異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

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エクストラミッションとエクストラバージンオイルって似てませんか?

 

 アクセルが最終的に復活させたのはどうやら親友の方だった。

 

 その理由が、これからのシーズンで回復スキル持ちが居た方がいいだろうと言う理由らしいが、俺はあえて何も言わなかった。絶対に色々な葛藤があっただろうしな。

 

 俺だって同じような条件になったらそんな直ぐになんて選べねぇ。

 

 一応の目標としては、これからも共に行動しつつ蘇生薬をもう一つ獲得して、彼女さんの方を蘇生させる事になったようだ。

 

 復活した彼は【少名毘古那《すくなひこな》】サイレーンの様に回復と支援が得意なソウルギアを持っている。というより、攻撃に適性がないらしくて完全に後方支援系だそうだ。最初はサイレーンもそうだったが、今は一応攻撃も出来るし完全な純支援って感じだな。

 

 そう言えば友人を蘇生させたことで、俺達に本名を教えてくれることになった。

 

 アクセルの本名が【山崎透哉《やまざきとうや》】

 

 蘇生した友人が【新島隼人《にいじまはやと》】

 

 これからはミッション時以外は山崎と新島と呼ばせてもらう事にした。二人もそれで了承している。という訳で現状本名が分からないのはスピネルだけだが、無理に聞く事も出ないし、彼女が言い出さない限りはそのままにしておこう。

 

 流川辺りは既に聞いてそうだが、律義だからな内緒にしてほしいと言われれば流川はそれをちゃんと守る男だ。

 

 ついでにハルペーも教えてくれてたな。

 

 彼は【山田雄太《やまだゆうた》】こうして名前を聞くと、やはり全員普通の日本人で、どこにでも居そうな普通の名前だ、いや俺も人の事は言えないが。

 

 それだけに今俺達が置かれている現実が改めておかしい物なんだと思ってしまう。

 

 ゲームや漫画みたいな状況、デスゲームをやらされている俺達。

 

 魔法やロボット、モンスターや殺人鬼まで出てくる非日常が改めて異常だと思う事が出来た。

 

 もしもこれに慣れてしまったら、俺の倫理観もいつかは崩れていくかもしれない。プレイヤーキラーになんてなりたいとも思わないが、アクセル、透哉の様な復讐だけで生きる様な人間にはなってしまうかもしれない。

 

 何にせよこれで成長もガチャも、透哉の蘇生も終わった。

 

 今は片桐が蘇生薬についての情報操作をしてくれている。お陰で現在掲示板やらソウルギアゲーム関連のサイトが大混乱中らしい。

 

 蘇生薬が使われただの、所持者が他の誰かに移っただの、実は全部出まかせだのと、そしてそこから透哉や俺の情報をどんどん消していっているそうだ。

 

 逆に浮かび上がるのはプレイヤーキラーだったリジェクションやそいつに関係してたプレイヤー。どこから手に入れたか分からないが片桐は奴等の情報を手に入れていたらしく、写真合成や何やらで情報をかく乱しまくっている。

 

 ディザスターからの報復とかも考えたが、これ自体は別にゲームへの利敵行為でもなんでもないらしく、スルーされている模様。

 

 消された俺達の情報はぎょ? 魚拓?? なんだかよくわからんがどんな手段を用いても探しだせない様に完全に消去しているとの事、なんだよお前無敵かよ。

 

 とはいえ片桐が言うには、「不特定多数の情弱程度にしかそこまで効果がない」との事、ある程度の奴は消される前に情報などを握ってるのが当たり前らしいので、そこをどうするか悩んでたな。

 

 何にせよ既に蘇生薬は使われてるし、片桐としても真の情報として蘇生薬は既に使われているという方向に情報を導いているらしいので、何れは騒ぎも沈静化すると言ってたな。

 

 すまん、俺にはよくわからん。

 

「とりあえずは次のシーズンまでの間の半年は、時間が出来たって事か」

 

「ですね、僕も仕事を辞めた身ですから、これからは本腰を入れて対応するつもりです」

 

 本腰入れてないでこの辺りの地区最強のプレイヤーと言われてるとか俺の親友が本気でやばいんだが・・・いつか追いつけるのかね、これは。

 

「そういえば御堂君はポイントでセーフハウスを買うんでしたよね?」 

 

「あぁ、何時までも居座ってたら悪いと思ってな」

 

 流川のセーフハウスはかなり広いんだが、流石に俺一人で6人分とかなりの枠を取ってしまっている。そこに片桐、スピネル、アクセルと親友、ハルペー、ほぼ毎日来てる佐伯少年と、実は既に限界だったりする。

 

 いつまでも世話になる訳にもいかんし、実は爆死した全部コモンの中に一つだけ、かなり有用なスキルがあったので、ある程度なら距離を離れても直ぐに会いに行けるようになっていた。

 

 そのスキルはコモンスキル【転移】

 

 かなり相性に左右されて、大多数のプレイヤーが使えないというコモンの癖にほぼレアスキルになっている奴だった。実は購入値段もコモンとは思えない値段で、まさかの【6000】ポイントだ。下手すればSレアスキルの安いのだって変える値段だぞ?

 

 だが一応は下位レベルの魔法の様で、コモンに属しているらしい。

 

 効果は1日に2回まで【マジック】人数分、最大【2か所】まで設定した地点に転移出来るっていうとんでも魔法だった。移動できる最大距離はマジック×10キロとの事。それを超えていたら場所を設定してても発動失敗で終わるそうだ。

 

 ゲームでおなじみの瞬間移動魔法だぞ? 爆死だと思ってたがまさかの大当たりが紛れ込んでやがった。

 

 つっても、この魔法そこまで需要が高く無かったりする。

 

 理由は先ほども言った通りに【魔法適性】が存在し、この適性がないプレイヤーやソウルギアがセットしても発動すら出来ないって奴だった。

 

 転移魔法が使えるなら色々な事が出来る、プレイヤー達も挙ってこのスキルを手に入れたらしいが、使えたのは1割にも満たなかったらしい。それでも1割弱は要るそうだが、使えても一度の使用でほぼ精神力を使い果たすとかが大半だそうだ。

 

 その万能的な効果故に、コモンとはいえ使用が難しくそれゆえにこの魔法の実は産廃に近い性能が触れ回り今では殆ど情報掲示板にも上がらないとか。

 

 流川やアクセル、いや山崎もハズレを引いたなと肩を叩いてきたんだが、実はそう・・・まさかのショコラに【転移】の魔法適性があったのだ。

 

 お蔭で俺達は【転移】の魔法を使用する事が出来る様になったので、ある程度の距離ならばほとんどない様なものとして動く事が出来る。

 

 弱点はショコラというかミューズのステータスは平均的でそこまでマジック特化ではない所か。

 

 彼女のマジックは現在【6】なので、最大60キロ程度の距離までなら一瞬で移動できる。これは上位魔法の【大転移】などがあれば距離が伸びたり、セットできるか所が増えたりするが、レアに売られてた【大転移】のお値段は【20000】ポイントでございました。買えるけど流石に諦めたよ。レアの値段じゃねぇよ。

 

「このセーフハウスから60キロ圏内で良さそうな場所でも探すさ。良い所があればいいんだがなぁ」 

 

「最悪拡張しますし、このままでもいいんですよ? うちの子達も喜びますし」

 

「ここだとマスターとあーるじうはちな事が出来ないから、お断りするよ」

 

「それ目的じゃないんだけどな?」

 

 この天然不思議系えろっ子め、可愛いのがほんともうね。

 

「そういえば次のシーズンが始まるまでは何もないのか?」

 

「いえ、一応【エクストラミッション】というのが定期的に始まります」

 

「終わってない、それシーズン終わってないよ?」

 

 サイレーンが真顔で突っ込んだ。てか俺も突っ込みそうになったよ、終わってねぇじゃねぇかって。だが流川の次の言葉で直ぐに鎮静化した。

 

「いえ、これは緊急ミッションと同じタイプで【参加自由】なんです。これには参加してもしなくても何のデメリットもありません」

 

「パパも基本的には参加してないよね、よほどポイント足りなくなった時くらいかなぁ」

 

「発生個所も割とどうでもいい辺鄙な所で発生してるしね。放置でいいんじゃないかな?」

 

 成程・・・一応それなりにミッションは発生しているって事なのか。参加は自由で、成長したりポイントが欲しかったらご自由にって奴なんだな。

 

 緊急ミッションと違う所は、クリアポイントも所詮エクストラミッションって事でそこまで多くないらしい。高くても2000とか3000との事で、大体は500とか1000あればいい、簡単なミッションばかりだそうだ。

 

 それでも雑魚を倒したりミッションをクリアすればそれなりのポイントは貰えるから、次シーズン開始までにポイントが無くて困っていたら参加するって感じらしい。

 

 まぁ、大体のプレイヤーは折角の命の心配がない状況でわざわざ死ぬかもしれないミッションに参加する奴はあまりいないそうだ。

 

 俺も今のポイントがあれば十分だし、そこまで積極的に参加しようとは思わんな。

 

「いわゆるポイントが少なくて困っているプレイヤーに対する、ディザスターからの救済処置と言う奴なんでしょうね。勿論、失敗すれば死にますが」

 

「だろうな。寧ろ参加者少ないんだし失敗する可能性の方が高いだろそれ・・・」

 

「僕が前に参加したときはギリギリ成功でしたね。割と死にかけてもらったポイントが、雑魚討伐の数百とクリアポイントの800でした」

 

 わ、割に合わねぇ・・・余程切羽詰まってない限りは俺もスルーだな。わざわざ戦おうと思わんよ。

 

「ちなみに山崎は行ってたりするのか?」

 

「エクストラミッションをクリアしても、状況は変わらないからな、俺もそれは無視していた」

 

「素直に面倒くさかったって言えよ?」

 

「や、やかましいっ!?」

 

 親友に突っ込まれて珍しく焦っている山崎。こいつにもこんな所があったんだな。普段はこう張り詰めた風船っていうか、切れたナイフっていうか・・・表現が古いな。そういう完全に寡黙でクールなキャラなんだが。

 

「お、俺は実はちょくちょく・・・ポイントとかよく足りなくなってて」 

 

「お前は無駄遣いのし過ぎだな。気を付けろよ? お前レベルの戦力をそんな無駄な事で失いたくない」

 

「お、俺の事をそんなに・・・! わ、わかりました!」

 

 ハルペー君こと山田君が感動してらっしゃる模様。

 

 ま、尊敬してたり信頼してる人に褒められればそうなるよな。俺も会社で新人だった頃に親方に偶に褒められては嬉しくなってたもんだ。

 

「さささ、マスター、私達の愛の巣を探しに行こう。やっぱりキングサイズベッドが必要になるよね」

 

「セーフハウスな? ま、どうせ時間はあるしゆっくり見て行こうぜ?」

 

 そう言いながら俺達はゆったりした時間を過ごしていった。

 

 夕方に片桐が、「わ、私を見捨てていくのかあああああ!?」と泣きながら突撃してきたのには驚かされたぞ。

 

 

―109話了

 

 

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