おそよう……』

 

『お、おそようございますアクアマリンさん!エメラルドさん!』

 

『まぁ、アクアマリンの寝坊助は今に始まった事ではないがのぅ……ときにエメラルド、昨夜はアクアマリンと寝ておったのか?』

 

『フフフ、とても(抱き枕として)気持ち良かったわ♡』

 

『おいおい……色々と誤解するような言い回しするなよ』

 

『……zzz…』

 

『『って、また寝るのかアクアマリン⁈』』

 

 

懐かしい、あの頃……

 

もう戻らない過去……

 

かつて、自分が『メノア・アクアマリン』と呼ばれていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大魔王軍の将だった時の記憶……。

 

 

☆☆☆

 

(( ^ω^ ))..zzzZZ..

 

マリア「ふふ、スラミィちゃんもアイシャさんも幸せそう……」

 

リリム「楽しい夢でも見てるんでしょうか?」

 

アイシャ「……ふにゃ…わたしがおひめしゃま〜……」

 

リリム「……ほんとに楽しそう…」

 

マリア「あ、あはは……」

 

 

 

もう過去は戻らない……しかし、スラミィはそれを決して不幸には思っていない。

 

今も昔も変わらず、良い仲間に恵まれているから……。




とりあえずここまでです。
またネタが固まり次第執筆していきます。

読んでいただき、ありがとうございます!

#ちなみに魔王と大魔王とは(直接の)繋がりはありません#
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