The "Blue" Reverberation 作:わど〜
どうも。私です。
新年あけましておめでとうございます。
周回遅れの新年の挨拶で本当すみません。
この小説の執筆を初めてから早くも3ヶ月とちょっとが過ぎました。
ここまで来れたのもひとえに読んでくださる皆様のお陰です。常々ありがとうございます。
最近投稿頻度遅くてほんとごめんなさい。ことしはがんばる。
あと青キチの誕生日も祝わないといけませんね。あいつ誕生日1/1なので。
この小説の主人公(????)ですし、祝うべきでしょう。
"ホシノ…!"
冷や汗が落ちる感触が、神経を逆撫でするように自分の意識をかき乱してくるのを感じる。
気持ち悪い脂汗の感覚や周りの雑音が頭の中に入ってきて、軽い吐き気がして、目の前がうまく見えない。
この正常でない感覚が、自分は今焦っているんだと、それも酷く、冷静な判断ができない程に焦っているとはっきりと教えてくれる。
私の首を豆腐みたいに握りつぶそうとした時、ヒナを倒してしまったと報告を受けた時、そして戦闘が始まる前の異様な気配…
彼女の圧倒的な実力は、私から見てもわかるくらいには十分に示唆されてたし、私も理解してるつもりだった。
でも、それは彼女に対するどんな罵倒よりも失礼な勘違いだったと思えるくらいに甘い見込みだったみたいだ。
あぁ、クソッタレ…頭の中がごちゃついてる。
落ち着け、大丈夫だ、私の采配次第ではまだどうにかなるだろうから…
アンガーマネジメントだっけ?6秒…
いや、6秒も何もしないでいられないだろ!
あぁもう、頭がごっちゃごちゃだ、私落ち着かないと!
とりあえず、皆は大丈夫か?
やっと本当の意味で正気に戻った私がタブレット─シッテムの箱*1を見ると、ターニャは私が心の中で一人漫才をしてる間はじっとしていたらしい。
…どころか煙草を吸ってすらいる。
彼女の実力なら、私が頭の中でいくつか物事を考えるくらいの数瞬で皆の内もう1人くらい、ホシノとおんなじようにとは言わないけど、結構な攻撃を加えるくらいのことはできそうな気がするけど。
その程度の余裕はあるってことだろうな。
幸運だと思って、今の内に体勢を立て直さないと。
私の思考がやっとそこまで追いついた時*2、それまでじっと立っていたターニャが動き出した。
そこからは、まずシロコに突進していって…
…はぁ、えっと、これ全部言わなきゃ駄目かな。
覚えてないわけじゃなくて、むしろあの6秒間は強烈すぎて、それより長ければどうにかなっていたと思えるくらいには焼き付いてるけど─そういうことじゃなくて。
もう、考えるだけでも結構吐きそうなんだよね。
…そうだよね。まぁ、言うよ。
…ターニャはシロコに突進していった。
多分、私と同じくらいには慌ててただろうから、唐突に向かってくる敵にシロコは反応できなかった。
シロコはマフラーを引っ掴まれて、上に放り投げられた後…
落ちてきたところに、腹に膝を入れられた。
「おぐッ─」
そのまま気絶して地面に打ち付けられたシロコを無視して、ターニャは次の標的へと向かう。
1秒もかからずイオリに向けて猛烈な蹴りが飛んできた。
"イオリ、避けろ!"
「っ…」
「ほお、避けるか」
イオリはかろうじてそれを避けた。
ターニャが関心するほどだし、私も本当に良くやってくれたと思ったけど…
「─、ッ〜!?」
ターニャはそれに喜ぶことすら許さず容赦なく二発目の蹴り─彼女の得意の後ろ回し蹴りをイオリの顎にブチ込んだ。
誰がどう見ても脳震盪が起きてるだろうことがわかる。
イオリは何も言わせてもらえない内に床にへたり込んだ。
「…ふむ」
2人を床に這いつくばらせたターニャはまた落ち着いて煙草を吸う。
この間はたった6秒だ。
私は何もできなかった私を一生恨むだろうね。
そして、私にできるのは、
"…負けだ"
せめてヒナがこれ以上怪我を負わないよう、負けを認めることだけだった。
これ以上何をやったら勝てるって言うんだ。
ヒナに無駄に傷ついてほしくないと、その一心で私はその一言を放った。
でも。
「…先生、やらせて」
ヒナは違ったみたいだ。
私はダメだね。生徒のことは応援すべきだし、こうやってしっかり意見を言ってくれることは嬉しく思うべきなんだけど…
…
"…ヒナ"
"…駄目だと思ったら止めるからね"
…とりあえずは、これでいいと思いたいね。
ヒナのこともあるけど、私が本当に─
「ご相談が終わったなら遠慮なく行くが?」
いや…いい。今は目の前のことに集中しよう。
"いいだろう…"
"「かかってこい」"
どうにも響かない、ただ、その一言だけがゴングとなった。
─────────────────────────
戦闘開始とともに、両者がものすごい速度で接近する。
拳と銃身がぶつかり合い、散った火花が燦然と輝く。
さらに火花が消えるよりも早く次の火花が現れ、また次の、また次の火花が散る。
その次の瞬間には、火花の仄かな光の中一際明るく輝く光と強烈な銃声が響き渡った。
ヒナはバックステップを踏み、ターニャを撃ち抜かんとするが、しかしターニャはやはり何でもないように弾く。
だがそれに反応することなくヒナは撃ちまくる。
「く…」
さすがのターニャも機関銃の弾丸を全て弾くことは諦め、急所を狙う弾丸のみに絞り、受け止める。
マガジン中の弾薬を全て撃ち切った頃には、いくつかの弾丸はしっかりと身体を貫く…
「なかなか良い威力だな、ここまで威力の高い銃撃を受けたのは初めてだ。都市ではほとんど銃が使われないってことはあるが…」
「ちっ…」
はずだったが、ターニャの肉体に阻まれ、身体に多少食い込む程度に留まった。
身体に食い込んだ弾丸をターニャは平然と抜き取る。
「じゃあ、今度はこっちから行くぞ」
弾丸の雨を適当に凌いだターニャは、一つ大きく息を吐き、再びヒナへと突進する。
「くっ!?」
先程のように防ごうとするヒナだがそうは行かず、突進の勢いを乗せたターニャの蹴りを受ける。
銃身で受けたものの勢いを殺すことはそう叶わず、体勢を崩す。
その隙を見逃すターニャではなかった。
胸ぐらを掴み、床に叩きつける。
「ぐぅううっ!!」
追撃を食らう前に、ヒナは咄嗟にターニャの顔面へと向けて一発撃ち、それを凌ぐ隙にかろうじて脱出した。
「なかなかいい判断力だな」
「…あなたに褒められる筋合いは無いわ!」
強がってはいるが、長時間に渡る戦闘による疲労に加え、ターニャの重い攻撃を
いつ崩れてもおかしくない身体を、ヒナは気力だけで立たせていた。
それは、誰から見ても明らかで、特に─
"ヒナ"
特に、先生にとっては見るに堪えない物であった。
震える声で、辛さを溢れさせた声で、語りかける。
"おわ─"
「まだ!!」
思わず声が張る。
先生に心配をかけることはしたくはない。
しかし、それよりも。
「…負けてない」
ここで引きたくなかった。引くべきではないと思った。絶対に引かないと決心した。
自分勝手な決心を、どうしてか貫かずにはいられなかった。
"…"
"…チナツ、治療を"
「お任せ下さい」
"アコはヒナに支援をお願い"
「…はい」
"ヒナ、これで最後だ"
それに答えは帰ってくることは無く、ただ淡々と武器を準備するだけだ。
最後の一撃で、確実にターニャを倒すために。
そして何が何でも自我を貫き通すために。
「いいだろう、撃ってこい。受けてやる」
「…お言葉に、甘えるわ」
顔を上げる。
目をはっきりと標的に向ける。
銃口を標的へと向け、狙う。
そして、引き金を引く。
何が起こっても最後、終幕の一撃を。
ターニャ姉貴の蹴り、バトルページのイラストを見るとしっかり顎に決めててエグくて大好き。
アレリンバスだったら絶対に振動爆発発生してるし、エフェクトも音もぴったり合うと思うわ。