SAO:Assaulted Field   作:夢見草

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てことで今回はティーブレイク編第二話となります。
内容は、前アンケートをとった"アルゴとのデート"の話です。
ここで皆さんに注意が有ります

1.アルゴのキャラブレの可能性アリ
2.甘くないかも。でも作者は甘々を目指したつもり(←ここ大事
3.時々唐突にくる他作品ネタ

以上です。
それでもおkという方は是非楽しんで行ってください!


Tea-break 02: Boy meets Girls

ジリリッン ジリリッン~

 

時刻は6時15分。

 

レンの設定しておいたアラームがけたましく部屋中に木霊し、レンを否が応でも叩き起こそうとする。

 

「く……もう少し……寝かせろ……」

 

朝に弱い、とまではいかなくとも、苦手とするレンにとって、この時刻に起きるのは少し酷だったりする。加えて、昨日も相も変わらず夜通し……具体的には午前3時までフィールドを徘徊していたので、疲れもたまってるのだ。

 

「く……くくくっ」

 

もっと眠っていたいという感情と、起きなければ、という感情が激しくせめぎ合いをしながらも、レンは体にムチを打って少しづつ起き上がる。普段の彼ならば、ここで素直に欲望に従い、二度寝と洒落こんでいるだろう。

 

しかし、今日だけはそうもいかないのだ。今日だけは、どうしても外せない“約束”があるのだ。

 

さるクリスマスイブであった24日、キリトの情報を買う報酬としてアルゴと約束した用事が。正直なところを行ってしまうと、当のレンはそのあまりのめんどくささに、シラを切ろうかとも考えていた。

 

しかし、一応そのところを同じ女子として、晴れてキリトの恋人となったレナに尋ねたところ

 

“いや、バッカじゃないの?アルゴが何のために提案したか考えなよー。まったく、レンは女心を分かってないなー”

 

と言われた。ますます納得がいかなくなったレンだが、結局、レナの妙に強い押しと、

 

“私の言うことは聞いておいた方がいいよ?”

 

という脅し?のようなものに負け、今やアンクラッドで初となる“お正月”……一月一日、つまり今日デート(?)をすることに決めたのだった。

 

「えーと……何処に行くか決めてないけど……いいのか?」

 

如何せん、以外にもこういった経験がないレンは、とりあえず自分の持っている常識の範囲内で何とかしようと考えていた。のそっと起き上ったレンは、部屋着から着替えるためにメニューウィンドウを操作し始めた。

 

戦闘服である普段の淡いエメラルドグリーンのチェスターコートではなく、カジュアルな今風のシャツの上から、ロングシャツを前開きにして羽織り、袖を折る。それにスラックス風のカーゴパンツで全体を纏める。とても洒落たそのファッションは、プレイヤーメイドものに見えるが、実は全てNPCの店で買った安物だったりする。首のドックタグも、アクセサリーとして一役買っている。

 

「......こんなんでいいか」

 

念のため、護身用のための片手直剣《ベルスティア》を、腰に巻かれている皮のベルトにあつらえてある鞘に納める。鞘と言っても、刃と柄のあたりにある、皮でできた輪っかに剣を収める、刀身が見えてしまうとても簡易なものだが。

 

「よし、行くか」

 

一回り確認したレンは、そのまま宿を後にした。

 

***

 

転移門経由で、47層の中央広場へと訪れたレンは、とりあえずこの前と同じベンチに座って冷気に包まれる体をいたわるようにあったかなコーヒーを口にしていた。待ち合わせの時間までにだいぶ余裕があるレンは、コーヒーを啜りながら行き交う人々を観察していた。

 

へえ。この前はオシャレしたカップルだらけだったのに……今日は晴れ着姿の奴が多いな……

 

この殺伐としたSAOでも、現実世界と同じような光景が見られるんだなーなどと感慨深く思っているレンへ、その背後から声を掛けられた。

 

「おまたセ。待ったかイ?」

「いや、まってな……い……」

 

クルリと振り返って、レンは固まってしまった。レンが目にしたのは、今日の相手であるアルゴ。しかし、その姿はレンがよく知るアルゴではなかった。いつも来ているフーデッドマントではなく、可愛らしいチュニックにデニム生地のショートパンツ。色合いも、温かみのある暖色でまとめられていて、彼女の雰囲気とよくマッチしている。更に決定的なのは、“鼠”の象徴たる三本対のお髭がなく、普段はフードで隠れているアルゴの素顔が露わになっていることだった。

 

「どうしたんだイ?かたまっちゃっテ」

「いや、似合ってて可愛いなーとおもって」

「フフ、お世辞にしてもうれしーヨ」

 

素顔なぶん、いつよりもまして“異性”を感じさせる笑みを浮かべ、アルゴはレンの手を引いた。

 

「じゃあ行こウ!」

「あ、おい!!」

 

アルゴにされるまま、レンはベンチから立ち上がった。

 

***

 

所変わって42層。街全体がどこか京都のような和風の趣なこの街は、流石お正月ということもあって多くのプレイヤーで溢れていた。

 

「いやー、人が多いなー」

「おいしイ、レンも食べるカ?」

「おお、サンキュー」

 

アルゴがレンに差し出したのは、福岡は太宰府天満宮名物“梅ヶ枝餅”と呼ばれる餅菓子だった。

 

何故ここにあるんだ…………

 

とか思いながらも、レンは熱々の梅ヶ枝餅を口にした。アツアツで、それでいてちょうどいい甘さの餡子が、パリッとした餅と実にマッチングしている。

 

これを考えた人は偉大だな

 

そう思いながら、レンはぺろりと梅ヶ枝餅を完食する。

 

この梅ヶ枝餅のルーツは、太宰府天満宮の祭神である菅原道真公の逸話に由来していて、決して梅の味や香りがするわけではない。

 

大まかなあらすじを言うと、その昔、菅原道真公が陰謀により太宰府へ権師として左遷され悄然としていた時、安楽寺の門前で老婆が餅を売っていた。その老婆が道真公に元気を出してほしいと差し上げたところ、その餅が道真公の好物となった。後に道真公の死後、老婆が墓に梅の枝を添えて墓前に供えたのが始まりとされている。まあ、この話には諸説あるが。ちなみに、大量の餡子を二つの梅ヶ枝餅でサンドするというのが本当の食べ方である。

 

そうやって小腹を満たしつつ、二人はこの層のシンボルともいえる神社へと向かった。

 

「おおー、完成度たけー」

「ニャハハ、そうだナ」

 

二人が立っているのは、立派な朱色の鳥居の前。そのクオリティの高さに、二人は似たような感嘆を漏らした。

 

「レー坊はここに来たことはないのカ?」

「無いな……前はゆっくりする時間なんて無かったし」

「フーン」

「なんだよ」

「いや、レ―坊らしいと思ってサ」

「ほっとけ」

 

鳥居をくぐり、本殿の前の賽銭箱の前に到着した二人は、それぞれコルを実体化させて投げ入れた。パンパン、手を叩いて、それぞれお祈りをする。

 

今年は金欠で苦しみませんように

商売繁盛しますようニ!あとは……

 

二人とも、俗まみれである。

 

「御神籤でも引いてみるか?」

「いいネ」

 

そうして、二人は御神籤を購入し、それぞれが今年の運勢を占った。

 

「おオ、大吉だヨ」

「よかったな、さて……俺のは……」

 

カサカサとめくって、レンはその内容に一通り目を通す。

 

運勢は中吉、フムフム……ん?

 

そして、あるところに目がとまったレンは、すぐさま御神籤を破った。

 

「ど、どうしたんだイ?」

 

いきなりのことに驚いているアルゴ、しかし、レンは何も答えずにポリゴン片となった御神籤を風になびかせて捨てた。レンの目にしたもの、それは次のようなものだった。

 

金運:まず悪い。一年通して節約すべし。

恋愛運:女難の相あり。異性の気持ちに対し鋭く察してあげるべし。

 

そのあまりの不吉さに、レンは思わず破り捨ててしまったというワケだ。

 

「気にすんな。次行こうぜ」

「???分かっタ」

 

何事もなかったかのようなレンに対し、アルゴは釈然としないままだった。

 

***

 

そんなこんなで、二人は参道を歩いていた。参道には、NPCや職人プレイヤー達の出店がたくさんあり、人で溢れていた。

 

「いらっしゃい!!焼き鳥だよ―!!」

「りんご飴!!食べてってくれ!!」

「箸巻きうまいよー!!」

 

色んな掛け声が聞こえ、様々ないい香りが鼻腔をくすぐる。当に日本という感じがして、レンとアルゴは物色したりしながら楽しんでいた。そんな時、レンの耳が、ある叫び声を捉えた。

 

「さあさあ!!射的だよ!!こぞって参加しなぁ!!」

 

レンの背筋に、鋭い刺激が走る。

 

「アルゴ」

「なんだイ?」

「行くぞ!!」

「うゎ!!ちょ、ちょっト!!」

 

レンは知らない。あまりにも夢中になってしまって、無意識のうちにアルゴの手を握っていることに。そして、アルゴが顔を赤くしていることに。

 

「いらっしゃい!やってくかい?」

「ああ、勿論」

「まいど!8発ね」

 

そういって、気さくそうな店主が奥からエアライフルとコルク弾8発を持ってきた。

 

「へぇー」

 

FPSゲーマーとしての血が騒ぎ、レンはアルゴのことも忘れてエアライフルをしげしげと見つめていた。コルク弾を手に取り、銃口に装着する。ガシャン!!とコッキングレバーを引いて、空気を装填。そして、台にもたれかかり、レンは景品に照準を合わせた。それを見て、周りにいたプレイヤー達は皆揃って苦笑した。

 

実はこの射的屋さん、景品が落ちないことで有名なのだ。コルクがヒットしても、威力が弱いのか景品が落ちにくいのか定かではないが、ぼったくりレベルで落ちないのだ。観衆は皆が皆、又だまされる奴が出た、くらいの気持ちで見ていた。

 

流れる景品の中から、レンが照準を合わせたのは、可愛らしくデフォルメされたネズミのぬいぐるみ。その形は、某猫と仲良くケンカするアニメに出てくるキャラクターのようだ。中々の大物だが、レンは気にしない。

 

この場の誰が知り得ようか。目の前にいるレンは、リアルではFPSゲーマーでもあり、ネタ装備とまで揶揄される“ナイファー”のプレイスタイルで戦場をかき乱す凄腕プレイヤーであることを。

 

このSAOでも、気難しいB-ナイフやS-ナイフ、C-アックスにトマホークを自分の手足のように操るプレイヤーであることを。

 

タイミングを見計らい、レンはふわりとトリガーを引いた。バスッと音がして、コルクが飛び出す。放たれたコルクは、レンの狙いどおりの場所に着弾し、見事ぬいぐるみを撃ち落とした。

 

マジかよ、あれ落としやがった。

あいつやばくね?

ビューティフォー。

 

見ていた観衆から、どよめきが上がる。何やらどこかで聞いたような某ギリースーツの上官のセリフも聞こえるが。しかし、レンは気にすることなく次のコルクを装填、コッキングした。

 

その横顔は、いつもの凛としたレンではなく、まるで子供のような純粋な笑顔だった。そんなレンを、アルゴはずっと見ていた。

 

次々と景品を落としたレンは、ホクホク顔でライフルを店主に返した。店主の顔が引きつっているのは多分気のせい。レンが店の中の高額商品を次々と落としたからとは関係ないだろう。

 

「あ!そうだ。アルゴ」

「な、なんだイ?」

「これやるよ」

 

笑いながら、レンは先ほどゲットしたネズミのぬいぐるみをアルゴに渡した。ポスッとアルゴの腕に入ったそれは、とてもふかふかだった。

 

「あ、アリガト……」

 

赤くなってしまう顔を悟られないように、アルゴはぬいぐるみに顔をうずめる。

 

“レ―坊はずるいヨ”

 

普段は見せない、レンの子供っぽい笑顔。アルゴはそんなレンを見て、顔をそむけた。

 

***

 

夕日が赤く、オレンジ色に空が染まった頃、レンとアルゴはベンチで休んでいた。

 

「はあ、つかれた」

「にゃハハ、レ―坊はだらしないなぁァ」

「ハハハ、言ってくれるな」

 

レンは笑いながら、すっかり変わった空景色を眺めた。そんなレンにつられて、アルゴもふわりと笑った。

 

「ねえ、レン」

「どうしたんだよ、いきなり」

 

尋ねたアルゴは、いつもの特徴的な口調ではなく、とても透き通った綺麗な声だった。

 

「今日のデートのおかえし、受け取ってくれない?」

「?……別にいいけど」

「じゃあ、目をつぶって?」

「はい?」

「いいからいいから」

 

せかすアルゴに、レンは渋々ながらも目を閉じた。

 

よし、がんばれ、私。

 

そんなアルゴのつぶやき声が聞こえる。レンがそう思った瞬間

 

「へ?」

 

レンの頬に、なにか暖かくて柔らかい何かがあたった。

 

「これが、オレっちからのプレゼントだョ!」

 

レンが目を開けると、いつものアルゴがコケティッシュに笑いながら立っていた。

 

「じゃあナ、レ―坊!」

 

若干赤い顔のまま、アルゴは立ち去ってしまった。

 

「へ?え?」

 

残されたレンは、訳が分からずに、しばらく頬をさすっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商売繁盛しますようニ!あとは……

 

 

あとは、大好きなレンのそばにずっといられますように。

 

それは、一人の少女の、小さな小さな願い。




レ「後書き〜って、アレ?みんなどったの??」

カ&夢「「甘い!甘すぎる!!」」

カ「こんなんやってられっか!マスター!コーヒーブラックもう一杯!!」

夢「本当だよな。あ、俺にもお願いします」

レナ「流石にこれはないわ〜」

レ「???今どんな状況なんだ???」

カ「(ドンドンドンッ!!!)」(←壁をぶっ叩く音

夢「(ガンガンガンガンッ!!)」(←机を叩く音

レナ「一回自分で頭殴って見たら?」

レ「ヒデえ」

カ&夢「「リア充爆散しろ!!」」

レ「と、とりあえず読んでくれてありがとな。感想とかあったら遠慮なく送ってくれよな!!」




カ&夢「「ブラックが何故あめーんだよ!!」」
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