『投影』を使える妹が離れなくて困る件について 作:妹とはなに?
お兄ちゃんがメタモルフォーゼしたからとてもかわいい件について。
ヴィラン退治をした後、お兄ちゃんは完全に女と言われても納得される見た目になってしまった。かわいいから私としては大歓迎です。寧ろ兄が照れる貴重な光景と若干攻めの力が弱くなって襲いたくなるのでオッケーです。悪いのはこんなにかわいくなったお兄ちゃん。私は悪くない。
そんな正義の味方である私は、お兄ちゃんに膝枕をしてもらっていた。そう、膝枕。お兄ちゃんが起きてる時にしかできないことだ。しかも今のお兄ちゃんはほぼ女の子。普段よりもさらにふわふわ度が増している。加えてお兄ちゃんからのなでなで。普段よりも慣れてない不器用な手つきを相まって、私がとろけるのはあっという間に時間だった。
「大丈夫、ユキ…?痛くない…?」
「うん!ありがとうねお兄ちゃん!」
お兄ちゃんの心配してくれる声のなんとかわいいことか。いつもみたいに低く安心させてくれる声じゃない。私よりもちょっとだけ低い、それでいて柔らかい声。レコーダーで録音しておけばよかった…そうすればこのお兄ちゃんの声を堪能できたのに。
そう不満に思いつつ、お兄ちゃんの長髪を弄る。これだけ長くなるとお手入れも大変そうなんだけど、今の兄の髪はずっと触れていたくなる繊細さを持っていた。さっきまでお団子になっていたけど、私が丁寧に解いて床につく長さまで戻っている。
前回みたいに付け外しが可能ってわけじゃないしお兄ちゃんと一緒に風呂に入らないとね。これはそういう正当な理由があるからね。決してお兄ちゃんの裸を見てあれこれ妄想するためではない。精々やってもお兄ちゃん精巧人形の16体目を作るだけだし。
そんな問題はない。きっと。
「お兄ちゃん、今日どうする?」
「う〜ん…まあ、これで解散ならこのまま帰るし、そうじゃないなら指示に従うって感じかな。ユキは何かしたいことある?」
「お兄ちゃんとデート!」
迷ったのならお兄ちゃんとのデート。特に今日は受験前以来の久しぶりのお出かけなのに…こうやってのんびり過ごすより制服デートして青春を感じたいよ。それに今は知名度があるので何かおまけしてくれるかもしれない。知名度って使える時に使わないとね。
一応今のうちに『今日は帰ります』と書き置きを残しておく。
「そっかぁ…じゃあ行こう?」
「うん、善は急げだよお兄ちゃん!」
お兄ちゃんのすべすべの手を取って走りだす。お兄ちゃん、生理とか来ちゃって女の子になったらどうしよう。その前に襲っちゃえばいいのかな?でも姉妹の方が世間体としてはよく見られるし…悩むなぁ…
歩調をあわせて校舎を飛び出しつつ、そう思った。
「それでどうしよう…?」
「お兄ちゃんをコーディネートしてもいいかな?こんなかわいいんだからおしゃれさせたいの!」
だってこんなかわいいお兄ちゃんをもっとかわいくできるならやるしかない。お金についてはお肉を売って稼いだ数十万があるからちゃんと問題ない。
「俺なんか着飾らなくてもいいじゃん…」
「ダメ。お兄ちゃんは自分の容姿がどうなっているかちゃんと理解してね。今の自分がどれだけ無防備で、流行の何たるかをわかっていないかをよ〜く教えないとね♪」
どうしよう、困り顔のお兄ちゃんなんてめったに見れないんだけど。往来のど真ん中でキスしちゃおうかな?いや、でもこんな顔なんて1年間で一度あるかないかぐらいだし写真をとってからの方が…?
そんなことを考えていたらお兄ちゃんの顔が戻っちゃうので流れるような手つきで手元にカメラを投影し、パシャリとお兄ちゃんを撮る。困り顔のお兄ちゃん、ぱちくり目を動かすのも大好きです。結婚できないの本当に変だと思う。ほほにキスぐらいは許されるしキスしちゃお。
「やめてよ…」
真っ赤になって顔をそらすお兄ちゃん。やってることが男を殺すこと殺すこと。男の人がやったら嫌だなって思う行動だけど、今のお兄ちゃんにはそんなことが吹き飛ぶ色気がある。妹の私だったから耐えれたけど、もしこれがクラスメイトの子なら完全に失神していただろう。全くうちの兄は恐ろしいものだ。
「お兄ちゃん、ちゃんとして。ほら、行くよ?」
「うん、ユキ…」
そっと恥ずかしそうに手を取るお兄ちゃん。妹にしか見えないその仕草は間違いなく人の目を引くしナンパされるだろう。しっかりお兄ちゃんと私がイチャイチャして百合を見守る状況にさせないとね。間に挟まる男は死すべき、慈悲なんてものはいらない。
とはいっても、制服デートを崩さない程度にやっていきたいからアクセサリー方面でお兄ちゃんに似合って気に入るものを探してくつもりだ。最初に訪れたのは300円ショップ。
「こういうところにもアクセサリーって売ってるんだね」
「寧ろこういうところの方が売れやすいんだよ。ほら、手軽なお値段だから私たちでも手を出せるし」
「よくわからないけどそういう戦略なんだね…あ、これかわいい」
お兄ちゃんが手に取ったのは蒼色の髪飾り。銀髪の髪に映えるし、私もペアルックとして買える抜群のセンスだ。お兄ちゃん、こういう場所では幸運なことが多く起きるんだよね。
「こめんユキ、つけてもらってもいいかな?」
「うん、ちょっと動かないでね。お兄ちゃんの髪は長いし…よいしょ…」
この隙にお兄ちゃんの髪の毛を取る。いつ取れなくなるかわからないし、取れるタイミングで取らないと。それにしてもいい匂いがお兄ちゃんから漂っている。本当にどうしてこうなったのかな…私、新幹線の後ぐらいまでは普段のお兄ちゃんとおもっていたんだけど。かっこいいからかわいいに変わった瞬間をビデオに抑えられなかったのが悔やまれる。くっ、お兄ちゃんの隣だから合法的に寄り添いながら寝ることに屈しちゃった…
「どう…?つけられなさそうなら無理しなくてもいいよ…?」
「ううん、大丈夫だから心配しなくていいよ。ほら、つけ終わったよ」
考えすぎてお兄ちゃんを待たせちゃった。このままアワアワするのもいいけど、今日はお兄ちゃんのかわいい姿を作るためだからしっかりしないと。ちょっと慌ててつけたけれど、お兄ちゃんにしっかり合う場所につけられたと思う。
「どう、かな…?お兄ちゃん、変じゃない…?」
「むしろもう少し付け足してもかわいいよ!うんうん、きれいにかわいいよ!」
なんというか、位置のせいでちょっと不器用に見えるけどその代わりに幼さが更に前面に押し出てる。
「これも付け足したらカァイイに近づきませんか?」
隣の女子高校生に渡されたのは黒縁の丸メガネ。こっちのほうがお兄ちゃんの今の幼さを強調するみたいで確かにかわいいよね。
「ありがとうね!えっと…」
「トガです。トガちゃんって呼んでください」
「トガちゃん!ありがとう!私は白雪!ユキって呼んでね」
「とってもカァイイ名前ですね!」
お兄ちゃんはいそいそと丸メガネをつけています。
「これで、いい…?」
「最高にあってるよお兄ちゃん!」
「どんどんカァイイが加速していきますね…」
お兄ちゃんの見た目に白衣を被せてフラスコを持たせたら完全にかわいい博士ちゃんだ。メガネがちょっとズレて幼さがより加速してるのもかわいい。もっとかわいくするにはどうしたらいいのかな?
まあ、その前に購入しないとだけど。
「それじゃあお買い上げするからいくよ。トガちゃんもくる?」
「はい!カァイイは正義です!」
お兄ちゃんのことをかわいいと言っている以上悪い人ではないしね。お兄ちゃんのことを狙ってる訳でもないし、今は敵対しないで楽しんじゃおう。
「カァイイのにお強いんですね!」
「そーそー、お兄ちゃんはかわいくてかっこいいの!」
その後カフェに移動した私たちは、トガちゃんとカァイイ談義に花を咲かせつつお兄ちゃんにパフェを口移しで渡していた。
「にゃあ…なんで口移しなのよぉ…」
「だってお兄ちゃんにこうした方がかわいいんだもん」*1
今日はどれだけお兄ちゃんをかわいくするかだからね。口移しした後の恥じらった顔がたまらない。これを家でもできるようになったらいいのにな。
お兄ちゃんが復帰した直後にまたやるともっとかわいいからどんどんやっちゃう。とろけた顔がお腹にたまるからもうお腹いっぱいです。
「それでさ、お兄ちゃんがさ…」
「そんなカァイイ人なんですね!」
えへへ、話が通じる人って貴重だから嬉しいな。お兄ちゃんについて話せたりするのは猫を被ってやっちゃうからなぁ…こうやって赤裸々に語り合える存在なのはありがたい。
「ねぇさ、もしよかったら今後も会えないかな?」
「私もそう思ってました!せっかくですし連絡先交換しましょう!」
「んっ…はい、スマホの連絡先こちらです!変えたら連絡するね!」
「ええ、よろしくねユキちゃん!」
トガちゃんはポケットから血塗れのケータイを取り出し私の連絡先を読み取る。
「えへへ、おしゃれだねそのケータイ!」
「ユキちゃんのケータイもカァイイですよ!」
「それじゃあまた会いましょう、ユキちゃん!」
「そうですね、トガちゃん!」
久しぶりにそういう人と会えるのは嬉しいな。手を振りながらトガちゃんを見送った。
「…もう、あんなことしないでよぉ…恥ずかしいし口の中甘いし…もうやだよぉ…」
「むー、お兄ちゃんがかわいかったのが悪いんだよ?」
私だってあ〜んぐらいですまそうと思っていたのにあんなかわいいんだもん。お兄ちゃんが私の立場だったから絶対にやっていたと断言できる。だってお兄ちゃんと私は同じ考え方だもん。
私がやるならお兄ちゃんもやるし、どれだけ甘やかしたいかなんて私も知ってるもん。しかも今日はテンションが高くなるであろう入学初日のヴィラン退治。
別にお兄ちゃんだってやってくると思ってたからなぁ…
「ん、速く帰ろう…?ユキだってもう無理でしょう?」
「そうだけど…お兄ちゃんはやりたいことなかったの?」
「もう済ましちゃった」
そういってお兄ちゃんは手を繋いでくれた。
「ほら、お家に帰ろ…?」
その微笑みは、なんだかとても
私では到底できそうもなかった。
どれくらいで書けばいいかな?
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週に一度(毎話8000弱)
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毎日2回(毎話1000弱)
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毎日1回(毎話2000強)
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しぬから(毎日4000弱)
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ざーこ♡(更新不定期)