ダンジョンジジイ   作:あご

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1話

 

『えーっと、こんなモンか?良く分からんな』

 

一回やったのを確認してみるか。そう思い、カメラを一旦止めて最初から巻き戻して行く。

 


 

『どうも、孫に勧められてダンジョン生配信と言うのを始めてみました。山本洋次です。えー特に何をやるとか、大きな目標がある訳でも無く取り敢えずやっていこうと言う感じです』

 

『取り敢えず、初めてなのでまぁ自己紹介とこれからやっていこうと思う事の紹介をしようかなと』

 

孫が用意してくれたカンペの次のページをめくる。

 

『ダンジョンはいつから出来たのかと言う話は、良く言われていると思いますが結局答えは出ないんですよ。私も残念ながら、生まれた時にはすでにあったとしか言えません。皆さんもよりも歳を食っているとは言え、結局同じ人間だから知ってる事はそんな変わり無いのです』

 

『と言う事を分かって貰った上でこれからの話をしようと思います』

 

要は、これからやる事に対しての過度な期待を持たないでくれよと言う一種の警告だとか。結局、いつどの時代でも口煩い奴はいるって事らしい。

 

『これからやる事の一つとして、ダンジョンを巡る時の知っておいた方が良い知恵やお得な情報とかを流せたらなと思っています。大した情報じゃないので少しだけ、ほんの少しだけ期待してくれたら嬉しいです』

 

『……他にやる事も決まっていないので。取り敢えず、暫くは知恵袋配信?になるかなと。見て頂けるだけで有り難いです』

 

『欲を言うなら、小遣い稼ぎをしたいなと。取り敢えず頑張ろうと思います』

 

『今回は……終わりにしても良いかなと思ったんですが、最後にジジイの豆知識と実践をしてから終わろうかなと思います』

 

事前に用意していたテレポート石を取り出し、目的の場所へと移動する。

 

数秒も掛からず、例の場所へ着いた様だ。周りを見渡し確認していると、早速ターゲットを見つけた。よしよし、昔と変わって無いな。大分前の記憶だが、通用しそうで良かった。

 

『此処は、始まりのの洞窟(ダンジョン)です。皆さんの方が詳しいとは思いますが、一応説明しておくと此処は出てくるモンスターのレベルが低く駆け出しの初心者にお勧めのダンジョンなんですけど』

 

『その中のハズレ枠として挙げられるのが有名なスライムですね。物理攻撃無効。魔法しか効かないとなると、魔法使いはレアジョブで初期に魔法なんて覚えてる訳も無く詰むと』

 

確かに此処は難所で、ワシも諦めそうになった。何度も投げやりになって特攻したりしたっけ。無駄だったがな。その過程で、パーティーを組んだりして分かった。

 

『でも、それは間違いなんですよ。あんまり知られては無いだけでもっと楽な方法がありまして、それが!』

 

と言って懐から瓶を取り出して、カメラに見せる。

 

『これはスライムが出す液体を掛け合わせた物です。おっ!丁度良い所にスライムがいたので近寄って見ましょう』

 

丸くてかなり柔らかそうな見た目ですぐ切れそうだが、そうは上手くいかない。だが簡単には切れない。だからこそ。

 

『ほいっ』

 

軽く投げると、狙い通りスライムに瓶が当たって砕けた。そしてすぐにスライムの様子に変化が出た。身体が見る見る内に溶けていく。

 

そしてやがてスライムの体は見えなくなり、居た場所には魔石が残されていた。

 

『こんなもんか。これからも、こんな感じで使えそうな情報を流していこうと思うので良かったら見て下さい。それでは有り難うございました』

 

カメラに向かって、深いお辞儀をし俺の初めてのダンジョン配信?は終わった。

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