『投影』を使える妹が離れなくて困る件について 作:妹とはなに?
校長先生からドッキリを受けた件について。
そもそもなんなのか理解できてないけど新幹線からでただけで人に囲まれた。ちょっと待て、俺は寝ていただけだぞ?さては…サプライズか。*1
校長先生の対応の仕方も手慣れてるしきっと高校でインタビュー式の面接でも受けんのか…まあどうなっても妹は守り抜くから大丈夫だな。
というわけでいきなりインタビュー会見の控え室から始まってる。平和な学園生活とはどこにあるんだよ。
まあ妹がうきうきしているしいいかな。うんうん、なんか喜びを隠してるのもまたいいよね。喜びを爆発させた時の妹の笑顔も可愛いしね。
「お兄ちゃんは振られなかったら答えないでね。前だけ向いてて?」
「ん、了解」
でも時々見せるそういうキリッとした外用の顔の妹もお兄ちゃん大好きです。俺は妹の満面の笑みには遠く及ばない薄い笑みを返す。
「そこに今回の事件について書いてあるけど…」
「大丈夫、もう全部理解した。全部ユキに任せるけど」
「えへへ、頑張るねお兄ちゃん♪」
結構間違えないよう正確に覚えなきゃならない。今回は妹が話すから問題ないけれど、もしやばかったらフォローを入れないとな。
パチパチと眩しい光を浴びながら、堂々と俺たちは中に入った。そのまま妹に合わせ、校長先生の近くにある席に二人で同時に座る。
「お二人はどのように役割分担を決めたのでしょうか?」
「はい。私たちは乗客全員を人質に取って交渉をするか、そろとも校長先生を人質にとるかわからなかったので1号車全体を守りに強い兄に守ってもらいました。反面私は攻める技術の方が飛び抜けているので犯人に対して捕縛をする役になりました」
こんな長文を妹がすらすら言えることに驚きです。お兄ちゃん、もしかして言えないくらい滑舌が悪いのかな。もう少し勉強しようと思いました。
というよりこれは俺たちだけで新幹線のたてこもり犯を逮捕したのか…いや無理でしょ。そもそも個性の使用は犯罪だし。
「なぜあの速さで犯人に対応できたのですか?」
「はい、それは私が一度誘拐された時のヴィランのように不自然な格好をしている人が多いのがわかっていたからです。それに、車両内の販売の予定時間が過ぎいているのに来なかったことから後列車両に異変が起きていたということもわかっていました。結果としては気づけたのでよかったのですが、少し事を性急に運びすぎた部分もありました」
そんなことまで覚えてねえ…電車の発車時刻しか覚えられてない自分がうらめしい。そういうのも含めてしっかりと調べておかないとなぁ…反省をしないといけない。
どんなことが妹を守ることになるかわからないからね。
「刀を使っていましたが、あれは個性によるものですか?」
「はい。私の個性は様々な武器を作り出せるものです。あまり使い勝手のよい個性とは言えないですが、調整して使えるので座席に当たらない長さのものに変えることができました。少し強引な手を取っていたのは反省しています」
そういえば妹の個性ってそんな融通がきく個性だったっけ。刀とかの刃渡りはそこまで変わらないと思ってたけど…成長でもしたのかな。俺の個性全然育たんし、このままだと兄の威厳がまずい。もっと頑張らないと。
「足を執拗に斬りつける必要はありましたか?」
「はい。あの時にもしヴィランが動いて人質を取られる事態に陥ってしまうと私たちではどうしようもないので相手の動きを制限する必要がありました。鎖などを持っていれば安全が確保できましたが、持っていないがためにする必要がありました。どうかご理解いただけるようお願いします」
そもそも俺が動いていれば妹にそんな危険なことをさせる必要もなかったのに…これからは防犯ブザーですぐ呼べるようにしたほうがいいのかな。多分あっても使われなさそうだけど。
「恐怖はありましたか?」
「はい。寧ろあのような場面で恐怖を持たない方がおかしいと思います。怖くて足がすくみましたが、兄のお陰で気丈にふるまうことができました。兄には感謝しかありません」
「そういえば黒金さんは以前にもヴィラン退治をしていたと聞きました。よければその時のことについてお話を聞かせてもらってもいいでしょうか?」
いきなりこっちに触れてきたけど、質問が質問なんだよな。俺はあんまり当時の話を言いたくないんだけど、まあぼかせるだけぼかして話そう。
「はい。とはいっても、その時も運がよかっただけです。たまたま相手の油断があったのでその隙を妹とついてなんとか、と言った具合ですね。当時からかなり無鉄砲じみた行動をしているのでここらへんも自重をしていかなければならないと思っています」
ちょっとだけ驚かれただけだし問題ないのかもしれない。うん、あんまり話してもないし大丈夫だな。
「そういえば、お二人は姉妹と伺いましたが、兄というのは…?」
「いえいえ。俺は男です。どうやら勘違いしているようですけど、しっかり男ですよね?ほら、こんなかっこいい見た目ですし」
「えぇ…?」
もしかしてそんな顔が変わっていたのかなぁ…?そんなことはないと思うし、そもそも男みたいな顔だったはずだと記憶しているんだけど。
あとで妹に鏡で見せてもらおう。この前そんな感じで体がメタモルフォーゼしたことがあったんだよな。推薦受験の後ぐらいだっけ?
「その、個性とかで女になっているとかではなく…?」
「もしそんな個性があったらまっさきに話題のやり玉に挙げられるでしょうね。ちょっといろいろ変な体ということでご容赦ください。そういう体質です」
そもそも何が悲しくて個性を見せにゃならんのだ。妹におねだりされない限り見せられんぞ。体質、ということでゴリ押せばそれ以上聞いてこない。なんて便利な言葉だろう、体質。
「お二人は今後どのようにしていきたいでしょうか?」
「とりあえず私は兄と相談していきたいですね。今回の件でも兄と私の差が激しく、また迷惑を関係各所にかけてしまったことも含めて対応が未熟であることを実感しました。どうするにしても担任の先生や兄と相談していきたいです」
「俺は今回の件についてはどうしようもなく人に対して安全配慮が欠けていたことを自覚しました。妹や校長先生、そして守るべき一般の皆様に対して説明不足だった点も踏まえて今後の目標を改めて決めていきたいと思います」
というか突っ込まれたくないところに質問が来なくてよかった。これでさっさと終わらないと困るんだけど…校長先生?頼みますよ?こっち見てにこにこしながら手を振らないでください。止める方法とかは知らないんですよ。
「最後に、お二人にとってお二人はどういう存在ですか?」
「「大切な存在」」
これは変わらない。たとえどうなろうと絶対に変わらないし変えない。俺は全力で妹については全神経を集中させてる。個性が使えないのもそのあたりのキャパが関係している。だが構うものか。
「では、これをもってこの質問の時間を閉めさせていただきます」
やっと戻れる。そのまま俺とユキはゆっくりと退場した。
「お兄ちゃん、お疲れさま!」
「ううん、ユキの方がつかれたでしょ?ゆっくり休んで」
「じゃあ膝枕して頭ぽんぽんして?」
妹に言われた通り膝枕をして頭を撫でる。むっ、胸が邪魔すぎる。こんなに無いと思ってたんだけどね…妹の成長って凄いなぁ…というよりお兄ちゃんなのに妹と同じになるとは思ってなかった。なんでこうなるのかな?
「どう?と言っても、お兄ちゃんの膝なんか硬いと思うけど…」
「ううん。お兄ちゃんの膝、枕みたいに暖かいしふわふわだよ?」
「そうならいいけど…そうだ、この体ってユキと同じ?」
「うん、多分ね…でもこれはちゃんとついてるでしょ?」
「触らないでよ…ユキ…」
なんかもうついてることで性別の判断をする位には妹に近いっぽい。髪色まで変わらなかったのは幸いかな。というか変わっちゃったらもう区別つかなくなっちゃう。
「でもお兄ちゃんはお兄ちゃんのままだよ?でもさ、一回制服着てみてもらってもいかな?」
「いやいや、女子の着方わからないから…」
「え〜い、着ちゃえ〜!」
瞬間、足がスースーする。体になんか色々ついてる…ってか服が変わってる!?
「何したの、ユキ?」
「投影だよ、お兄ちゃん。服の座標にセーラー服を投影したの!これでお兄ちゃんの服を変えたの。せっかくだし私も変えちゃお」
むくりと起き上がると、紺色の制服を投影したユキ。うん、なんというか見慣れた可愛さだな…そして目の前にできる鏡。
「はい、お兄ちゃん写真撮るよ!身だしなみ整えて!」
「えっ、とその…」
「ピースしてピース!」
鏡の上に光る場所がある。えっと、あそこに向けてピースすればいいんだっけ?
パシャリと小さな音が聞こえて写真が撮られる。
上からすぐに現像された写真は、やっぱり上手に写れてなかった。
「こ、こんなので大丈夫かな?」
「ううん、こういうのでいいの。お兄ちゃんと写真なんて撮らないことの方が多かったし。これが入学祝いの写真だよ、お兄ちゃん!」
「その、この制服でいいの?」
「かわいいからいいよ、お兄ちゃん!」
そっかぁ…かわいいのかぁ…
るんるんで写真を胸に入れるユキを見ながらちょっと切なさを感じていた。
妹が好きならこの姿でいいんだけどね。
お兄ちゃんは男の娘がいい?
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かっこいいお兄ちゃんがいい!
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かわいいお兄ちゃんがいい!
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そんなことより投稿してほしい!