仮面ライダーギーツ グロウハート   作:熊0803

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覚醒Ⅵ:疑問

 

 

 

 しばらくの時を置き、ゲーム(たたかい)は再開される。

 

 

 

 今、テレビには三つの場所が映り出している。始まるまでの合間(ハーフタイム)に弄っていたら、そうできるようになった。

 

 

 

『ジャッ、ジャッ、ジャッ!』

『キャーッ!?』

『ば、化け物ぉ!?』

 

 

 

 平穏を謳歌していた人間達の前に、再び現れるトランプジャマト。

 赤い帳──〝ジャマーエリア〟とやらの各所に出現し、人間の番(えもの)を捕らえんと奮起している。

 

 人間達は数で言えば利があるにも関わらず、同族から逃げるばかり。

 正直言って退屈だ。怯えや恐れは彼の興味の対象にはなり得ない。

 知りたいのは、人間が持つ〝ギラギラ〟だけ。

 

 

 

『大丈夫ですか!?』

 

 

 

 来た。ギラギラを放つ者達が。

 戦場に駆けつける六人の戦士。思わず椅子から腰が浮きかけるのを抑える。

 

 

 

(──次は、どこまでやれる?)

 

 

 

《 SET! 》

 

 

 

 うち一つ、景和と道長の二人組(デュオ)がそれぞれドライバーにバックルをセットする。

 手首で拳を捻り交差させ、腕を前に掲げた彼らは声高にあの言葉を宣言した。

 

「「変身!」」

 

 

 

〔 Armed Arrow 〕 ▶︎▶︎▶︎

       《 Ready...Fight! 》

 

 

 

《 Z.O.M.B.I.E...! 》 ▶︎▶︎▶︎

       《 Ready...Fight! 》

 

 

 

 そうして変身を完了した。バッファ(牛面)は前回と異なり、森の時にも見た装備へ変わっているようだ。

 

『フン』

『あ、ちょっ!』

 

 悠然と歩み始めるバッファを、タイクーンが追いかける。相変わらず足並みは揃っていないらしい。

 その横の画面ではメリー(羊面)パンクジャック(熊面)デュオが戦闘を開始している。

 

 この二組はどちらも、前回と同じく闇雲にトランプジャマトへ攻撃を加えていった。

 それでは駄目だ。今回の戦い(ゲーム)にはひとつのカラクリが存在する。気付かない限り先へは進めない。

 

 最後に英寿と袮音のペアが駆けつけた、最も多くの同族がいる戦場を確かめてみる。

 さて、この二人はどうだろうか? 

 

 

 

『〝神経衰弱ゲーム〟の攻略法と言えば、ただ一つ』

『同じ柄のジャマトを、二体同時に倒すこと!』

 

 

 

「……!」

 

 まさか。軽い驚きを感じながら、食い入るように注視する。

 

『へーんしん!』

『変身』

 

 

 

〔 Armed Claw 〕 ▶︎▶︎▶︎

       《 Ready...Fight! 》

 

 

 

《 M.A.G.N.U.M 》▶︎▶︎▶︎

       《 Ready...Fight! 》

 

 

 

『さあ、開幕からハイライトだ』

『オッケー! それじゃあ、ミュージックスタート♪』

 

 初めて見る武装を装着したナーゴが、取り出した箱型の物体の一部を押す。

 すると、戦場には不釣り合いに思える軽快な音が流れ出した。最近知ったことだが、この音の連なりは〝音楽(おんがく)〟と言うらしい。

 音楽に合わせ、体を振るナーゴ。その隣でギーツ(狐面)が動き出した。

 

 

 

 

 両腕の一部が展開し、装甲から二つの銃口が現れる。

 胸の前で腕を構え、飛び出していくギーツにトランプジャマト達が槍を構えた。

 

『フッ!』

『ジャァッ!?』

『ジャ〜っ!?』

 

 しかし、そんな警戒は無意味と言わんばかりに飛び出した弾丸は彼らの姿勢を大きく崩した。

 

『いけいけ! 英寿様〜!』

『ハァッ!』

 

 間髪入れず振るわれるマグナムシューター。

 手の中で独楽(こま)の如く回転しながら銃弾をばら撒き、ジャマト達の胸や頭部に吸い込まれていく。

 

 倒れていくジャマトの体から浮き上がるシンボル。ギーツはそれを一つも余さず見極め。

 

『──見切った』

 

 取り出したるは、真紅のバックル。

 立ち上がりかけているトランプジャマト達へ一直線に走り出しながら、ドライバーの左側へ装着した。

 

 

 

《 SET! 》

 

 

 

《 Dual On 》

 

 

 

 赤のバックル──〝ブーストバックル〟のハンドルが、勢いをつけて捻られる。

 

 

 

《 Get Ready For! 》

 

 

 

《 M.A.G.N.U.M 》▶︎▶︎▶︎

          《 & 》

             ◀︎◀︎◀︎《 B.O.O.S.T! 》

 

 

 

       《 Ready...Fight! 》

 

 

 

 形作られた装甲がギーツの下半身へ吸い込まれるよう装着され、足首の噴射口(マフラー)から火炎が迸る。

 

『ふっ!』

『ジャッ!』

『ジャァッ!?』

 

 地面の上を滑走しながら、二体のトランプジャマトに色玉が投げつけられる。

 弾けた塗料が白い頭部を塗りたくり、ジャマト達の隙間を縫うように抜け出したギーツはデュオに叫んだ。

 

『ナーゴ! その二体がターゲットだ!』

『オッケー! ハァーッ、ヤァッ!』

『ジャァーッ!?』

 

 待ってましたと言わんばかりの爪撃が、飛びかかったナーゴより放たれる。

 

 

 

 そのまま二人は残るトランプジャマトを無視し、狙いを定めた個体をそれぞれ引き離して攻撃を加えた。

 トランプジャマト達は必死に応戦するが、ギーツ、ナーゴ両名共に巧みな動きで翻弄し、自らのペースに巻き込む。

 なす術なく、兵隊は戦士の猛攻に耐えきれず圧倒された。

 

『フッ!』

『ハァーッ!』

 

 反撃もままならなくなった頃合い、突然互いに向けて戦士達が走り出す。

 しなやかな動きでナーゴが飛び上がれば、その下をギーツが潜り抜けて位置を入れ替える。

 

『ハァッ!!』

『ヤァッ!』

 

 狼狽えて反応が遅れるトランプジャマト。そこへ相手を交代したギーツ達のキックが放たれる。

 ダメージが蓄積していたためかモロに食らい、地面に転がってしまった。

 

『よしっ!』

『フッ』

 

 

 

《 RIFLE 》▶︎▶︎▶︎

 

 

 

 ついに、最後の一撃の時がやってきた。

 

 ナーゴがバックルを操作し、マグナムシューターの銃身を変形させたギーツはバックルを装填する。

 

 

 

《 M.A.G.N.U.M 》▶︎▶︎▶︎

 

 

 

『ナーゴ、タイミングを合わせてフィニッシュだ』

『ふふん♪』

 

 さながらトランプジャマト達へ贈られる餞のように鳴り止まぬ音楽。

 

 二人の執行人は油断なく、しかし余裕を携え──次の瞬間に地を蹴り、引き金を引いた。

 

『ハァッ!』

『ニャーッ!』

 

 

 

《 M.A.G.N.M TACTICAL BLAST 》

 

 

 

〔 Claw ▶︎ STRIKE 〕

 

 

 

 解放されるごくふとの一弾。空を切り裂く交差した一閃。

 

 

 

『『ジャーッ!!?』』

 

 

 

 必殺の攻撃を受けたトランプジャマトは紋章を浮かび上がらせ──跡形もなく爆散した。

 

 舞い散るトランプの紙吹雪。

 彼らの健闘を称えるかに思えるそれだけが残り、二度と兵隊が蘇ることはない。

 

 

 

《 SCORE UP 》

 

 

 

 抑揚のない勧告(アナウンス)が、勝敗を確定させるのであった。

 

「……アオスオズピキョ(素晴らしい)

 

 見事な戦いぶりだった。

 いつの間にか画面近くまで近づけた顔を戻しながら、満足げに息をつく。

 

 やはりあの狐面は、賢さも強さも頭ひとつ抜けている。まさかこうも早く見抜くとは、非常に見応えがあった。

 

 

 

 他の戦場はどうなっただろうか。

 既に同族はいない。悔しがる戦士達を見るにまた取り逃したようだ。

 

 それを最後に砂嵐が入る。第二幕の結果は狐面、猫面デュオのリード、といったところだろう。

 ジャマト陣営(こちら側)が減った分の帳尻を合わせるため、侵攻部隊が再編される。第三幕までは先刻以上の合間を開けることが予想された。

 

 

 

(また、しばらくの退屈だ)

 

 

 

 冷めた息を漏らしながら、ふと思う。

 今回の戦いを見るに、もしかすると生まれながらに力を持つジャマトとは異なり、人間は大半が戦う力を持たないのではないだろうか。

 そして戦士は人間の中でも稀有な存在らしい。街に出た時も珍しげな目で見られたことを思い出す。

 

 戦士自体にも随分と個体差がある。狐面のように強い者もいれば、自分が手にかけたあの少年のような弱い者も。

 ひょっとすると、戦士とは元はただの人間で、何らかの理由で戦士になった可能性も……? 

 

 

 

(何が、人間を戦士にする?)

 

 

 

 ……考えられるのは、やはり〝ギラギラ〟か。

 では、どうして〝ギラギラ〟があれば戦士になるのか。願望とは、力が無い者まで自分達と戦うほどのものなのだろうか。

 

 

 

 疑問が尽きない。一つ見つければ二つになり、二つが三つになる。

 もっと、もっと知りたくなってくる。戦士を、願望を、人間を。

 

 しかし残念なことに、今ある本はほとんど読み尽くしてしまった。一度理解すればいい以上、もう一度読む意味もない。

 〝カシダシキゲン〟とやらもある。もう一度街に行って、〝図書館〟で別の本を見つけたい。

 

 だが、その為には〝双葉〟と会う必要がある。

 

 

 

(あの人間ならば、知っているだろうか。人にとって〝ギラギラ〟が何なのか)

 

 

 

 文字と同じように教えてくれるとは限らない。この姿を見せてはいないが、薄々正体には気がついていた。

 

 

 

 ……ともあれ、今はゲームだ。

 

 

 

 早く。早く、また始まらないだろうか。

 

 

 

 音を立てる画面を、じっと見つめ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 ●◯●

 

 

 

 

 

 

 

 どれほどが経ったのだろう。

 

 

 

 第三幕は前触れなく始まった。唐突に画面が映り出し、緩んだ意識が引き締まる。

 

 今度はどこかの娯楽施設のようだ。

 構図は同じだ。少し数を減らしたトランプジャマトが現れ、人々が混乱の渦に巻き込まれる。今度は一箇所に、一挙に攻め込んだ。

 

 そこに仮面ライダーが現れるのだ。

 

『ジャッジャッジャッ!』

『ニャーッ!』

『ジャッ!?』

『もーっ、デートの邪魔なんて世界一悪いことだよ!?』

『──ここから先へは行かせない』

 

 ギーツ・ナーゴは今回も見ものだ。もはや倒されるかもしれない同族より、どんなものを披露してくれるのかの方が楽しみになっている。

 

 残る二つのペアも奮闘して欲しいところだが……

 

『よっし、ブースバックルがある限り、俺達の勝ちは決まったようなもんだな! ハーッハッハッ!』

『…………』

 

「……!」

 

 すぐ、違和に気がつく。

 

 組み合わせが異なっている。熊面と組んでいたはずのメリー(羊面)がバッファと一緒に、タイクーンが熊面といる。

 同じトランプジャマトを挟んだ二組の雰囲気は、画面越しにも険悪そのもの。

 

『よっしゃ! そりゃ〜!』

 

 そうしているうち、メリーが飛び出す。

 トランプジャマトの一体が機敏に応戦し、槍を突き出すがメリーは球状の物体に鎖がついた武器を巧みに操って距離を維持した。

 

 ぐるりぐるりと回転する武器にジャマトは困惑し、そこへメリーが足を用いて蹴り出した一撃に当たってしまう。

 

『ジャーッ!?』

『へっへっへっ』

『…………』

『っと、おい! どうした青年!?』

 

 バッファが動かない。

 ギーツが持っていたはずの赤いバックルを手に、じっとメリーが戦うのを見ている。まるで何かを待っているように。

 

『ジャーッ! ジャッ!』

『ふっ! まだ負けとッ、くっ!?』

『ジャジャッ!』

『決まったわけじゃ、ないっ!』

 

 タイクーンも応戦している。熊面もバッファと同様に動きが鈍いが、いくらか協調している分マシだろうか。

 この事態は予想していなかった。戦いの行方がどうなるのか、ひと時も目が離せない。

 

『ソリャッ! おいっ、突っ立ってないで早く戦え!』

『……ああ』

 

 そのうち、痺れを切らしたメリーが剣呑にバッファへ呼びかけた。

 

 ようやく返事をしたバッファは、戦い続ける三者を見ながらゆっくりと大爪に包まれた左手を動かした。

 何かをする。静かだが異様な雰囲気に、そう直感が囁いた。

 

 

 

《 SET! 》

 

 

 

 装着されるバックル。

 バッファの手によりゾンビバックルのスイッチが操作され、続けてブーストバックルが点火された。 

 

 

 

《 Dual On 》

 

 

 

《 Z.O.M.B.I.E...! 》 ▶︎▶︎▶︎

          《 & 》

             ◀︎◀︎◀︎《 B.O.O.S.T! 》

 

 

 

『ハッ!!』

 

 変身早々、バッファは猛突する。

 

 重撃が頭部に吸い込まれそうであったトランプジャマトを、なんとメリーの眼前から掻っ攫っていった!

 

『っ!?』

 

 狙いが外れ、地面にめり込む鉄球。事態の急変に目を見張る。

 

『待てよ!? それは俺の獲物だ!』

『ハアァアアッ!!』

 

 しかし彼が構うことはない。

 火花を散らして引きずっていき、十分にダメージを与えたところで投げ飛ばした。

 

『ジャ〜ッ! ジャッ、ジャァ……』

 

 流石に堪えたのだろう、悶絶するトランプジャマト。

 それは奇しくも、ちょうどタイクーンが熊面と協力してもう一方を行動困難にしたタイミングだった。

 

『っ……!』

 

 機を逃すまいと、タイクーンは急いでバックルを操作して大きな一撃の体勢に入る。

 バッファもまた、ドライバーの右側にある突起を押し込み、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

《 REVOLVE ON 》

 

 

 

 宙に浮き上がる体。

 鎧の一部が分離し、体がバラバラに解けながらぐるりと回ったかと思えば、装甲の上下が入れ替わっていった。

 

 

 

 再びの変身、否、変形が完了して着地するバッファ。

 間髪入れず、バックルを両方とも操作する。

 

 

 

《 BOOST TIME 》

 

 

 

《 〝BOOSTRIKER〟 》

 

 

 

『ハッ!』

 

 何処からともなく嘶きを上げて現れる真紅の獣。バッファはその背に飛び乗り、ジャマトに肉薄。

 

『ハァアアー……!』

 

 タイクーンの構えたレイズアローにエネルギーが収束し、狙いが定められ。

 

『ハァッ!!!』

『ハァアアァーッ!!』

 

 

 

Z.O.M.B.I.E▶︎GRAND VICTORY◀︎B.O.O.S.T

 

 

 

〔 Arrow ▶︎ STRIKE 〕

 

 

 

 それぞれがトランプジャマトを仕留める。

 

 バッファの火炎迸る容赦なき一撃が。タイクーンの何者をも貫く緑の一矢が。

 

 トランプが舞い散り、それぞれの体からくっきりと同じシンボルが現れ──その一瞬だけ、世界が止まったかのように錯覚した。

 

 気の遠くなるような刹那。まさにそう呼ぶべき長い長い瞬間が、終わる。

 

『ジャッ』

『ジャ〜ッ!!』

 

 弾ける爆音。四散するジャマト。

 跡形もなく撃破された後に残るのは、凄絶な一撃の残滓である炎だけ。

 

 

 

《 SCORE UP 》

 

 

 

 最後に、祝福の言葉が締めくくった。

 

『倒せ、た……?』

『…………』

『何がどうなってんだ……!?』

 

 しかし、見事な勝利とは裏腹に、場は不思議な沈黙と困惑で支配されていた。

 そう。今回は定められた二人の戦士が、同時に同族を倒さなければ撃破はできないはず。彼も画面の前で不思議そうに首を傾げた。

 

 

 

『──デュオ交代のお知らせです!』

 

 

 

 全員の疑問を切り裂いたのは、一つの声。

 

 戦場に一人が踏み入る。

 戦士ともジャマトとも違う、その場には一見不釣り合いにも見える女だ。

 

 白黒の案内人(ナビゲーター)、ツムリはライダー達の視線を受けながら、なお平然と笑っていた。

 

『はぁ?』

『えっ……?』

『先ほど吾妻道長様がくじ引きし、バッファ、タイクーンのデュオが決まりました』

『はぁあ〜っ!?』

『っ、なんで……?』

 

 どうやら、バッファが何かをしてまた組み合わせが変わっていた、ということらしい。

 誰もが知らなかったことのようで、また一つ予想を裏切られた形となる。

 

『もしかして、俺を助けてくれたの……?』

『勘違いするな。たまたま引いたのがお前だっただけだ』

『……あぁ、あぁ……たまたま……』

『パートナーなんて誰でもよかった。ただ……』

 

 メリーを見やるバッファ。

 仮面をしていてもわかる。その眼差しには軽蔑と軽視、そしてどこか、怒りも宿っている。

 

『あんなやつは残しても厄介。排除すべきと思っただけだ』

『おい……! 裏切りやがったな……!? ブーストバックルを返せっ!』

『──()()()()()()()()()()()()()。それが俺のやり方だ』

 

 詰め寄るメリーの圧など意にも介さず、吐き捨てるようにバッファが言い放った。

 

 

 

(……勝つためならば、何をしてでも)

 

 

 

 その一言を、彼は頭の中で繰り返した。

 

 

 

 

 

 後の戦いは、正直に言えばほとんどが予想通りだった。

 

 

 

 

 

 ギーツ・ナーゴデュオによって残る四体のトランプジャマトも倒されてしまい、今回の侵攻も失敗。

 戦士達の勝利に終わり、全ての同族が倒されたところでぷつりと中継は途絶えた。

 

 体に通う充足感。本から知識を得るのとは異なる、いわば生の感情を感じるのは、最高の体験だ。

 多くの学び。多くの理解。多くの疑問を得られた時間だった。

 

 そして最後に、とても大きな疑問も得た。

 

「…………」

 

 もしや、戦士達は仲間ではないのだろうか。あれではお互いでも争っているかのような口ぶりだ。

 

 なぜ、そんな非合理的なことを。ジャマトも人間も、団結した方が強いはずなのに。

 少ないながらも学んできた彼らの習性の中でも、特に理解が難しい。

 

 

 

(──いや。()()()()()()()()()?)

 

 

 

 これは、ジャマト対人間の世界を賭けた戦いだ。

 そんな戦場で、個体によって異なる〝ギラギラ〟。揃わぬ足並み。

 

 関係が、あるのだとしたら。

 

 

 

(〝ギラギラ〟とは──たとえ、同じ種族を裏切り、欺き、蹴落としてでも手に入れたいほどの、ものなのか?)

 

 

 

 ズクリと。

 

 

 

 胸の奥で、熱が強くなった。

 

 

 

 

 

 

 






読んでいただき、ありがとうございます。
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