一番長い間してたゲームに転生するやつ 作:仲介者
その日、一人の男が死んだ。
葬儀には彼の親族のみが参列し、深く、男の死を悲しんだ。
弱冠19歳で亡くなった彼はゲーム、小説、漫画、動画視聴を趣味とし、
現実から逃げるように生きていた。
ルールを大事にしていた小さき頃の彼は4つ。
人にはとても言えぬような罪を犯し、塞ぎこんだ。
自身のせいで家族に迷惑をかけてしまうことを恐れ、
自身が罪を犯したことが家族にばれることを恐れ、
彼は家族を拒絶した。
それでも優しい家族たちは心配し、何も言わず見守ってくれた。
それがとても苦しく、自身の心を罪悪感で締め付けた。
消えたい気持ちが膨れ上がるが、その場に立つたびに家族の悲しそうな顔が浮かんでくる。
彼はそれを振り切れなかった。
それゆえに自身と家族に対しての気持ちがどんどんと歪んでいった。
辛くとも誰にも言えず、時間がたつほどに自身が汚れていく。
そんな錯覚に蝕まれた彼は、考えることを放棄した。
その頃の彼の根底には、大人になるまで自分の心を取り繕い、
大人になればあとは海外にでもどこにでも、誰にも見つからない場所で死ねばいい。
という、諦観があった。
だが、しばらく経った彼はこのまま家族に迷惑をかけるわけにはいかない。と考え、
歩み始めることにした。自分を許せるわけがないが、それでも進んでみよう。そう思った。
遅くとも昔の夢を追いかけてみよう、と。
苦手な努力を行い、必死に追いかけた。
まあ、叶いそうにないけど。
そんな彼があともう少しで大人になる。
そのときに、彼は死んだ。
何も残すこともなく、ただ、歩道橋から転げ落ちて。
そんな、よくあるような悲劇でも何でもない人生を終えて。
気が付くと僕は知らない子供になっていた。
年頃は5~7歳くらい。
黒髪黒目の日本人だ。
転がる頭を見る限り、たぶん整っている。
家族は父親、母親、姉の三人だったみたい。
電気のつけられていない暗い部屋で生ぬるい温度の肉塊が三つ、横たわっている。
声に出さずに思った。
……なんでこんな。
あたりに充満する鉄錆の匂いをかぎながら、
僕は、血液って本当に鉄錆臭いんだな、と思った。
画像以外で見た初めての死体は予想通りに気持ち悪く、想像以上に臭かった。
何日置いているんだろう。油の匂いも嫌だけど、
それ以上に胴体にたかるハエと蛆虫が僕の視覚を攻撃してくる。
僕にも少したかってくるハエをうっとうしく思いつつ、手で払いのけることはできない。
生まれ変わったであろう僕の新しい体は椅子に括り付けられ身動きが取れなかった。
少し身じろぎくらいはできるが動けない。足は自由にされているが、床につかない。
どうしよう。
そう思ったときにドアを叩く音が聞こえた。
『所長、聞こえますか!もしもし!』
都合がいいなと思いつつ声をあげようとして、ふと。
現実ではないようなことが起きているし、生まれ変わってもいる。
なら、いま声をかけてきている人も、おかしい人かもしれない。
いやそもそもこの世界自体が終末世界的サムシングかもしれない。
『キャスター、ほんとにここにいるんだよね?』
『ああ、そのはずだが、大きな音は立てるなよ?』
『マシュ、おねがい!』
『わかりました!いきます!』
『なあ、嬢ちゃんたち聞いてるか?』
そんなふうにどうしようかと考えこんでいると。
ゴガッ ズン
……思考を中断せざるを得なかった。
なんだ、今の音。怖い。
死体を見た時からバクバクとしていた心臓の音が体を揺らすほどに鳴っている。
怖い。怖い。なんだいまのおと。
玄関のほうが薄赤い光に照らされている。
そこから近づいてくる、足音がした。
僕は怖くて目をつむろうとして。
それより早く部屋に入ってきた朱色の髪の女の子の姿に目を奪われた。
「所長!…じゃ、ない?えっと、きみは…」
サイドテールを黄色いシュシュで留めて、白い制服を着た…彼女は……
「先輩!危ないので飛び出さないでくださ、っ生存者!?」
「あ?ガキだと…それに、なんで死体が残ってやがる」
紛れもなく、Fate/Grand Orderの主人公、藤丸立香だった。
最低の気分だ。これなら死んでいたほうが遥かにマシだ。
こんなこと現実に起こっていいはずがないだろう。
しかし、現実は非情で異常だった。
くそが。
彼の性格は自分の性格を参考にしてるので死体見たとき内面も取り繕ってますが、
心臓バクバクです。
気分が不安定になったりすると、口も心の中でも口調が悪くなります。
補足として。
彼の座る椅子は場所的に顔を横に向けると玄関の方面が見れます。
その反対側に死体があるので暗い中では玄関側から見にくいです。
気分で更新します。しないかもしれません。
あと、FGOのストーリー確認しようとしたらメンテナンスしてますね。
うろ覚えで書いたので多分どこか間違ってます。