異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

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ハックアンドスラッシュは好きですか?

 

 

―エキストラミッション当日

 

 体調は万全に整え、俺達は目的の地点に到着していた。

 

 今日のミッション開始視点は人里離れた森の中で開催される事になっている。到着した瞬間にあちこちに慣れ親しんだミッション特有の結界の様なものがすでに張り巡らされているのを感じた。

 

 お蔭で周りにどんなプレイヤーが居るのか今一よくわからない。俺達は一応2PTでやってきているので、今の所は全員揃っているがミッション内容によるとダンジョンに入った瞬間に全てのパーティがバラバラに配置されるとの事だ。

 

「さて、ついたな。お前等準備出来てるか?」

 

「俺達の方は大丈夫だ。ケーキ屋、お前も気を付けろよ?」

 

「あぁ、やばくなったら逃げるさ、別に逃げてもデメリットないんだしな」

 

 シーズン中のミッションとは違うので、参加も撤退も自由だし何の問題もない。撤退するためのスキルもちゃんとセットしてあるのでどうしようもなくなった場合は直ぐに逃げ帰る予定だ。その場合は一旦自分の車に戻って近くの町で待機する事になっている。それは山崎達も同じで、今回は2台の車で来ているからどちらかの車が無かったら戻ってきているのは確定と言う事だ。その時は他のプレイヤーに見つかる前にとっとと逃げればいい。

 

「んじゃ、お互いに死なない様にな、兄さんも頑張ってくれ」

 

「やばくなったら逃げてくれよな? 流川サンも心配してると思うんで」

 

「わかってるって。そっちも気を付けろよ? 今回ばかりは敵はモンスターだけじゃないからな」

 

「おうよ! 仲間は俺が守るさ!」

 

 既にソウルギアを展開させ、メタルヒーローの姿になっている佐伯が自分の胸をドンと叩いて答えた。

 

 ちなみに俺達の間ではボス到着時の話は通してある。

 

 お互いにボス直前で鉢合わせた場合は、レヴォリューションたちに譲る事にした。その代わりと言っちゃなんだが、その場合は道中で手に入れたアイテムやポイントは分け前としてもらう事になった。

 

 鉢合わせなかった場合は早い者勝ちで、俺がボスを倒せた場合は蘇生薬があれば山崎に譲る、それ以外は色々欲しいものがあれば交換や売買の予定だ。

 

 逆にあっちがボスに到着してボスを倒した場合は特に何もない。優遇してるような感じだなと片桐が言っていたが、そこまでしてほしいものがある訳じゃあないし、いい経験になるからって理由で参加してるのもあるからな。

 

 しいていうならばこのタイプのミッションを体験しておくことで流川にも情報を持って行ってやれるってのが一番だ。

 

「んじゃ、ダンジョンであった時はよろしく頼むぜ?」

 

「ケーキ屋さん達も気を付けて下さい!! それじゃ行ってきます!!」

 

 6人はそう言うと一足先にミッション内部に入っていった。

 

 開始時間はあと少しなので、その間に俺も準備を整える。

 

「ご主人様、此方の準備も整いました」

 

「まーちゃん、色々行けるよ~」 

 

「うーん・・・こうしてみると本当にハーレムだよな友樹」 

 

「否定しがたい・・・」

 

 何せこの場には俺以外男が居ないからな。少し以上に肩身が狭い。あまり女性として意識しなくて済むのか片桐とそこでなぜか急に炊飯器を取り出しておにぎりを握っているハトメヒト位だ・・・て。

 

「なんでおにぎり作ってんだよ!?」

 

「む? 主殿よ食料と言うのは真大事な物だ。人は食べねば飢える。飢えてしまえば思考力が鈍り、判断力が欠落する。そうすれば普段聡明な存在であろうとも、間違えた結果を出してしまう事がある。その先は破滅、故に食料と言う物は人には必須、特に握り飯は腹持ちもよく、それでいて携帯にも優れる。海苔を巻く事で持ちやすく、味も良し、中身の具を入れ替えれば千差万別の味を楽しめるのだが、ここで一つ注意が必要だ。日本人の多くが牛乳を飲み、乳糖を消化する乳糖分解酵素が少なくて腹を壊すように、外人の多くは海苔を消化するための酵素が足りず、食べすぎる事で腹を壊す可能性があるので注意されよ。これは豆である」

 

「長い!? 長いから!? あと俺が言いたいのはなんでここで作ってるんだよって話だよ!?」

 

 どこから持ってきたんだよその炊飯器。後食料はちゃんとテルクシノエーが用意してくれてたのに、何を開幕やらかしてくれてるのだろう、この海産物型生もの幼女は。

 

「うむ・・・強いて言えば」

 

「強いて言えば??」

 

「そこに・・・炊飯器があったから、であるな」

 

「だからなんでだよ!?」

 

「・・・大変だなぁ友樹・・・」

 

 片桐が可哀想な瞳で俺を見ている。見てないで助けてくれ、開幕俺疲れちゃったよ。でもハトメヒトが握った握り飯、普通に見栄えも良くて旨そうなのが更にあれなんだよな。

 

 というかこのハトメヒト、見かけによらず日常生活において万能過ぎた。料理も問題なく作れるというかテルクシノエー並だし、俺はケーキしかあまり作らないが、こいつは色んな菓子を沢山作っている。

 

 その上でよくわからない事をやりつつも炊事洗濯などの家事も万能と、奇行にさえ目を瞑れば万能幼女なのが本当にもう・・・

 

「ますます私の不思議キャラが脅かされている気がするよ・・・」

 

「いや、あんたは不思議キャラっていうか下ネタキャラで定着してね?」

 

「クレア酷いこと言った。私はとても悲しいよよよよよ」

 

 すまんサイレーン、割と否定できん。

 

「はぁ、ふぅ。さて、各自役割は覚えてるな?」

 

「ん、大丈夫マスター、ちゃんと覚えてる」

 

「問題ありません。皆への指示は任せてください」

 

「あぁ、頼りにしてるぞテルクシノエー。出来るだけ俺もやってみるが、基本はお前に任せるわ」

 

 6人、いやミューズは二人で一人扱いなので7人いるが、今までのミッションとは違い、人数が極端に少ない。そして出会ったプレイヤーも味方とは限らない以上、これまで以上に役割をしっかり分担しないと万が一がある。

 

 レヴォリューションと一緒に戦った時、あの時もそれぞれがやれることをやって個人で役割が決まった状態で戦っていた。これからこういうミッションが増えてくる以上、それぞれが出来る事や得意な事をやれるようにしていかんとな。

 

「わ、私は後ろで支援役だな?」

 

「あぁ、片桐には悪いが戦闘よりも普段の支援の方が役に立ってくれる。戦いの時はテルクシノエー達の後ろに下がっててくれ、何かあれば逐一教えてくれると助かる」 

 

「わ・・・わかった! その程度ならなんとか」

 

 片桐のソウルギアの力で銃器などの機械類は強化されている。後、今回の片桐の役目は広範囲の索敵などだ。マシン・ザ・リバティがレベル4に上がった事で、更に機械類に対しての強化などが行えるようになったらしく、ドローンなどを複数捜査しての広範囲の索敵が可能になったらしい。

 

 腕のソウルギアから伸びたゴーグルは片桐曰く、超高性能なパソコンの様なものがセットされていて、これを用いる事で一々パソコンなどを持ち込むことなく、その場で様々な機械類を操る事が出来るらしい。

 

 現に既に俺達の周囲には強化されたドローンが複数体飛んでいる。それ等にはカメラや色々な物がセットされていて、周辺の様子を事細かに確認出来るらしい。ズーム機能もあるので遠くも問題なく見つけられて、何かが接近してきたら自動でアラートもなるらしい。

 

「・・・戦闘以外で超優秀だよなお前」

 

「ほ、褒めて何も出ないからなっ!?」

 

 とはいえ片桐本人が言っていたが、使っているのは高性能の代物でも、使っている人間がそういうのを得意としていない以上、万が一は普通にあるからちゃんとした索敵要因は居た方がいいって事で、そこはショコラとクレアに任せてある。

 

 スキルもトラップ感知や解除などのシーフ系の様なセットに変えているので基本的な戦闘力は落ちたが、斥候としてはこれ以上ないほどの優秀だ。二人はテレパシーの様なもので繋がっているから、広範囲を同時に索敵できるのも強い。

 

 問題はメインアタッカーが俺しかいないって事だが、魔法攻撃などはテルクシノエーやサイレーン、ついでにハトメヒトが何とか出来るので、俺が気合を入れて行けばいい。

 

「では主殿、そろそろ開始の時間だ、参ろうではないか?」

 

「あぁ。頼りにしてるぞハトメヒト?」

 

「無論。勝利という美酒を貴方に送ろうではないか。着払いで」

 

「いらんわっ!?」

 

 まったく、こいつが居るとシリアスってのが裸足で逃げていくな。

 

 だが、幾分か気も楽になった。さぁ、ダンジョンアタック、やってやろうじゃねぇか。俺達もミッション内部に侵入していくのだった。

 

 

―124話了

 

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