方舟オンライン〜コラボを添えて〜   作:かりん2022

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男前な硝子ちゃん

バカンスを終え、恐る恐る地球に帰ってきた時の事だった。

移動中に時空嵐に遭ってしまった。

帰還できないわけではないが、時間は掛かるので補給は必要である。

そういうわけで、パラレル地球に滞在する事になってしまったのだった。

ひとまず、帳を下ろすと同時に硝子が降りる。

船核から作り出したボードに乗り、スーッと音もなく降りていく。

 

「百鬼夜行を開催す……る? 硝子?」

「ん? 夏油、そのコスプレ何? 似合う」

 

 ふっと笑いかけて、夜蛾学長に向き直る。

 その目元に隈はなく、体は引き締まっていた。

 

「それはありがとう?」

「あ、夜蛾センセー。私ら、時空嵐にあっちゃって、並行世界に飛んじゃったんですよ。それで、バイトしてそのお金で物資補給して、助けが来るの待ちたいんですけど。雇ってくれます?」

「……それは並行世界人だということか? 何人いる?」

「えっと、動けるのが〜。私と、夏油と、直哉です! 五条と灰原、七海はちょっと調子悪いって言ってるので護衛も兼ねて泉都とお留守番ですねー。五条灰原七海は体調戻ったら降りますが、泉都が降りる予定はないです。ただ、地球に帰ってくるのは10年ぶりなんで、仕事は簡単なものからお願いしたいです。美々子と菜々子って子もいますけど、呪力はあっても使った事はないですね」

「地球に10年ぶり……? まあいい。傑の百鬼夜行は止められるか」

「何です、それ? 呪詛師にでもなったのか、夏油?」

 

 再度、くるりと夏油に注目する家入硝子。

 

「実はそうなんだよ。私は呪術師だけの世界を望んでいてね。それより、悟は無事かい? 七海と……灰原は」

「百鬼夜行をするほど望むっていうなら、そういう星に送ろうか? 術式は使えなくなるけど。呪術師は呪霊を生むから、呪力の封印処置をさせてもらうけど、術式がわりの力はやるよ。あ、五条は目が呪力のある場所に来て驚いてるだけだから休めば問題ない。あの二人は八割海の星で観光してたから、陸での歩き方忘れちゃったみたいでさーうける」

「は? バカな、呪霊を生むのは一般人では」

「あー。確かに一般人も発生原因ではあるけど。むしろ原因じゃない奴なんていないだろ。興味あるならエイリアンが書いた論文読む? きゅーべぇのとかお勧め」

「あ、ああ……」

 

 硝子の手に冊子が現れる。それを夏油に渡した。

 

「ま、一般人が憎いのが呪霊を産むからって言うなら、お前の親友の五条を思い浮かべるんだな。五条にまで生まれない方が良かったなんて言えるぐらい追い詰められてんなら、話くらいは聞いてやるし、術式捨てんなら、呪霊のいない世界に連れてってやる。ただ、どこで生きてくのも簡単な事じゃねーぞ。さ、今日は帰んな」

「私、は」

「美々子、菜々子。衝動的な自殺に気をつけとけ」

 

硝子の言葉に、美々子と菜々子は警戒する。

 

「あんた、何者?」

「家入硝子。夏油のクラスメイトだよ」

「そっちの世界の夏油様はなぜ来ない?」

「夏油は呪術師の偉いさんに虐められてたから様子見な。術式欲しいから死体になれって秘匿死刑ゴリ押されて……まあこの話はいいか」

「良くないね。誰がそれ言ってんの? 硝子から呪力が感じないのは、封じてるからかな?」

「五条。サングラスやめたんだ? まあ、そういうこと。呪力のない場所からある場所に来たもんで、錆びついてた六眼がフル回転で大変なんだと。とりあえず、良さげなサングラスちょうだい」

 

 硝子がコインの生成をやめてみれば、確かに硝子から呪力が溢れ出た。

 

「それで寝込むのは軟弱としか言いようがないかな」

「別に無理する必要ないだろ。急いでないし。夏油、これ通信機。ヤケをおこす前に連絡しろ。何度も言うけど、今は帰りな」

 

 夏油が帰るのを見送り、五条はため息を吐いた。

 

「あのまま百鬼夜行起こしたらどうすんの?」

「は? 止めるに決まってんだろ?」

「どうやって」

「惚れ薬で説得する。ほら言うだろ、愛は世界を救うって」

「はぁぁ。詳しい話を聞くよ。僕と傑も呼んで。呪詛師じゃないならね」

「それは保証する。そっちも、こっちの身の安全を保証してほしい」

「規定に反しないならね。っていうか、硝子を前面に出すとか卑怯なんだよ」

「勝手な事するクズか体調不良しかいないんだよ、心配しなくても、私強いし」

「……強いの?」

「手合わせするか?」

「マジで?」

 

 そういうことで、手合わせをすることになったのだった。

 なお、五条と夏油、灰原七海、直哉も降りてきている。

 体調不良組は本当にくてっとしていた。

 

「じゃあ行くぞ」

 

 硝子が炉に火入れをする。

 硝子の炉は回復系の異能炉と……龍炉である。

 硝子の体が鱗に覆われていき、爪が伸びていく。

 背を翼が突き破り、生えてきた尻尾が強く地面を叩いた。

 

「は?」

 

 攻撃と同時に黒のコインを噛み砕く。

 すると、無下限が発生して五条の無下限に干渉する。

 

 そこを爪で攻撃!

 

 しかし五条はうまくガード!!

 

 不機嫌そうに咆哮!

 ビリビリとした威圧に見学者たちは身を硬くする。

 

 次に、爪に呪力を込めて攻撃!

 

「なるほど、エイリアンの技術って奴? すごいね。戻れるの?」

「当たり前だろ」

「安心した。頑丈そうだから、ちょっと強く叩くね!」

「私もちょっと強くいく」

 

 こうして、久々に戦闘を楽しんだ五条は、満面の笑みで並行世界人の受け入れを表明した。




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