異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

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けーきいずじゃすてす!!

 

「うしっ完成。お前等出来たぞ~」

 

 エプロン姿で完成したケーキを運ぶ俺。帰ってきた後すぐ流川やサイレーン達の為に労いと歓迎としてケーキを作っていたのだ。

 

 今回はシンプルに苺のショートケーキを作った。本来ならスポンジから作っていきたかったが、今日は急いでいたのでスポンジは出来合いの物を買ってきた。このスポンジだって意外と馬鹿に出来ない、ちゃんと作ればこれはこれで味があるものだ。

 

 要はあれだ、食べて美味ければ何でもいいんだよ。下手に凝り過ぎてあーだこーだ言うよりは全員で楽しみながら作るケーキってのが一番美味いもんだ。店に出す品物なら妥協は出来ないがな。

 

「パティシエ系男子・・・いける!!」

 

「何がよ、良いからちゃんと座りなさい」

 

「スイートなごしゅと来たかぁ、ギャップ萌え狙ってる? あーしそう言うの弱いよ?」

 

「うふふ、夜が捗りそうだよねぇ♪」

 

「このぽっと出どもぉ。それはまず私たちからであってだね」

 

「良いからはよ並べろ」

 

 どこからこんな元気が出てくるのかと言わんばかりに騒いでるミューズとサイレーン達。テルクシノエーがもうなんか疲れた表情をしていらっしゃる。ご苦労様だよほんと。

 

「んー、まぁ人様のソウルギアの事情だしどうでもいいけど、おじさん、枯れ果てないようにね?」 

 

 切り分けたケーキを食べながらジェミニの少年の方が助言してきた。ありがとうよ涙が出るよ、安心してくれ俺は残念な事にその辺ヘタレ過ぎて何もできてねぇよ!!

 

 とまぁ、俺がケーキ作ってる間に既に流川達は到着していた訳で、話の前にケーキでも食っていけと準備していた所だったんだが、なんとか間に合ったな。

 

「それにしても無事でよかったですよ。よく緊急ミッションを乗り切ってくれましたね。プレイヤーキラーも居るとか最悪フラグが詰め込まれ過ぎでしょう」

 

「俺もそう思う。今回は参加メンバーが強かったのとMVPはテルクシノエーだったよ。ま、そいつは後で詳しく話すからケーキ食え」

 

「やった~! おにーさんのケーキおいしっ!」

 

「何あの子、めちゃかわなんだけどwww触っても良い??」

 

「おにーさんのソウルギアって、ほんと独特なのばかりよね」

 

 ジェミニの嬢ちゃんよ、お前さん達にだけは言われたくない。

 

 でも言われる気持ちはよくわかる。

 

 だがそんな彼女はケーキを食べてご満悦の様だ。俺のケーキは彼女のお気に入りになれたらしい。今度は1から全部作って御馳走してやりたいもんだね。

 

 隣では流川もコーヒー片手にケーキを食べている。その姿がこうインテリ系イケメンっぽくてなんとなく腹が立つのは内緒だ。俺なんかハゲたおっさんが甘いもの食べてるとかそんな目で見られるんだぞ? 

 

 それからはワイワイと賑やかなブレイクタイム。

 

 俺も自分で作ったケーキに舌鼓を打つ。やはりホイップが決め手だな、ショートケーキは苺とホイップが俺的に大事だと思う。機械でホイップを泡立てるのも良いが、俺はここは人力でやってる、そっちの方がより深くホイップの角、つまり硬さが立ってくれるからな。

 

 隣ではミューズとジェミニがお互いに色々言い合っている。

 

「こいつらおかしいって、レベル3の能力じゃないよ」

 

「おにーさんってもしかして規格外なのかもねぇ」

 

「いや、チビっ子たちも十分おかしいじゃん?」

 

「チビっ子て・・・」

 

 無敵だなミューズ。目の前の二人は恐らく百戦錬磨なレベル4のソウルギアなのに、怖がる所かいつも通り過ぎるわ。

 

 にしてもミューズのスキル、やはりとんでもないみたいだな。俺もさっき見たんだがどいつもこいつもヤバイ効果だった。

 

──────────────────────────────────────

【スキル:才能開花Lv3】

Lv×3時間の間、自身のマスターに様々な強化を付与する。

ミューズのステータスと同様の数値を付与

更にあらゆる才能や能力が大幅に強化される。

レベルが上がる毎に効果時間が上昇する。

──────────────────────────────────────

【スキル:ジャッジメントLv3】

敵全体に【回避不能】【軽減不能】の神の裁きを叩きこむ。

射程は一度視覚に捉えた場合ほぼ無限に追跡する。

威力はミューズの【マジック×スキルレベル】に依存する。

──────────────────────────────────────

【スキル:九の神の加護Lv3】

Lv×30分の間、九体のアバターを呼び出し、マスターに力を与え続ける。

マスターの全ステータスに+9の補正

ただし、この力は1度使う度に【1000】ポイントを消費する

──────────────────────────────────────

【スキル:―――――Lv1】

※詳細不明

──────────────────────────────────────

 

 スキルの4番目はともかくとして、ほぼ絶対命中の攻撃とかサイレーンよりは劣るが俺に対する強化バフ、ポイントを1000も消費するが全ステータスが+9もされるとんでもバフとやりたい放題だ。

 

 そりゃジェミニ達もおかしいって言うよな。俺もそう思う。

 

 問題は俺がそんなバフを連続で受けたとしても使いきれるかって所なんだがな。絶対に持て余すに決まってる。次のミッションの前に体を慣らしておかんとだめだろうな。あいにくと時間だけは出来た、生き延びるためには全力でやるしかない。

 

「ってかあーし等の方がお互いに仲がいいだろうけどね~」

 

「むむ! 仲の良さなら私たちの方が負けないからね!」

 

 ミューズとジェミニがお互いにお互いの相方を抱きしめながらよくわからん争いを続けている。ジェミニの方はその姿も微笑ましく感じるが、ミューズなんだろう、ただただエロいんだが。頑張ってくれ俺の理性。

 

「まーちゃんがガン見しててかーわいぃ♪ ほら私達の姉妹丼に混ざる?」 

 

 そんなこと言いながら此方を挑発してくるミューズ。くそぅ、可愛いなこいつら。

 

「枯れ果てないで下さいね?」

 

「どやかましいわ」

 

 流川の痛烈な突っ込み、俺は青筋を立てながら返した。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 ケーキも食べ終わり、これからは真面目なターンだ。まずは事細かに今回の出来事を伝える。レヴォの事は流川も知らなかったらしい。レベル4だと言ってたし結構有名な子供だとは思ったんだが、確かに自ら知名度を上げるようなタイプじゃなかったのは確かだ。

 

 粉骨砕身のおっさんについては流川も知っていた。

 

 素行の悪いと言うか元々裏のチンピラで、力を手に入れてイキってたタイプとの事。プレイヤーキラーではないらしい。ジェミニの少女に一度ぼっこぼこにされたかららしいが、色々やってんなぁ流川達は。

 

 フェアリーズ、PKの事も知らなかったそうだ。流川と言えど何でもかんでも知ってるって訳でもないか。

 

「立て続けにミッションとかは発生しないのか?」

 

「緊急ミッションを除いてはそういう事はありませんね。ディザスターもその辺は考えてるんでしょう、【おもちゃを酷使したらすぐに壊れる】とね。だからお陰で生きていられます」

 

 俺達はディザスターにとって色々遊べるゲームのキャラクターって事だ。替えは聞くが一度手に入れたキャラは出来る限り使いつぶしたいって事なんだろう。良い性格してるよ、だからこんなゲーム開いてるんだろうが。

 

「ミッションが遠く離れた場所の場合は強制ではありません、そこはアプリに載ってると思います。プレイヤーは僕達だけではありませんからね、回避できる時はあえて回避するのも手です」

 

 世界各地で発生するミッションは、一部の空間を特殊な世界にしたゲームフィールドに変えてしまうとの事。開始時にこれが近場にない場合はアプリに強制参加のメッセージが無い時があって、この時は参加しなくても良くなるそうだ。これは参加拒否には含まれないらしい。単純に遠い場所に死んでも行けとは言わない方針の様だ。

 

 参加拒否はフィールドが近くにあって参加が確定している状況であっても参加しないと言う事で、これが続けばディザスターが殺しに来る。

 

「まぁ、ポイントは参加すれば手に入りますし、生き延びるためには強くなるしかない以上、余裕があれば参加するのも必要ですけどね、何せシーズンが終了したら次のシーズンまで待たないといけませんから」 

 

「あ、そうそうパパがこの後言うと思ったけど、今回のシーズン来月で終わるよ?」

 

「はいぃ!?」

 

「ちょwwwwww」

 

 突如会話に紛れ込んできたジェミニの嬢ちゃんの爆弾発言に俺とサイレーンが思わず大声を上げた。

 

 これから先なんとか生き延びるために仕事を辞めてきたってのに、来月で今シーズン終わるってのは衝撃過ぎるだろ。どちらにしろ両立は俺には難しいんで仕事を辞めるしか選択肢はなかったんだが。

 

「緊急ミッションも連続じゃあこないし後は2~3回クリアすれば半年は自由だとおもうよ~?」

 

「あーしら出オチかい!?」

 

「大丈夫だよ半身♪ 寧ろシーズン終わった後が私達の本番じゃん? やるね! このラノベが18歳未満禁止になろうともやり通すね!」

 

「リアルをラノベ化すんな!?」

 

 思わず突っ込んでしまった俺。満面の笑みでグッドサインをしておられるよこの娘。

 

「僕の所も人の事言えないんですが、御堂君のソウルギアって全員濃すぎますよね」

 

「俺もそう思うよ・・・」

 

「でもそう言うごしゅもこういうの好きでしょ♪」 

 

「いい加減にしないと怒るわよ? お客様の前で、何恥ずかしいこと言ってるの」

 

 スパンっと手首をスナップさせてミューズ達の頭をはたくテルクシノエーが唯一の癒しです。見た目はこの中で一番目に毒だったりするが。

 

「愛があふれてるからね、しょうがないね。ちなみにマスターはどう?」

 

 つつつと俺に近寄ってくるサイレーンに俺はこう答える。

 

「これで靡かないやつはホモだね!!」

 

 馬鹿野郎、嬉しいに決まってるだろうが馬鹿野郎。俺だって男だよ馬鹿野郎。モテない歴年齢の男がそんなこと言われてうれしくない訳ないだろうが。

 

「やったぜ♪」

 

 ガッツポーズをとるサイレーン。そのポーズも可愛いんだからもうどうしたもんかね。ほんとうちの子達しか勝たん。

 

 とまぁ、欲望駄々洩れなのを抑えて問題に戻る。

 

 今回のミッションが後残り数回で終わる、となれば――

 

「なぁ、流川」

 

「言わなくてもわかっていますよ、残りのミッションは全てご一緒しますのでポイントを稼げるだけ稼いでおきましょう」

 

「助かる」

 

 これから先俺達に必要なのは実戦経験とポイントだ。数回を回避して次のシーズンまで時間稼ぎも選択肢の一つだが、それは問題の先送りにしかならない。

 

 ならばここで折角強力で頼りになる味方の流川が手伝ってくれる以上、残り全てのミッションを全てこなして経験を積みポイントを増やしていくのが最善だ。

 

「まだまだ教えることは沢山ありますからね、本来なら報酬でも貰うのですが、御堂君のケーキが美味しいのでそれでチャラにしましょう」 

 

 おどけて言う流川に俺も返す。

 

「ふっ、次のケーキを楽しみにしてろ? もうプロのケーキすら食えなくしてやるからよ」

 

 ステータスが上がって今まで以上に器用さが上がっている今、俺のケーキ作りの腕はプロを超えている―様な気がする。勿論気がするだけだが。

 

「あぁ、そうだ忘れてた。流川、スキルとガチャについてなんだが―」

 

 もう一つの本題。俺達が今以上に戦う為に必要になるだろうスキルの購入とガチャについて改めて聞く事にした。

 

 

―33話了

 

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