全知VS全恥   作:釘パンチ

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わざわざ仮面ライダーゼロツーのスペックや半日が何秒か調べた結果の出力がアホだったので満足。


八回戦

(トリニティなんてしばらく行ってないな)

 

 集合場所のモノレール駅前で待っているカズマはベンチに座って空を見上げていた。

 少し前にゴタゴタがあったと聞いていたが、今は生徒会のトリニティも健在で、仲直り出来たと聞く。

 

 何事も平穏無事が一番である。

 

「待ちましたか?」

「別に? てか、わざわざおめかししてきたのか……」

 

 実はヒマリの方が一時間以上早く来ていて、ドローンを飛ばしてカズマのことを監視しながら0.01秒毎に2兆通りの合流パターンを予測していた。

 

「まぁ、いつもより綺麗だけどさ」

 

 白い花のコサージュが付いた帽子を被り、白のハイネックブラウスに黄色いストールを羽織って、下はグレーのロングスカートと、バチバチにめかし込んで来た異性に対してそれくらいのことはカズマだって言う。

 

「えぇ、そうですとも。私は才色兼備傾城傾国ハッカー明星ヒマリですから」

 

 それくらいのことは予測済みで、今のヒマリには効かなかった。

 

(ふふっ、後はイレギュラーさえなければ……)

 

 普通に休日にスイーツを食べに行くくらいのことにイレギュラーもへったくれもない。

 モノレールに揺られてトリニティに着き、件の店へと向かう。

 

「普段と違う街並みだと目移りしてしまいますね」

「ドラマとかで言うおのぼりさんの気持ちもわかるよなぁ」

 

 自治区が違えば街の雰囲気も違う。

 カズマは建物に目を向けながらも、凹凸が少ない道を選んでヒマリの車椅子を押す。

 

「あそこですね。早速入りましょう」

「はいはい。あのー予約を入れた宵々々山ですけど──」

 

 店の前に到着すると予約を入れていたカズマが諸々の確認をして店内に入る。

 車椅子のヒマリを気遣ってわざわざ空間にゆとりがある席を確保してくれていたらしい。

 

 が、それもヒマリの予測範囲内だった。

 

「一番人気はパンケーキですか。パフェも捨てがたいですが……カズマはどれにします?」

「この椿のケーキって面白そうだな……椿って食用になるんだな」

「花の多くはオイルとして活用されますが──っ!?」

 

 ヒマリに電流走る。

 

(椿の花言葉は完全な愛! そして、私の誕生花は椿! これはもしやプロポーズ!?)

 

 864京パターンも想定してきた筈のヒマリの脳に深刻なエラーが発生する。

 こんなイレギュラーを想定しているわけもなく、ヒマリの864京のプランニングは全て崩壊した。

 

「ふーん。そういやレジの方でジャムとか売ってたしお土産で買っていくか。すみませーん」

 

 この後、何を注文したのか、折角のパンケーキの味すらよくわからないまま時間が過ぎていき、気が付いたら店を出ていたヒマリであった。

勝敗

  • ヒマリの勝ち
  • カズマの勝ち
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