「宇宙だと、呪力使えないんや。呪霊生まれるから。せやけど、代わりになる力をもらえてな。10年間は、それを磨いて商売にして暮らしとったんや」
「君も硝子ちゃんみたいに竜人になるんや?」
しっかりと硝子から鱗を回収したこちらの世界の直哉はワクワクと問う。
「自分は錬金術師と忍法やで! 二つも選べるの凄いやろ!」
「おおー? なんや、竜とか魔法とか、もっとなかったんか? 余りもん?」
「なわけないやろ、一番に選んだわ。趣味と実用と帰った後も考えてて我ながらええ考えやったと思うわ」
「やっぱりポーションとか作るん?」
「せやで。ゲームと違って、用法容量が大事なんやけど、四肢欠損とかもいけるで!」
「ふーん。じゃあ、もう一人の私と一緒に医務室手伝うか?」
「せやな。感覚掴むまではそうさせてもらうわ。ついでに反転術式教えたって」
「錬金術見せてや〜」
「ええよ」
直哉は水球を宙に浮かべる。
それに薬草などを投げ入れ、色々と操作をする。
水球の中で薬草は溶けて、水球は小さくなり、直哉が掲げる瓶の中に入っていく。
「一番雑な抽出だとこんな感じやな。本来は乾燥させたり粉にしたりするんやで」
「結構面白いやん」
「面白いんやで。そのうち、地球の植物でもポーション作ってみせたるわ」
そういうわけで、直哉は医務室にログインした。
「真希ちゃん。また怪我したん?」
「悪りぃかよ」
「別に悪いなんて言っとらんやろ? そうやなくて、リジェネ薬使ってみるって聞きたかったんや」
「リジェネ薬?」
「そ。ちょっとずつ傷が癒える薬や。怪我必須の依頼の時にええよ。ただし、怪我をしないならボンっと太る」
「こわ」
「それだけのエネルギーのある薬やからな」
「貰えるなら貰っとく」
そして、真希は黙る。直哉への嫌悪感より、理性と好奇心が勝った。
この直哉は、小学生の真希を訓練とはいえズタボロになるまで攻撃した直哉ではないのだ。事実、実験台としてかもしれないが、こうして役立つ薬もくれる。
その薬がタチの悪いものだったりした事は、今まで一度もなかった。
「他にどんなものが作れんの」
「色々やで!」
笑顔になっていろんな錬金エピソードを話す直哉。顔はいい。声もいい。これで性格も良くなってしまったらどうなってしまうのか。真希はうっかり惹かれないように自分を律するのだった。なお、できる所を見せつけた直哉は早々に京都校へ移動になった。当たり前である。
呪術界の福利厚生は、こうして格段に良くなったのだった。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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