仮面ライダーギーツ グロウハート   作:熊0803

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これにて序章はラスト。

楽しんでいただけると嬉しいです。


覚醒F:リスタート

 

 

 

 間も無く世界が終わりを迎える。

 

 

 

 人類か、ジャマトか。

 いずれの勝利にせよ、戦いは終幕を迎えギラギラもひと時の見納めとなるだろう。

 

「……長いようで、短いものだ」

 

 ままならない。まだまだこの胸は満たされてはいないというのに、幕引きはすぐそこまで迫っている。

 こんなことなら、もう少し早く生まれていれば──などと考えてしまう。

 

「……どうしたいのか……か」

 

 ふと反芻するのは、あの少女の言葉。

 

 

 

 思索を続ける傍ら、ずっと考えている。

 

 人と、人の持つ不可解な輝き。それらへの探求が成就した暁に待つのは、いかなるものか。

 

 

 

(……欲し、戦い、時に欺いて、あるいは守ることで得ようとする。見れば見るほど、知りたいことが増えていく)

 

 

 

 目の前に生まれた問いを一つ解いても、また別の問いが湧くだけ。どこまでも底の無い泉のよう。

 今の自分では、とても最後の問いの答えなどわからない。そも、終わりが存在するのかさえも。

 

 

 

 だが人間()の姿を手に入れてから少なくないものを見てきて、一つ知ったことがある。

 

 疑問には必ず、答えがある。至るまでの過程の多さ、違いはそれだけ。

 

 だからいつかは分かるのだろう。

 知ろうとすることをやめず、この渇望と向き合い続ける限りは、きっと。

 

「なら、それまでは……戦うだけだ」

 

 仮初の結論を作り上げ、()()()()を見上げた。

 

 

 

レレスダト(ミツケタ)……!」

 

 

 

 地鳴りのような声と共に、消えたはずの巨人が現れる。

 河川の中に半ば埋もれていた缶を見つけ出し、嬉しそうに体を揺らしながらゆっくりと引き抜いた。

 

 

 

キョトチャケロア(イタダキマス)!」

 

 

 

 そして、自らの生命線でもあるその缶を──丸呑みにした。

 これでもう、易々と戦士達に蹴られることはない。

 

「……準備はできた」

 

 彼もまた、その姿を変える。

 欲する者(にんげん)から奪う者(ジャマト)に。それが、覚悟の証。

 

 

 

 

 

テテウビビポキョテテチャ(これが最後だ)

 

 

 

 

 

 さあ行こう。戦場(そこ)に、答えがあると信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 ●◯●

 

 

 

 

 

 

 閉じるはずだった幕は舞台を広げ、五幕を迎えた。

 

 

 

 

 

 絶望は未だ街に留まり、平穏を踏み躙りなが行進するジャマトは、さながら破滅の使者か。

 

「ジャ……!」

「ジャ、ジャ……」

「ジャ!」

 

 

 

「ジャジャ〜!!」

 

 

 

 同族と肩を並べ、背後には無敵のラスボスを引き連れて。

 一歩、一歩と踏み出しながら、願うのは人間の悲鳴ではなく、恐怖でもない。

 

 

 

(来い。早く現れろ)

 

 

 

 早く、早く──その切実な思いが届いたか、道の向こうに影が二つ。

 

 吾妻道長。鞍馬袮音。たった二人が、目の前に立ちはだかる。

 

「英寿様は?」

「さあな。卵が割れなくて困ってるんじゃないか?」

「そうかなぁ……」

「好都合だ。その隙に終わらせてやる……!」

 

 鋭い眼光を放つ道長に、彼も他のジャマトも奮い立つ。

 

 俄かに場を支配する緊迫。いよいよ最終決戦だ。

 

 破滅か、存続か。この世界の命運がどちらに転ぶか──運命の時。

 

 

 

《 SET! 》

 

 

 

 ライダー達が、取り出したバックルを装填した。

 

「へーんしん!」

「変身!」

 

 

 

〔 Armed Drill 〕▶︎▶︎▶︎

         《 Dual On 》

            ◀︎◀︎◀︎《 Z.O.M.B.I.E...! 》

 

 

 

〔 Armed Propeller 〕

 

 

 

       《 Ready...Fight! 》

 

 

 

「「ハッ!!」」

「「「「「ジャ〜!!!」」」」」」

 

 戦いの火蓋が、ついに切り落とされる。

 

「オラァ!」

「ジャっ!!?」

 

 豪快に右腕のドリルを振り回して、バッファが先鋒のジャマトをねじ伏せる。

 すぐさま三体、四体と後続が群がり、ラスボスに向けて前進しようとするのを押し留めた。

 

「真っ直ぐ、突き破る……! ハッ!!」

「ジャッ!?」

「オリャァアッ!」

 

 頭突きでの体勢崩し、追撃の膝蹴りで目の前の一体が退けられ、連携が崩れる。

 そこを狙い、ゾンビバックル由来の剛力で地を蹴って一気に距離を稼いだ。

 

「ハァッ!」

「「ジャーッ!?」」

 

 ダメ押しと突き出したドリルで他諸弾き飛ばし、開いた道に突撃していく。

 

「ハッ! ヤッ!」

「ジャッ!」

「ジャハーっ!?」

 

 負けじとナーゴがばったばったとジャマトをなぎ倒す。

 握るのは本来飛行用の道具だが、本気で振るえば一角の武器にはなるようだ。

 

「ジャ……!」

「っ! やっ!」

 

 彼はナーゴに仕掛ける。

 猫のような機敏さで察知され、振り向きざまに放たれたプロペラを観察して冷静に避けた。

 

「わっ! このっ!」

「ジャッ!」

「きゃっ!?」

 

 二回、三回と続けざまの攻撃を掻い潜りながら近付き、ついにその腕を掴んだ。

 リーチの長い武器故に間近では使えない弱点を利用し、固まっている間に近くのフェンスめがけて投げ飛ばす。

 

「あうっ!? っ……()()って……!?」

「ジャ〜……!」

「っ、それなら!」

 

 わらわらと押し寄せてくるジャマトに、勢いよく立ったナーゴはプロペラを向ける。

 

 すると一人でに回転を始め、瞬く間に高速となると小柄な体が浮き上がった。

 

「これで、どうだーっ!!」

 

 地面と平行にジャマト達を蹴散らし、一瞬で空へと舞い上がったナーゴを目で追いかける。

 良い策だ。あれならば包囲から抜け出し、尚且つラスボスにも攻撃が届く。

 

「やっ!」

 

 

 

「ジャジャジャ!!」

 

 

 

 予想通り、プロペラをそのまま武器にして攻勢を仕掛け始めた。

 

 ラスボスが針を飛ばして撃墜を試みるも、トリッキーな動きで捉え切れないようだ。

 敵味方問わず降り注ぐ棘雨はジャマトをも容赦なく屠り、追撃よりも退避を余儀なくされる。

 

「ジャ……!」

「ハッ!」

 

 安全圏に回避した時、出遅れまいとバッファが王手をかけんとするのが見えた。

 

 その姿を追いかけて上を見れば、ラスボスを翻弄し続けたナーゴもとどめを試みてバックルのパーツを弾く。

 

 

 

Drill ▶︎GRAND VICTORY◀︎ Z.O.M.B.I.E

 

 

 

〔 Propeller ▶︎ STRIKE 〕

 

 

 

「「勝つのは……()だ──っ!!!」」

 

 渾身の一撃。

 

 全霊で放たれた攻撃は──しかし、無造作に振るわれたラスボスの腕に(はた)き落とされる。

 

「ぐぁああっ!?」

「きゃぁっ!?」

 

 揺れ動くビル。降り注ぐ瓦礫。

 

 落ちてきた二人は倒れ伏し、苦悶の声を漏らした。

 

「ぐっ……!?」

「ううっ……」

「「「ジャ……ジャジャ……」」」

 

 チャンスだ。弱った獲物は、見逃さない。

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

 

 

 

 

 突如、エンジン音が轟いた。

 

「ジャァッ!?」

「ジャジャッ!?」

 

 包囲を狭めていた同族を轢き飛ばし駆けつけた〝朱〟を駆るのは、ハッとするような吊り目の白い狐。

 

 そう、ギーツだ。

 

「フッ! ハァッ!」

「ジャーッ!?」

「ジャッ!!」

 

 颯爽と参戦したギーツはブーストライカーを停めたのも束の間、統制の乱れたこちらに攻撃を仕掛けてくる。

 多彩な動きで次々と同族を仕留める手並みの鮮やかさたるや見事。思わず、ほんの少し見惚れてしまった。

 

「そらッ!」

「ッ……!」

 

 その刹那を読んだように、矛先がこちらにも向く。

 鋭い回し蹴りを咄嗟に自ら後ろに跳躍することで、かろうじて直撃を免れる。

 

「……ジャ……」

 

 掠った両腕が、重く痺れた。

 逆上に足を動かそうとする闘争本能を、ギリギリで抑え込む。

 

 

 

(……あの赤い力は抜きん出ている。正面からはまともに戦えない)

 

 

 

 非力な我が身がもどかしい。

 

 冷静にダメージを分析し、舞い上がった粉塵と瓦礫に紛れて気配を殺す。

 

 

 

 幸いにもギーツの興味はすぐ移ったようで、無謀にも挑んでいく同族を相手取っていた。

 

 その後ろにいる窮地を救われたライダー達の心境、いかなるものか。

 悔しさか。あるいは無力感か……? 

 

「これ以上はやめとけ! あとは俺の卵が孵るのを待って……」

「うるせえっ!」

 

 制止の声を塗り潰して、闘牛が吠えた。

 

「ゾンビってのはなぁ……死にかけてからが、本番なんだよッ!」

 

 

 

《 REVOLVE ON 》

 

 

 

「何度、やられようが……! お、ぉおおっ!」

 

 己の形を変えたバッファが、己を鼓舞するように唸りを上げて立ち上がる。

 

 

 

(何故、まだ立てる)

 

 

 

 ラスボスの攻撃は断じて柔なものではなかった。脆い人間ならば一撃で命を落としてもおかしくはない。

 いかに戦士といえども致命的だったはず。

 

 なのに、どうして諦めない。

 

「俺は戦う! たとえ死んでも……俺は生きる!」

 

 

 

「ジャッ!!」

 

 

 

「くっ!?」

「ぐぁっ!?」 

 

 己にチェーンソーを向けてきた不遜者へ、慈悲なき攻撃が降り注ぐ。

 

 さしものギーツも地を転がり。だが武装の一部が砕けてなお、バッファはその場に立ち続けていた。

 

「う、ぐっ……! 勇気とか……無謀とか、どうでもいい!」

 

 思わず、目を奪われる。

 

 不屈。

 

 肩は揺れ、息も途絶えかけ。

 今にも崩れ落ちそうなのに、そう呼ぶ他ない言葉で、その人間は言う。

 

「俺は負けないッ! それだけだ……ッ!」

 

 

 

(──真っ直ぐだ)

 

 

 

 飾り気のない宣言だった。

 

 しかし不思議なほど、これまで何度もそうだったように激しく胸の内を波打たせる。

 その身体(すべて)がギラギラと輝いているかのようで、もし人の姿であれば瞬きも忘れたろう。 

 

 

 

オヴォリチャ(トドメダ)……!!」

 

 

 

 そんな彼の感動は、あくまで彼だけのもの。

 いくら叩きのめしても消えない目障りな羽虫に、ラスボスがいよいよ七支剣を引き抜いた。

 

 空を裂いて振りかぶられる大剣。

 あれを食らえばひとたまりもあるまいと確信させるだけの、さながら降り注ぐ大壁の如き大質量。

 

 断頭台の刃と錯覚するそれの──

 

 

 

ピアーブ(シネ)!!!」

 

 

 

 次の瞬間、レバーが降ろされる。

 

 刹那。それぞれの眼差しに、違うものが宿った。

 高揚。絶望。諦観、あるいは意地。いずれも行き着く結末は、全て同じもの。

 

「そうだな……それだけだっ!」

 

 たった一人だけを除いては。

 

「っ!?」

「ハァッ!!」

 

 最後の最後まで抗い食らいつこうと、ゾンビブレイカーを剣めがけて振いかけたバッファの前にギーツが割り込む。

 

 あまりに小さな卵が突き出され、大きな火花を散らせた。

 

「起きろ、寝坊助ッ!!!」

 

 誰もが目を見張る中で、彼はいつまでも微睡む卵に叱咤する。

 

 今こそがその時だ、と。

 

「俺はもう、目覚めたぜ……!?」

 

 

 

 

 

 少しずつ、刃が食い込み──眩い光が解き放たれた。

 

 

 

 

 

 世界を染め上げる輝き。粉々に砕け散った破片ごと剣を押し返し、ラスボスさえもたたらを踏むほどの。

 

 やがて閃光が失せ、瞳に色が戻ってくる。

 

 その時、ギーツの手には……見たことのない、小さな獣が収まっていた。

 

 

 

(なんだ、あれは……!?)

 

 

 

 息を呑む間もなく、その獣がなんであるかを理解した戦士がドライバーに装着する。

 

「フッ!」

 

 

 

《 SET! 》

 

 

 

 浮き上がるシンボル。

 

 掲げられる腕が示す、その字名(あざな)は。

 

「ここからが──ハイライトだ」

 

 吸い込まれるような頭のひと叩きを受け──獣が、目を見開く。

 

 

 

M.O.N. S. T. E. R! 》

 

 

 

 打ち合わされる鉄拳。舞い散る星屑。

 

 溢れる野性の具現を纏い、獰猛な姿へと変貌した。

 

 

 

《 Ready.Fight! 》

 

 

 

「英寿様……」

「こんな世界は、一発KOだ!」

 

 

 

 尚も昂らせんと頭を連打され、今一度開眼する。

 

 

 

 低く外側に構えられた拳に星が集まっていく。

 

 

 

 青く、震え、秘めて、高まり……! 

 

 

 

「フッ!」

 

 

 

 鎖が、解かれた。

 

 

 

 

 

《 M.O.N.S.T.E.R ! ▶︎ STRIKE 》

 

 

 

 

 

「ハァッ!!!」

 

 

 

 振り切られるは大物殺し(ジャイアントキリング)

 

 

 

 絶望など何するものぞと噛み砕く大撃がラスボスに打ち込まれ、胸に隠した缶ごと大空に吹き飛ばした。

 

 

 

 その打ち上げや、まさしく圧巻。

 

 

 

 彼も、ライダー達も、ただ見上げることしかできず。

 

 

 

 

 

「ジャ〜〜〜ッッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 断末魔と共に、ラスボスは弾け散った。

 

 

 

《 Mission Clear 》

 

 

 

(…………終わった。完敗だ)

 

 

 

 凄まじい決着だった。これ以上ない、完全なる決着だ。

 

 今回の侵略の最終勝者は人間。そして、あの戦士。

 

「グゥ……」

「おやすみ、モンスター」

 

 戦いを終え、眠りについた獣を撫でている。

 

 圧倒的だった後ろ姿を見て、ぶるりとまだ少しだけ痺れる拳が震えた。

 

「うっ……!」

 

 すると、緊張の糸が途切れたのかバッファだった人間が膝をついた。

 

 その目は自分と同じようにあの背中を見ている。

 

「なんで助けた……!」

「──英才教育」

「は……?」

「負けない気持ち、諦めない心ってやつを教えてもらおうと思ってな。ありがとな?」

「お前ッ!!」

 

 うまく利用されたと知って、道長が掴み掛かる。

 

 憎しみさえ感じさせるその怒気に、勝者は揺らがず淡々と告げた。

 

「負けなければ、いつか勝てる日が来る。いつでも相手になってやるよ」

「……っ! どこまでも気に食わない野郎だ。ギーツ──」

 

 

 

《 Retired...》

 

 

 

 道長が消える。

 

 最後に勝利を手にした戦士以外は、その存在さえ許されないのだろうか。

 

「……負けちゃった」

 

 だとしてもここまで戦い抜いた証を拾い上げる男に、まだ声をかける人間がいた。

 

「負けたくないって気持ちだけじゃ、どうにもならないんだね」

「……自分の理想だけは忘れるな。思い続ける限り、いつか叶う」

「……うん…………そうだね──」

 

 

 

《 Retired...》

 

 

 

 からり。寂しげな音が響いた。

 

 

 

 残ったのは一人のみ。戦場を制した姿が、強く、強く目に焼き付く。

 

 

 

(……負けなければ、勝てる。思えば、叶う)

 

 

 

 どうしてだろうか。これまでは一つ殻を被っていた男の言葉が、少しも曲がらず胸に馴染む。

 

 言葉の通り、男が諦めず勝ったから? 

 

 疑問が尽きるまで学び続けるだけ。自分の結論さえも、肯定された気になったから? 

 

 

 

 

 

 何度も理解しようと噛み砕いて──ごぅん、と音がした。

 

 

 

 

 

(っ、なんだ!?)

 

 

 

 ごぅん、ごぅんと、どこからともなく鐘が鳴る。

 

 いくら周りを探しても、音の源は見当たらない。

 

 あるいはこれは、世界そのものが男の勝利を言祝ぐ旋律か。何もかもを叶えてしまうのではないかと感じさせるほどに荘厳で深々しい。

 

 

 

 漠然とした彼の予想は当たり、次々と周囲の都市の残骸が浮き上がり、全てが修復されていく。

 

 あまりの光景に、彼はあらゆる思索を忘れて魅入ってしまった。

 

(これが、ギラギラがもたらす光景)

 

 

 

 人の願いが導いた結末。

 

 

 

 ああ、なんという力。なんという、強さ。

 

 

 

 こんなにも人の思いとは儚げで、だが美しく、そして何より、()()()()()()()()()──。

 

 

 

「…………ツオズ(うら)………………ゼラロピキョ(やましい)…………?」

 

 

 

 自分は今、そう言ったのか。

 

 知らずにこぼれ落ちた言葉にひどく驚かされる。

 

 またそれは激しい炎となり、自分の中で複雑に絡まる蔦を這い回ると一部を焼き払った。

 

 

 

(……そう、か。そうなのか。()()が、そうなんだな)

 

 

 

 ほんの一欠片を理解した。

 

 自分は()()()()()()()()のだ。あの森で初めて人間を、ギラギラを見た時から、ずっと! 

 

 

 

 

 

 

 感激にも似た情動の洪水。疑問の答えの片鱗がやっとわかる。

 しかし、まだほんの一区切りだ。最後の答えとするにはあまりにあやふやで、小さくて。

 

 それでも言わずにはいられない。

 

 

 

 姿を変える。

 

 ジャマトとしてではなく、仮初であろうと、人間の姿で。

 

 彼は、変革していく世界の片隅で誰にも届かせることなく──静かに、けれど確かに、呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼくは…………ギラギラ(にんげん)が、欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつか。いつかまた、ゲームが始まったら。

 

 

 

 

 

 その時は、必ず──。

 

 

 

 

 

 

 

 






読んでいただき、ありがとうございました。
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