異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

123 / 130
そうるぎあでこまったことありますか?

 

 

「・・・さて、どうするか・・・」

 

 土壇場の情報で俺達のパーティが一気に使えなくなった。

 

 サイレーン達人型ソウルギアがプレイヤーと同等として扱われるとなっている以上、俺が全力を出す事ができない。というより山崎達のパーティに入ると劣化レベル4でしかない俺が居る事になるだけだ。

 

 となればこの時点で俺は山崎達のパーティに入る事が出来ない。そうなればあっちも一人足りなくなるが、それはそれ、山崎のソウルギアになっている新島が入れば丁度6人になるから、そこは何とかなるだろう。

 

 だがまぁ、公平といえば公平ではあるんだよな。俺みたいな人型ソウルギアを複数出せるようなプレイヤーがいたとして、そういうのが沢山集まってソウルギア全員だしたら6人パーティ所か10人20人とかそういう事だって可能になる。

 

「俺は非参加か、ソウルギアだけを連れて行った方が良いかもしれんなぁ」

 

 そうなれば非参加に傾くんだが。俺一人だけでむかっても意味がないし、俺がクリアしてしまったら報酬独り占めとかになるしな。いや、俺一人でクリアできるなんて微塵も思っちゃいないが。

 

「え? それなら私も参加辞めたいんだけど・・・」

 

「リバティさん!?」

 

「・・・まぁ、お前ならそう言うだろうな」

 

 山崎が致し方ないとばかりに言う。

 

 片桐の参加理由が、俺の手伝いプラスついでに報酬が欲しいって話らしいんで、俺が居なかったら参加する意味がないって事になる。むず痒いというか、ここから少しずつ自立させる事が出来るんだろうか。ちょっと難しい気がしてきた。

 

 しかしそうなるとあっちも人数が足りなくなる。レヴォリューション、バンカー、山崎、新島、山田の5人になるからあと一人足りなくなる。

 

 スピネルは参加しないとあらかじめ言ってるし、流川は俺と同じタイプだからだめだ。ジェミニを含めればその時点で3人になるからな。

 

 となれば残っているのは佐伯少年か羅漢のおっさんだが、今から連絡してOKを貰えるかって話になる。

 

 俺がソウルギアを召喚しなければ6人になるが、そうなると俺がただの足手纏いになる。流石にこの状態でも片桐を護る程度は出来るだろうが、火力メインの俺が火力にならない時点で居れる意味もないだろう。

 

「とりあえず俺は佐伯かジェミニを通して羅漢に連絡を通してみる。まさかこんな落とし穴があるとはな・・・」  

 

「それなら俺が連絡する、片桐は参加しないでいいんだな?」

 

「・・・・あ、うん。友樹が行かないんなら、手伝う理由もないし、私自体は弱いから数合わせだっただろ? 邪魔にしかならなそうだしさ」

 

 確かにレベル4に上がったとはいえ、片桐のステータスは正直レベル2~3あるかどうかの力量しかない。戦闘系のスキルもないし、ソウルギア自体も戦闘系じゃあないからな。特殊タイプの支援系だから、更に使いにくいのは確かだ。

 

「実質マスターはソウルギア禁止になっちゃうものね、大きく制限されちゃう」

 

「そうなんだよな。俺の本領は皆からの支援バフ貰ってからのアタッカーだからよ」

 

 全支援が入れば同レベルのプレイヤーには早々負けはしない。経験はともかくステータスだけならばレベル5クラスになるし、ミューズのスキルも同時に使えばレベル6にすら攻撃が通るだろう、今の俺なら。ま、攻撃が通ればの話なんだが、それだけのフィジカルは手に入る。

 

 だが、逆に誰も出せなければ純粋なアタッカーには程遠いステータスしかないんだよ俺は、ステータスや経験を補ってくれる武器のソウルギアはない以上、ステータスごり押し、スキルごり押しで何とかするしかない以上、彼女達が居ない=同レベル帯じゃ雑魚になる。

 

「参ったな。兄さんの戦闘力は結構アテにしてたんだが・・・」

 

「僕もです。でも無理強いは出来ませんし・・・」

 

「とりあえずは連絡してくる。山崎達は待っててくれ。無理なら無理で参加しなくても問題はないしな」

 

「あぁ、そうさせてもらうよ」

 

 俺は言うや否や直ぐに流川に話を付けに行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果から言えば、佐伯少年が山崎達のパーティに入る事になった。こうしてみると支援系が新島しかいないんだが、そこは山崎がアタッカーではなく探索用のスキルをセットして対応するらしい。

 

 基本はこんな感じだ。

 

 アタッカー:レヴォリューション、バンカー、山田

 

 タンク:佐伯

 

 スカウト:山崎

 

 バッファー:新島

 

 ヒーラー:新島 ※バッファー兼用

 

 遠距離系がほぼ居ないが、そこは山田が何とか対応する。基本はハルペーを使っての接近が得意らしいが、それでも物理的な衝撃破や魔力的な衝撃波を出せるという割と万能能力持ちなのだ。

 

 タンクってのは所謂壁役だな。この中ではメタルアーマー的なソウルギアのお陰で防御力が一番高い佐伯少年がこの役割をこなすらしい。本来は俺が支援貰ってこの役をやる予定だったんだがな。

 

 スカウトってのは斥候とかゲームで言うならシーフ系だ。トラップ探知や解除などをメインとしてる役割だな。基本はアタッカーの山崎だがあえてスキルをそっちに帰る事で急遽対応する事にしたらしい。俺じゃあその辺りは無理だから何でも器用にこなせるあいつなら皆も安心だろう。

 

 後は支援と回復を新島が一人で担う。そういうソウルギアだからそこは頼りにして大丈夫だろう。

 

 と言うか・・・俺が居てソウルギア達を召喚出来れば、バッファーもヒーラーもタンクもスカウトもアタッカーも全部出来るんだよな。そりゃ人型ソウルギアは制限されるよな。俺一人でどれだけできるって話だよ。

 

 で、俺だが・・・一応参加する事にした。ダメだったらすぐ撤退するし、うまくいけば宝箱とかは手に入るかもしれないからな。

 

 後、詳しい説明を見たら例外として7人なっても大丈夫な事が分かった。それは【二体一対】系のソウルギアは【一体】として扱われるらしい。

 

 つまり俺のミューズと、流川のジェミニは二人で1体として扱われる。となるとこうなる訳だ。

 

 アタッカー:俺 ショコラ クレア

 

 シューター:ショコラ クレア

 

 タンク:俺 ショコラ クレア

 

 スカウト:ショコラ クレア

 

 バッファー:サイレーン テルクシノエー ショコラ クレア

 

 ヒーラー:サイレーン テルクシノエー ショコラ クレア

 

 遊び人:ハトメヒト

 

 変な枠が増えてる? うん、俺もそう思う。だが割と間違ってないんだよなハトメヒトに限っては。

 

 で、ショコラとクレアはその汎用性ゆえにスキルの入れ替えでどの役割でもこなす事が出来る。ステータスにとがっている部分はないが、だからこそ逆に何でも出来るそうだ。器用貧乏ではなき器用万能って奴だろうな。

 

 そしてミューズが一人として扱うと、俺も俺で一人足りない訳で、結果片桐が俺の方に来た。無理しなくていいんだぞと一応言っておいたんだが、手伝いをすると言った以上、行くのなら手伝うと言って聞かなかった。

 

「で、結局行く事になったと・・・大丈夫ですか?」

 

「まぁ、無理はしないつもりだがな」

 

 夜、珍しく俺と流川の二人だけで飲みながら話をしている。最近は周りに誰かしらいたのでこういう時間は久しぶりだ。

 

「ダンジョンタイプのミッション。これから増えてくる可能性はあるでしょうね。ディザスターは一度始めたミッションを何回も続ける傾向があると聞きます」

 

「ほんと、聞けば聞く程プレイヤー使って楽しんでるってのが分かるな。気分はゲームマスターって所か?」

 

「かもしれませんね。リアルで命がかかっているロールプレイングゲームですよ」

 

「そのうちシティアドベンチャーとかやりだしそうだよな?」

 

「勘弁してほしいですね」

 

「まったくだ」  

 

 シーズンも終わったので、幾分か気が楽になっている俺達。流川も半年ぶりの自由に出来る時間だ、出来る限りは英気を養いたいだろう。俺としてもそれを尊重してやりたいので、エキストラミッション等には余程の事がない限りは誘うつもりはない。

 

 勿論流川の方から頼ってきたら手伝うがな。恩ばかりたまってるし、少しずつでも返していかんと俺の気がすまん。

 

「報酬が豪華なのも、初めての試みだからこそ呼び込みたいというのが透けて見えますね」 

 

「だろうな、運が良ければ蘇生薬も手に入るんだ、仲間のプレイヤーとかを亡くした奴なら是が非でも参加するだろうよ」

 

「ボスは取り合い、同じ目的ならばボス前のつぶし合いもあるかもしれません。油断はしない様に」

 

「もちろんだ。ま、俺には頼りになるソウルギア達が居るからな、俺は俺で出来る事をやるさ」

 

「ふふ、確かにそうですね」

 

 カパカパとビールを開けていく流川。既に6本目に到達している、それで全く酔ってないんだからほんとこいつはアルコールに強いよな。ウィスキーとかもザルみたいに飲み干すからなぁ。

 

「よくそれでビール腹にならんなぁ・・・」 

 

「食べた以上に鍛えてますからね。寧ろ僕としてはあれだけ甘いものを食べまくっている御堂君が太ってないのが不思議ですよ」

 

「肉体労働とケーキ作成は体力を使うんだよ」

 

「ケーキ作成には使いませんよね???」

 

「使うんだよ、俺的には」

 

 お互いそれなりに酔っているのか、他愛もない話で盛り上がる。このデスゲームに巻き込まれる前はそれなりの頻度であった平穏な日常。

 

 少しの間ではあるがそれが帰ってきたのが少しだけ嬉しいと思える。だが、それは流川にとっては死と隣り合わせの間のほんの少しの平穏だったんだな。

 

「何にせよ、適当にやってくるわ。俺としては山崎達がボスを倒せればいいから、その手伝いでもしてくるわ」

 

「御堂君なら普通にボスまで直行して倒してきそうですよね」

 

「なんでだよ」

 

「御堂君だからですよ。あ、次の開けても?」

 

「おう、どんどん飲め!!」

 

 二人だけの飲み会は深夜まで続いた―――

 

 

―123話了

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。