原点にして頂点「アルセウス様ありがとうございます。でもいつか一発殴らせてください」 作:ゴーイングマイペース
お待たせしました!!!!!
5月○×日 9ページ目 10歳 クチバシティ サント・アンヌ号
『激闘サント・アンヌ号 決着』
「ふん、その様子だと降参なんてする気は無さそうだな。まあ分かっちゃいたが……これ以上グズグズしてると国際警察が来て面倒なことになるからな。もう少し甚振ってやりたいとこだが、こっからは巻きでいかせてもらうぜ」
「ッ!」
ダークマタドガスをなんとしても救うと決意したが、そう易々といくはずもなく。
声の方を見れば、面倒という割に、抵抗の意志を無くさない俺とピカチュウを見て嬉しそうにするラムダの顔があった。
「――つうわけで、そろそろトドメを刺すぞマタドガス!! そのクソ生意気な小僧ごと、ピカチュウをぶちのめしちまえ――“ダークスラッジボム”!!!!! 派手にいけえ!!!!!」
「!! ――!! !!! !!!! !!!!!」
ラムダの指示のマタドガスが即座に応え、“ダークスラッジボム”を再び発射し始めた。
しかも今度は連続で――俺まで狙っていやがる!
(下層での下っ端との戦いで分かっちゃいたが、本当にコイツ等ポケモンで人を攻撃することに躊躇が無いな! 悪党のやることだし、当然っちゃ当然かもだが……ッ!)
チクショウ、いくら調子に乗っていても、反撃を許すつもりまでは無いってか……! どうせ調子に乗るなら、とことん乗ればいいのによ!
「走れピカチュウ!! 絶対に足を止めるな、避け続けろ!」
「ピカッ!!」
無理して迎撃しようとしてもさっきの焼き直しになるのが目に見えている。
なので俺は波導による脚力強化で、ピカチュウは持ち前の瞬足で、マタドガスが撃ってくる機械のように正確無比な連続ヘドロ攻撃を避ける為に一気にその場から駆け出した。
「!!! !!! !!!!!」
「クッ……!?」
が、これもダークポケモン……ラムダ曰くRDポケモンとなったことによる力なのか、ダークマタドガスの声無き声と共に繰り出される“ダークスラッジボム”は、“ミサイルばり”や“ロックブラスト”みたいな連続技ほどじゃないにしても連射速度が早くて避け辛く。
更に、そもそもの技威力の大きさで発生するその余波で、避けても体を揺さぶってくることもその避け辛さに拍車をかけていた。
「ピカチュウ!! 無事か!?」
「ピッ……ピカ!」
それでも俺もピカチュウも今のところなんとか直撃だけは避けているが、このままではそれだけで時間切れになってしまう。
というか『ダークわざ』の仕様でPPが無限だからか、マジで途切れる気配が無い!! 何が「ある程度で妥協した」だ、俺のピカチュウが反撃できない火力がこのレベルで無限連射可能って、これだけで十分性能盛り過ぎだろ!!
くそ、このままじゃ“ダークスラッジボム”を喰らって負けるか、そうならなくても時間切れで逃げられる!
その前に奴等に隙を作ってダークマタドガスにダメージを与え、スナッチボールを当てなければ……!
だがその隙を作ろうにも、ピカチュウの攻撃技は“10まんボルト”が通じない以上は何を使っても迎撃されるだろうし、では搦め手となってもその為の変化技は封じられてしまっている。
じゃあダークマタドガスが隙を晒すのを待つ、という受け身も望みが薄い。
ロボットさながらの一挙一動は隙など晒しそうには見えないし、【ハイパー状態】……じゃなくて【リバース状態】を発症するのを待つというのも、“ダークスラッジボム”をこれだけ連発しても平気そうな以上は望み薄だ。
恐らく、何らかの方法……さっきラムダが言っていたことからして、RDポケモン化改造に伴う身体強化によって、ダークオーラの逆流に伴う発症に長時間耐えられるようになっている……んじゃないかと思うが、なんにせよ、現状のピカチュウにはマタドガスの体に干渉する術が無い以上、考えてもどうしようもない。
……チクショウ、どうする、どうする……!!?
「グハハ、どうしたどうした、逃げるだけか!? 仇を討つとかなんとか言ってたのは諦めたのか、ええ!!?」
「ッ! この……!!」
そうやって勝ち誇るなら、せめてこのバトルで勝ってから言いやがれこの野郎!
それにそっちは悪党だから俺にいくら攻撃してもなんとも思わないんだろうが、こっちはいくらルール無用だからって言ってもピカチュウでお前に攻撃させるなんて無茶苦茶はそう簡単に出来ない――。
(――――ん? 待てよ……)
その時、妙な引っ掛かりが俺の脳裏を掠めた。
「……今この場はルール無用で……ピカチュウじゃ無理……なら……」
引っ掛かりを口に出して反芻し、更に波導による思考速度強化を一気に強力にして、脳内でよりその形をハッキリとさせていく。
そう、今この場はルール無用、公式のポケモンバトルとはかけ離れた……言うなれば戦闘である。
そして現に、ラムダはピカチュウだけでなく俺のこともダークマタドガスに攻撃させている。
と、いうことは、つまり……その逆も当然「アリ」、なのではないだろうか。
とはいえ勿論それは、ピカチュウにラムダを攻撃させる、という意味ではなく。
そう、ピカチュウが隙を作れないなら――ピカチュウ以外に、ダークマタドガスに隙を作る「手段」を持った奴がいるのならば――。
(――――――――――!)
そうか……単純すぎて気付きもしなかった! 今やっているのは「ポケモンバトル」だと、無意識の決め付けがあった!!
そうじゃない、これはルール無用の謂わば「戦闘」だ。あんまり酷いこと以外は、何をしても構わない筈!
なら――――この俺がダークマタドガスに隙を作れば良い!!!!!
「後は、ダークマタドガスの体の中が――よし!!」
いける、決して分の悪い賭けじゃない! これなら絶対に上手くいく!!
いや――上手くやってみせる!!!!!
「ピカチュウ、耳を貸せ! 作戦だ!!」
「ピカ!!」
降り注ぎ続ける“ダークスラッジボム”を何とか掻い潜りピカチュウを呼びよせ、思い付いた作戦内容を素早く耳打ちする。
「ピ!? ピ、ピカチュウ!!?」
「大丈夫だ、俺が頑丈が売りのマサラ人だって知ってるだろ! それにもう――これしかあのダークマタドガスを助ける手は無い!!」
「ピカピ……ピカッチュ!」
作戦の内容が予想外のものだったからだろう、ピカチュウが俺を心配するのを説得する。
それでもピカチュウは不安なようで、一瞬だけ躊躇いを見せるものの――最後には頷き、後ろへと下がってくれた。
「おい、俺様の聞き間違いか? 今お前から『作戦』って言葉が聞こえた気がしたが……さっきからずっと逃げ回ってるだけのお前が何をしたって、この状況を引っ繰り返せるわけが無えだろうがよお!! グハハハハッ!」
ラムダが大声で嘲ってくるが気にせず、真っ直ぐにダークマタドガスを視界の中心に定める。
「ハッ……そうやってバカみたいに笑うのは――この戦闘に勝ってからにしやがれぇえええええッ!!!!!」
そして俺は、全身に波導を巡らせ――ダークマタドガス目掛けて、一気に突っ込んだ。
(行くぞ、まずは作戦の第1段階!!)
「なッ!? 人間が無防備にポケモンに……それもRDポケモンである俺様のマタドガスに突っ込むだって!? 正気か!!?」
ルール無用の悪党でも流石に予想外だったのか、ラムダが俺の突貫に驚きの声を上げる。
だけどすぐに気を取り直したようで、ダークマタドガスへと怒り混じりの指示を発した。
「フン、そんなに死にたきゃすぐに地獄に送ってやる! マタドガス、先にそっちのバカみたいに突っ込んで来るクソガキの方から仕留めろおッ!!」
「――!!!!!」
ラムダの怒声を受けたマタドガスが、早速俺だけに狙いを集中して“ダークスラッジボム”を連打してくる。
「ぐ……この!」
視界を埋め尽くす“ダークスラッジボム”に、喉から無意識に怯んだ声が出てしまう。
だがすぐに気合で捻じ伏せ、その場で一瞬だけ屈んで脚に渾身の力を籠めて。
「舐めん……なぁあああああッ!!!!!!!!!!」
一気に力を解放し――ジャンプ!!!!!
「なッ、跳んで躱したぁッ!!?」
俺目掛けて降り注がんとしていた“ダークスラッジボム”の弾幕の上スレスレを、一気に飛び越えていく。
そしてそのまま一息に、マタドガス目掛けて真っ直ぐに飛んで行き――、
「――摑まえ、たあ!!!!!」
よし! まずは第1段階――「マタドガスへの接触」、成功!!
そして――よし、思った通りだ!!!!!
「――!? !!!?」
「! くぅうううッ!! こら、暴れんな……! 流石にこうして直接飛び付かれると、無反応じゃいられないか……!?」
俺を振り解こうと無茶苦茶に暴れ出すダークマタドガスへ、四肢全てで組み付くことでしがみ付く。
というかこうして直接触れてみて初めて分かったが、マジで暴れる力がとんでもない。遺伝子操作による身体改造ってヤツのせいなのか、少なくとも【
この、俺は下手に全力を出してお前を傷付けるわけにはいかないってのに……!
くそ、急ぐぞ! ここからは第2段階だ!!
「少し、いやかなり痛いかもしれないけど、必ず助けるから。だからちょっとの間だけ、我慢してくれよ――」
利き手を平手にして、大量の波導を集中、凝縮する。
そしてマタドガスへ向けて構えて――、
「――うおらああああああッ!!!!!」
――叩き付ける!
そして更に――!
「ハアアアアアアアッ!」
――凝縮した波導を、ダークマタドガスの体へ、一気に、流し込む!!!!!
「な、なんだ!? 何をしてやがる!!? 人間がポケモンに攻撃か!!!?」
俺の行動の意味が分からないのだろう、ラムダが困惑に染まった声を発した。
その困惑は尤もだ。一見、俺がやっていることは攻撃にしか見えないだろう。
だが、これは攻撃じゃない。
(――【ハイパー状態】にしろ、【リバース状態】にしろ……症状が改善されて名前が変わっても、発症条件は変わらない。『ダークわざ』の使用と、それに伴って不意に体内で発生するダークオーラの逆流だ。尤も、
『ダークわざ』という強力な『わざ』をこれだけ乱発しても、ダークマタドガスは【リバース状態】を発症する兆しすら見せない。
それはひとえに、その強大な力に比してリスク極小、恐らく短時間の
だが、しかしだ――こうは考えられないだろうか。
(――身体改造、
ダークオーラは【リバース状態】発症の原因でもあるが、同時にダークポケモンの力の源だ。
つまり『ダークわざ』とは本来、そのメリットとデメリットが等価になっている、かなり扱いづらい技の筈なのだ。
だというのに、ラムダご自慢のダークマタドガス――RDポケモンは、メリットばかりを享受している。
(――そんな都合の良い話が、あってたまるかッ!!!!!)
強く大きな力になればなるほど、相応のリスクが伴うのが世の常だ。
だっていうのに? 体を弄ったら? そのリスクが滅茶苦茶軽くなりました? ありえてたまるか、そんなもんッ!!!!!
いちゃもん? そんなことはない。勿論この考えには既に裏付けを取ってある。だからこそこの作戦を決行したのだから。
では一体いつそんな裏付けなど取ったのか。それはこの作戦を決行する直前に、更にこうしてダークマタドガスに飛び付いた時により詳細に――確かに、その
そう――「身体改造によって【リバース状態】の発症を防いでいる」という俺の説を証明するかのように、ダークマタドガスの強靭な肉体で無理やり抑え付けられ体内で蠢いている、溢れんばかりのダークオーラを!!!!!
要は、ダークマタドガスが“ダークスラッジボム”を延々と撃ち続けられていたのは、よりによって心と体の両方を改造されるという責め苦を受けたダークマタドガス自身にリスクを押し付け続けていたからだったのだ。
まさに悪魔の所業、ポケモンと共に生きる世界の住人として決して許されない所業だ。
しかし同時にこれは――物凄く、物凄く申し訳ないが――「波導」という体内エネルギーを操り、干渉する術を持っている俺にとっては、まさに付け入ることが可能な「隙」として映った。
(ダークオーラってのは、ダークポケモンの体内を巡るエネルギー。そして波導は生物なら皆が持つ生命エネルギーだ。ならきっと――こういうことも、出来るんじゃないかと、そう思った)
そう、俺に出来てピカチュウにはできないこと。つまり――
「―――――モックォオオオオオオオッ!!!!!!!!!!?」
俺の波導エネルギーで、ダークマタドガスの体内で無理やり抑えつけられているダークオーラを強引にかき回して――無理やり、【リバース状態】を発症させられるんじゃないかって!!!!!
そして計画通り!! ダークマタドガスよ、すまん!!
でも――第2段階、「ダークマタドガスを【リバース状態】にして隙を作る」も成功だ!!!!!
「モッ、モッ、モォオオオオオオオッ!!!!!!!!!!?」
「っ、と!!!」
発狂して大暴れを始めたマタドガスから跳び離れる。
するとすぐに、最早俺やピカチュウのことなど完全に忘れた様子で手当たり次第に“ダークスラッジボム”を放ち始めた。
その様は先程までのロボット然とした佇まいとは正反対で――まさに俺の狙い通りの隙だらけの姿だった。
……すまん!!!!!
「な、な、なんだとぉおおおおおッ!? おま、お前ぇッ!! どうやってマタドガスを【リバース状態】にしやがったあああッ!!!? クソ、マタドガス、しっかりしろマタドガスぅ!!」
そして先程までの余裕がとうとう完全に無くなったラムダが、大いに焦った様子でダークマタドガスへ声を掛け始める。
必死にダークマタドガスを宥めようとするその様は、すっかり俺とピカチュウのことが頭から抜け落ちていそうだ。
まあそりゃあそうだ、コイツがさっきまでずっと威張っていられたのは、ひとえにダークマタドガスの力あってこそなのだから。
――つまり、お前も……隙だらけなんだよぉッ!!!!!
「オ――ラァアッ!!!!! リーフとマタドガスの仇だ、思い知れえッ!!!!!」
「おごおッ!!!!!!!!!!?」
すかさず一息で距離を詰め――殺しかねないので手加減こそしたものの、それでも渾身の怒りを込めた拳で腹を殴り上げ、今頃ハンサムさんとその同僚達がいるだろう、クチバ港目掛けて吹っ飛ばしてやった。
警察の下へ直接お届けである。二度とその軽薄な顔を見せんじゃねえぞ!!
(よし、これでラムダは、片付いた。後は、作戦の最終段階――ダークマタドガスを弱らせ、
「ピカチュウッ!!!!! 仕上げだ!!!!!」
「――ピッカァッ!!!!!」
待ってましたと俺の前へとその瞬足で現れるピカチュウ。
頼むぞ――ここまでの作戦は奇策も奇策だったが、やっぱりポケモントレーナーとしては、ポケモンを捕まえるならポケモンで、だ!!!
「“かみなり”ぃッ!!!!!」
「ピィイイイイ――カァアアアアアッ!!!!!!」
俺の指示を受け、ピカチュウが烈昂の雄叫びを上げる。
するとダークマタドガスの直上に黒雲が発生し――空間そのものを引き裂くかのような轟音と共に、ダークマタドガスへと着弾した。
「モォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!?」
ピカチュウ渾身の“かみなり”を喰らったダークマタドガスが、これまでで最大の悲鳴を上げて苦しんでいる。
すまん、本当にすまんマタドガス……! でもすぐに終わるから、これもお前を助ける為だから……!
「ピッカ、ピカピ、ピッカ……――ピッカァアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!」
「――えっ、ちょ、……ん?????」
あれ、なんか違くない……? “かみなり”ってこういう技だっけ。
こんな風に何筋も落雷が降り注いだり、ましてこんな極太レーザーみたいな雷が落ちる技じゃなかった気が……って!!!!!
「待て、止めろピカチュウ! お前それは流石に気合入れ過ぎだ!! マタドガスが瀕死通り越して死ぬぅ!!!」
「――ピッ!?」
余程ここまで俺に任せきりだったのが不服だったのか、相棒の俺でも見たことの無いウルトラ“かみなり”を放つピカチュウを慌てて止める。
幸いなことに、すぐに俺の声に反応して正気を取り戻し、止めてくれたが……不味い、マタドガスは!?
「――モ……」
「あああああ、ごめんマタドガスゥ!」
「ピッ……ピカピカアアアアア!!!!!」
――――――――――――――――――――――――
相棒ピカチュウ:Lv27
■■■■■■
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
VS
ダークマタドガス:Lv?(推定30~40?)
■
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
――――――――――――――――――――――――
ヤバいヤバいあっぶねええええッ!!?
くそ、急いで捕獲しないと――!!
急いでリュックのボールポケットからモンスターボールを取り出し、波導を込める。
すると、【ダークポケモン・スナッチャー】の説明通り、確かに俺の波導がモンスターボールに作用したのを感じた。
――よし!
「行け――モンスターボール!!!!!」
モンスターボール、もといスナッチボールがギリギリ瀕死のマタドガスにヒットし――その体をボールに収める。
そして数秒、ボールは点滅を繰り返し……無事、スナッチが完了した。
「――あ、危なかったぁああああああああ……」
「ピィィィィィィィィィ……」
ピカチュウと2人揃って体から力が抜けてしまい、その場にズルズルとへたり込む。
チクショウ、全く格好が付かない……でも。
「……やったな、ピカチュウ」
「……ピカ」
俺達の、勝ちだ!!!!!
――ロケット団幹部のラムダとの勝負に勝った!!!!!
ダークマタドガス(Lv40)を捕まえた!!!!!
後書き
ラムダ戦、完!
次はちょっとエピローグという名の閑話を挟み、クチバジム戦です!!
では皆様、またお気を長くしてお待ち頂けますと幸いです。
お気に入り登録、高評価、ご感想、誤字脱字のご報告もお待ちしております。*1
以下蛇足 ~本編で触れられなかった“ダークスラッジボム”の威力の秘密(次話で少し触れますが、詳しい説明を入れられないのでここで)。ご興味の無い方はブラウザバックをどうぞ~
さて、今回ラムダ、というかダークマタドガスと戦闘するにあたり、リーフは6タテされ、レッドも相棒ピカチュウの“10まんボルト”を相殺されるという大苦戦となりました。
これは勿論“ダークスラッジボム”の威力が非常に高かったからでありますが、ではどうしてここまで高い威力となっていたのか。
これについて説明するには、まず基本的なポケモンのダメージ計算式から説明しなければなりません。
――――――――――――――――――――――――
ダメージ=(((レベル*2/5+2)*技威力*A/D)/50+2)*M
※()内の計算ごとに小数点は切り捨てる。計算の結果0になった場合は1にする。
・レベル = 攻撃側のレベル。
・技威力 = 技ごとに設定されている威力。
・A = 物理技なら攻撃側の【攻撃】、特殊技なら攻撃側の【特攻】の実数値。
・D = 物理技なら防御側の【防御】、特殊技なら防御側の【特防】の実数値。
・M = 各種ダメージ補正。持ち物や特性の効果などによるダメージの補正。
――――――――――――――――――――――――
上記はポケモンwiki様に記載されているものであり、作者も技威力の計算をする場合は、(展開的に不要である場合を除き)基本的にこの計算式に則って考えています。楽なので。
とはいえ基本的にはネットで公開されているダメージ計算機を使っていますが、今回のように『わざ同士の衝突』となると上記の計算式そのままでは使えない(【防御/特防】が不要となる)為、自分で計算します。
そして、いざ“10まんボルト”と“ダークスラッジボム”の威力を計算、比較してみると
――――――――――――――――――――――――
・10まんボルト(でんき)
=(((27*2/5+2)*90*84)/50+2)*1.5(タイプ一致)*2(でんきだま)
=5448
・27:相棒ピカチュウのレベル
・90:“10まんボルト”の威力
・84:相棒ピカチュウの【特攻】
・ダークスラッジボム(どく&ダークオーラ)
=(((40*2/5+2)*90*85)/50+2)*1.5(タイプ一致)*2(ダークわざ【XD仕様】)
=8268
・40:ダークマタドガスのレベル
・90:“ダークスラッジボム(ヘドロばくだん)”の威力
・85:ダークマタドガスの【特攻】
8268(ダークスラッジボム)-5448(10まんボルト)=2820
※【特防】は式から除外し、技威力のみ算出しています。
――――――――――――――――――――――――
こうなりました。実に2820もの威力差があった訳です。
まず実数値は84と85でほぼ互角です。
そして補正においても、タイプ一致1.5倍は同様、「でんきだま」による威力2倍も『ダークわざ【XD仕様】』の効果で同等です。
こうして見ると、ほとんどの因子では並んでいるのが分かると思います。
では、両者の明暗を分けたのはどこか……ずばり「レベル」です。
27レベルと40レベル、実に13ものレベル補正の差が存在したことで、“10まんボルト”は“ダークスラッジボム”に敗北してしまった訳です。
そしてこうなると当然、リーフでは勝てません。ただでさえ40と高レベルである上に、更に『ダークわざ【XD仕様】』のタイプ相性を無視した威力倍化効果が掛かった技を使うマタドガスを破る手段は、少なくとも今のリーフには無いからです。(少なくとも作者は思いつきませんでした。)
……と、長々とお付き合いいただきましたが、ここで結論を述べると
――――――――――――――――――――――――
Q.つまりなんで“10まんボルト”は“ダークスラッジボム”に勝てなかったの?
A.でんきわざでじめんわざを打ち破ろうとしたようなものだから。しかも相手の方が高レベルで、補正でも完全に並ばれているから。
――――――――――――――――――――――――
となります。
要は「『ダークわざ』って強い! レベルで上回ると強い! 両方揃ったらクソ強い!!!」ってことでした。
以上! 蛇足、終わり!
①天ノ羽々斬様
②猿の守護者様