異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

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飛ばしてもいいような日常と説明となんか色々

 

 SSレアスキルが出て数分ほど大興奮だった俺達だったが、漸く落ち着きを取り戻してスキルを色々調べている。

 

 SSレアスキル【トランスブースト:未熟】だが、流川が言うには【ガチャ限定】のレアスキルだったらしい。確かにSSレアスキルの購入ページを調べてみたが、同名のスキルは載っていなかった。

 

 となれば強力なスキルか、とは思ったがスキル名に【未熟】とあるように、このスキルはSSレアにしては極端に弱いらしい。確かにステータス上昇とかはかなり便利だし壊れない武器が出せるのは十分に便利だ。

 

 だがサイレーン達のバフに比べればかなり弱い。武器も壊れない武器なんてそれこそ沢山売っているし、そもそも俺は素手だ。今から剣に持ち変えるとなるとまた練習漬けの日々になりそうだよな。

 

 とはいえ、こういうスキルは絶対使い続ければとんでもない事になる。ラノベとか漫画とかならテンプレ的な性能だろうし、長い目で見ていけば強力なスキルになってくれるかもしれない。

 

 最初は前衛に出たいと言っていたサイレーンかミューズに渡そうと思ったが、三人揃って辞退された。強力なスキルなら俺が使うべきだって事で、結局俺がこのスキルをセットする事になった。

 

 このスキルをセットした事で、今の俺は他にSSのスキルをセットする事は出来ない。レアリティによって装備できるスキル数は決まっているからだ。前も軽く調べてみたが、流川からちゃんとしたスキルの説明を受ける。

 

「まず、デフォルトの状態でセットできるスキルはこうなっています」

 

 持ち込んできたノートPCにわかりやすくスキルのセットの説明が書いてある。

 

──────────────────────────────────────

コモンスキル:6個

レアスキル:5個

Sレアスキル:3個

SSレアスキル:1個

Lレアスキル:1個 ※ソウルギアのみセット可能。

──────────────────────────────────────

 

「これがデフォルトのスキルセット数ですね。実はスキルセットはあるアイテムを使用する事で限界数を増やせるんです」

 

「でもお高いんでしょう?」

 

 サイレーンのお約束なセリフを微笑んでスルーしつつ流川はページをスクロールする。

 

 そこにはスキルセットの増加方法について書かれていた。

 

──────────────────────────────────────

スキルセット数増加方法:各種レアリティによって増加方法と限界値が異なる。

コモンスキル:モンスターを100体倒す毎に1個増加 最大値:10個

レアスキル:ミッションを3回成功する毎に1個増加 最大値:8個

Sレアスキル:防衛ミッションを2回成功する毎に1個増加 最大値:6個

SSレアスキル:緊急ミッションを2回成功する毎に1個増加 最大値:5個

Lレアスキル:5シーズン生き残る事でプレイヤーもセット可能 最大値:1個

──────────────────────────────────────

 

 どれもこれも今の俺には遠い目標だな。

 

 しかしSSレアスキルは次の緊急ミッションに参加して生き残る事が出来れば1個枠を増やせるようになるのか。このランクのスキルはどれも強力な物ばかりだし、増やしておけば色々選択肢が増えるかもしれん。

 

 って言ってもSSスキルなんて1個しか持ってないがな。

 

「メモリーを渡しておきますので僕達が帰った後見て置いてください、必要なスキルや購入した方が良いスキル、出来ればずっとセットしておきたいスキル、余裕が出来たら手に入れるべきスキルなどの説明を書きだしておきました」 

 

「悪いな、助かるよ」

 

「次のミッションまではまだ数日残っているでしょうから、スキルを購入した後にまた模擬戦闘を行ってみましょう。多分劇的に変わるので動きを慣らさなければいけませんし。僕も今週の後半は時間が作れるので、出来れば毎日でも」

 

「あぁ、流川とジェミニが手伝ってくれるのは助かる。経験者が居ると居ないとじゃ色々違うしな」

 

 これほど親身になってくれる友人、親友を持てた事に感謝だな。

 

 俺がこいつにしてやれる事は、今まで通りに接する事、美味いケーキを作ってやる事、最後に流川が心配しなくても済むように強くなって追いつく事だ。

 

 レベル3にはなれたがまだまだ俺達は素人。次のミッションでも出来うる限り全力を出し切っていかないと。

 

「そういえばシーズンが終わるって事は、残りのミッションって面倒なのばかりって事なんだよな?」

 

 さっき聞いたが、シーズン中のミッションは開催されればされるほどどんどん難易度が上がっていくそうだ。そして来月にはシーズンが終了する。と言う事は残っているミッションは全て俺的にはハードモードとかルナティックモードって事になるんだが。

 

「そうなんですよね。大体ラスト近くなると防衛ミッションや強敵討伐ミッションなどが多くなります」 

 

「強敵討伐はこの前の緊急ミッションみたいなもんだとして、防衛ってのは何かを護るって奴だよな? 何を護るんだ?」

 

「開催場所に応じて色々ですね。出現したゲートが壊されないように襲ってくるモンスターを倒すものがメジャーです」

 

「他にもあるって事か」

 

「えぇ、この中で一番難しいのが【プレイヤー】を護る防衛ミッションですね」

 

「プレイヤーを、護るか・・それって」

 

「参加拒否をし続けたプレイヤーを名指しで攻めてくる防衛ミッションです。この場合ほぼ確実に殺しに来るので、護り切れない事が大半らしいです」

 

 ミッションは基本的に距離的に参加できるなら全部参加する必要がある。

 

 だが近場にあるのにあえて参加しない事も一応は出来るが、それを立て続けに行ったり、1回出た後1回休んで~を繰り返したプレイヤーはディザスターに参加意思無しと見なされて殺されると言っていた。

 

 色々な方法で殺されるらしいが、緊急ミッションの標的になったり防衛ミッションの防衛候補になったりするって事か。

 

「それ、もし防衛出来たらどうなるんだ? 免除になるのか?」

 

「なりませんね。次は緊急ミッションの討伐対象になるか、また防衛ミッションの対象になるか、それ以外の方法で殺されるか。一度対象になった時点で、生き残った後真面目に参加しても無意味です」

 

「体調不良などで~なんてのは言い訳か」

 

「そういう事ですね。逆に言えば参加さえすれば大丈夫なので、気心の知れるプレイヤーを作って、カバーしてもらうのも良いかもしれませんよ」

 

 その点で言えば俺は流川が居てくれるのが助かってるな。

 

 逆に流川が困っている場合は俺が助けられるようになれればいいんだが。

 

「残りのミッションは僕も一緒ですから、安心してください」 

 

「あぁ、頼りにしてるよ」

 

「それにしても、増えましたねぇ」

 

 流川の視線の先、サイレーン達がそれぞれスキルの構築やセット、購入云々をジェミニを含めて相談している姿が見える。

 

「ここまで人型のソウルギアを所持しているのは御堂君だけかもしれませんね」

 

 笑いながら言う流川に俺は渇いた笑いで返すしか出来ない。

 

「どれも可愛いし強いのはありがたいんだが・・次のレベルになったらまた増えそうなんだよな」

 

「どういう基準で増えてるんでしょうね。それにサイレーン、テルクシノエー、ミューズ、どれもある程度神話などを齧っていれば聞く事のある名前です。僕のジェミニはそのまま双子座を模している感じですからね」

 

 俺もその辺気になって調べてみたんだが、あまり詳しい事は分からなかった。

 

 サイレーンはギリシア神話に登場する「セイレーン」や「サイレン」の事だろう。歌を用いて船を沈めるとかそういう奴だ。女神セイレーンとも言われてるらしい。

 

 うちのサイレーンはそういうキャラではないが、歌のスキルを各種持っているし、女神と言わんばかりの美女ではある。

 

 テルクシノエーについてもこれまたギリシア神話の3人の女神のうちの一体で名前の由来は「魅惑する女」と言うそうだ。確かに普段の姿を含めテルクシノエーの見た目も服装も何もかも相手を魅惑、主に俺を誘惑しそうな感じの存在だからな。性格はともかく。後ウィキペディア調べてきた限りではセイレーンの一人とかとも書かれていた。

 

 ミューズもまたギリシア神話の存在で、ムーサとかムサとか色々別名があった。正直軽く流し読みした程度なので分からないが、スキルの【九の神の加護】ってのは多分この神話を元にしてるんだろうなぁ、とは思う。

 

 ちなみにミューズの設定の方にはテルクシノエーの事も書かれていて、九の神の一体に数えられてるみたいだ。

 

 そうなるとサイレーンが居たからセイレーンの一体と言われるテルクシノエーが出て来て、テルクシノエーが居たから九の神の繋がりでミューズが出てきた事になるのか? もし次レベルが上がって新しい奴が増えたら、ミューズ関連なのか調べてみるのも良いかもしれないな。 

 

「というかまた増えそうなんですね?」

 

「多分増えると俺は思ってる。俺としては嬉しい悲鳴って奴だよ」

 

 これ以上増えるとこの賃貸じゃ手狭になる。

 

 現状既にパンパンだからな、サイレーンなんて狭いからって理由で俺の寝床にしょっちゅう潜り込んでくるし。大体直ぐテルクシノエーに見つかって連れ戻されるんだが。

 

 次のミッションでポイントにある程度余裕が出来たら生活基盤を整える為にポイントを使わないといけないな。

 

「そうなるとある程度広い家を探さないとなんだがなぁ。そういう場所は基本高いのがなぁ」

 

「僕の方でも探しておきますよ。良い物件が見つかったら連絡しますね」

 

「色々悪いな、本当に助かるぜ」

 

「お礼は美味しいケーキで良いですよ」

 

「任せろ、次は妥協せずに最高のモノ作ってやるからよ」

 

 今回は時間がなくて妥協したが、次は今のステータスが上がった俺が出来る最高品質のケーキを作ってやろうじゃねぇの。

 

 何がいいかねぇ、ザッハトルテを作るのもいいな。日本で作られたホイップが甘いタイプじゃなくて、本体をかなり甘くして作る方も作ってみるかな。こっちは甘すぎるケーキ本体の口直しとして砂糖を使わないで作ったホイップを添えるんだ。

 

 これが滅茶苦茶濃厚で甘いザッハトルテの味をなじませてくれるんだよな。すごくうまいぞ? 俺も作った事はあるんだが、同僚に食べさせたら普通の方が良いって言われちまった。甘すぎて歯が浮くとか言われてなぁ。

 

 その点流川なら大の甘党だし、ジェミニの二人も甘いものは大好きらしいからザッハトルテはきっと気に入ってくれるはずだ。

 

「その笑み、どうやら期待しても良さそうですね」

 

「おう盛大に期待しろ。最高級の物を食わせてやるからよ」

 

 この瞬間だけはお互い、デスゲームに参加する前の他愛もない雑談で盛り上がっていたあの時の俺達のままだった。

 

 直ぐにサイレーン達が突撃してきて大騒ぎになったがね。

 

 

―35話了

 

 




ふつうのお店に売られているザッハトルテはそこまで甘みが強くありません。
なので普通に美味しいのですが、本場のザッハトルテは食べると「シャリッ」と音がするほど砂糖とバターがふんだんに使われていて、「おいしい」を超えて「もうこれ砂糖そのものやん!?」となるケーキです。

それはそれで甘党の方には大人気なのですが、それだけではくどくて疲れてしまうと言う事で、無糖の甘くないホイップクリームと一緒に食べるのです。 そうすると程よい美味しさになって幸せになります!
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