方舟オンライン〜コラボを添えて〜   作:かりん2022

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血涙

「大人しくしてろ」と各方面から言われて、泉都のお兄さんで魔法使いの颯斗が食料や水を転移で補充してくれて、宇宙船で待機すること十日。

 

「とりあえず、炎上は論点をずらしつつあるから、仕事に戻りなさい。あとは俺が引き受ける」

「引き受けるってどうやって?」

「テレビで各勢力や船核についてきちんと説明する。コイン集めを成功させた民間が宇宙旅行に出るし、視線はそっちに向か事になるだろう。炉をいくつかオークションにも掛ける。注目は俺に向くはずだ。夏油君を保護したのも俺ってことにする」

「泉都のおにーさん……」「お兄さん」

「にーちゃあああああ」

 

 颯斗は泉都をヨシヨシする。

 

「助けてくださってありがとうございます。せっかくよく考えて行動するように説得したのに甘やかさないでもらえますか」

「うっ 泉都を頼みます」

 

 颯斗は頭を下げる。

 

「ちぃにーちゃん……というか、おおにーちゃんも怒りなよ」

「呪術師は、基本、地球を離れられないんだ。放出する呪力が呪霊を生み出すからね。泉都は呪術界で生きるしかないんだよ。だから、教育を夏油君達がするというなら任せたい。彼らと生きていくんだからね。後、俺は叱るのはちょっと」

 

 それで、多少呪術師最高主義になったとしても、自分を肯定する事は悪いことではないと思うんだよね。この夏油くんは、多分呪詛師にはもうならないと思うし。多分。きっと。そうだといいな……。颯斗は祈りを捧げる。後、颯斗は前世の関係上(女子の転生体なので)ウルトライケメンに対してナメクジである。「イエス」か「喜んで」か肯定しかできない。

 

「は!? 一般人は呪霊を生み出すと……!」

「デマだね。呪術師の方が放出呪力量は多いよ。当たり前だろ。一応、呪霊の放出を封じる方法や道具もあるけど、封じてる間は術式も使用不能になるね。当然」

「そんな……そんな! じゃあ、私たちは生きてないほうが」

「夏油君までマミちゃんみたいな事言い出した!?」

 

 発狂しかける夏油に、颯斗は言葉を被せる。

 

「ま、み?」

「魔法少女だよ。彼女も死んだ方がいいんだって暴れて、宥めるのが大変だったって冥冥さんが。ショックを受けた魔法少女に船核配ったり、ここ最近忙しくてね。こっちとしては、炉のタイプに対してどうこういうつもりは全くないし、気に病んでパニクられた方が困るんだけど」

「夏油君……俺も、俺達も生まれちゃいけなかった?」

 

 うるうるとする泉都に口籠る。

 正直、泉都あたりまでなら、夏油もパニック混じりに頷いただろう。でも。五条が目に入ってしまった。夏油は五条を絶対に否定したくなかった。

 

「私、は……。生まれない方が良かったなんて言いたくない」

 

 夏油は、ポロポロと涙を流す。

 

「私は、悟に生まれてきてありがとうって言いたい」

 

 流れ弾に撃たれた五条は、びっくりした後、照れる。

 

「俺も、傑や硝子、泉都に会えて良かったと思ってる。生まれてきてくれてさんきゅな」

 

 いい空気になった所で、夏油達を転移で学校に送って、泉都に船を降ろさせる。

 そうして、俺は船主の振りをして、記者会見を開いた。

 

「どうやら何者かが船核をばら撒いてしまったようで……いえ、俺は違います」

『にーちゃー! 五条君達に夜蛾せんせーが船に戻れってー。あっ 違う! にーちゃの責任で攫って逃げてって』

『おおにーちゃん、どうしよう。カノンちゃんの家の人とレックス君の家の人と我が家の本家の人が押しかけててきてて』

『は、颯斗さん! さやかちゃんの所に、人が押し寄せてて、後ほむらちゃんが自衛隊から武器盗んでたのが発覚して、あの、助けてください!』

「資料をお配りします。地球には五種類の炉がある事が確認されております。資料をお配りします。はい、未成年達が日本の平和を守る為に命を賭しているのは事実です」

『にーちゃー! 五条君達が捕まっちゃう!』

『おおにーちゃん!』

『今、急いで私達、逃げてきてて、でも、家族とか、どうすれば』

「つまり……」

『にーちゃー!』

『おおにーちゃん!』

『颯斗さん!』

「ふははははははは! 俺は颯斗の体を乗っ取った悪のエイリアンだという事だ! 今から俺の勝手な自由意志で過労死及び殉職させられそうな可哀想な呪術師と魔法少女と異能者を誘拐する! そのせいで地球が大ピンチになろうとも! 俺の目的は異能者の人権の保証だ! これは俺が個人で義憤に燃えて企んだ事である!」

 

 ババーン! となって、とりあえず各拠点を襲う事とした。

 ああもう俺、お尋ね者!? せめてオークション終えた後なら色々準備できたのに! 颯斗は歯噛みする。

 

「やはり悪のエイリアンじゃったか!」

「は?」

 

 記者の後ろに、とんでもねぇ美男子を従えた男が。

 

「わしは太公望! この地球をもう異星人などに好きにはさせぬ!」

「いや、お前がいうなよ、異星人。仙炉もチャクラ炉もきゅっぷぃ魔法炉も異星人由来じゃねーか。ていうかお願いだからこれ以上ややこしくしないで……」

 

 マスコミのカメラのフラッシュ乱舞。

 

『わかっておる。後で物資を送る。お主らは子供達を連れてとりあえずバカンスにでも行っておれ』

 

 !!!

 

 とりあえず、太公望(コラボ主人公)を信じる事にして、颯斗は無様に宇宙船に逃げ込んだ。




マシュマロ
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