『投影』を使える妹が離れなくて困る件について 作:妹とはなに?
お兄ちゃんがイケメンのシスコンで人生勝ち組な件について。
中学生になってからやっとお兄ちゃんのよさに気づいた妹です。うちの双子のお兄ちゃん、かっこよすぎじゃない…?
小学生の頃の私は、お兄ちゃんがどれだけいいのかを知らなかった。殆どなんとなくで嫌っていた。私が向けている感情がお兄ちゃんとその他で違っていたのもあって、胸がぽかぽかするのは嫌いだという理由だと思っていた。多分、嫌っていなくてもよくて親愛だと思ってたんだろう。
そんな私の中での黒歴史は小学6年生になった時に全部吹き飛んだ。柄にもなくお兄ちゃんの胸元で泣いた時に、ようやくほっと一息つけたと思った。その時から、私がお兄ちゃんに持っている感情は『恋』だと理解した。でも、胸がぽかぽかするのは恋と理解したとわかってもやるべきことはわからなかった。
そう、既にお兄ちゃんと私はもう相思相愛のラブラブなのだ。*1
とりあえず恋人だったらこうした方がいい、というのを友だちから聞いて始めだした。お兄ちゃんの近くで過ごすにつれ、匂いを嗅いで安心することが多くなった。
お兄ちゃんと一緒に外出することを絶対にした。そうしたら、お兄ちゃんに撫でられることが増えた。私を傷つけないようにするその気遣いが私にとっては少し不満だった。
お兄ちゃんの1日を全部日記にすることにした。初めの頃は慣れなくて1ページしか書けなかったけど、書けるようになってからは一冊を超える時もあった。
お兄ちゃんの行動全てを監視して、色々とお兄ちゃんのメンタルを凹ませた。これでお兄ちゃんが私に頼ってくるようになる…らしいけど、こっちはそんなに成果はでてない。やっぱり本の知識って鵜呑みにしちゃダメなんだね。
お兄ちゃんに勉強は教えられるようになってきたけど、お兄ちゃんも最近猛勉強し始めたから教えられるところが少なくなってきた。言ったら教えられるのに、と思ったけど真夜中で私が寝ている時にやっているから教えられない。むぅ…
最近はお兄ちゃんのベッドの下に潜むことも多くなった。その…なんていうか…興奮してくるんだよね。安眠はできる最高の寝具。
それとお兄ちゃんに読み聞かせしてもらうことも習慣になった。お兄ちゃんが作ったポエムを読んでもらうのもぽかぽかするし、絵本を読んでもらうと昔の時に戻ったみたいになる。だけど、お兄ちゃんはなぜか一緒に入れてあった画集を拒んでいた。同じポーズを取ろうとしただけでやめたけど、お兄ちゃんが寝た後にちょっとやってみた。体が硬かったからなのか全然できなかったけどね。お風呂場でそのポーズを取ったらお兄ちゃんがドギマギしていたから積極的に使っていこうと思いました。
そんなこんなでお兄ちゃんと同じ学年で過ごして早三年。もうそろそろ受験生になる私たちは、進路を決めなきゃいけない秋頃の教室。
お兄ちゃんと私はシンプルな学力では満点を取れるぐらいには高かった。もちろん日々の努力なのだけど、お兄ちゃんに褒められるのはよかった。でもせっかくだし同じ高校の同じクラスになりたい。双子は同じクラスにいちゃダメとかなんとか言われるけどそんなの関係ない。
というのを加味して一緒に行きたい高校は雄英高校のヒーロー科。A組とB組だけの少ない人数ならお兄ちゃんと一緒になれるはず。他には士傑高校もあったけど…ちょっと制服が可愛くないからね。300倍だけどお兄ちゃんなら大丈夫。
それをおねだりしに行くために掃除を終えて来たけど…なにか悩んでるみたい。もしかしたら悩んでるのかな。
もしもの時に『おはなし』する為に個性を使って準備をしておきます。
個性・投影。よくわかんないけど武器を作れる便利な個性。
一番綺麗な刀を投影してお兄ちゃんのもとに近づく。
「どうしたの、お兄ちゃん?」
考え続けている物憂げな澄んだ青い瞳。映える色の銀髪。誰であろうとイケメンと評価する整った美貌。
お兄ちゃんを間近でずいっと見つめると、とんでもなく素敵な気分になりました。抱きしめて思いっきり匂いを吸いたい衝動をぐっとこらえ、お兄ちゃんの言葉を待ちました。
でもやっぱり待てないので自分から動くことにしました。
「もー、答えてよ!お兄ちゃんってば!」
「ああうん、ごめんな?」
冷ややかな声の中に優しさしか感じられなくてとろけちゃいそうです。他に人がいないのは確認済みだし…お兄ちゃんに甘えても問題ない場所だよね!よし!
「悪いと思ってるなら撫でて撫でて!」
ここぞとばかりにお兄ちゃんに顔をすりすりする。1時間23分振りのお兄ちゃんの匂いはたまらないよ〜…胸にキスをしたくなる衝動の前に、お兄ちゃんの可愛らしい手が私の頭にぽんと乗った。私が一番好きなのは頭のちょっと前くらい。ここを撫でられるとお兄ちゃんの顔も同時に見えるから最高。あぁ…何しようとしたんだっけ…
「ねぇねぇ!お兄ちゃんはどこの高校に行くつもりなの?」
うっかりお兄ちゃんの魔の手にかかって忘れちゃうところだった。恐ろしいけどかっこいいよぉ…凄くキスしてとろけたくなるよぉ…
そんな浅ましい欲望で今の雰囲気を壊すのもどうかと思い、撫でてるお兄ちゃんに笑顔を向けるに留める。
「どうしようかな…」
「ねぇねぇ!私、お兄ちゃんと一緒に雄英高校に行ってヒーローやりたいの!ダメ、かな…?」
決めかねてるなら私の一言でお兄ちゃんは決めてくれるはずだ。お兄ちゃんは私のおねだりならなんでも聞いてくれるからね。私のことを最大限尊重してくれるお兄ちゃん。毎日おはようの時に抱きしめてくれるお兄ちゃん。
「やってやるよ!」
「えへへ…ありがとうね、お兄ちゃん。終わったらキスしたげるね!」
予想通り、お兄ちゃんはやるつもりだ。私も色々と売って応援しないとね!えへへ…キスかぁ…お兄ちゃんが起きてる時にするのは2回目かな?今度はちゃんとお兄ちゃんを味合わないとね。
妹である少女が誘拐され、そして助けられてお兄ちゃんに惚れた。これは紛れもなく事実である。
ただし、少女が誘拐された後の顛末については少し訂正を入れるべきであろう。
当時、少女は個性というものを使うことができなかった。反面、お兄ちゃんである彼はこの頃はまだ満足に個性が使えていたのでこれも少女が彼に恋心を抱いていることの誤解を加速させていたのだろう。
が、それとは全く関係はない。双子の容姿は当時から整っており、同時に家庭環境もそこまで良いとは言えなかった。結果として犯罪者が狙いを定めるのにそう時間はかからなかった。
少なくとも、この世界では5歳までに個性が出ない人間は検査を受け『無個性』かそれとも別のものかを判断するのだ。それは子供にとっては非常に残酷な真実であり、イジメを受けるには充分な理由であった。どんなイジメだったのかについては知る由もないが、兄である彼が気づけないほど陰湿な行為であったことは確かだろう。
そしてその兄も嫌っていた時期での卒業式。必然的に一人になるのは確定であり、誘拐されるには充分な隙であった。
「やっ…やぁ…こないで…」
どれだけ暴れまわろうとも所詮は無個性の小学生。普通に考えれば嗜虐心をそそるだけの悪あがきであり、無駄でしかない行為であった。
まさかのほほんとした平和な晴れ舞台の中、誰かが誘拐されるなど考えもしないだろう。誘拐犯の髪色が少女の両親に見えたのもあるだろう。
とはいえ、その異変に気づける人間が一人いたのは誤算であった。否、あったとしても問題ないとした。
金色の髪が消えた直後、銀髪の毛並みが翻ったこともまた知る由のないことであった。
少女が閉じ込められかけたのは、暗い牢の中。
血の飛び散った跡を目で追ってしまい、甲高い悲鳴を少女は挙げた。そもそも、非日常である裏の世界に慣れている人は殆どいない。皮肉なことに、
通称『駆り立てる恐怖』。裏世界では名の知れた人身売買のブローカー。
そう、だから。
彼は本来ならばもっと苦戦を強いられるはずであったし、もっと言うなら双子として売り飛ばされるはずだったのだろう。
後ろにいた彼が気づかれなかったのは運がよかったという他ないだろう。
(お兄ちゃん、助けて…おねがい、たすけてよ…)
泣いて悲しむ少女のことを、見てくれだけが良い商品をヴィランは侮っていた。他の子供と同じように個性封じの枷を嵌めるべきであった。
彼女の個性は『投影』。完全なるイレギュラーとしての個性。それが作られたのは、全くの偶然。
それでも、少女には判断がつかない。作られた刀を前にして、立つことしかできない。
その判断をしたのは彼だった。いち早く少女の持つ刀を抜刀し、ヴィランの足へと斬り抜けた。
刀─
この刀の真髄は他の刀との共刀にあるが─
─それは渦中の双子には関係なかった。使える刀、守らなければならない妹。身長差、更に加えてヴィランの油断。
長身のヴィランの足が斬れ、血しぶきが金と銀に付く。
「俺の妹に、手を出すな。今はいい。次は殺す」
果たしてその声は、ヴィランの精神を壊すには充分で。
そして傷ついた妹を癒やすには過剰な。
冷ややかさと暖かさが混ざった声音だった。
そうして妹は自身の気持ちの恋を知り。
兄は妹の為に自らを磨くようになった。
好評なら続きます。
どれくらいで書けばいいかな?
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週に一度(毎話8000弱)
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毎日2回(毎話1000弱)
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毎日1回(毎話2000強)
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しぬから(毎日4000弱)
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ざーこ♡(更新不定期)