原点にして頂点「アルセウス様ありがとうございます。でもいつか一発殴らせてください」 作:ゴーイングマイペース
というわけでファイアレッドと通信してさっくりフーディンに進化。“ねんりき”TUEEEEEEEEE!
×月×日 2ページ目 9歳 マサラタウン マサラ小学校 → オーキド研究所
『ポケモンと話をできるのが普通? んなわけあるかアイツがおかしいだけだわ!
(byグリーン)』
少々時間が過ぎ放課後。俺はバトルに誘ってくるグリーン達に断りを入れ、先生にお願いしてピカチュウを連れて家路に着いていた。当然、ピカチュウから話を聞くためである。
子供がふれあいポケモンを学外に連れ出すことは通常は少し面倒らしいのだが、「ピカチュウはユキナリのじっちゃんが連れてきた」「バトルトーナメントの為」という2つの理由で割とすんなり許可が出た。
ちなみに「なんでわざわざ外に連れていくの?」という先生からの質問には素直に「ピカチュウから聞きたい話があるんです」と答えたのだが、「ポケモンから話を……まあレッド君だしそういうこともあるわね」という微妙に引っかかる反応を返された。解せぬ。
「チュウ……」
さて、今まではピカチュウを慮って「何故、
結果、判明したのが事情の要点が以下の四点である。
①自分がいたトキワの森のピカチュウの群れに突如として強大なポケモンが襲い掛かってきた。
(教えてくれた特徴から考えると間違いなくニドキング)
②突然の出来事だった為に群れの多数がダメージを負ってしまった。
③ピカチュウ、群れを逃がす為に単身でニドキングに挑み時間を稼ぐも、その後に現れたニドキングのトレーナーが潜ませていたスピアーの介入によって敗れてしまった。
④捕まりそうになるも、最後の力を振り絞って逃走。だがもしも自分を追ってきた場合、群れに合流すればせっかく稼いだ時間が無意味になるので群れには帰れず、しょうがないので森の外へ出て最終的にマサラタウンへ。
……うーん、話を聞く限りかなり高レベルのニドキングとスピアー。そしてそれらを従えるトレーナー……なんだろなー、喉まで出かかってるんだけど出てこない。原作ゲームにそんなのがいたような、やっぱりいなかったような……。
まあ考えてもしょうがないので謎のトレーナーについては保留。
つまるところ、トキワに近づくのを嫌がってたのは「自分が森に帰る、ないし近づくことで群れに迷惑がかかるかもしれないから」という理由でオーケイ?
「ピカ、ピカチュウ」
耳をへたれさせ『困っちゃったよぅ』という表情と共に肯定するピカチュウ。なるほど、確かに難しい問題だ。そのトレーナーがそこそこ時間が経った今でもピカチュウに執心しているかというと怪しい所だが、確信が持てない以上ピカチュウは下手にトキワの森に近づけない。というかこのままだとトーナメントに出場できないどころか、下手するとピカチュウはマサラから永遠に出られない。なにせトキワはマサラの目と鼻の先なのだから。
うーむ、どう解決したものかな。
……よし、決めた。
「チュ?」
期待がこもった目で見てくるピカチュウ。俺が何か良策を閃いたと思ったらしい。まあそういうわけじゃないのだけども。
なに、そもそも俺とピカチュウだけで頭を悩ませる必要などないのである。このマサラタウンにはことポケモンにおいては非常に頼りになる人がいるのだから。
「……チュウ?」
まーまー任せておきなさいって。
ちょっと不安そうになってしまった相棒を一撫でして落ち着かせた俺は、家路を逸れて駆け出した。
――――――――――――――――――――――――
「で、ワシを訪ねてきたわけか」
というわけでやって来ましたオーキド研究所。
一通りじっちゃんにピカチュウの事情を説明し何か良い知恵はないかと尋ねると、じっちゃんは一度ふむ、と頷き――何やら俺達に何やら紙の束を渡してきた。何かの資料だろうか。
えーと、なになに……『トキワの森およびトキワシティ周辺のピカチュウ種の現状調査 一次報告書』?
え、これって。とじっちゃんの顔を見ると悪戯っぽい表情を浮かべ、驚いている俺とピカチュウを肴にお茶を啜っているところだった。
「ま、ネタバラシをすると実はもう手を回してあったんじゃな、これが」
どうやらじっちゃんは既にトキワの森及びその周辺に調査の手を回してくれていたらしい。しかも今年の小学生トーナメントがトキワで開催されるという話を聞いた後は、今年のマサラ代表はまず間違いなく俺とピカチュウになると考え、研究員の人達に臨時ボーナスを出してまで調査を急がせてくれたとのこと。
なんだこの爺さん有能か。いや有能どころじゃないわポケモン研究の権威だったわ。
更に詳しく話を聞いてみると、トキワの森で“じしん”等の強力なじめんタイプの技を使用し戦ったと思われる痕跡が発見。また電気技によるものと思われる焦げ跡もあったことからピカチュウの戦闘跡だと判断され、そこから少し森の奥に入っていったところで傷ついたピカチュウ達の群れを発見。保護・治療をしたらしい。
そして現在ではみんなすっかり元気になり、森へ帰され元気に暮らしているとのことだ。
ピカチュウはここまで話を聞き、安心したのか気が抜けたのか涙を流して喜んでいた。俺も嬉しい。ピカチュウの家族達が無事で本当に良かった。そしてここまでしてくれたユキナリのじっちゃんにはまったく頭が上がらなかった。
後、どうやら治療中にピカチュウと仲良くなって手持ちにした人達がいるらしく、その人達が中心となって定期的にピカチュウの群れの無事を確認する為に森のパトロールを始めてくれたとか。『ポケモンだいすきクラブ ピカチュウ派』というグループのようだ。良いな、俺も入れてくれないかな。
さて、思った以上にお世話になっていたことが判明した為、流石に恐縮しながらお礼を言うと「ワシはこれでもお前の想像以上にお前達の実力を買っておるんじゃぞ?」と快活に笑いながら俺とピカチュウの頭を撫でてきた。
「レッド、ピカチュウ。頑張るんじゃぞ。お前達ならきっと優勝できる。まだ手伝えることがあるならいくらでも言いなさい、いくらでも力を貸そう。それにきっとワシだけじゃなく、孫達やお前の友達も力を貸してくれるじゃろう」
そう俺達を激励してくれるじっちゃん、あと研究員の人達に、ピカチュウは気合のスイッチが入ったらしく大きな声で「ピッカチュウ!」と大声でお礼をしていた。
もちろん俺もピカチュウと同じである。ここまで良くしてもらったんだ。絶対優勝しなきゃな。
△月〇日 9歳 マサラタウン マサラ小学校 校庭
『……ピカ……チュウ……?????(byリーフ)』
そんなこんなであれから数ヶ月が経過し、今日は大会当日の2日前である。明日1日体を休め、明後日本番という段取りだ。
この数ヶ月は毎日が『早く早く、急いで特訓に行こう!』と俺を急かすピカチュウとの修行の日々だった。
不安が取り除かれた我が相棒は楽し気ながらも鬼気迫る様子で俺が用意したメニューをこなし続け、色々と仕込んだ俺が「やっべ、やりすぎたかな」と一瞬考えてしまう程に成長を遂げてくれた。
まあ環境のせいでレベルは余り上がらず10Lv程度に留まってしまったが、習得した技の数や、それら幾多の技を活かした戦術はレベルの低さを感じさせない、中々の手ごたえを感じさせる出来となった。これなら十分優勝を狙えるはずだ。
「ビィイイイイイガアアアアアアアアヂュウウウウウウウウウ!」
ちなみに今は正に修行の成果を存分に活かした「10まんボルト」で小学校のポケモンを複数体まとめて薙ぎ払っているところである。
お前、バトルに熱中し過ぎると途端に人相悪くなるよな。それでもカワイイけど。
――さあ、人事は精一杯尽くした。後はその成果を目一杯大会でぶつけるだけだ。
なにせカントー中の精鋭小学生達が集う大会。きっと一戦一戦がかつてない程の激戦となることだろう。油断せず挑み、必ずピカチュウと一緒に優勝を掴み取るんだ。
やってやるぞぉ! おおー!
ピカチュウ派だとちょっと味気ないような気がするので、なんか思いついたらカッコカワイイ名前をつけてあげたい。(思いつくとは言ってない)
しかしなんか熱いキャラになったなレッド君。キャラが勝手に動くってこういうことなのかな?
※ネタバレ:激戦なんて展開は無い