異能大戦ソウルギア   作:あさねこ

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おセンチの次はおメートルで行こう。

 

 翌日―

 

―【私はマスターを性的に襲おうとしました】

 

 首から上の様な看板を掛けられて正座を強制されているサイレーンがそこにいた。ミューズ達二人はここぞとばかりにスマホで写真を撮り続けている。後生だからやめてあげなさい。

 

 リバティはそれを見てぎょっとした顔で、「大丈夫か何もされてないか!?」と詰め寄ってきたが、俺は無事である。というか何故リバティが詰め寄ってくるのかはがわからん。惚れた?? いや違うな、同類だと認識したかったに違いない。

 

 あれもまた俺の様に年齢イコール彼氏彼女いない歴を更新中なのだから。

 

 いやでも俺の場合これは、彼女になるのだろうか・・・? 魂の片割れみたいな存在だから他人とは言えないし、恋人って言うには仲が深すぎるし、寧ろ4人いるし。

 

「最初は敵襲かと思ったぞ・・・」 

 

 実はあの後直ぐにテルクシノエーがどこから持ってきたのは分からないがハリセンを持ちだしてサイレーンの頭をどついてきたのだ、寧ろどこから来たのと言わんばかりの速さだった。

 

 敵襲と思ったのかアクセルとスピネルに流川までやってきて全員が唖然としてたよ。うん、すまんね。あ、リバティは寝てたみたいだ。

 

「・・・盛るのはほどほどに」

 

「俺じゃあないんだよなぁ」

 

 俺としても彼女の気持ちは嬉しいんだが、昨日の場面折角シリアスだったのに急にカオスになってしまったせいで受け入れるのが難しかったんですわ。あのままムードが最高潮だったら俺は流されてたかもしれん。

 

 でも、ギャグ空間になってたらね、仕方ないよね。あの状況は俺でも遠慮させてもらうのですよ。

 

「テルクシノエーが来るのが早すぎた・・・実はのぞき見してた??」

 

「あれだけ大声でご主人様が叫んでたら、流石に寝てても聞こえるのよ」

 

「・・・あの声にはびっくりした」

 

「え・・・? ケーキ屋叫んでたの・・・?」

 

「あぁ、うんもう忘れてくれ。で、今日はどうする??」 

 

 ミッションの通知はまだ来ていない、くるとすれば今週中だとは思うのだが、万が一、今週も通知が来なかった場合、次のミッションがラストになるだろうと流川が言っていた。

 

 逆に今日明日にでもミッション通知が届けば後2回はミッションがあるかもしれないとも。

 

 稼ぎを考えるなら後2回来てほしいし、安全に終わらせたいなら後1回でこのシーズンは終わりたい、どちらも悩ましいもんだな。

 

「俺は少し考え事をしたい。部屋に戻らせてもらう、何かあれば呼んでくれ」

 

「・・・私はケーキの本を読んで練習。また次手伝ってほしい」

 

「ゲーム!!」

 

 三者三様、らしい答えを出す三人。

 

 そしてリバティや、朝からゲームとか、廃人にも程があるぞ? 少しは太陽に当たったりするのはどうなんだ?

 

「ヒキオタニートは太陽の光で溶けるんだよ・・・」

 

「どこの吸血鬼だよ」

 

 まさに典型的なニートだよ君は。

 

「てか、ケーキ屋は何か用事あるの??」 

 

「あぁ、ちょっと買い出しにな。車出すから、買ってきてほしいものあれば言ってくれ」

 

 スピネルが本格的にケーキを学びたいって話だからな、ここは指導者として、必要な材料とかを買い集めなくてはならんのだよ。今持ってるのは全部俺のだしな、スピネルが使いやすい機材や、ケーキの材料などを大量に買い込む予定だ。

 

「なら、私もついて――」

 

「いや、テルクシノエーは皆の昼食とか家の事頼むわ。直ぐそこに買い出しだしな、一人で行ってくる」 

 

 流石に街中で他のプレイヤーキラーが襲ってきたりとかはねぇだろうしな。

 

 そういう油断してたらフラグ立ちそうだから先ほどクレアとショコラに頼んで付いてきてもらう事にした。召喚解除してだがな。

 

 流石にソウルギアの二人を出しっぱなしにしてたらそう言うのに気付くプレイヤーもいるかもしれないし、何かあった時に緊急で呼び出すって事にしたんだ。

 

 一応俺自身、素の状態でもそれなりに戦えるしな。

 

 サイレーンは残念ながらお仕置き中なので居残りである。

 

「成程、二人を・・・分かりました。気を付けて行って来てくださいね」

 

「おう。で、お土産はなにがいい?」

 

 それぞれから欲しいものを聞いて俺は町に繰り出すのだった――

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 業務スーパーに到着した俺は早速必要な物を買い揃えていた。

 

 やはり業務スーパーは良いよな、欲しいものは大体置いてるし安いし本当に助かるわ。貧乏人の強い味方だぜ。って、俺はそこまで貧乏でもなかったけどさ。

 

 ケーキの材料とかも今は質より量なので、ここで沢山買い漁っておく。今はスピネルが沢山練習して作るためにかなり大量に必要だからな。初日に一応実践って事で作ってもらったが、これが意外にも筋が良い。これは本当に教え甲斐があるってもんだ。

 

 あと、これまた意外にもリバティも割と上手くやっていた。ただ、あいつの場合は量をきっちりと図りすぎるので時間がかかるって言う難点があるが、そこは経験だな。慣れていけば早くなるだろうし、何時かあいつも一人でケーキが作れるようになるかもしれん。

 

 カーゴを押しながら買い物を続ける。

 

 今日は平日の昼間だが、ここはやはり人が多いな。やはりこういう場所は人が多いものだ、賑わっているって事良い事だよな。繁盛し続けてくれれば店がつぶれる事も無いし、このままずっと賑わってほしいものだ。

 

 それにしても・・・ここに居る人達の中にもしかしたらプレイヤーも居るんだろうか?

 

 この前のミッションの時に会った奴らとぱったり出会うとかもあるかもしれんしなぁ。とはいえ俺が覚えてるのはバンカーと羅漢、ガーディアンと、あとあれだ・・・防御結界の奴。あいつの防御効果はすごかったんだが、名前が思い出せん。

 

 今度また出会ったらちゃんと名前聞いておきたい所だな。

 

 出来れば次のミッションの時にでもケーキ持っていってやりたいが、あの場所にケーキ持っていったら大顰蹙を買うだろうしなぁ・・・折角最近新しいケーキも思いついたんだが。

 

 そんな訳で俺用の素材も買い集めようと、場所移動を始めたらなんかすげぇ奴がいた。

 

『リアルゴスロリがいる・・・・』 

 

 ゴシックロリータってのを知ってるだろうか?

 

 俺も詳しくは知らないんだが黒くてミステリアスな雰囲気の衣服で、人形とかが身に着けてる衣服みたいなのを着ているって感じだ。外人さんがそんな恰好をしてたら神秘的な雰囲気を感じるんだが、日本人がそれをやっているとなんというかコスプレっぽい感じに見えてしまう。

 

 俺の目の前を歩いているゴスロリ少女は、高校生位だろうか? 学校はどうしたんだよとツッコミたいと言うか、なんでゴスロリ少女が業務スーパーに居るんだよと言うか、色々異様な状態過ぎた。

 

 周りの人もそのゴスロリ少女に目が行ってるしな。そりゃあ町の往来とかなら兎も角、業務スーパーなんて言う場所にあんな姿の人が歩いてたら目をつくよな。それを狙ってたとするなら中々の策士って奴なのかもしれんが、どうみてもあちこちきょろきょろしてるんだよ、あの子。

 

 まさか道に迷ったとか言わないよな。

 

 あまり関わるのもやばそうだし、俺も離れよう・・・と踵を返そうとした瞬間、ゴスロリ少女が此方をじっと見つめていた。

 

 目を逸らしたかったが、ゴスロリ少女は俺を見つめた後、ぱあああと顔を綻ばせこっちにやってくる。逃げ道が消えてしまった。ここから走って逃げるのも無理だ、色々重いプレッシャーが俺を襲っている。クレアとショコラを呼んでおけばよかった・・・そんな事を考えているうちに、彼女が話しかけてきた。

 

「あー、すいません。◎◎ってどこかわかりますか?」 

 

 見た目は儚げさすら感じるゴスロリ少女だったんだが、聞こえてきた声は予想外に中性的な声だった。とても似合わないと言うか、一瞬もしかして女装してる男性か?  何て考えてしまったが、見た目が華奢だしどうみても10割女性にしか見えない。

 

 後◎◎って、こことは全く逆方向というか、何故業務スーパーに居るんだこの子は。

 

「とりあえずこことは逆の方向だな、店から出て――」

 

「うむむむ・・・」

 

 説明しようとしたら急に唸る少女。

 

「地図アプリとか見たんですけど全然分からなくて、もし時間があったら案内とかしてくれません?」

 

「はい・・・?」

 

「お願いします、お礼にデートしてあげますから」

 

「ご遠慮します」

 

「よかったぁ、それじゃおねが・・・あれ!? 断られた!?」

 

 断られるとは思ってなかった少女。余程自身に自信があると見えるが、俺はサイレーン達で美女や美少女を見慣れてるので、問題なくスルー出来る。というかゴスロリ連れて町の中歩きたくないんですよ。

 

 滅茶苦茶可愛いのは分かる。まるで人形みたいに可愛いからな、どちらかと言うとスピネルっぽい感じの容姿だ。スピネルがゴスロリ着たらこんな感じに見えるかもしれない。ますます流川の未来が危ぶまれる。

 

「お願いしますよぉ~。可愛い僕がこんなにお願いしてるんですから・・・ね?」

 

「いや、道なら教えてやれるが俺も俺で買い物があるんでな。悪いけど」

 

 関わったら面倒になる。心の中の全俺がそう言っている。

 

「~~~、途中のカフェで奢りますからぁ!! 道に迷って大変なんですよぉ・・・」

 

「悪いけど、ほら地図なら―」

 

「お願いしますぅ~、コーヒーも付けますからぁ!」

 

「悪いけど」

 

「お願いしますぅ~、おかわりもいいですからぁ!」

 

「悪いけど」

 

「お願いしますぅ~、萌え萌えビームとかもしてあげますからぁ!」

 

「悪いけどって、いらんわ!?」

 

 これはあれだろうか?

 

 所謂無限ループって奴なんだろうか? てか他の奴に頼めば結構ほいほい受けてくれそうなもんなのに、どうして俺なんだか。

 

「ぁー・・・・・わかったわかった。俺の買い物が終わった後なら連れてってやる」  

 

「やった・・! ごり押ししてみるもんだ!」

 

 この小娘、意外と強かだぞ・・・? 

 

「それじゃ行きましょう! 何を買いに行くんですか?」

 

「ケーキの材料」

 

「・・・・え?」

 

「ケーキの材料だが??」

 

 きょとんとする少女。

 

 いやまぁ、似合わないのは分かってるさ。俺みたいなガタイの男がケーキの材料買いにくるってのは想像もつかないもんだろう。

 

「あ、わかった、家族に頼まれたんですねぇ? 家族思いの優しいお兄さんですねぇ」

 

「俺が使うんだが??」

 

「・・・・うっそでしょおい」

 

「見た目に寄らずに失礼な奴だな、お前さん・・・」

 

 なんだかんだと、結局目の前のゴスロリ少女が買い物に同行する事になったのだった――

 

 

―69話了

 

 




町などは全て◎◎とか▲▲とかに統一しています。
理由は、思いつかないからです!!
伊達に北海道の田舎から出てきた事のないあさねこです。
地理とかよくわからないのん・・・業務スーパーも知らないんです・・・
動画で見てべんりだなーって思っただけなんです・・・
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