異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

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反転反転また反転。どれが答えでどれが正解?

 

 尻尾の振り回しが辺りの全てを薙ぎ払う。

 

 完全に先ほどまでの勢いを取り戻したイレギュラーナンバーが所構わずに全てを壊しながらレヴォに向かって攻撃を続けている。

 

 狙いを付けられたレヴォだが既に疲労と怪我の回復は終わっている。弱点の看破も終わっている以上、回避に専念するのは問題ない。

 

 嵐のようなモンスターの攻撃を回避しつづけながら思案していた。

 

『どういう理屈で操ってる? 何がこいつやあの死体を動かしてる? いや、死体じゃあなくても大丈夫なのか? どういう条件だ、何があればソウルギアに制御を奪われる?』

 

【ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】

 

「っ?! うおおおおおおおおおおおっ!?」

 

 イレギュラーナンバーがレヴォに向かって凄まじい速さで跳躍する。

 

 咄嗟に攻撃に気づき、その場から転がるように全力で回避する。その一瞬後に着した時の轟音と衝撃が響いた。

 

「あ、ぶねぇっ!?」

 

 あのタイミングの攻撃、少しでも気が緩んでいたら踏みつぶされて死んでいただろう。そう思うと背筋に寒いものが走った。

 

『プレイヤーキラー、どこに居やがる! 遠隔系なのは間違いないがどこまでが制御可能距離なんだっ!? 近くにいるのかそれとも・・・くそっ、ソウルギアの気配さえ読めれば、其処から辿れるのに・・!』

 

 イレギュラーナンバーが何者かのソウルギアによって操られているのは確定だ。

 

 既に意識があるような状態ではない。咆哮を上げてはいるがそれはただ本能で叫んでいるようなものだろう。先ほどの状態で死んでいる状態だったのをソウルギアが無理やり動かして操っているか、暴走させているのだろう。

 

 その暴れようは凄まじく連鎖攻撃を当てようにも近づく事すら困難になっている。

 

『抑える為の手が足りねぇ。大技打とうにもこれじゃ無理だ、あっちの兄さんが来るのを期待するしかないか』 

 

【オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】

 

「うぉっとぉ!?」

 

 周囲を薙ぎ払いながら襲ってくるイレギュラーナンバーがレヴォに向かって尻尾を叩きつけてきた。

 

 間一髪、尻尾の一撃をギリギリで回避し、レヴォは直ぐに距離を取りながらも、なんとか攻撃できる隙を探すが。通常攻撃ならばともかく連鎖攻撃を再び弱点部分に叩き込むのは難しく、御堂がこちらの援軍に来るのを待つしかなかった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 乱打、乱打、乱打。

 

 一切の容赦なく御堂の攻撃が操られた死体に突き刺さる。普通の人間ならばあっという間に腕も頭も吹き飛ぶほどの破壊力を秘めた一撃が悉く突き刺さるが、男の身体が千切れる事は無い。

 

 頭部、顔面に関しては既にホラーに出てくるような凄惨な状態になっている。歯は全て折れ、鼻は削がれ片方の目は先ほどの顔面殴打で吹き飛んでいる。頭部が更に割れ血液と黄色い何かが耐えず溢れているが、それでも頭部が千切れる事はない。

 

 死んでいるとはいえ目の前の男はレベル2のプレイヤー、それも前衛タイプともなれば防具を身に付けなくても身体は恐ろしく頑丈だ。後は無理やりに腕などを動かして致命的な攻撃だけはガードしているせいもあり、思うように破壊できていない。

 

 これで御堂が格闘の達人であったならばもっと簡単に終わらせていただろう。

 

 しかしながらいくら超人的な力を得ているとはいえ、御堂はただの一般人。ただの喧嘩殺法ではまともに致命的な一撃を与える事が出来なかった。

 

「おらあああああああああああっ!!」

 

 全力で前蹴りを放ちそのままの勢いで押し潰した。

 

 そこからの連続スタンプ。頭部を狙って全力で足を踏み落とすが両腕をクロスにして致命の一撃をきっちりガードしていく。

 

 とはいえ衝撃までは逃せない、踏み落とす度に頭部が地面に打ち付けられていき血飛沫がアスファルトを滲ませていく。

 

「っ!! おおおおおおおおおおおおおっ!」

 

 怒りでハイテンションになっているからこそ攻撃し続けられているが、それでも目の前の死体が損壊していく様子に堪えるのも辛い恐怖と吐き気、罪悪感が襲う。

 

 少しでも気を緩めれば攻撃をやめてしまいそうになる。

 

 それでも御堂は攻撃をやめずに延々とスタンプを続ける―

 

「っ! しまった!?」

 

 踏み下ろしの一瞬のスキを突き、スタンプを避け男の身体が転がる。そのまま数度転がり一気に立ち上がった。

 

「ひ、ははははははは! こしがひけてるぞぉ、ひひひひひ!!」

 

 口内がグチャグチャになっている筈なのにたどたどしいが馬鹿にしたようにこちらを挑発する粉骨砕身の死体。あれだけダメージを与えても死んでいる以上、完全に破壊しない限りは無限に動き続けられる。

 

 男の馬鹿にした挑発に御堂はそのまま言い返す。

 

「当たり前だろうがぁ!? こちとら少し前までただのガテンの兄ちゃんだったんだよ!? こんなふざけた殺し合いに慣れる方がおかしいんだよ!」

 

「むいてねぇなぁ! あんしんしろや! こんかいはあのれべる4とおなじくみのがして、やるかもしれんからよぉ」

 

 言い捨てながら踵を返し逃げ出す死体の男。

 

「ざけんな!? てめぇみてぇな奴を逃す訳ねぇだろうがっ!」

 

「ひゃはははははははっ!? いいのかぁ!? おれにばかりかまっててよぉ!? れべる4でも、けっこう、つらいんじゃねぇのかぁ!?」

 

「待ちやがれぇっ!」

 

 逃げ出す死体を御堂は直ぐに追いかける、既に全身ボロボロの状態では満足に走る事も出来ず直ぐに追いついた。

 

「これで、終わらせてやる!」

 

 精神的なあれこれは全て終わった後だ、と御堂は精神を集中し逃げる男の背中を手を手刀の形に変え全力で突き刺す。

 

 その攻撃は男の背中を突き破り肉を潰し背骨を穿つ。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 突き刺さった腕を力を開放するかの如く咆哮しながら薙ぎ払う――! ぶちぶちと肉が削げる音と共に御堂の攻撃は男の胴体を引きちぎった。

 

 べしゃりと湿ったものが落ちる音と共に男、死体の上半身がその場に落ちる。

 

 同じく引きちぎられた下半身は血を溢れさせながらその場に頽れた。

 

「はぁ、はぁ・・・ど、どうだこの野郎・・・っ! こうなれば流石に動けねぇだろ!」

 

 後は頭部と潰し腕を身体から削ぎ落せばレヴォの応援にいける。

 

 既に御堂の精神がいっぱいいっぱいだったが、サイレーンの精神力強化効果でなんとかおかしくなりそうな自分を律し続けることが出来ていた。

 

 精神の疲弊による一瞬の油断、突如万力に絞められたような激痛が足首を襲う。

 

「ぐああああっ!?」 

 

 そこには上半身になっても尚衰える事なく動く手で足首を握りしめている粉骨砕身の死体。既に表情が判別出来ない顔になっているが、それでもそれは笑っていた。

 

「はははははははははは! なにかかんちがいしてるんじゃあないのかぁ!?」

 

「くそがっ!? 離しやがれぇっ!」

 

 しゃがみ込み掴んでいる腕を両腕で引きはがす御堂。しかし掴む握力が強すぎて強化のかかっている御堂ですら直ぐには引き剥がせない。強化もされていない素の足だったならば少し握られただけで千切れていたかもしれないだろう。

 

 レベル2に上がり、サイレーン達の強化を受けても尚、掴まれた足首はミシミシと嫌な音を立てているのだから。

 

「どうたいをぶちぬかれたからって、うごけないなんてだれがきめたぁ!?」

 

「この、クソド外道がぁっ!」

 

「あはははははびょっ―――」

 

 全身の力を込めて何とか掴まれていた足首を開放する、そのまま怒り任せに男の頭を全力で踏み砕いた。

 

 腕が少し痙攣した後男の動きが完全に止まる。死んだのかと男を見た御堂はその時何かが男の頭部から消えたのを捉えていた。

 

「今、何かが・・・」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「ご主人様・・・っ!?」

 

 今まさに戦っている御堂の姿を悲痛な表情で見守るテルクシノエー、隣ではサイレーンもまた苦虫を噛み潰したような表情で経緯を見守っていた。

 

 苦戦しているように見えるがそれは当然だ。

 

 御堂は戦闘力こそ二人の力で驚異的なほどに強化されているが、その戦闘力でただ戦ってるだけに過ぎず、それ以外には何もできない。これで格闘の経験があったり、レヴォ達のようにスキルを購入しそれを使って戦えばもっと有利には戦えていただろう。

 

 普段のモンスター討伐と違う戦闘の質が必要な場面では頭数程度にしか今の御堂には価値が無い。

 

「マスター、頑張って・・・」 

 

「ひ、ひぇぇぇぇ、大混乱し過ぎてるよぉ!!」

 

 フェアリーズの視力では奥の方でドガンドガンやってる程度しか見えていない。プレイヤー達が必死に戦っている姿が激しすぎて理解するのも難しいようだ。

 

「え? あ、誰かきたっ!?」

 

 彼女が指差した先、バンカーがアクセルを背負って走ってくる。焦りの表情のままサイレーンに助けを求めた。

 

「すいません! 彼方の人に回復が出来るソウルギアが居ると聞いてきました! このままじゃ彼が!!」

 

 そのまま急いでアクセルを地面に寝かせる。

 

 既に意識をほぼ失いかけ呼吸も小さくなっている。このままなら後30分もしないうちに死亡するだろう。

 

 サイレーンがバンカーに応えアクセルの傍に近づきながら言った。

 

「私が出来るよ!! 直ぐに回復させるからっ」

 

「お願いします! 僕は直ぐに戻って皆の手助けに行かないとっ!」

 

「ぅ、ま、まて・・・」

 

「ごめんなさい! 直ぐに行かないと!!」

 

 手を伸ばしバンカーに静止を呼びかけるアクセルにバンカーはそう答える。

 

 今まさに飛び出そうとするバンカーにそれでもアクセルは消え落ちそうな意識を覚醒させあらん限りの声で叫んだ。

 

「ぉ・・・れを・・・こ、ころ・・・殺せえぇええええええ!?」

 

「はっ―――!?」

 

 彼の言葉を理解する前にバンカーの腹部に熱さと激痛が襲う。アクセルが持っている剣をバンカーの腹部に突き刺していた。

 

「え、う、うわああああああああああああっ!?」

 

「サイレーン!! 貴方、何をっ!!」

 

「があああああああああああっ!?」

 

 アクセルに刺されたバンカーがその場に倒れ込む。致命傷だろう、ドクドクと血が溢れそのまま意識を失い倒れた。

 

 その様子を見たテルクシノエーがサイレーンに呼びかけつつ、彼女自身は直ぐにふらふらとしているアクセルを蹴り飛ばした。受け身も取れずにごろごろと転がるアクセルを尻目に次の行動の態勢を取る。

 

「待ってて直ぐに回復するから! 【ヒーリングボ――」 

 

「――――ぉおおおおおおおっ!!!」

 

『まずいっ!? 避けられない―――』

 

 弾かれたようにサイレーンも駆け出し直ぐバンカーに回復スキルを使おうとするが、突如急に動きが鋭くなったアクセルがいつの間にか展開していた二本の剣を持ちサイレーンに襲い掛かる。

 

「っ!!」

 

 戦闘型ではない彼女ではこの速度で襲ってくる相手を避ける事は出来ず、両手で顔を覆い防御になっていない防御を取る事しか出来ない。

 

「に、げ・・・ろおおおおおおおお!!! がああああああああああっ!?」 

 

 叫ぶアクセルに轟音と共に全身を激しく焼き焦がす雷撃が命中する――!

 

「サイレーン! その人間を回復させて!」 

 

「い、今のテルクシノエー・・? わ、わかったよ!」

 

 テルクシノエーも後方の支援タイプではあるが、多少の攻撃程度は出来るのだ。今のは彼女がデフォルトで使える【マジック】依存の雷撃魔法。威力はそこまで高くないが消費する精神力は低く発動も早い。 

 

「そう、そういう事・・・」

 

 急に暴れだしたアクセル。

 

 奥の方で生き返った死体と暴れているミッション討伐対象。

 

 彼女はこの全てが同じ存在が行った事だと確信し、それを誰が行ったかも理解した。

 

「プレイヤーキラー。見つけたわ」 

 

 再び起き上がろうとするアクセルに向かいつつも、テルクシノエーは狙いを定める。

 

「功を急いたわね―――――! 外道!!」

 

 再びの雷撃魔法――

 

 だがそれはアクセルではなく全く違う場所に放たれた。

 

「油断している人間と操れる半死人、そして支援二人なら一網打尽に出来ると思ったかしら?」 

 

 倒れているソレらを睨みつけながらテルクシノエーが続ける。

 

「プレイヤーキラーさん?」

 

 その視線の先、倒れているのは沢山の妖精達。

 

 そしてそれに庇われているのは勿論フェアリーズだった。

 

「ちょっ!? 私は無実!?」

 

 慌てた表情で降参のポーズをとる彼女だが、テルクシノエーの表情は氷のように冷たい。

 

「これだけ近くにいると分かるわよ? そこの無数にいるソウルギアと、彼を操っているソウルギアの感じる波動みたいなものが、ね」

 

 更に彼女は続ける。

 

「 私こう見えて支援系は支援系でも魔力特化なのよ。そしてソウルギアでもある以上、貴女が使うソウルギアの力の気配、嫌でもはっきり分かったわ」

 

「あ、ぅ・・・え、その・・・・えと・・・・」

 

「ここに来る前にあの瀕死のプレイヤーを殺すべきだったわね。流石にここまで近くないと私でも判断出来なかったわ」

 

 これ以上無いほどに真実を言い当てるテルクシノエー。

 

 フェアリーズは泣きそうな表情のまま固まり、叫んだ。

 

「妖精さんへループ!?」

 

 フェアリーズ。いやPKが自身のソウルギアを盾に後ろに下がる。

 

 その前にはいくつか倒したとはいえまだまだ複数以上の妖精たちが不敵な顔で笑っていた。

 

「しゃあねぇ、ばれたらしかたねーなぁ! おまえらぜんいんころせば、ぽいんともたくさんもらえるしよぉ!」

 

 妖精の一体がそう言うと、他の妖精たちも口々に言い放つ。

 

「ったく、奴隷はまんぞくに腹芸もできねーのかよぉ!」

 

「しごともできねー、くそどれいはせめてぼくたちにぽいんとをしはらえや!!」

 

「あーん! ごめんなさいー!!」

 

 妖精達に蹴られ、殴られつつ滂沱の涙を流すフェアリーズ。どう見ても主従が逆転していた。

 

「どれい。おまえらかとうせいぶつはだまっていうことをきいていればいいんだよ」

 

「ぼくたち ソウルギアが絶対に下? そんなのはねぇんだよー」

 

「おまえらぷれいやーこそ、どれい、かとうせいぶつだっておぼえておけー!」

 

「でぃざすたーもそういってるにちがいねー!!」

 

「然り然り」

 

「あははははははは!!」 

 

 本性を現した妖精【ソウルギア:フェアリーズ】が笑いながら言う。

 

 その中の一体がニヤニヤと笑いながらマスターである彼女に告げた。

 

「ほら、しにたくねーなら【おねがい】しやがれ。いまなら、どれいの1ねんぶんのじゅみょうでたすけてやるからよー」

 

 フェアリーズに対する願いは対価が必要となる。

 

 その対価の価値が高ければ高いほど、フェアリーズ達は本来の実力を超え、その願いを叶えるために力を発揮できるのだ。それがマスターの寿命であるのならば、その効果はレベル差すら容易に覆す。

 

 彼女は死にたくなかった。だからこそ願いを叶えてもらうしかない。

 

「うぅぅぅ、死にたくないよぅ。お、お願いします妖精さん。私を助けて・・・!」 

 

「いいよー」

 

「対価はじゅみょう2ねんだよー」

 

「あとはぽいんとをつかってれべるあげだー!」

 

「よーし! あそこのしにかけどれいもつかえー!!」

 

 【願い】を叶えるためにフェアリーズ達が力を発動する。

 

 それぞれのステータスが強化され、アクセルを操っていた妖精もその力で再び彼の身体を無理やり動かし始める。

 

「あははー! どれいいけー!」

 

「く・・・・そぉおおおおおおおおお!? 逃げろ・・!! それか俺を、俺をころせぇぇぇぇぇぇ!」

 

 無理やり身体を動かされるアクセルが悲痛な叫びを上げる。

 

「こっちのにもはいりこむぞー!! ぴぎゃっ!?」

 

 もう一体の妖精が倒れているバンカーを操ろうと近づいた瞬間、テルクシノエーの雷撃がそれを焼き殺した。

 

「あいつじゃまだなー、むねがでかくてエロいくせに純情とかはやらねーよ!!」

 

「まずはあいつをころせー!!」

 

「そうだそうだー!」

 

 わらわらと二人を囲んでいく妖精達にサイレーンが焦りながら言う。

 

「これ、もしかしなくてもまずくない??」

 

「そうね。でも大丈夫よサイレーン」

 

 雷撃をあちこちにいる妖精達に放ちながらテルクシノエーが無表情に言い放つ。

 

「全部壊してしまえばいいだけだもの」

 

 彼女は怒っていた。

 

 PK、フェアリーズではなく、そのソウルギアに対して。

 

「ソウルギアとしてご主人様の為に戦う事こそ我等の誉。主従逆転などあってはならない」

 

 そしてマスターである彼女には呆れと憐憫の気持ちを―

 

「貴女は多分可哀想なプレイヤーね」

 

「た、たすけ・・・・」

 

 何故こんな事になったのだろう、彼女は今までを振り返り思う。

 

『無理だよね、たとえ私がこの子達に脅されてたとしても、プレイヤーキルをしたのは変わりないんだもん』

 

 彼女自身なりたくてなったプレイヤーキラーではない。寧ろ彼女にはそんな勇気も悪意も無い。それでも今がこうなっている。既に3人の人間をキルしている以上、言い訳も出来ないし、許される事もない。

 

『なんで・・・わたしだけこんなめに』 

 

 言う事を聞かない妖精達。気が付けば手遅れだった。

 

 今は命令を聞かないと生きて行けない、今回参加したのもソウルギアに命令されたからだ。他のプレイヤーキラーを殺すついでに他のプレイヤーも殺すと。

 

 断れば妖精達は暴力を振るいミッションでは手伝わなくなる。彼女が生き残る為には従うしかなかった。

 

「あ、あぅ・・・・」

 

「おそらく、ソウルギアに全てを奪われたのでしょうね」

 

「えと、その・・・・」

 

 テルクシノエーがゆっくりと微笑ながら言った。

 

「でも死ね―――」

 

 その言葉に一切の容赦などなく―――

 

 

―27話了

 

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