The "Blue" Reverberation 作:わど〜
やぁ、久しぶり。なんと驚くべきことに23日間も投稿しなかったボケナスこと私です。
最近投稿が滞って本当にすみませんでした。
なんでここまで遅くなりやがったんだこのファッキンクソボケアホカス作者!という方も少なくないと思います、本当にごめんなさい…
とっても言いにくいんですけど、マジでただ筆が乗らなかっただけです、弁明の余地もございません…
改めて本当にすみませんでした…代わりに今回は長いから左手一本詰めることでゆるして(命乞い)
シャーレの体育館。
だだっ広く、いつもならそこかしこにあるはずのオブジェクトたちも、今日だけは顔をみることができない。
特にシャーレにだけあるというわけでもなく、それぞれの学園にもあるだろう普遍的なそのオブジェクトたちに今日は会うことができないことに、なぜか少し寂しさを感じていた。
厳格で仕事人な彼女は、自分はこんなことを普通は感じないだろうことということを─そして、そんないつもなら感じない寂しさを感じているのは、もっと言うならばこんなことを考えているのは、目の前から感じられる圧倒的な存在感と威圧感から目を背けるためだろうということを感じていた。
それでも怯えずに、考えは別の方向へ向いていても目をそらしていないのは風紀委員長としての威厳からだろうか、それとも目を離したら危ないと、恐怖を押しのけて本能が訴えているからだろうか。
6人の生徒の、その真中に立っている彼女、空崎ヒナは先生から戦闘開始の合図を待っていた。
待っている間は─実際には準備は迅速かつ丁寧に行われ時間は数分にも満たなかったが、少なくとも彼女にとって、という意味では─とても長く感じられた。
周りの生徒─つまり、今から目の前の異様な雰囲気を放つアレに共に対峙する仲間たちを見ても、目を閉じ深呼吸していたり、しきりに武器を気にしていたり、少なくとも落ち着いた様子ではなかった。
しかし彼女も例外ではなく、前述の通り目が相手から離れない様子で、顔も少しばかり疲労を感じる。
"あ〜、聞こえてる?こっちは準備できたよ、そっちは準備は大丈夫?"
彼女らにとって苦痛であり数時間ほどにも感じられるような数分間がようやく過ぎ、それまでの異常とも感じられる緊迫感をほぐすような柔らかい声がスピーカーから響く。
聞き慣れた声に安堵を覚えつつ、それぞれが「大丈夫」といった旨の返答を行う。
"よし、それじゃあ─"
「おい」
先生の言葉が遮られる。
発せられた声の主は目の前の狼頭の女─ターニャだった。
意識の外から、それもたったさっきまで気迫に押されていたその相手からの言葉に、無意識的に緊張が走る。
さっきまでは目を逸らしていた者も、そちらに目を向けずにはいられない。
「─前みたいにはなってくれるなよ?」
挑発的な口調で、少しの笑いさえも交えて発せられたその言葉。
明らかにこちらを舐め腐っているその言葉に、先程とは打って変わって怒りが込み上げる。
「貴様…ッ!」
「イオリ。」
今にも食ってかかりそうな様子のイオリを、ヒナが手で制止する。
彼女もまた顔に怒りが表れているが、心境はまだかろうじて冷静だ。
「前みたいに」、という言葉がヒナに向けられた言葉なのかはわからないが、彼女は前の怒りに任せたような戦いでは勝てないことはわかっていた。
あるいはそれも含めて、「前みたいに」はなるなということかもしれないが、それは余計な思考だと、ヒナは切り捨てる。
「うへ〜、やな感じだねぇ、ヒナちゃん。話は聞いてるよ、大丈夫。私たちもいる。」
「ん、大船に乗ったつもりでいい」
「…絶対に負けないからな!行きましょう、委員長!」
「言ってくれますね、お望み通り、私たちの力を見せてやりましょうか」
「治療の準備はできています。安心して、全力で行きましょう」
仲間たちからの十人十色の鼓舞を受けて前に向き直る。
決意が固まる。
最早ただの訓練などではなく、生徒たちはまるで
「うん。みんな─」
対して
だが、相手の様子を見て、久々に血が疼くかのようであった。
威圧感はとどまることを知らず、リラックスしていた姿勢も段々と正されたものへと変化していく。
そのあり様はただ立っているだけのようであり、だが誰が見ても常人のそれではない。
本来キヴォトスにあってはいけないその
「…良いな、それなりには楽しめそうだ。それじゃあ─」
「「初めようか」」
"戦闘開始!!"
──────────────────────
先生が合図を出すと同時に、両者が接近する。
ヒナたちはある程度の地点で停止する─が、ターニャは止まらずに至近距離まで接近する。
ターニャはイオリに向かって接近し、そしてターニャの射程距離内に入った。
「ホシノさん!!」
「はいよ!」
だがそれも想定内。
イオリとターニャの間にホシノが割り込み、盾で拳を防ぐ。
その威力に、予想以上というように少したじろぎながらも、冷静に盾を構え続ける。
「さん呼びは慣れないね〜、どう?結構やるでしょ」
「ん、今!」
ホシノの方に意識を向けていたターニャに、背後からシロコのドローンの爆撃が襲いかかる。
が、しかし振り向くその勢いのまま回し蹴りを放ちミサイルを全て撃ち落とす。
「ん!?」
「うわ〜、話には聞いてたけどよくやるなぁ」
「は、この程度で驚いて、結局その程度か?」
「そんなわけ」
"イオリ!ヒナ!"
まだまだ余裕しゃくしゃくという態度のターニャに対して、イオリとヒナが照準を合わせる。
さしものターニャといえど2方向からの強力な攻撃には対応できないかと思われたが─
「私にこの程度のことが出来ないと?」
今度は手で全て受け止めた。
さすがにこれは予想外であり、生徒たちの思考と体が一瞬凍りつく。
"落ち着いて!まだ大丈夫だ"
拍動さえ凍ってしまうかのような絶望に一瞬覆われた生徒たちだが、先生の声をうけ直ぐに冷静になり、体制を立て直す。
ホシノは変わらず盾を構えて相手に肉薄し攻撃を受けるとともに行動を阻害。
他3人はその後ろから相手を狙い、都度チナツとアコによる援護が行われるというバランスの良い布陣。
狼の時間を相手するのに相応しいと言えよう。
"反撃開始、行くぞ皆"
「来い、私を壊してみせろ。できるものなら」
再び始まったこの戦闘は数十分にも及んだ。
生徒たちが先生の指示によって攻め立てており、ターニャは防戦一方。
はたから見れば生徒たちが圧倒的に優勢に見える。
しかしそれはターニャが手加減をしているからに他ならない。
ターニャは回避や弾を受け止めるばかりで、ほとんど反撃しようとしなかった。
攻撃を行う際も何度か拳を繰り出すだけで、それらしい攻撃はない。
これは明らかに手加減されていると、それは直接戦っている生徒たちが最もよく痛感していた。
自分たちの全力が手加減している程度の力で全ていなされることに対する苦痛、相手がすこしも力を出そうとしないことへの怒り、そしてあの、まるで獲物をじっと狙う狼のような目に、品定めされているかのような鳥肌の立つ不快感。
そのどれもが彼女らに自身の非力さをはっきりと突きつけていた。
「ふぅ…」
息を吐く音と同時に口から煙が漏れる。
非力さを嘆く少女たちの心情とは裏腹に、ターニャは内心かなり喜んでいた。
彼女にとっては戦闘というのはほぼ娯楽にも等しい物だった。
生きるためのお互いの死力を尽くした戦いと、その末にある強者を壊す時の面白さ。
キヴォトスにはそれが全く無かった。
都市でも彼女に本気を出させ、最大の快感を与えた者はほとんど居ないと言って良い程には少なかったが、キヴォトスの人間はその土俵に上がってこようとすらしない。
都市と真逆の、死がありえない程に忌避される世界。
銃撃戦がそこらで起こっている癖に命を賭けようとする人間はおらず、力の差もわからない、ネズミにも劣るような蛆虫どもがちょっかいをかけてくるだけ。
それも少し痛い目を見せてやると直ぐに失せる始末。
死ぬ間際の、あの死闘に少し思いを馳せながら、ただ"退屈"という病に苛まれていた。
そんな中でのこの戦闘。
相手になっているとは言えない。
命を賭ける覚悟はない。
あの
だが逃げずに常に全力で立ち向かってくる。
ターニャにとってはそれだけが何よりも嬉しい朗報だった。
「想像以上だったな、なかなか楽しめた」
…だが、そろそろ潮時だ。
いつまでも付き合っていてはられない。
楽しませてくれた者への少しの感謝と、もっと強くなるだろうという大きな期待を胸に押し込めてただ目の前の敵を排すための思考に切り替える。
"…!"
その少しだが致命的な雰囲気の変化を先生はいち早く察知した。
"ホシノ!盾を!"
「へ?了解─ぐっ!?」
腰を捻り、拳を構え、そして放つ。
しっかりとしたルーティンの末放たれたその拳はホシノの盾の中心に炸裂する。
ホシノはずっと一人で攻撃を引き受けていたため少しずつ拳の衝撃にも慣れてきていたが、今までのそれとは比べ物にならない威力に思わずを顔を引き攣らせる。
「重っ─」
「お前の盾が1番硬くて面倒だ」
「だから、1番徹底的に壊してやる」
ターニャは後ろに一度大きく跳躍し、ホシノから距離を取る。
その今までになかった挙動に、ホシノは半分本能的に危険を察知し盾を構える。
そしてターニャがありえない速度で走り出すと─
0.1秒後、ターニャがホシノの眼前まで到着する。
0.3秒後、その速度をそのまま乗せた蹴りを放ち、ホシノの盾が凹み吹き飛ぶ。
0.5秒後、表になったホシノに対し二撃目の蹴りをお見舞いする。
そして1.0秒後には吹き飛んだホシノが壁に衝突する絵面がその場の全員の目に焼き付けられた。
「ヵハッ…!」
なんでも受け止めてきたホシノの盾が貫かれ、ホシノ自身かなりのダメージを負わせれた。
しかし、生徒たちの思考はそこには無かった。
いつもなら真っ先にホシノの元へと駆け寄っただろうシロコにさえ、他人の心配をしている暇があるとは口が裂けても言えないと思わせたのは先程までとはまるで違う、圧倒的なターニャの殺気だ。
獲物をやっと見定めた
「本格的に初めようか、狩りを。」
この回書くだけで2週間くらい費やしたんだ…
あほかな?