The "Blue" Reverberation   作:わど〜

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私は星ひとつに美しい初投稿を1つずつ呼びかけてみます。

どうも、私です。

前回、「次回推理回!」と言ったな?あれは嘘だ!!!
ゼホエレ視点でお茶を濁すんだよォ!!!




「用事は終わったの?」

 

建物から─正確には校舎から出てきた男に女が呼びかける。

皮肉ったように、呆れたように冷たいその言葉は聞き慣れた男にとっては然程傷付くような物でもなかった。

 

「あぁ、そこそこだな。機械で人形を作るのは初めてだったが、その割には上出来だっただろう」

 

男は女に答える。

女ほど冷たくはないにしろ、事務的で聞く人によっては冷たくも感じる。

だがただの仕事仲間に対しての言葉にしては2人は距離が近く感じられる。

ただそれ以上でも以下でもない、不思議な関係の2人の男女が裏路地を歩く。

 

「何やろうとしてるのよ、あんたは。機械ばっかり壊して人形にして…」

 

「…憂さ晴らしだ」

 

「は、醜いわね」

 

女は冷たく言い放つ。

しかし言葉に反してその声色には心なしか先程のような冷たさは無い。

同情と、ほんのすこしの親近感がこもった言葉。

 

血染めの夜としてミレニアムに名を轟かせた─そして、あの都市に輝く星として君臨した伝説の血鬼。

瞬く間に都市悪夢まで上り詰め、あのW社を震え上がらせた人形師。

両者とも世俗的に言えば化け物と言われる者らだろう。

その化け物たちがする会話にしては少し不似合いな空気が一瞬流れる。

 

「はぁ、まぁともかくとして人形も十分できた、俺はやりたい事をできた訳だが…」

 

「そろそろ私をどうにかしようとする奴等が出てくるでしょうね?」

 

だがそれもすぐに失せる。

女は都市での、星として空に昇っていた頃のことを思い起こす。

星を落として富を得ようとする者、

襲われ生きるために戦おうとする者、

馬鹿な正義感を抱き成敗せんとする者、

復讐しようとする者。

血鬼を殺すことに快感を覚え特に理由も無く狙ってくる狂人もいた。

取るに足らない塵屑から憎らしいほどに記憶に残る者までいたが、全員「自分のため」というのが動機だった。

 

「…まぁ、星なんて所詮はただ上から見下してくるだけの物だから」

 

だからイライラして殺したくなるのかもしれない。

そこまでは口には出さなかったが、男は飲み込まれた言葉をどことなく察した様子だった。

 

「らしくないな、役に入り込みすぎて疲れたか?」

 

空気に耐えられなくてしびれを切らしたかのように男が茶化す。

昔のことを思い出していた女は同僚の言葉で我に返る。

 

「気に入ってるのか知らないけど、鬱陶しいから」

 

「冷たいな、冗談もわからないか?」

 

「その冗談が面白く無いって言ってるの」

 

また空気が元の絶妙な雰囲気に戻る。

男がほんの少し、隣の女にすら全く聞こえない位の笑いを溢し、口を開く。

 

「それはそれとして、どうするつもりだ?」

 

「どうするって、今まで通りやるだけ。コソコソしたってアイツらは汚い意地で見つけてくるから気にするだけ無駄よ、無駄」

 

「まぁ、血鬼を狙うイカれた狩人どもだけだったかもしれないけど、覚えてないし」

 

女は心底鬱陶しいように言う。

実際、経験したことがあるのだろう。

邸宅で生まれ、長い間生き、都市の星まで至ったのだから。 

 

「はぁ…久しぶりだな、追われるっていうのは」

 

「期待してるぞ?先輩」

 

「本当に気色悪いから今すぐやめて」

 

裏路地に男と女が歩く。

如何に異形と言えど、知り合いと話すように穏やかな会話を交わすその2人が自分たちを照らす星の中の一つだということを一体どれだけの人間が察することができるのだろうか。

 

この都市(キヴォトス)を煌々と照らし、地上を見下ろす星を一体誰が落とせようか。




作者はゼホンとエレナのなんともいえないこの関係が大好き大好きマンです。(唐突な自己紹介)

他人から見ても恋愛感情が0なのがわかるくらいだけどなんか距離近い不思議な距離感が大好きなんじゃ…!

再現できてたらいいな〜、と思う今日このごろ。
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