原点にして頂点「アルセウス様ありがとうございます。でもいつか一発殴らせてください」   作:ゴーイングマイペース

28 / 49
 パシフィック様、HN様、(●´ϖ`●)様、ご感想ありがとうございました。嬉しいです。

※001の誤字箇所を修正いたしました。Lunenyx様、誤字報告ありがとうございました。





 設定まとめながら思いついた間話集その①

 ①“ネコにこばん”で悪だくみ
 ②「でんきだま」ゲットだぜ!
 ③シンオウチャンピオン、現る


※2024/11/03
 シロナのガブリアスの種族値を修正(強化)いたしました。
 また、それに伴い本文に掲載してある実数値も修正いたしました。


010 マサラタウン&トキワシティ 9歳 間話集01 【☆相棒ガブリアス ステータス(Lv63)】

□月〇日 9歳 マサラタウン北

 

『旅立ちに向けて ~資金準備? 編① 立志~』

 

 ポケモンの技の1つに“ネコにこばん”という技がある。主にニャースやペルシアンの技として有名なこの技は、「小判を相手に投げ付けて攻撃する」というなんとも贅沢な技だ。

 だが、この技の真価は攻撃手段としてではなく、その前段階にある。そう、この技は前段階として小判をどこからともなく生み出すという凄まじい力を持っており、しかも原作ではそのまま金銭として所持金が増額されるのである。ポケモンの ちからって すげー!

 

 ちなみに先日、我が相棒ピカチュウもいつの間にかこの技を習得していたことが判明した。どうやら小学校の同輩であるペルシアンから教わったらしい。

 そこで俺は考えた。「この技を使って出てきた小判を換金すれば旅の最中に金に困ること無くなるんじゃね?」と!

 

 とは言ってもこの世界ではポケモントレーナーが旅をするにあたり、ポケモンセンターというポケモンの回復から食事、宿泊に至るまで無料の至れり尽くせり神施設がほぼ全ての町に存在しているので、贅沢さえしなければそこまで困ることは無い。が、それはそれとして金は欲しい。トレーナー業をこなすにあたり、金は幾らあっても足りるということ等ないのだから。

 

 と、言うわけで早速、「スイーツ食べ放題だぞ」という俺のセリフにやる気満々のピカチュウ、そして話を聞いて「ファッションにぃー、コスメにぃー、ポケモングッズえっへへへへ」と俺以上に金に目が眩んだ様子を見せたブルーと一緒に“ネコにこばん”の練習を始めたのだが……。

 

「上手くいかねえなぁ……」

 

「チュウ……」

 

「これじゃあ換金は無理ね……」

 

 結果は惨憺たるものだった。何が酷いって出てきた小判の出来が酷い。形はボロボロ、色はくすんでいる、そもそも小さ過ぎ、のアンハッピー3点セットだった。これではとても換金など不可能だろう。

 これには俺とブルー、ガッカリ。ピカチュウも耳と尻尾をヘタレさせている。

 うーむ。現物が出てきているということは技自体は成功している筈だが、何がいけなかったのだろうか。

 

「このままじゃ上手くいかないだろうし今日は一旦解散するか。俺、じっちゃんとかに聞いて精度上げられないか色々調べてみるよ」

 

「アタシもパパやママにお手軽なパワーアップ方法が無いか聞いてみるわね。じゃ、また明日!」

 

 こうして、俺とブルーの『お手軽旅資金ゲットだぜ!』計画は始動したのだった。

 

 

 

 

 

□月×日 9歳 マサラタウン マサラ小学校

 

『旅立ちに向けて ~資金準備? 編② 挫折~』

 

 ユキナリのじっちゃんに聞いたところ、「“ネコにこばん”で精度の高い純金小判を生み出すには、使うポケモンが高レベルである必要があるんじゃ」とのことだった。現実世界であるが故の仕様みたいなものらしい。

 が、言われてみれば当たり前のことかもしれない。ポケモンの技のダメージ計算にはレベルが密接に関係しているし、それが技の副産物の精度にも影響するということなのだろう。未だLv14のピカチュウではまだまだ精度の高い小判を作り出すことなど不可能というわけだ。

 

 

「と、いうわけでここにフユ母さんがシルフカンパニー(勤め先)から貰ってきた『おまもりこばん』がありまーす!」

 

「イエーイ!」

 

「ピッカー!」

 

「そしてピカチュウには昨日の内に“ハッピータイム”を習得してもらってまーす!」

 

「イヤッホー!」

 

「ピカッチュー!」

 

「更にピカチュウはたった今“いかり”をフルに使ったおかげで【攻撃】ランクMAXでーす!」

 

「サイコー!」

 

「チュウウウウウ!」

 

 

「……何コレ?」

 

「俺に聞くなよ……」

 

 

 じゃあ諦めるかってそんな奴いる? いねぇよなぁ!!?

 

 というわけで作戦『レベルが足りないなら他の要素で嵩増ししてやればいいじゃない』である。

 具体的には原作で“ネコにこばん”の効果を倍々にする「おまもりこばん」に“ハッピータイム”、そして更に【攻撃】ランクを上げて物理攻撃技である“ネコにこばん”の威力アップ。この3つの重ね掛け作戦だ。

 【攻撃】ランク上昇に関しては「小判の精度がレベルに依存するっていうならこれでもいけるだろ」ぐらいの我ながら安直な考えだが、割と間違ってない気もする。そう、これぞ正しい前世知識の使い方! 原作知識チートや!

 ちなみに“ハッピータイム”に関しては頼んだらすぐに覚えてくれた。凄まじき才能の暴力である。

 

「じゃ『おまもりこばん』を持たせて……グリーンとリーフ(外野の目)は気にしないでやれピカチュウ! “ハッピータイム”! そしてぇぇぇ……“ネコにこばーん”!」

 

「ピィィィィィッカー!」

 

 そしてピカチュウは諸々の要素でパワーアップした渾身の“ネコにこばん”を放った。気になる結果はというと。

 

「わ、わぁあああああああ! スゴいスゴいスゴーい! おっきくてキラキラした小判がザックザクー! 凄いわよピカチュー!」

 

「お、おおお! よっしゃあ大成功だぜ! やったぞピカチュウ!」

 

「ピッカチュウ!」

 

 見事、小判の雨霰を生み出すことに成功した。やったぜ、これで金満快適トレーナー生活は目の前に!

 

 

 

「ああ、そういうハラか。で、どうやって換金するつもりだ? 確か“ネコにこばん”で作った小判の換金ってかなり厳しく規制されてた筈だぜ?」

 

「……え?」

 

「……え?」

 

「チュ?」

 

 そして2秒で夢は露と消えた。なんでも、“ネコにこばん”製の金はポケモン世界おなじみの謎科学力によってどんなに高精度でも判別可能らしかった。

 俺とピカチュウとブルーはリーフに抱きしめられ、頭を撫でてもらいながら泣いた。

 

 

 

 

 

□月△日 9歳 トキワシティ ポケモンだいすきクラブ ピカチュウ派 リーダー宅

 

『モテモテの相棒』

 

 気持ちを切り替えて翌日、ここはトキワシティに存在する「ポケモンだいすきクラブ ピカチュウ派」というピカチュウ過激派……もとい、ピカチュウが好きで好きで堪らない人達のリーダーの御宅である。

 彼らはここで不定期にホームパーティーを開いており、今回、俺とピカチュウはその集まりに招待されたのだ。

 

「いやー、それにしてもレッド君のピカチュウは凄いねぇ。まさかあのサカキさんに勝ってしまうなんて」

 

「いやー、ハハハ。あんまり自慢できる内容じゃなかったですけどね。でも来年はニドキングだけとは言わずに全抜きしてやるつもりです」

 

「おお、これはなんとも頼もしいビッグマウスだ! よっ、未来のピカチュウマスター!」

 

「えっへっへっへ」

 

 俺達を招待した彼らの関心毎は専ら先日のサカキとのバトルについてである。大勢の人達に囲まれ、代わるがわる色々な角度からあの時の話を聞きたいらしく延々と話をせがまれる。

 どうやらあのバトルについては既に相当広まっているらしく、今この場のようにマサラでもトキワでも色々な人から話をせがまれる毎日だ。なんならマサラまでヤマブキのTV局やら新聞社やらが取材に来ており、この前その時の取材内容が「ジムリーダーに勝利した天才少年現る!」という見出しでカントー全土に報道されていた。

 きっと今頃、サカキはともかくあのランスなんかは怒り心頭だろう。ざまあみろだ、そのまま血管ブチ切れてしまえ。

 

「チュウ!」

 

「チュ?」

 

「ピカ、ピカチュ!」

 

「ピカ~♡」 「ピカァ……♡」 「ピカ、ピカ……♡」

 

「ピ、ピィ……」

 

 そして我が相棒はというと、♂♀問わずたくさんの同族に囲まれてまるでヒーローのような扱いを受けていた。

 俺のピカチュウの元へたくさんのモモンの実を持ってくる弟分のような振る舞いをする♂ピカチュウ、ずっと後を着いていって甲斐甲斐しく世話を焼く姉御気質の♀ピカチュウ、バトル好きらしく果敢に挑みかかる♂ピカチュウ、ぴったり体をくっつけて秋波を送る♀ピカチュウ達、その他にもたくさんより取り見取りである。彼等彼女等の多くはサカキのニドキングによって壊滅しかけたピカチュウの群れ出身であり、保護を受けた際トレーナーと仲良くなってトキワに残った者達だ。

 これも考えてみれば当然の話で、トキワの森で同族を無事に逃がす為に単身あのニドキングに挑んで時間を稼いでくれたコイツは、彼等彼女等にとっては紛れもなく英雄なのだろう。更にその数ヶ月後にはたったLv10でリベンジを果たしたときた。

 これは、モテない方が逆におかしいというものだ。尤も肝心の俺のピカチュウは辟易としていたが。

 

「チュ!」

 

「とっとと、なんだ、もっと世話焼いてもらえばいいのに。ほら、あの子何か残念そうにしてるぞ?」

 

「チュ~!」

 

「はっはっは、我らがヒーローも流石にあの数にはたじたじか。どれレッド君、少し外に出ていなさい。彼らの相手は私が引き受けよう」

 

「すみません、リーダー」

 

「なぁに、構わんさ。――さぁ私とたくさん遊ぼうねピカチュウちゃああああああああああああん!」

 

 狂気すら感じる、もとい非常に幸福そうな顔でピカチュウ達に突撃していったリーダーに後を任せて、俺の胸元に逃げてきたピカチュウを抱え庭に出た。後ろから何やらピカチュウ達の叫び声が聞こえてきた気がするが、悪感情は感じないので大丈夫だろう……タブンネ。

 

「ふぅ……大歓迎してくれるのは嬉しいけど、ちょっと疲れちゃったなピカチュウ」

 

「チュウ……」

 

「あ、あの! レッドさん、ですよね?」

 

「ん? そうだけど……君は?」

 

 声がした方を向いてみれば、そこにいたのは綺麗な金髪を後頭部で括ってポニーテールにした女の子。そしてその足元には左耳の付け根に花のアクセサリーを付けている♀のピカチュウがいた。この場にいるということは、彼女もピカチュウ派のメンバーだろうか。

 

「良かった。あ、ボクはイエローって言います! この子は私のパートナーのチュチュです! えっと、実はこの子が貴方のピカチュウに用があるらしくって」

 

「チュ~~~~~!!」

 

「ピ、ピカ!?」

 

「あ、チュチュ!」

 

 彼女……イエローが自己紹介をしてくれた、と思った次の瞬間にはなんと彼女のピカチュウが俺のピカチュウに凄い速さで飛び付いていた。しかも、涙を流しながら全身でしがみ付くというただならない様子である。

 俺のピカチュウは驚いた様子だが、自分に飛び付いてきた彼女の顔を見ると直ぐに笑顔を浮かべて抱き返していた。そのまま始まった会話を聞いてみたところ、なんとガールフレンドであるらしい。……え、ガールフレンド!? お前彼女いたの!?

 

「もう、チュチュったら……でも良かったね。って、あ、す、すみませんボクったら! ええっと……」

 

「あ、ああ、良いよ良いよ別に。いや一部全然良くないけどまあいいや。改めて、俺はマサラタウンのレッド。君もこの集まりのメンバー?」

 

「はい。おじさんがこの子を家に連れ帰ってきたのがきっかけで――」

 

 そして残りの時間は彼女と親睦を深めて過ごした。まさかこんな可愛い子とお知り合いになれるとは、相棒様様である。

 ちなみにその相棒はというと何やらしばらくの間チュチュというらしい♀ピカチュウと一緒に姿を消していた……と思ったら妙に疲れを感じさせる様子で帰ってきた。逆にチュチュの方はツヤツヤとしている。

 おいナニをヤってきた貴様。許さんぞ相棒の俺を差し置いて大人の階段を上るなど!

 

 

 

 そんなこんなで諸々終わってさあ帰るかという段になって、何やらチュチュがピカチュウに何かを渡していた。聞こえてきた話によるとお守りの様なものらしい。

 いったいなんだと覗き込んでみたら……なんと「でんきだま」であった。ピカチュウに持たせると【攻撃】と【特攻】の実数値(ステータス)を2倍にする、あのぶっ壊れアイテムである。

 やっべえ、俺の相棒の進化が留まるところを知らない。ライチュウにもなってないのに。もうこの辺でコイツに勝てるポケモンなんて早々見つからないんじゃないだろうか。

 

 そのピカチュウはというと、定期的にトキワシティにきてデートをする約束をチュチュとしていた。自分の相棒が幸せなのは良いことだが、何処か釈然としないのは独り身故の嫉妬だろうか。

 俺はイエローと2人、顔を見合わせ苦笑いし合うのだった。

 

 

 

 

 

□月□日 9歳 マサラタウン オーキド研究所

 

『上には上がいるって言うけど、これは明らかにやりすぎだろアルセウス様よぉ!』

 

 今日はなんと、遥々シンオウ地方からこの研究所にお客様がくるらしい。

 その名はナナカマド博士。大学時代じっちゃんの先輩だったという、言わずと知れた「ポケモンの進化」の研究に関する権威である。そして、この人の他にも色々な人がやって来るとのことである。

 

 いったいわざわざ何しにカントーまでやって来るのかと聞くと、どうやらこうして定期的に集まって研究の成果を披露しあう場を設けているようだ。

 謎の科学力が発達しているこのポケモン世界ではテレビ通話が既に実用化されて久しいらしいのに、1人2人ならともかくわざわざ大勢で、それも個人の研究所に集まるなどいったい何事だろうかとじっちゃんに聞いてみると。

 

「それはのレッド、そもそもの問題として、地方と地方程に距離が離れてしまうと現在の技術力では通信が不可能になってしまうからなんじゃよ」

 

 詳しく聞いてみると、なんとこの世界の通信機器の電波は精々が一地方内を繋ぐのが限界であり、隣の地方との通信すら現在の技術力では不可能ということらしかった。

 そして通信電波を阻害している原因はというと……ずばりポケモンである。彼らの体から発せられる様々なエネルギーが電波を邪魔する為、ある一定の距離以上になると電波が途切れてしまうらしい。

 妙なところで科学技術が発達している癖になんとも融通が利かないものだが、現実として不可能である以上ツッコんではいけないのだろう。というか考えたってわからんし。

 じっちゃんによると、この現況を解決すべく1人の若き俊英が現在離島で地方間の通信を叶えるべく研究中ということだが、その為のブレイクスルーがあと1つどうしても見つからないという状況らしい。

 あれか、ナナシマ1の島のニシキだろうか。原作知識だけだとわからなかったが、あの兄ちゃんって結構重要人物だったんだな。

 

 と、まあそんな理由で座して待っているだけでは別の地方の情報が中々手に入らないが故の集まりであるとのこと。そして俺はその集まりの準備の手伝いをすることになったというわけだ。

 日頃なにかにつけてお世話になっていることだし、それに別地方のポケモン研究者と話が出来るかもしれないまたと無い機会。誠心誠意と少しの下心を込めて丁寧に準備を手伝った。

 

 

 

 そしてお昼頃を過ぎたあたりで全ての準備がおわり、ナナミ姉ちゃんお手製の昼食を楽しんだ後。

 俺はオーキド研究所の敷地内で、「でんきだま」を装備したピカチュウと無双していた。というかピカチュウだけで無双していた。

 

「ピィカァ……チュウウウウウウウウウウウッ!」

 

 ピカチュウは「でんきだま」で強化されたパワーを振るうことが楽しくて仕方ないらしく、ここ数日の間は良さげな相手を見つけては時間が許す限りバトルを楽しんでいる。そして調子に乗りに乗ったピカチュウに敵うポケモンはこの田舎町マサラタウンには1匹もおらず、その鼻は余りにも伸びすぎて天にも届かんとする程。

 こりゃいけないと思って注意をしているのだが、余りの無敵感にすっかり酔ってしまっているのかピカチュウはまともに聞く耳をもってくれない。うーむ、いったいどう解決した物だろうか。

 

 

 ――そんな風に俺が頭を悩ませていた時のことである。

 突如として、天から大量の隕石が研究所の敷地の一部、今まさにピカチュウが暴れている場所目掛けて降りかかった。

 

「ピカッ!?」

 

 流石と言うべきか、我が相棒は突然の奇襲にも拘わらずその才気で全ての隕石を避け切ってみせた。

 

「(これは……ドラゴンタイプの“りゅうせいぐん”か!?)」

 

 敷地内にいたポケモン達が蜘蛛の子を散らすように逃げ始める中、自身を襲った下手人を探すべくピカチュウが視線を周囲に巡らせ始める。

 俺も同じようにすると、さほど苦労することなくその姿を見つけることが出来た。ピカチュウも気付いたのか、そのポケモンを強く睨む。そして――。

 

「ピッカァアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

「ガヴァヴァヴァヴァヴァ!」

 

 一瞬も悩むことなく、ピカチュウはそのポケモン――ガブリアスに躍り掛かった。

 “アイアンテール”、“かわらわり”、“メガトンキック”とピカチュウは怒涛の攻撃を繰り出すが、ガブリアスはまるで苦にすることも無く余裕の表情でその全てを捌き切って見せる。

 

「チュ!? ピ……ビッガアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!」

 

「――ガブァ!」

 

「ビッ!? ……チュウゥゥ」

 

 その様子を見たピカチュウが今度は“なみのり”を繰り出すと、ガブリアスはその威力が最大限に発揮される前に、一瞬で距離を詰めて――あっけ無く、ピカチュウを叩きのめしてしまった。

 微妙に意識が残っているところから、どうやら“みねうち”を喰らったらしい。

 

「ってそうじゃねえ、ピカチュウ!」

 

 俺は慌ててピカチュウへ駆け寄り、その体を抱き上げた。一通り体を確認するが、怪我らしい怪我は無い。このガブリアスはどう見てもピカチュウより圧倒的に格上だし、手加減してくれたのだろう。

 

「いやでも意味わからん、そもそもお前一体……」

 

「ガブゥ、ガブ、ガブガブ」

 

 問いかけると、「昔の自分みたいで見ていられなかったのでちょっとお灸を据えた。調子に乗っているヤツ相手にはこれが一番。アタシもそうだったし」という答えが返ってきた。いや意味わからん。ていうかお前どっから来たんだよ。

 とりあえず敵意は無さそうということだけはわかった。が、やはり正体がわからないと不安だということで俺は少しでも情報を手に入れるべくガブリアスにアルセウスフォンを向けて『ステータスチェッカー』を起動した。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

つよさをみる

 

種族  :相棒ガブリアス【ガブリアス希少種】

Lv   :63

性別  :♀

タイプ :じめんドラゴン

性格  :ようき

なつき度:最大

特性  :さめはだ

持ち物 :

 

実数値(ステータス)個体値(才能)6V(MAX)(天稟)】

体力(H):441(241+200【覚醒値】)

攻撃(A):434(213×1.1【なつき度補正】+200【覚醒値】)

防御(B):385(169×1.1【なつき度補正】+200【覚醒値】)

特攻(C):348(150×0.9【ようき補正】×1.1【なつき度補正】+200【覚醒値】)

特防(D):371(156×1.1【なつき度補正】+200【覚醒値】)

素早(S):414(178×1.1【ようき補正】×1.1【なつき度補正】+200【覚醒値】)

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「……ん? んんんんん?????」

 

いやなんだこれ。いやなんだこれ!? Lv63!? これで!? Lv100の同族すら余裕で超えるとんでもない実数値(ステータス)してるぞコイツ!? そもそも()()ガブリアスって……!?

 

「――貴方がそのピカチュウのトレーナーかしら?」

 

 とんでもない情報の爆弾に狼狽える俺に不意にかけられる声。

 

「いけないわよ、あんな風に暴れさせちゃ。周りのポケモンも可愛そうだけど、何よりその子自身の為にならないわ……とはいってもいきなり“みねうち”はいくらなんでもやりすぎね。ほらガブリアス、謝るわよ」

 

 混乱したまま振り返ってみると、そこには――俺を更なる混乱に突き落とす人物が立っていた。

 

「し、シンオウチャンピオンのシロナ……!?」

 

「あら、カントーにも私のことを知ってくれている子がいるのね。嬉しいわ」

 

 膝に届くほどの金髪に、黒いファー付きコート。特徴的な髪飾りを付け、瞳の色は美しく煌めく銀。

 そう、原作『ダイヤモンド・パール・プラチナ』にて主人公を幾度となく助け、そして最後には高き壁として立ちはだかった女性――シンオウリーグチャンピオン、シロナが俺の目の前に現れたのであった。

 

「改めて、ごめんなさい。私はシンオウ地方ポケモンリーグチャンピオンのシロナです。この子はパートナーのガブリアス。――ねえ、ちょっと私達とお話しない?」

 

 

 そう俺を誘う少女に対し、俺の脳内には「記憶より大分若いな」なんて、場違いな感想が浮かんできていた。




①“ネコにこばん”で悪だくみ :原作知識チートや!(現世の常識に邪魔されないとは言ってない)
→この世に悪が栄えた例無し。ホントは金銭問題を解決する為の話として書いてたんだけど、途中で「こんなん規制されてないわけねーだろ」と気付いて修正。お金が欲しかったら真っ当に働きましょう。

②「でんきだま」ゲットだぜ!:イエロー&チュチュ登場。そして相棒ピカチュウ(公式チート)強化イベント
→この主人公、近所の美人お姉さんと美少女幼馴染2人だけじゃ飽き足らず、相棒を餌に隣町の美少女と友達になったらしいよ。しかもこれから定期的に会う約束をしたんだってさ。ふーん、デートじゃん。

③シンオウチャンピオン、現る:そして伸びかけた鼻を速攻でへし折る覚醒値仕様ガブリアス(チート強化600族)
→ガブリアスを相棒ポケモン化して登場させるという暴挙。でも仕方ないんだ、ロマンには逆らえなかったんだ。覚醒値仕様ガブリアスがパートナーのシロナとか滅茶苦茶カッコ良いじゃん?

 以上、3本仕立てでした。後編へ続く!
 ポケモン二次創作でシロナを登場させるのは最早義務に等しい。(過激派)


 そして今さらですが各キャラの容姿を簡単に。
 ・レッド :『ファイアレッド・リーフグリーン』男主人公
 ・グリーン:『ファイアレッド・リーフグリーン』ライバル
 ・ブルー :『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』ブルー
 ・リーフ :『ファイアレッド・リーフグリーン』女主人公
 ・イエロー:『ポケットモンスターSPECIAL』イエロー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。